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2008年07月06日
ノルバスク/アムロジンを後発医薬品へ変更する場合
7月といえば後発医薬品の追補収載の時期ですが、今年も4日(金)に薬価収載がありました。
【厚労省】後発品463品目を薬価収載−新規はアムロジピンなど18成分(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry7306.html
今回の目玉は何と言っても(一般名)アムロジピンベシル酸塩、ノルバスク/アムロジンの後発医薬品でしょう。薬価は新規収載時は[先発品薬価×0.7]で算出されますので、
ということになります。アムロジピン口腔内崩壊錠の後発医薬品は東和薬品1社のみから発売されています。『アムロジピンOD錠2.5mg/5mg「トーワ」』で薬価は普通錠の後発品と変わりありません。
他の品目については、厚生労働省のサイトをご覧ください。
厚生労働省:平成20年度新たに収載された診療報酬における後発医薬品
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/06/tp0620-1.html
さて、ノルバスク/アムロジンを後発医薬品に変更する場合に注意すべき点、いくつかありますが一つ挙げてみます。
薬事法で認められた投与方法を見ますと分1投与の製剤です。それからも分かりますように、消失半減期が非常に長くなっています。ノルバスク錠の添付文書より単回投与時のデータを抜き出してみます。
もちろん全ての後発医薬品は上市にあたり、先発品と生物学的に同等であることが必須条件とされていますので多くの場合問題はないと思われます。
が、仮に何かしらの体調変化が出てくる場合、それは非常にゆっくりとしたものであることが考えられます(もちろん即時性のものがないというわけではありません)。
ノルバスク/アムロジンを後発医薬品へ変更した場合は、変更後数日から数週程度のスパンでフォローしてゆく必要があるのではないでしょうか。
それから一部負担金の面から見てみます。1日薬価はそれぞれ
ですので、1日あたり3点違ってくる計算になります(1錠分1、単剤服用の場合)。2.5mg錠ですと同様の条件で1点/日ですね。併用薬がある場合はまた変わってきますので注意が必要です。
【厚労省】後発品463品目を薬価収載−新規はアムロジピンなど18成分(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry7306.html
今回の目玉は何と言っても(一般名)アムロジピンベシル酸塩、ノルバスク/アムロジンの後発医薬品でしょう。薬価は新規収載時は[先発品薬価×0.7]で算出されますので、
アムロジピン錠5mg 52.9円/錠
アムロジピン錠2.5mg 28.4円/錠
ということになります。アムロジピン口腔内崩壊錠の後発医薬品は東和薬品1社のみから発売されています。『アムロジピンOD錠2.5mg/5mg「トーワ」』で薬価は普通錠の後発品と変わりありません。
他の品目については、厚生労働省のサイトをご覧ください。
厚生労働省:平成20年度新たに収載された診療報酬における後発医薬品
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/06/tp0620-1.html
さて、ノルバスク/アムロジンを後発医薬品に変更する場合に注意すべき点、いくつかありますが一つ挙げてみます。
薬事法で認められた投与方法を見ますと分1投与の製剤です。それからも分かりますように、消失半減期が非常に長くなっています。ノルバスク錠の添付文書より単回投与時のデータを抜き出してみます。
T1/2(hr)
2.5mg=33.3±2.2
5mg=39.4±3.6
もちろん全ての後発医薬品は上市にあたり、先発品と生物学的に同等であることが必須条件とされていますので多くの場合問題はないと思われます。
が、仮に何かしらの体調変化が出てくる場合、それは非常にゆっくりとしたものであることが考えられます(もちろん即時性のものがないというわけではありません)。
ノルバスク/アムロジンを後発医薬品へ変更した場合は、変更後数日から数週程度のスパンでフォローしてゆく必要があるのではないでしょうか。
それから一部負担金の面から見てみます。1日薬価はそれぞれ
ノルバスク錠/アムロジン錠5mg 8点
(後)アムロジピン錠5mg 5点
ですので、1日あたり3点違ってくる計算になります(1錠分1、単剤服用の場合)。2.5mg錠ですと同様の条件で1点/日ですね。併用薬がある場合はまた変わってきますので注意が必要です。
23:07
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| 後発医薬品・銘柄変更可調剤
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ノルバスク/アムロジン 後発品でた
Excerpt: ファイザー、高血圧治療薬「アムロジピン」後発薬、34社発売へ 国内の医療用医薬品で最も販売額が大きい高血圧治療薬「アムロジピン(一般名)」の後発医薬品が4日、薬価収載された。後発薬34社が順次発売..
