新着記事
10/11
07/17
2008年11月13日
医師・薬剤師が先発品にこだわる医薬品
DIonlineで後発医薬品に対するアンケート結果が公表されています。閲覧には会員登録が必要かもしれません。
日経DI:医師・薬剤師が先発品にこだわる薬はこれだ!
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/200811/508487.html
2ページ目に考察があります。医師においては、後発品への変更を許可しない薬効群として抗癌剤の割合が最も多くなっています。
一方の薬剤師は、後発品への変更が可能にもかかわらず先発品を調剤している薬効群として抗精神病剤/抗うつ剤が最も多い割合を占めています。
また、厳密な血中濃度管理を必要とされるワルファリン製剤や、バルプロ酸などが下位に位置していることからか、以下のようにまとめられています。
個人的には、「レンドルミン錠(或いはハルシオン錠)をGEに変更したが元に戻してほしい」「デパス錠はGEに変えないでほしい」という患者さんからの要望を何例か経験しています。
だからと言ってこれらのGEに問題があるというわけではないでしょう。しかし変更の際には慎重さを要求されるケースも多いのではないかと感じています。
日経DI:医師・薬剤師が先発品にこだわる薬はこれだ!
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/200811/508487.html
2ページ目に考察があります。医師においては、後発品への変更を許可しない薬効群として抗癌剤の割合が最も多くなっています。
一方の薬剤師は、後発品への変更が可能にもかかわらず先発品を調剤している薬効群として抗精神病剤/抗うつ剤が最も多い割合を占めています。
医師が生命に直結する疾患を理由に、薬剤師は患者の精神面を理由に、先発品を処方・調剤している
また、厳密な血中濃度管理を必要とされるワルファリン製剤や、バルプロ酸などが下位に位置していることからか、以下のようにまとめられています。
薬剤に対する考え方は、薬剤の効果や患者の受け止め方を考慮した結果ではなく、MRの訪問回数によるイメージも影響しているようだ
個人的には、「レンドルミン錠(或いはハルシオン錠)をGEに変更したが元に戻してほしい」「デパス錠はGEに変えないでほしい」という患者さんからの要望を何例か経験しています。
だからと言ってこれらのGEに問題があるというわけではないでしょう。しかし変更の際には慎重さを要求されるケースも多いのではないかと感じています。
02:20
| Comment(21)
| 医薬品情報(医療用)
この記事へのトラックバックURL(承認後の表示となります)
http://blog.sakura.ne.jp/tb/22804474
http://blog.sakura.ne.jp/tb/22804474
精神科の患者様は「こだわり」が強い印象をやはり受けます。つまり気に入ったもの(薬)を変更されることを極端に嫌うケースが少なくありません。例え同じ成分の薬であっても、好意的に服用するのと嫌々服用するのとでは効果に違いが出てきても不思議ではありません。実際に調剤薬局が後発品に変更したことで結果トラブルとなる場合や、後発品変更についての薬剤師による精神科患者様への説明が平均より長時間必要となるという話もよく耳にします。よって、調剤薬局側としてもトラブル回避や業務効率化を理由に精神科患者様へは後発品変更の斡旋をしていないのだ思います。このことは改善すべき点だと思います。
プレドニゾロンって後発は無いんですけどね。
プレドニン以外後発と思ってるのか?それともタケダ、旭化成くらいまで先発と思っているんでしょうか?
医師も日経メディカルの担当者もよく分かっていないんだろう、と
コメントありがとうございます。精神科患者へのGE変更、「トラブル回避や業務効率化」が理由の一つでもあるとは思います。
しかし本質はちょっと違うような気もします。うまく文章にできませんが…。精神科の病院内では、その辺り工夫されている点があるのでしょうか。
>kense様
診療・調剤報酬上の「先発品」「後発品」とは区別しているのでしょうか?(できてないだけ??)「有名メーカー品」かどうかという観点で区別する方がイメージ的には近そうな気もしますね。
そうです。私の指摘した点は本質であってはならない。しかしながら、「トラブル回避や業務効率化」は多くの調剤薬局ならびに薬剤師の本音だと思います。
そこまでして後発使わないといけないんですか?
