
新着記事
03/31
03/12
01/27
01/17
01/08
12/17
11/27
2006年10月14日
後発品への変更が減っている
ネット上にソースがなかったのですが、上田薬剤師会が調査をしたということです。本当に数字だけご紹介すると
ということです。
この背景には何があるのでしょうか。後発医薬品・後発品メーカーへの不信感や変更した際の値段が思ったほどに安くならない、といった理由ももちろんあるのでしょう。しかしそれだけでしょうか。
昨晩、上田で開局している方と一緒になりそんな話題が出ていたところ、思わぬ言葉が出てきました。
「後発品への変更可」という処方せんが減っている
というのです。
これは、医師が「後発医薬品への変更可」欄にサインをするのではなく、処方せんに後発医薬品の銘柄を記入するようになったことが大きな原因ではないか、ということでした。
その背景には、いわゆる中小の後発医薬品メーカーが医師に売り込みを掛け、「先発品記入+変更可サイン」方式ではなく「特定の後発品銘柄記入+変更可サインなし」を推し進めているということがあるようです。
大手の後発医薬品メーカーにしてみれば、流通もそれなりに確保されているため「変更可」にサインがあれば使用されるチャンスはありますが、中小メーカーは「変更可」の恩恵を受ける機会が限られてきます。
そのため医師に直接働きかけをして自社製品の使用の機会をひろげよう、という意図があるのでしょうか。変更可サインがなければ、別の後発医薬品で調剤することは不可能ですし。
処方せん様式変更が産んだ、別の形での後発医薬品使用促進とも言えます。
処方する医師側にしてみれば「国が言うように後発医薬品を使っているのだからいいでしょう?」という話になりますよね。変更可欄への署名も後発品銘柄処方も、手間が大きく変わるわけではありません。
一方の処方せんを受ける薬局側はかなり大変です。その方も言っていましたが、医師によって使用する後発品が違うため、例えば「フルナーゼの後発品でも5種類以上」置かなくてはならないようです。
後発品使用促進が言われる中、一つの先発品に対して複数の後発品が存在する現実を考えると、同一成分の後発品複数銘柄を薬局に置くということは、ある程度想定されていると思います。
しかしそれが顕著に進むとどうなるでしょうか。「薬局が苦しいから、変更可にサインで行きましょうよ」と言いたい気持ちもあるのですが、それは置いておいて別の視点から。
そもそも4月にあった処方せん様式の変更、「選択型処方せん」とも言われるように、患者さん自身が先発品か後発品かを選べるようにすることが大きな意義の一つなわけです。
そのことを考えると「後発医薬品の銘柄記入」は、患者さんの最大のメリットである医薬品選択の機会を奪うことに繋がってしまいます。別の言い方をすれば、患者さんの医療への参加を後退させる事にもなります。
言うなれば参加型の「医療2.0」から受動型の「医療1.0」へ逆戻りしてしまう可能性も含んでます。それはあまり好ましいこととは思えません。
後発医薬品使用促進も国は財政的な面から推し進めていますが「医療2.0」へのきっかけの一つと考えれば、尻込みすることなく取り組んでいくべき課題の一つと言えます。
正論でまとめてしまいましたが、やはり同一成分の後発医薬品を5つも6つも置くと言うのは、薬局にとっては厳しいと言う現実はもちろんあるんですけどね…。
処方せん様式変更直後に33%だった後発品希望率が、半年後には22%まで下がった
ということです。
この背景には何があるのでしょうか。後発医薬品・後発品メーカーへの不信感や変更した際の値段が思ったほどに安くならない、といった理由ももちろんあるのでしょう。しかしそれだけでしょうか。
昨晩、上田で開局している方と一緒になりそんな話題が出ていたところ、思わぬ言葉が出てきました。
「後発品への変更可」という処方せんが減っている
というのです。
これは、医師が「後発医薬品への変更可」欄にサインをするのではなく、処方せんに後発医薬品の銘柄を記入するようになったことが大きな原因ではないか、ということでした。
その背景には、いわゆる中小の後発医薬品メーカーが医師に売り込みを掛け、「先発品記入+変更可サイン」方式ではなく「特定の後発品銘柄記入+変更可サインなし」を推し進めているということがあるようです。
