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2008年09月24日

抗インフルエンザ薬の個人備蓄は必要か

ここ数日インフルエンザの話題がチラホラ出ています。マスク備蓄推奨に関してはYAHOO!JAPANのトピックスにも掲載されたので、ご覧になった方も多いかと思います。

YAHOO!JAPANニュース:不織布マスク備蓄を―新型インフル対策
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080922-00000003-cbn-soci

新型インフルエンザ流行に備えて、使い捨てで再利用できない不織布マスクを家庭で備蓄することが推奨されています。枚数にすると20-25枚/人、4人家族でしたら100枚程度の備蓄ということになります。

では、備えはこれで完璧かというと当然そんなことはなく、個人として抗インフルエンザ薬を備蓄しようという動きも出ているようです。

国の備蓄も十分でないとも言われ、また先の見えない不安も手伝ってでしょうか。「自分のことは自分で守る」という考え方も十分理解できます。

医師の中にもそれに理解を示し、抗インフルエンザ薬の個人備蓄に対応しているところもあるようですね。もちろん健康保険は使えず自由診療(自費)となるはずです。

日経メディカルオンライン:「求められたら、抗インフルエンザ薬の個人備蓄に対応していきたい」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200809/507888.html

しかし医薬品の適正使用という面から考えますと、抗インフルエンザ薬の個人備蓄は、多くのリスクを伴うことを考慮せねばなりません。

医薬品の保管管理、どういったタイミングで服用するのか、副作用をはじめとする服用によるリスク、期限が切れた場合の対応等々、挙げればキリがありません。

また、抗インフルエンザ薬の濫用につながる可能性もあります。適切に使用されなければ耐性を持ったインフルエンザウイルスの発生・増加に繋がることは言わずもがな、です。

これから寒くなり、インフルエンザの流行する季節となります。「備えあれば憂いなし」であることは間違いないのですが…。
00:50 | Comment(2) | ウラ

この記事へのコメント
久しぶりにコメントさせて頂きます。
これは皆さんにも意識して考えてもらいたいので大げさに書きますが、、、
最大のリスクは個人での判断により服用した場合の日本入国時のウイルスへのマスキングではないかと考えています。
一番怖いのは致死率が100%にきわめて近いインフルエンザの流行です。
鳥インフルエンザでもタミフルによるマスキングが可能であるということです。
シュミレーション上では万単位での死者が予想されています
しかし我々薬剤師にできることは限られていてわかっていても処方箋に書かれていれば渡さざるおえません。
できることは患者自身の意識も高めることぐらいでしょうか…

夏場は冬場に比べ全然話題に上りませんが今回の提議に関しては常に考えなければなりません。
夏にインフルエンザが流行る県もあることですし。
Posted by uuu at 2008年09月26日 13:55
>uuu様
ありがとうございます。
「患者自身の意識を高めること」はもっとも必要とされることですよね。適正使用のための啓蒙活動も薬剤師の大きな仕事でしょう。
Posted by くま☆ at 2008年09月26日 23:47
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