トラブルでなく、精神科の患者さんて、「精神」の治療に来てるのであって、不安を感じるのは、すなわち「治療に支障をきたす」と私は思います。
治療に支障をきたすか否かをまず考えるのは院外処方での調剤云々より、医療人としての大原則だと思います。
単にそれを面倒だからと捉えるのは(確かにそんな人種もいますけど)、私は違和感ですね。
で、一生懸命患者さんに説明してジェネリックに変えるのは、時間をかけただけのメリットがあるのでしょうか?
熱意はわかりますが、お金は天から降ってきません。
1日40枚の調剤。
8時間労働で絶え間なくやって1枚にかけられるのは8×60÷40=12分(平均)です。
調剤して説明して、国は一人当たり12分でやれと言ってるのです。
一人終わって次の人との間隔を考えると10分以下ではないですか?
しかも、昔と違って最高14日とか30日ではないんです。
長期処方になっても一人の枚数制限は変わっていません。
この現状で正論を通すのは、かなり困難なのではないでしょうか?
そしてジェネリック(品質)への大きな不安も。
きりゅう様は 病棟を担当するってありましたから病院薬剤師ですね?
病棟業務のように1ヶ月10000円も服薬指導料がとれるなら時間もかけられます。
お金じゃないだろう!って言う意見もあるでしょうけど。
昨日書いたように、調剤薬局は1枚の処方せんを12分で調剤し服薬指導する、と国は試算してます。
こういう苦しい現状もご理解下さい。
>ぽんた様
ありがとうございます。
「こうあるべき」というのと現状のギャップを埋めていく、大変難しいことと思います。
自分ひとりだけの力ではどうにもならないこともありますし、もちろん金銭的な問題も絡んできます。
ただ一方で(どのくらいの割合かは分かりませんが)「楽をするため」に怠っている人がいるというのも事実でしょうね。悲しいことですが。
>トラブルでなく、精神科の患者さんて、「精神」の治療に来てるのであって、不安を感じるのは、すなわち「治療に支障をきたす」と私は思います。
治療に支障をきたすか否かをまず考えるのは院外処方での調剤云々より、医療人としての大原則だと思います。
患者さんに後発品変更を強制したり、不十分な説明だったりすれば患者さんは不安に感じるでしょう。
それに加えて、精神科の患者さんに後発品変更の選択肢があることを薬局は情報提供すらしていないことに問題があると言っているのです。このことこそが精神科患者さんに疎外感や差別感を感じさせ「治療に支障をきたす」のではないでしょうか?
>で、一生懸命患者さんに説明してジェネリックに変えるのは、時間をかけただけのメリットがあるのでしょうか?
ここでおっしゃられたメリットとは「薬局側のメリット」ですか?それとも「患者さん側のメリット」ですか?おそらく文脈からして薬局側のメリットを指しているのでしょうが。
くま様の言葉を引用させていただきますが「楽をするために怠っている人」とはどんな薬剤師ですか?後発品変更業務に関して言えば「後発品変更の選択肢を患者さんに情報提供することをサボる薬剤師」ではありませんか?
