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2015年01月04日
[review]マトリガール
薬学部を卒業後、麻薬取締官として働く女性を主人公とした「マトリガール」を読んでみました。ややネタバレありですので、ご注意ください。
タイトルにある「マトリガール」の「マトリ」は、言わずと知れた麻薬取締官のことです。最初、タイトルだけ聞くと「?」と思いましたが、女性のマトリを意味することを知ると「なるほど!」となりますね。
場面は主人公である津森美月が、首筋にナイフを当てられているところから始まります。本の帯にも書かれているのですが、この薬物中毒の男に襲われた経験から、主人公は麻薬取締官を志すことになります。
美月がマトリを志すに至る経緯と並行して、もう1人、本橋杏子という登場人物が出てきます。ごく平凡なこの女性が、実は薬物中毒に陥っていくのですが、最初は全く別々ストーリーで関係がなさそうなのですが、だんだんとシンクロしてきます。
読み進めてゆく段階ではなかなかそれが分からなくて、「もしかしてこんなつながりがあるのかも?」想像しながら読むのも、クライムノベルの醍醐味ですね。
全5章構成なのですが、章が変わる際にちょっとした仕掛けがあり、それがまた斬新です。「あれっ?」と思って、思わずページを戻ってしまったのですが、その仕掛けに関しては伏せておきますので、ぜひ読んでみてください。
私はもちろんマトリの仕事内容などは知らないのですが、かなり詳細に書かれていて感心することもしきり。登場する人の心情の描写などもリアルで思わず感情移入してしまいます。
現代の物語らしく、物語中にフェイスブックやスマホも登場し、それが事件解決への糸口の一つにもなります。とても親近感を持って読むことができますね。
なんとなく、ですが、続編がありそうなエンディングです。個人的にはシリーズ化も期待したい1冊でした。
▽ マトリガール (ポプラ文庫)

10:26
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