大手の後発医薬品メーカーにしてみれば、流通もそれなりに確保されているため「変更可」にサインがあれば使用されるチャンスはありますが、中小メーカーは「変更可」の恩恵を受ける機会が限られてきます。
そのため医師に直接働きかけをして自社製品の使用の機会をひろげよう、という意図があるのでしょうか。変更可サインがなければ、別の後発医薬品で調剤することは不可能ですし。
処方せん様式変更が産んだ、別の形での後発医薬品使用促進とも言えます。
処方する医師側にしてみれば「国が言うように後発医薬品を使っているのだからいいでしょう?」という話になりますよね。変更可欄への署名も後発品銘柄処方も、手間が大きく変わるわけではありません。
一方の処方せんを受ける薬局側はかなり大変です。その方も言っていましたが、医師によって使用する後発品が違うため、例えば「フルナーゼの後発品でも5種類以上」置かなくてはならないようです。
後発品使用促進が言われる中、一つの先発品に対して複数の後発品が存在する現実を考えると、同一成分の後発品複数銘柄を薬局に置くということは、ある程度想定されていると思います。
しかしそれが顕著に進むとどうなるでしょうか。「薬局が苦しいから、変更可にサインで行きましょうよ」と言いたい気持ちもあるのですが、それは置いておいて別の視点から。
そもそも4月にあった処方せん様式の変更、「選択型処方せん」とも言われるように、患者さん自身が先発品か後発品かを選べるようにすることが大きな意義の一つなわけです。
そのことを考えると「後発医薬品の銘柄記入」は、患者さんの最大のメリットである医薬品選択の機会を奪うことに繋がってしまいます。別の言い方をすれば、患者さんの医療への参加を後退させる事にもなります。
言うなれば参加型の「医療2.0」から受動型の「医療1.0」へ逆戻りしてしまう可能性も含んでます。それはあまり好ましいこととは思えません。
後発医薬品使用促進も国は財政的な面から推し進めていますが「医療2.0」へのきっかけの一つと考えれば、尻込みすることなく取り組んでいくべき課題の一つと言えます。
正論でまとめてしまいましたが、やはり同一成分の後発医薬品を5つも6つも置くと言うのは、薬局にとっては厳しいと言う現実はもちろんあるんですけどね…。
16:25
| Comment(12)
| 後発医薬品・銘柄変更可調剤
この記事へのトラックバックURL(承認後の表示となります)
http://blog.sakura.ne.jp/tb/1455954
http://blog.sakura.ne.jp/tb/1455954
薬局が同じ薬の(はずである)後発品をいくつもそろえることこそ、「無駄」だと思うんですよねぇ。不良在庫抱える可能性も高いでしょうし。
ただ、処方する側からすると患者さんが毎回同じ院外薬局いく訳ではないわけで、行く薬局が変わるたびに違う名前の薬が出されるのも混乱を生みそうです。
薬の手帳を、見せてもらいAという薬、Bという薬、Cという薬、みんな名前は違うけど中身は同じなんですよ〜といっても・・・ 患者さんも混乱しそう・・。
自分はやっぱり現場を何も考えずに目先の「%の削減」だけで踏み切るお上にこそ問題があると思うんですよねぇ。
テストカーで行動走るようなものです。
まぁ、反省するわけでもなく次の削減方法を練ってるんでしょうけど。
そう思います>後発医薬品の名称統一
ドクターによってはその後発医薬品にメリットがあるから使うというケースももちろんあるでしょうから、後発医薬品の銘柄指定そのものが悪いわけでありません。
複数ある後発医薬品について、患者さんへのアナウンスも必要なことでしょう。名前が違えば薬局でも混乱することがあることを考えると、患者さんは尚更です。
先日、福井の学術大会に行ってきました。その中の発表では、「『後発品への変更可』という処方せんが減っている」のは、当初後発品のない処方せんにも押印があったり、混乱があったからじゃないか、という話もありました。ちょっとお粗末な話なので、これだけが原因じゃないと思いますが。
一応確認させていただきたいですが、
>そのため医師に直接働きかけをして自社製品の使用の機会をひろげよう、という意図があるのでしょうか。変更可サインがなければ、別の後発医薬品で調剤することは不可能ですし。
変更可サインがあっても、後発から後発への変更は×ですよね?