私の勝手な推測ですが、ぽんた様のお書きいただいた「治療に支障をきたす」というのは、いわゆる「精神科治療域の医薬品」に関してなのではないかと思います。
精神科か否かという区分を、医薬品または患者において行った場合、特に注意を払わねばならない、といった趣旨であると。
きりゅう様おっしゃるように、「後発品変更の選択肢があることについて情報提供すらしていないこと」は憂うべき状況と思います。
それは精神科患者に対して、という限った話ではなく、どの薬局の、どの薬剤師においても共通して言える問題ではないかと考えています。
患者が先発からジェネリックに変更することでメリットがあるのは患者本人(一部負担金があるなら、ですが)と保険者(と国)なのですから、患者に対するジェネリックの説明やら啓蒙なんかは、保険者(と国)でどうぞ好き勝手にやって貰いたいわけです。
だって、どの銘柄でも薬価収載されている限り同等なんでしょ、生物学的に(あくまで論理的にだけど)。
品質のロット差が大きいとか、安定供給に難があるようなメーカーの申請を通すのは国。
1つの先発品の特許切れに対して、30以上の銘柄の薬価収載を認めるのも国。
自由競争も良い。自然淘汰も勿論良いでしょう。
でも、現場では限られた医療資源やフィーの中で日々の業務をこなさなきゃならないわけで、そういう行き当たりばったりのプロトコルやスキームの立て方が税金の無駄遣いの本質だったりすることに気付けないから、実験の一つ、論文の一つも書いてこない人間は・・・モゴモゴ
話を戻しますと、繰り返しになる部分が多くなってしまいますが、そもそも患者がジェネリックを選ぶとき、それは「安いから」以外あり得ません。
でも、薬剤師から「安いからこっちにしませんか?」なんていうのは動機が薄すぎる。
安いものを使わせたいのは国と保険者なんだから、ジェネリックの啓蒙は国と保険者がやるべきです。
薬剤師が登場するのはその後でしょ、常識的に考えて。
「保険者からは安くて効果が同じ薬があるんだからそっちに変えろって言われてるんだけど、実際はどうなんですかね?」って患者から相談されたら、そりゃ職能を賭けて本気で答えませんか?
自分で「今より効果が同じで安い薬があるんですよ」って切り出しておいて「でも、全く同じじゃないんです」とか「安定供給できないんです」とか言わなきゃいけないことが馬鹿げてると思うんですが、皆さんはそう思われませんかね?
以上、去年同様、愚痴っぽい年末ですw
私は定期的に病院受診しているただの一般市民です.最近行きつけの薬局を変えたら,そこの薬剤師さんの方からジェネリック医薬品の変更についてお話を頂きました.その時の薬剤師さんの説明はジェネリック変更に伴う長所と短所を公平に解説してくれました.この薬局は私も含めて患者さんは高齢者が多く,精神科領域の方もいるようですが,私のような頑固じじいに対してもわかりやすく丁寧で,見ていたら全員にジェネリックを説明しているようでした.その時の若い薬剤師さんの仕事ぶりには肝銘を受けており,店長さんの教育が行き届いているのだなあと清清しい気分さえ覚えました.もちろん,薬の待ち時間は長いですが,仕事ぶりをみたら文句が出るどころかおつりがでる思いです.確かにジェネリックに変更した後「なんだか効きが悪い感じがするので前のに戻して」とかはあるようですが,事前に短所の説明も受けているのでトラブルにはなってないようです.
その時に,ジェネリック医薬品への変更は医療費削減を目的とした国の方針という説明も受けました.みなさんのおっしゃるとおり,現時点では薬局さん側には金銭的な利点もなく,時間的余裕の問題もあるでしょう.薬局も商売ですので,サービスや接遇の良い悪いの薬局があっていいでしょう.患者さんもせっかちな人から口煩い人まで色々ですのでそれぞれが好きなところを選べばいいわけですし.薬そのものはどの薬局でも同じものが手に入りますし,値段も変わりませんし.
ところがその一方で,聞くところによると薬剤師さんは「薬剤師の地位の向上」も目標としておられるそうですね.私は素晴しい薬局と薬剤師さんに幸い出会うことができましたが,地域が違えばこうはいかないのかもしれません.今のままでも,どこの薬局でも同じ薬を同じ値段で頂けるのですから,我々患者も偉そうなことは言えませんしこれ以上多くを求めるつもりはありません.しかし,「地位の向上」を自ら目指しておられるなら,昨今のジェネリック変更に伴う患者さんへの説明,薬の情報提供は,われわれ患者(一般市民)に薬剤師さんの優秀さを実感させてくれる最良の機会であると思いました.
