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2015年01月08日

介護報酬、調剤報酬を一般企業の利益率を元に決めようとするのはおかしいでしょ

2015年度の介護報酬改定を前に、その改定率がどのくらいになるのか、状況が大詰めを迎えているようです。

介護報酬引下げ巡る調整 きょうにも大臣会談 NHKニュース

どうやら引き下げの路線は確定の様相なのですが、どのくらい引き下げるのかという部分で、財務省と厚生労働省がやりあっているようです。

財務省側は当初、最大4%程度の引き下げを主張していたのが、2%代後半でも認めるとの譲歩、一方の厚生労働省は2%未満になるよう反論しているとのことで、まだまだ見えてこないのでしょうかね。場合によっては、大臣折衝の可能性もあるとのこと。

上記リンク先にあります財務省の主張の中で、

介護サービスの事業者の平均の収益率が8%にのぼり、一般の中小企業の2%から3%程度という水準を大幅に上回っている


ということを根拠に引き下げを主張している部分、個人的には違和感を覚えます。

介護のサービスにおける利益率というのは、一般企業のそれと単純に比較してよいものなのでしょうか。公的なサービスとして行っているのですから、一概にそこは言えないのでは、と思うのです。

話は少し変わりますが、調剤報酬改定の際に薬局の利益率を見る際も、一般の小売業の利益率と比較することがありますが、それもやはりちょっと違うのではないかと。

一般の企業は、利益にならない部分はどんどんカットしていきます。そして利益を上げるためならば、いろんな手段を用いてその最大化を図ります(もちろんそれは経営的には正しい判断です)。

しかし介護サービスや保険薬局はどうでしょうか。一般の企業だったら切り捨ててしまう部分(つまりは不採算の部門)であっても、「私たちは公的なサービスを提供しているんだ」という使命感の下、それらを遂行しているのではないでしょうか。

場合によっては利益を度外視してでも、目の前にいる利用者、患者さんのために身を粉にして働いているのではないでしょうか。

もちろん、財源の確保、今後増えてゆくであろう費用等を考慮し、抑えるべきところは抑えていかなければなりませんが、そうした事情の違いを考慮せず、一概に比較してしまうことは極めて乱暴だと思うのです。

介護報酬の改定も気になりますが、診療・調剤報酬改定に向けた動きも今後活発化してくるでしょう。引き続き、情報を追いたいと思います。

これならわかる<スッキリ図解>介護保険 2015年速報版

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この記事へのコメント
不採算の部門を切り捨てられないのならば、一般の企業より利益率は低いものになるのではないでしょうか?
Posted by TE at 2015年01月14日 13:25
そうだよね
Posted by ぱんだ at 2015年01月15日 10:49
>お二方
コメントありがとうございます。
一般の企業より利益率が低くなるとのご指摘ですが、仮にそうなったら、一般企業並みに報酬引き上げとなるのでしょうかね。個人的にはあまり想像できるシナリオではないと思いますが…。

そもそも前提として、一般企業(いや、一般企業というくくりそのものもですが)の平均的な利益率と、介護施設や薬局のそれを、単純に数字のみで比較していいものなのかという前提すら怪しいですから、利益率の高低を論ずること自体、ナンセンスなのかもしれませんね。
Posted by くま☆ at 2015年01月15日 20:08
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