すみません、6月くらいの薬剤師会雑誌のQ&Aでは『不可』だった記憶なのですか、「保険調剤Q&A」では『可』という認識になったのですね。すいません、ごちゃごちゃ書いて。
いろいろ認識変えるなよーヽ(`Д´)ノウァァン
医師に全てを委ねて、副作用の責任など無いほうが気楽で、良いですか?
副作用がでても、薬を変更できない患者は、どうしましょうか?病院を変えれば済むのは、都会だけ。品質の悪い後発品でも、医師の指示どおりのほうが、薬局としては便利ですか?
一般名処方が法制化されるべきだと考えています。若い薬剤師の皆さんは、遅いほうが嬉しいですか?早くなるために、皆さんがするべきことは何だと思いますか?
日本国内の後発品の品質を上昇させるためには、どんな行動が効果的ですか?
ちなみに薬剤師会で地元の病院に働きかけて、とてもマイナーな後発品に決めさせた所もあるのです。裏の話。声の大きい役員には誰も逆らえません。少し離れた周辺地域の面分業薬局は困り果てています。
というのは大げさなのですが、薬局から頂く説明書には一般名が書いていないために当初は混乱するのではないかということです。これはしかたがないかもしれません。お薬手帳のシールも然りになりますが。
転居のためにやむを得ず通院先を変えたときに薬名が変わる事があります。同じ成分なので変わらないから心配しないでといわれます。一般名処方のメリットとなるかもしれません。先発品同士なのでこの話題とはちょっとはずれますが。
そうですね、「変更可」処方せんが減っている原因はひとつの理由だけではないですよね。これについては様々な角度から検討・分析が必要だと思います。
後発品→別の後発品への変更について疑義解釈資料で示されています。
疑義解釈資料の送付について(その3)
http://blog.kumagaip.jp/article/549281.html
「患者の求めがあった場合など」との条件がついていますね。
>さつき様
一説には「薬局の在庫に配慮して」との話もあります。しかし基本的には患者さんにメリットとなるような形が望ましいのでしょうね。
>よのなか3様
一般名処方、日本では進むでしょうかね。現状から考えますと、とても遠く感じます。
今回は「後発医薬品への変更可」でしたが、それが「同種同効薬への変更可」、更には「変更不可でなければ代替可」という形で進んでいくのもあるのかな、と思っています。
>さんまん様
海外のとある国では一般名処方が広く行われているといわれていますが、日本ではなかなか浸透していないのが現状です。製品名で薬を呼ぶことが一般的なため、医療関係者でも戸惑うケースは少なくないと思います。
長くなりましたので別コメントにしました。
後発医薬品を選ぶ「権限」というと少し語弊がありますが、医師が医薬品の銘柄決定までしなくとも、様々な患者さんの状況に応じ、薬剤師が的確に選択できることは必要だと考えます。
ただやはりそれには責任も伴います。また医薬品を見極める力や患者さんの状態を的確に判断するための能力も必要となってきます。
一般名処方、とても望まれますが、先に述べましたように日本では難しい気もします。「銘柄変更可代替調剤」の方式に移行していくような動きもあります。
後発医薬品使用促進を国が言っても恐らく限界があるでしょう。かなりの無理を強いての方法ですから。そうではなくて、医療の現場から「後発医薬品を使っていこう」という形に持っていけるのが理想ではないでしょうか。
そのための方法論というのは、簡単には出てこないかもしれませんが…。
コメントありがとうございます。分業が夢のまた夢であった時代からの先を急ぐ高齢者の意見を真摯に取り上げてくださって、嬉しく思います。薬学部6年制の成果が出る頃には、きっと一般名処方となるでしょうか。あるいは、もっと薬剤師の権限が向上し、薬害も減り、医師のレベルも高く、誰もが安心できる制度になるであろうと、期待したいと思います。
開業医の家の女中代わりの看護人から医学博士の看護師がいる世の中に変わりましたからね。医療ミスの責任を看護師個人が被ってでも、患者のための行動を続けてきたのが、看護婦達。看護婦に大学は不要だという医学界の反対は強烈だったのですよ。向上心のある若者が増えれば、きっと変わると思います。責任は自ら勝ち取らないと、与えられてばかりでは進みません。
仰るとおりです。主張をするからにはそれに伴った責任をきちんと果たしていくことが、後へつながっていくことですよね。
主張ばかりが強かったり、あるいは主張も弱くて責任も逃れたい、では正に薬剤師不要となってしまいます。
もっともっと勉強しなくてはと身が引き締まります。