儲けにならないから積極的にはしないという気持ちは良くわかります.「ジェネリック変更相談下さい」というポスターを薬局前に貼ってたりしますが,でも実際は薬剤師さんは忙しところをまた他の患者さんも待っている状況で,果たしてこの薬局で本当に患者の方から面倒な話を持ち出していいのかと遠慮してしまうのが現実です(このトピックでみなさんのコメントを見てこの考えはさらに強まりました).また,みなさんがおっしゃるようにジェネリック医薬品の品質や安定供給の問題もあるのでしょう.ですからジェネリックへの変更を前提とした説明は求めていません.選択枝(ジェネリックの長所短所)を一般市民に解説して頂けたらと希望するのです.安いからには何らかの短所が生ずる可能性があることくらい私にも理解できます.こういった薬の説明,会話を重ねることが,薬剤師さんの職能をより身近に感じさせ信頼や地位が向上していくのだと思います.国やテレビCMが言う事より,身近の薬剤師さんの言う事の方が公平で信じられますから.
以上,頑固じじいによる長文失礼しました.
私はそもそもジェネリックを「推進」する気がありません。
それは品質に不安があるからです。
ここでもよく議論されたことですが。
何故、まずジェネリックを使う、からスタートして、品質が同じではない!って意見が出てから、規格をそろえるのに言ってる、その他もろもろ厳しくやってますから、いずれ淘汰されます。
なんてものを推進できるんです?
私は薬剤師として、国民の健康を守るためには、国がきちんと先発と同じ試験を課してからスタートすべきと思っています。
医療費削減。
よく言われることですが、そんなら10年も20年も経ったら先発の薬価を下げればいいじゃないですか?
後発の一番高いのと同じに。
何故「ジェネリック」でなければいけないんです?
まだまだ考える事は多々あると思います。
療担規則にあります。
しかし、医師も「後発を使うようとつとめる」(正確な文章は?ですが)はずなのに、大学病院からは「変更不可」の処方せんばかりです。
厚労省もお膝もとの大学病院の処方せんをすべて「変更可」にしてから「推進」してほしいものです。
あれは文科省だから、なんでしょうけど。
ゆえに、怠ってるのとは違います。
私はジェネリックは信念があって「推進」はしません。
しかし、お薬代が高いと、お話された方にはきちんと説明します。
> 自分で「今より効果が同じで安い薬があるんですよ」って切り出しておいて「でも、全く同じじゃないんです」とか「安定供給できないんです」とか言わなきゃいけないことが馬鹿げてる…
確かにそのお気持ちは分かります。でもジェネリックの啓蒙を薬剤師がするってのも、まんざら悪いものでもないと思いますよ。
最終的には患者さんの利益になりますし、我々にもダイレクトに跳ね返ってきますから。
>木村 五郎様
心強いお言葉ありがとうございます。
「薬剤師の地位向上」は願ってもないことですが、個人的にはそれは後からついてくるものだと思っています。目の前にいる患者さんのためにベストを尽くすことが、何よりも大切なことと思います。
>ぽんた様
国の本音は「薬剤師をジェネリック推進の旗手に!」というのがあるのかもしれません。しかし我々の最終目標は「ジェネリックに変更すること」ではないということを今一度確認しておかねばなりませんね。
うまくいいたいことが表現できなかったようですいません。
くま☆さんの仰ることと私が言おうとしていることは本質は同じだと思うんです。
ただ、どう逆立ちしても医療資源としての時間とマンパワーは限られているのですから、ジェネリック医薬品への変更による医療費削減という大きな目標に対して、果たして専門家として薬剤師がどのステージから携わるのがベストで、コストパフォーマンスが最大になるのか、ということを本気で考えるべきなのではないか、と問題提起したかったんです。
現場の負担を最小に、かつ得られる効果を最大にする方策こそが最良なわけですから。
要は、現場丸投げの現状は高率が悪くて仕方無いんじゃないですか、と言いたいんです。
目的達成の一翼を担うべき後発医薬品の承認制度ひとつ取っても改善すべき点が多々あると思いますしね。
上で木村 五郎様が患者サイドからの貴重なご意見をお書き下さっておりますが、ジェネリック医薬品というものがあること、今使っている先発医薬品をそれに変更することのメリット、デメリット等の情報は、医療を受ける全国民に一般化して適用できる入門編的ものであって、個別の説明に時間を裂く意義をほとんど感じません。
もちろん、全く意味が無いと言ってるのではありません。
が、コストパフォーマンスが悪すぎて現実的じゃないのではないか、と言っているんです。
現実を直視すれば、院外処方せんの大部分を受けているのは門前薬局であり、それら門前薬局における薬剤師の人員配置はその規模に関わらずカツカツの状態ではないですか?
