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2006年08月11日
[後発医薬品]数字と現場とのギャップ
診療報酬改定の勝ち組は後発品メーカー(2006/8/10 日経メディカル)
今年4月の診療報酬改定で医科は軒並みダウンの中(もちろん調剤もでしょうが)、後発医薬品メーカーは処方せん様式の変更によって大幅に売り上げを伸ばしています。
そんなことからこの記事では「勝ち組は後発メーカー」とも書かれています。記事中、後発医薬品メーカーの様子を拾ってみますと、
沢井製薬
売上高:86億4700万円(前年同期比44.9%増)
東和薬品
売上高:62億8600万円(14.8%の伸び)
日医工
売上高:140億円へと上方修正(当初124億円と予想)
と「一見」いい事ずくめに見えます。果たしてそうでしょうか。
これらの数字だけを見て現場を推測すると「ものすごい勢いで後発医薬品への変更が行われている」と考えられそうですが、実際に処方せんを受けていますとそこまでのものは感じられません。
もちろん、「変更可」の処方せんは増えましたし、実際に変更も行われています。2002年に後発医薬品を処方・調剤した際の加算(2点)が設定された時の状況と比べれば大きな動きに違いありません。
しかし飛ぶ鳥を落とす勢いのメーカーとのギャップが感じられるのはなぜでしょうか。
一番の理由は、流通在庫が増えたことだと考えられます。実際に患者さんの薬に変更がなくても、卸や薬局などが後発品処方に備えて備蓄をする。1薬局1品目だとしても、全国規模であれば膨大な数になります。
もちろん、多くの後発医薬品メーカーの経営陣はそれらのことに気がついているでしょうから、手放しで喜んでいることはないと思います。現状分析や今後の対策も考えているでしょう。
しかし大きな流れを考えると、ある一定の割合まで後発医薬品へのシフトは確実に起こっていくでしょう。それが「どこまでなのか」ということは物差しによって大きく違うでしょうが。
今年4月の診療報酬改定で医科は軒並みダウンの中(もちろん調剤もでしょうが)、後発医薬品メーカーは処方せん様式の変更によって大幅に売り上げを伸ばしています。
そんなことからこの記事では「勝ち組は後発メーカー」とも書かれています。記事中、後発医薬品メーカーの様子を拾ってみますと、
沢井製薬
売上高:86億4700万円(前年同期比44.9%増)
東和薬品
売上高:62億8600万円(14.8%の伸び)
日医工
売上高:140億円へと上方修正(当初124億円と予想)
と「一見」いい事ずくめに見えます。果たしてそうでしょうか。
これらの数字だけを見て現場を推測すると「ものすごい勢いで後発医薬品への変更が行われている」と考えられそうですが、実際に処方せんを受けていますとそこまでのものは感じられません。
もちろん、「変更可」の処方せんは増えましたし、実際に変更も行われています。2002年に後発医薬品を処方・調剤した際の加算(2点)が設定された時の状況と比べれば大きな動きに違いありません。
しかし飛ぶ鳥を落とす勢いのメーカーとのギャップが感じられるのはなぜでしょうか。
一番の理由は、流通在庫が増えたことだと考えられます。実際に患者さんの薬に変更がなくても、卸や薬局などが後発品処方に備えて備蓄をする。1薬局1品目だとしても、全国規模であれば膨大な数になります。
もちろん、多くの後発医薬品メーカーの経営陣はそれらのことに気がついているでしょうから、手放しで喜んでいることはないと思います。現状分析や今後の対策も考えているでしょう。
しかし大きな流れを考えると、ある一定の割合まで後発医薬品へのシフトは確実に起こっていくでしょう。それが「どこまでなのか」ということは物差しによって大きく違うでしょうが。
18:49
| Comment(10)
| 後発医薬品・銘柄変更可調剤
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もっと言うと、改定で薬価が下がったわけですのでそれ以上に下がってるわけですか・・・・
新薬開発費用はどれほどか分かりませんが、少なくとも医療の質を下げる可能性を持った施策であったことは間違いないですね
医療といえど、市場で動くお金が安くなると言うことは、技術開発の衰退化に繋がりますし・・・・・勿論、重病の方の医療費が見直されるのはいいのですが、某総理の改革ありきな施策と言うのが相変わらず、気に食わないですw
今は出なくなったものを返品している最中です。
そういう薬局も多いのでは。
後発品にしたけど、効き目が悪いと感じたり
味、尿の色が違うといった意見も聞いたので
今後、後発品メーカーの対応しだいでは、
後発メーカー間の格差もでてくるのでしょうか。
増やしている企業があるということは、割を食っているところも当然あるわけですね。この場合、先発メーカーになるのでしょうが。
いろいろな影響が出てくるのはむしろこれからかもしれませんね、いい部分も、悪い部分も。
>キョウコ様
うちも不動在庫になったものがあり、今月末を目途に返品予定です。これらの企業の後期の様子も追ってみたいところです。
後発メーカー間の競争は激しくなる一方でしょうから、格差も如実にあらわれてきますよね、きっと。
後発品を揃えてみたものの不動在庫だから返品!
