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2006年08月10日

セレキノンとタリオン

先日某卸に注文を出しました。商品は「セレキノン錠」。ちなみに当薬局では主に「PSつとむくん」を使用してオンライン発注をしています。

オンラインなので起伝は自動でしょうか。卸内での伝票や商品の動きまではよく分からないので何とも言えないのですが。


実際に納入された商品は「タリオン錠10」でした。


「何とも不可思議な間違いをするな」と思って両方の製品を取り出してみたところ、分かりました。パッケージが似ているんですね。

200608101.JPG 200608102.JPG

製薬会社によってパッケージはある程度統一感がありますが、それが原因でしょう。両方とも田辺製薬の製品なので、箱右上の色が違いますが確かに似ています。大きさも比べてみましたが、同じですね(写真参照)。

しかし薬剤師であればまずしないであろうこの間違い、なぜ起こってしまったのか。恐らく思考ルーチンの違いにあるのではないかと思われます。

端的に言えば「セレキノン」という名前を聞いて、消化管運動調律剤という「薬効」から検索するのか、パッケージという「外観」からなのか、という違いです。

お断りしておきますが、卸や担当MSを責めるつもりは毛頭なく、あくまで事象として検証していくことが目的ですので。誤解なきよう。

話を戻して、再発防止策をちょっと考えてみます。

一つはパッケージの変更です。「外観」から検索に入るのであればこれが最も有効です。しかし数多ある医薬品ですので、自社品とは区別がついても他社品と類似なんてことはしばしば。限界がありそうです。

それから、ピッキングにバーコードを用いる。これはもう取り入れているところもあると聞きますが。伝票と商品をチェックすることでほぼ間違いがなくせるのではないかと思います。

あとは棚割り。五十音順ではなく薬効順にする。少なくとも今回のように薬効が全く違うものを取り違える可能性は低くなります。

いかがでしょうか>各卸様


ちなみに薬局におけるピッキングは調剤行為であるため、薬剤師しかできません。



…と断言もできないようです。何かをすれば何かが変わる様の記事「調剤補助とテクニシャン導入」を拝見しますとそんなことが書かれています。

薬学部6年制が導入されれば、調剤補助・テクニシャンといった話が出てくるのはそう遠いことではないと思われていましたが、その布石でしょうか。

しかしそれならそれで、きちんと制度として確立された上で行われるのが筋というものです。現状行われている薬剤師でない者によるピッキング、あるいはそれ以上の行為が認められるものではありません。

先述の「卸の誤納品」と同じリスクを抱えたまま実態を認めることだけを先行させることは、何としても避けたいものです。
17:40 | Comment(4) | ウラ

この記事へのコメント
「ピッキング行為」って言葉をはじめて聞いたのは数年前、関東の薬局で働いていた人からでした。私が勤めていた某県では全然使われてない言葉でしたヨ。
以前は薬剤師が一人もいなくて平然と白衣を着た事務員が処方せんを受け取り、薬を取り出し患者さんに薬を交付するなど不届き千万な薬局もあったので(もちろん業務停止になりました)薬剤師がいて最終的に確認するんだったら事務員が薬を揃えるくらいいいんじゃないのって思っている監視員も少なくないはずです(私もその一人)

現在の解釈としては薬剤師以外の者が薬に一切触ることはダメと言うわけではありません。
仮に事務員が薬を処方せんのとおりに薬棚から薬を取り出たとしても、処方せん内容のチェック、取り出された薬のチェックを薬剤師が行うのであれば無資格者が薬を取り出したという行為だけをもって薬剤師法違反に問うのは難しいと思います。
あと、薬の交付に関しては仮に前回通りの処方内容だったとしても薬剤師だけが行う行為だと思います。(これに配達が入ると少しややこしくなりますが)
いずれにしても、そこ調剤過誤が発生した場合は監査した薬剤師や投薬した薬剤師が全責任を負うことになるでしょう。