経営者としては経営をしなければいけませんから。
でも、ジェネリックの普及を進めたいのならば、それら門前薬局を巻き込まなければ所詮絵に描いた餅にすぎないわけで、行政にしろ保険者にしろ、本来ならば今のように調剤現場と敵対するのではなく、足場を提供するような方策をとることがベストであるはずなんです。
具体的手法としては、まずイギリスのように後発の使用に対して一定のフィーを与えるというのがあり、これは経営サイドのモチベーションをあげるという点では確かに一定の効果は上がるでしょう。
しかし、門前薬局という現場において、チェーン店の雇われ薬局長として、人員カツカツの状況下で複数の薬剤師を動かしている者の意見とすれば、正直何よりも時間が大事です。
一分一秒を争っているんです。
患者を待たせるには限度があります。ちゃんとした服薬指導をしてもらえるならいくらでも待つ、と仰って下さる方もいらっしゃるでしょうが、間違いなくそれは少数派です。
待たせれば待たせただけ服薬指導の受け入れが悪くなり、十分なコミュニケーションが取れなくなるのは皆さん経験上十二分にご承知のことと存じます。
一方で、待たせていることのプレッシャーから薬剤師側には焦りが生じ、結果としてミスや過誤、事故を誘発することにつながりかねません。
ですから、ジェネリックの導入に関して言えば、患者側が行政や保険者からイントロデュースされることで、懐疑的に思うなり、積極的に変更を希望するなり、とにもかくにも一定の知識を持った上で薬剤師に聞いてみよう、という状況が作られれば、薬剤師が関わるステージが、より専門知識を生かした部分に特化でき、コストパフォーマンスも上がるのではないかと思うのです。
誤解があると困るので書き添えさせていただきます。
上記コメントにおける「コストパフォーマンス」とは、もちろん医療経済的見地のコストパフォーマンスのことであって、決して個々の薬局の経営におけるそれではございません。
以上、長文失礼いたしました。
名指しして申し訳ないですが、きりゅう様は「院内」の話だから、言いやすい立場にあると思います。
病院経営の名の下に、病院スタッフが同じ説明をします。
きりゅう様が、もし個人的に「院内採用以外のジェネリック」を病棟の患者さんに・・・・と言う話なら、医師や患者さんの抵抗はかなりなものです。
それでも同じ意見が出るのかなあって思います。
玄関に国が言うように、ジェネリックを推進してます、ってポスター貼って、そしてそれに対して質問をされた方に懇切丁寧に対応してます。
それで十分ではないでしょうか?