Weblog: another side of ”d-inf”
Tracked: 2008-07-07 22:26
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ノルバスク/アムロジン 後発品でた
Excerpt: ファイザー、高血圧治療薬「アムロジピン」後発薬、34社発売へ 国内の医療用医薬品で最も販売額が大きい高血圧治療薬「アムロジピン(一般名)」の後発医薬品が4日、薬価収載された。後発薬34社が順次発売..
Weblog: another side of ”d-inf”
Tracked: 2008-07-07 22:26
「仮に何かしらの体調変化が出てくる場合、それは非常にゆっくりとしたものであることが考えられます」とありますが、先発品からのジェネリックへの切り替えで、不具合が起こるとすれば添加物等による場合がほとんどと理解していました。添加物等の半減期がアムロジピンの30時間を越えるものはない気がしますが、先生のおっしゃる「ゆっくり」というのは、どのことを指すのでしょうか?添加物は厚労省で認められたものと聞いています。主成分の副産物でしょうか?主成分の副産物がそれほど問題になるとすると、これまでの私の考えを少し修正する必要がある気がします。教えていただけると幸いです<(_ _)>
何か不具合が生じるとすると、添加物等が原因の場合がほとんどだと考えていました。添加物は厚労省に認められているものと聞いていますし、アムロジピンのように30時間の半減期があるものは無い気がします。先生のおっしゃる長時間の影響を考える必要のある物質というのは、どのようなものを想定していますでしょうか?主成分の副産物などでしょうか?副産物の量や質がそれほどの問題になるようですと、これまでの自分の考え方を修正する必要がありそうです。教えていただけると幸いです<(_ _)>
以前こちらで話題になりましたが、前の薬局ではAという後発品だったが、この薬局ではBという後発品だった。さて何と説明するか。どういう理由で後発品を選択したかが今後薬剤師として重要になる気がします。
私は下記URLのデータを参考にしております。まだアムロジピンのデータはありませんが、かなり役に立っています。薬物の体内動態パラメーターが比較できますので後発品に切替の時、Drに見せたときも一発で納得してもらえました。参考までにどうぞ。
http://www.g-dat.com/
細かい話ですが、錠剤の形的にアムロジンタイプとノルバスクタイプの形がありますね。
特徴的なノルバスクの剤形を真似たものと、普通の錠剤のアムロジンの剤形を真似たものと。この辺りも選択理由に入れても良いかもしれませんね。
コメントありがとうございます。
血圧や狭心症の発作に対しては、薬以外に影響を与える要因が山ほどありますよね。
ですので効果判定等においては、1-2回の服用ではなく「ある程度のスパンで」というつもりもあり、記事のような表記になった次第です。
そう考えると半減期は…あまり関係ないですかね(苦笑。お気づきの点がございましたらご指摘ください。
>kense様
アムロジピンは成分そのものの半減期が長いということで、製剤的な工夫で長くなっているわけではないということですね。
>ThinkPad701c様
コメント、また有用な情報ありがとうございます。リンク先、じっくり拝見し参考にさせていただきます。
>かじ様
ノルバスクの特徴と言えば「分割錠」ですね。錠剤の色や形など、患者さんのコンプライアンスを左右する要因にもなるだけに、疎かにはできませんね。
ThinkPad701さんにお伺いします。ログインまではしていないのですが、G-DATの中ではCCVが重要な係数になると読み取れました。残念ながら、後発品とのパラメーター比較の際に、この係数の有用性や信頼性などに関する詳しい出典や説明がログイン前には見られませんでした。異なる試験の結果を単純に比というもので比較していいものなのか…海外でも認められている比較の方法なのでしょうか?「Drに見せたときも一発で納得してもらえました。」という根拠をもう少し説明いただけると幸いです。
