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2008年09月04日
[下痢型過敏性腸症候群治療剤]イリボー錠

久々のDIですが、アステラス製薬より下痢型過敏性腸症候群治療剤イリボー錠2.5μg/5μg(ラモセトロン塩酸塩錠)が10月7日に発売予定ということです。
イリボー錠パンフレットには「発売準備中」の文字
特徴としては、
・国内初、セロトニン5-HT3受容体拮抗作用に基づく下痢型過敏性腸症候群(下痢型IBS)治療薬
・下痢、腹痛・腹部不快感など、男性の下痢型IBSに伴う諸症状に1日1回投与で優れた改善効果を示す
・ストレスによる脳腸相関の異常を改善
・長期にわたる男性の下痢型IBS治療が可能
などが挙げられています。ちなみにIBS(過敏性腸症候群)とはIrritable Bowel Syndromeの略で、イリボーの名前もここに由来するものと思われます。
イリボー錠添付文書
【効能・効果】欄には「男性における下痢型過敏性腸症候群」の記載があり、更に「女性における本剤の有効性は認められず副作用発現率が高いことから、本剤を女性に対して投与しないこと」と書かれています。
薬価は9月12日に収載予定ということで、2.5μg1錠86.3円、5μg1錠141.10円。コロネル錠500mg、ポリフル錠500mgを比較薬とした類似薬効比較方式(I)により、更に有用性加算(II)が付いています。
イリボー錠5μg製剤見本(表裏)
表示を見れば分かりますが「劇薬」です。
開封後は湿気を避けて保存
14錠ヒート、錠剤に「イリボー」の印字
イリボー錠ヒート裏面
5-HT3受容体拮抗作用としてはナゼアOD錠0.1mg、ナゼア注射液0.3mgがありますが、それらと同成分になります。
(関連リンク)
【厚労省】新薬11成分を12日付で薬価収載−3成分で原価計算方式(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry7836.html
内科開業医のお勉強日記:下痢型過敏性腸症候群治療薬:イリボー
http://intmed.exblog.jp/7313303/
23:50
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| 医薬品情報(医療用)
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抗がん剤の制吐剤として使われる量より少量で過敏性腸症候群に効果があるのは興味深いところです。
女性に投与できないのは、ただ単にnの数が少なくてプラセボとの有意差がでなかったようです。
海外では別の5-HT3拮抗剤で女性のみの適応しかないものがあるそうです。
情報ありがとうございます。
機序的な問題で女性に効果がないということではないようですね。
ボナロン錠やベネット錠などの骨粗鬆症治療剤は「男性患者での安全性及び有効性は確立していない」という注意書きがあるものでも、男性に投与されるケースもあります。
イリボー錠も医師の判断で用いられることになるのでしょうか(保険的にはNGということになりますが…)。
コメントありがとうございます。
用法や用量を変更することで、他の疾患に使用できる可能性もあるのでしょうかね。
奥が深いですね。