薬剤師としてのエネルギーは最大限に使って、多くの患者様を待たせてまでジェネリックの話をする必要は、私は感じませんし、まずは推進してる国の広報の仕事です。
ですから、ジェネリックの導入に関して言えば、患者側が行政や保険者からイントロデュースされることで、懐疑的に思うなり、積極的に変更を希望するなり、とにもかくにも一定の知識を持った上で薬剤師に聞いてみよう、という状況が作られれば、薬剤師が関わるステージが、より専門知識を生かした部分に特化でき、コストパフォーマンスも上がるのではないかと思うのです。
私も同感です。ぼんたさんも指摘していますが、私も「当薬局ではジェネリックを推進してます」というポスター貼って、それに対して質問をされた方に懇切丁寧に対応にすれば十分だと思います。
しかし、日薬としてはそれだけではだめだと考えているようです。
もうご存じだと思いますが、つい先日日薬が後発医薬品に関する調査の中間報告を発表しています。
平成20年度 後発医薬品の使用状況調査(中間報告)ついて
(日薬2008年11月20日)
http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kouhatsu_iyakuhin/n081120.html
【日薬・薬局調査】後発医薬品使用に“二の足”‐3割が「積極的でない」
(薬事日報HEADLINE NEWS 2008年11月20日)
http://www.yakuji.co.jp/entry8549.html
中医協で、この結果を発表した委員でもある山本信夫日薬副会長は次のように述べたそうです。
「35%の薬局があまり積極的には取り組んでいないとの結果に衝撃を受けた。われわれは後発品を積極的に使用していく方針を持っており、この調査結果を重く受け止めている。後発品についてはさらに会員に理解を求め、指導を進めていきたい」
もちろん会員向けの発言なのでしょうが、一方でこの調査結果をよく見ると、「変更不可」欄に処方医の署名等がある処方せんは、処方せん数量ベースで全体の35.0%、医療機関数ベースでも全体の26.8%あり、積極的に取り組んでいないのではなく、私はむしろ「変更可の処方せん」については十分取り組んでいるのではないかと思います。
私も、国や保険者なりが、処方せんを発行する医療機関への働きかけ(変更不可の処方せんを減らす)や、国民(組合員)への広報をまずしっかりやるべきだと思います。
そして、医療費の適正化のために、薬局を通じてジェネリックを推進したいのであれば、薬局が説明すれば、保険者なり国なりがフィーを与える、それで実際に変更したらさらにフィーを与える(1回限りでよいのでもっと高いものを)などのインセンティブが必要だと思います。
実際、保険者や自治体は下記のようなところに丸投げでお願いしているのですから。
ジェネリック医薬品に切り替えた場合の薬品名・価格(削減効果)が一目で分かる『ジェネリック医薬品促進通知書』提供サービスを開始
〜医療費削減に貢献する健康保険組合等医療保険者向けサービス〜
(NTTデータ NEWSリリース2006年4月5日)
http://www.nttdata.co.jp/release/2006/040500.html
「ジェネリック医薬品促進通知サービス」が始まりました
(呉市ウェブサイト)
http://www.city.kure.hiroshima.jp/kuredoc/topics080916_0201.pdf
ちなみに呉市では、この通知サービスを行うのに、2008年度当初予算(案)に関連事業を含め約4600万円を計上しているとのことです。全ての医療機関が院外処方をしているわけではないので、実効性に難はありますが、もし地域薬局や薬剤師会が中心になって同じような取組みをすれば、もっと少ないコストでも可能だと思うのですが。
47NEWS 2月15日 http://www.47news.jp/CN/200802/CN2008021501000472.html
中国新聞2月14日
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200802140269.html
中国新聞社説8月18日
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200808180078.html
みなさまがおっしゃるように,私の住む地域においても特に病院の前の薬局はどこも忙しそうで,とても時間的余裕はないことは患者にも伝わっております.ジェネリックの啓蒙は確かに国もしっかりしないといけないでしょう.でも皮肉なことに,もし本当に国がジェネリックの啓蒙を本気で取り組んで,大部分の患者が一斉にジェネリック変更を薬局に相談してきたとしたら,薬局は大混乱で対応しきれないでしょう.