薬剤師のいない診療所では「医師の監督の下」という言葉で調剤どころかいろんな行為が認められています。(看護師にさせるのならましな方ではないでしょうか)
あと、病院では「調剤助手」と言われる職員がいます。(国立大学病院や国立病院も例外ではありません)

薬局(薬事法に基づき開設許可を得た施設のこと)における無資格者による調剤行為に目くじら立てていたら医療法に基づく施設(病院・診療所)へ波及するため、厚生労働省は明確な解釈を示さないのです。(示すことが出来ないのです)

だらだら書き込んでしまいました。
上手に説明できてないし・・・
Posted by 元薬事監視員の独り言 at 2006年08月11日 19:23
>元薬事監視員の独り言様
院内投薬をすべて否定するつもりはありません。が、開業医等では名ばかりの「医師の監督下」で調剤を行っているところもありますよね。

薬局の無資格はダメで院内ならいいのかということも時々見聞きします。確かにおかしな話です。

お薬を棚から出して揃えるということは、その行為を外から見て判断すれば誰がしても同じ作業かもしれません。しかし過程における思考ルーチンは大きく異なっていると思うのですがいかがでしょうか。

記事の繰り返しになりますが、いずれにしても現状を認めるのではなく、きちんと整備をしていくべき課題であると考えています。
Posted by くま☆ at 2006年08月11日 19:41
「ピッキング行為」は、調剤行為か否か・・・・
元薬事監視員の独り言さんの書き込みを読んでやはりこれも行政単位で考え方が違うようだと感じました。

ちなみに「医師の監督下」で調剤も年に1件位ずつ摘発されますよねっ。まるで見せしめのように感じていました。

厳しい結果が出たのは、5年以上前の岡山の開業医さんが最初だった気がしますが、事務長さんが薬事法違反で有罪になった記憶が・・・違いましたっけ?

薬剤師不在で摘発されたのは茨城だったでしょうか?業務停止になりましたよねっ。

他に病院と調剤薬局が繋がっているというのでも(本当は深い)問題となり、管理薬剤師が業務停止(保険薬剤師の資格取消だったかしら?)になったこともありました。

実際には現場に存在しない(大きな病院は覗いて)調剤助手の専門学校というものも存在しますよねっ。卒業してその職種に就けている人ってどれぐらいいるのでしょう?

私の個人的な意見としては、監査・投薬さえしっかりしていればピッキング自体は薬剤師でなくても良いとは思います。

でも、とある県では、調剤薬局の一連の流れに薬剤師以外が係わることを不可と指導されたところもあったと耳にしました。事務さんの仕事は、待合室での対応とか何だそうです。うわさ話なので、何かが誇張され、おかしく伝わっているのかもしれませんが・・・

私も頭の中の意見が上手くまとまりません。

そういえば、医薬品医療機器評価機構から前年度の旧国立病院でのヒアリハット事例が公開されまたよねっ。薬剤師の原因は、思い込みによる物がかなりの率のようです。
処方せんの名前を見て、例えば血圧の薬と思うと一番多く出るものをピッキングしてしまう。風邪薬が何種類か出ていて、集めているうちに割と多いパターンの薬剤をピッキングしてしまう。情報公開されているようなので参考までに見てみては如何でしょう。

Posted by はまなす at 2006年08月12日 07:01
>はまなす様
薬学部6年制が始まって、そういった解釈や実態にも変化が現れてきそうですね。6年制薬剤師が出てくる頃に合わせて、ある程度の方向付けがなされるのでしょうか。

ヒヤリハットの事例、見てみます。
Posted by くま☆ at 2006年08月12日 17:55
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薬局におけるピッキングの是非
Excerpt: セレキノンとタリオン (薬局のオモテとウラさま)からのtb。 タイトルからはピッキングで鍵開けられたみたいな感じがしますが、違います。 「ピッキング」というのは、薬
Weblog: ふとももおれたー
Tracked: 2006-08-10 20:17

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法律と安全
Excerpt: 久しぶりに薬局のはなし。
Weblog: 形にならない有象無象(改)
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