その返品はその後どうなるのでしょう….
引き取るメーカーは多くなく,他の薬局や医療機関に行き先を求めますが,卸の不動在庫となるものも多々….
行き場を失った医薬品の損失額の問題もありますが,行ったり来たりした医薬品の安全性ってどうなんでしょう?
稀にではありますが,開封されたり数錠不足した状態で返品されそうになる場合もあるのです.
医薬品の性質を考えれば,「とりあえず在庫,使わないから返品」は安易に過ぎると思います.
返品返品って、うちの薬剤師も含めて簡単に言いすぎ。
メーカーが返品を受け付けるなんてことは極めて稀なケースですよね。
患者に渡した薬の返品を受け付けるかどうかの判断を迫られたときのことを考えれば、理由は容易に想像できますよね。
保存状況・状態など、一度自分たちの手を離れてしまったものですからね。
そのようなものを、別の人間に渡して、なにか問題が起きたとき、責任なんてとれないわけですよね。
だから、在庫というものはもっとシビアに考えないといけないと思う。
返品したものは問屋で止まるわけだし。
逆に考えれば、過酷な環境にあった在庫が問屋に返品され、それが自分の薬局に回ってきてる可能性だってあるわけですよ。
「薬局に薬があるのはあたりまえ」なんていう考えはあらためませんか、と言いたいです。
>さつき様
コメントありがとうございます。
返品は卸・薬局双方にとって確かに大きな問題ですね。
しかし好んで返品をする薬局はほとんどないと思います。一部管理がずさんであったりするケースもあるでしょうが。
当薬局でも後発品への変更の意向をお伺いし、在庫・返品とも必要最小限で済むよう努力しています。今回は後発メーカー提案の先納・消化払い制度に甘えさせていただいたわけですが…。
「医薬品安定供給」の名の下、薬局はどんな薬でも常に置いてなければならないとされますが、さつき様が仰るように考えを改めていく必要がありそうですね。
新発売品お願いしますと置いていくのも
問屋ですが お互い様ということですか。。
そうでしたね(苦笑。新製品発売時と、月末などにもそういったことが見受けられますね。
言った言わないという低次元でもめていた気がします。結局、返品受けたみたいだけど・・・
新発売時と月末の押し込み。
新発売時、卸さんには1軒いくらという報奨金みたいなのがついたりしていて、その入金がだいたい3ヶ月後だから3ヶ月間は返品受け付けないとか無理言い出します。
病院時代は毎月未開封品を返品し、翌月1日に丸々納入して貰うと言うことをしていました。(私は薬局長と主任に指示されるまま、ダンボールに卸ごと分けて返品する物を詰めるだけでしたが・・・)
調剤に勤めてからも卸さんが親会社のチェーンだったせいか、納入・返品ともあまり苦労することなく過ごしてきましたが、今パートに出ているところは結構返品断られていて、目が点。
冷所品なんて、例え、卸さんの入力ミス(今時FAX&TEL発注なので)であっても、検品時に気がつかずに受けてしまうと不可って。もうびっくり。
グループじゃないから、他にまわすことも出来ず、今までとっても恵まれていたことを感じます。
ちなみに私は薬品倉庫のある支店で働いていたことがあり、物流全般を管理していたこともありますが、返品は高額じゃなければ問題ありませんでした。期限切迫や期限切れは稟議書必要だったので面倒でしたが・・・
やはりメーカーにもよりますよねっ。
こんなことを書いては怒られるかもしれませんが…。
返品などって「基本的にダメ」と言っていても結構アバウトなところもあるような気がします。
担当者のやり方だったり力関係だったり…。
いずれにしても、お互いあっての取引ですので-もちろん最終的には患者さんのためなのですが-、相互理解が大切ですよね。