有料なのか無料なのかも分かりません
G-DATを作られた先生の講演を拝聴しました。その時の話では現在、岐阜薬科大学大学院博士課程で後発医薬品をテーマの一つとして研究しているそうです。G-DATはその成果物だそうです。従って、考え方自体は統計学の初歩を使っているようですが、オリジナルだそうです。製剤の偏差を評価するために、各パラメーターをベクトルと想定し解析したとのことでした。後発医薬品を取り巻く社会情勢の変化が速く、publishする前に様々な知的財産権の設定が終わったので公開したとのことです。判断に必要な考え方はサイトに公開してありますので、第三者である私が言明することは控えたいと思います。
>kense
無料です。
これだけのものを無償で公開されている作者の先生に私はお礼を言いたいだけです。
宣伝と取られてしまうような書き方をして、作者の先生には申し訳なく感じております。
返答ありがとうございました(^O^)/ペーパーになるまで、いろいろ事情があるようですね。patent pendingと記述されている数式ですから、数学がほぼ素人の僕には分からない訳です。絶対値をとった「ベクトル」というのは分かるのですが、その数式をどうに解釈したらよいのか…どの程度の信憑性があるのか…楽をして何かヒントが伺えたらと思っていたのですが(~_~;)
「一発で納得」されるドクターはさすがですね。自分はまだまだ、勉強が足りないようです。
今後publishされると、ジャーナルに査読されて世の中に出てくると言うことですね。パテントが取得できれば、メーカーが式を使ってデータを公表するとパテント料が入ってくることになるのでしょうか。大学院生のテーマから発生したものが、良い方向へ進むことを願っています。
早速、ログインしてみました。薬剤選択を迷ったときは、参考にする場合もあるかもしれません。情報、ありがとうございました。
後発品について臨床試験の代わりにやる生物学的同等性試験は、同じ人に先発と後発を日を空けて飲んでもらい血中濃度を測ってます。人が同じということは、アムロジピンの消失のクリアランスが、先発の錠剤で飲んでも後発の錠剤で飲んでも同じということです。
どういうことかというと、同じ人で血中濃度を測ることによって、クリアランスが同じという前提を作るわけです。そうすれば、先発と後発の錠剤の作り方によってバイオアベイラビリティ(吸収速度と吸収量)に差がないといえるのか、差があるのかが、わかるのです。
現在の後発品の添付文書にはこのときの血中濃度データが先発のデータと後発のデータが書かれています。脇にn=##とあるのは同じ人なのです。
先発と後発を同時に飲むわけにはいかないから、日を空けます。日が違うと同じ人でもクリアランスに変動があるので、人の数を増やして統計学的に判定しているわけです。
先発の添付文書に書いてある消失半減期を計った人は、後発メーカーが測った人とはまったく別人の集団ですから、いくら平均で比べても違います。人によってクリアランスが違うからです。
後発品各社の生物学的同等性試験データを並べてみて、より先発に近い後発品を選びたいという薬剤師がおられます。
後発品の添付文書、生物学的同等性試験の項目に、こうあります『血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。』。各社ともこの記載は同じです。
被験者の選択が異なる試験で得られたデータを比べてみれば、被験者の選択、つまり被験者の集団、n=##が別人の集団なわけですから、平均値もバラツキ具合も違うはずなのです。
最もよく見る血中濃度の図は平均の図です。被験者ごとにばらした図を後発品企業が文献で発表しています。見ると、被験者によって血中濃度が全然違うことがわかります。同じ被験者で見ると、先発と後発は重なっているのです。
生物学的同等性基準範囲内の平均値の差や、選択した被験者の集団の中でのバラツキが、異なる選択による集団から得られた平均やバラツキと違うからといって、それは治療上の差となるのでしょうか。より近いということが見えるのでしょうか。見えているのは被験者のクリアランスの違いではないでしょうか。