私の行きつけの薬局は薬剤師さんの人数を増やして対応していると聞きましたが,きっと給料は少ないなかで頑張られているんでしょう.誠にお気の毒です.給料の高い他の有名チェーン薬局に心移りされないことを祈るばかりです.
薬局と薬剤師さんの数がまだまだ不足している状況なのでしょうか?薬局と薬剤師さんの数が満たされてくれば,少しずつ解決できる問題かもしれませんね.
みなさんの一生懸命さが伝わり,感服しました.
追伸 さまざまな事情により理想を実行できない現実はお察しいたします.だからといって理想そのものを否定する言動は私は好きではありません.「正論」,「きれいごと」,「非現実的」,結構ではないですか.国や制度に文句を言いながらも身を削って理想を求める姿は魅力的です.
年をとると若い者に一言いいたくなるもので困ったものです.
ありがとうございます。
薬剤師会の重鎮(?)の方々も、マスコミや政治家向けの耳障りの良い言葉だけを連ねるのではなく、もう後が無いんだという危機感を持って真剣に立ち回って貰いたいものですよね。
私達のような一介の薬剤師でさえ、この程度の発想は出来るのですから。
最近特に感じるのですが、システム作ったり変えたりというのは、物を作るのと全く同じなんですよね。
「原料を加工して製品にして販売する」という一連の経済活動を単純に考えたときに、製造コストなしに製品を作ることは出来ません。
子供でも理解できることのはずなんですが、国が敢えてそれを無視しようとしているように見えるのはなぜなのでしょうか。
「現在使用されている医療用医薬品の50%をジェネリックに変更出来れば、○○円の医療費が削減できる」と簡単に言うけど、1年ごとに先発品の特許切れとジェネリックの薬価収載は繰り返されていくわけで、「患者に新発売されたジェネリックを紹介し導入する」というシステムだけとっても、一定のシステム維持費が必要となるのは当たり前です。
で、今の現場丸投げのシステムを運用する上では一体いくらを計上して試算してるのでしょうか。
現場に任せればタダでやれる?「仕事なんだからそれくらいやれよ」と?
注文品(今回の場合ジェネリックの普及という目的)に対して発注側が十分な金を払わなくて済む状況というのは、単に受注側に無理を強いているだけのことです。
医業の現場だってそれで崩壊したはずなんですけどね。
そしてそういうツケが全て国民に跳ね返っているんですけどね。
誰でもやれる簡単な仕事だと思うなら、薬剤師免許なんてなくせば良い。
そうすれば、マンパワーの不足で現場が苦しむこともなくなるのだろうし、それに起因するミス・過誤・事故もなくなるのでしょうからね(もちろん皮肉で言ってるんですが)。
木村五郎様、丁寧な書き込みありがとうございました。
ただ、患者代表のおひとりとして、どうかこの国の医療の現状をきちんと認識していただけたら、と切に願って止みません。
健康保険に代表される社会保障制度の理念は相互扶助のはずです。
でも、現状多くの国民は与えられることを望むだけ。
皆が少しずつ力を出し合わなければ、この国が世界に誇る皆保険制度も、皆さんが日々享受なさっている世界一コストパフォーマンスの高い医療にも先はないんです。
医業、薬業問わず共通のことですが、現場の仕事を増やす見返りとして限りある財源の中から対価を支払っていくのと、各国民が現場の仕事を少しでも減らす努力をすることで医療費の増大を少しでも食い止めるのと、一体どちらがこの国の医療のあるべき姿なのでしょうか。
ひとりの被保険者としての自分は、内情をある程度知っているからこそ、現時点でこの国の医療の未来に希望が持てません。
私の考える国民皆保険制度下における医療の理想とは上で述べたことに代表されるような、全国民参加型の医療であり、これ以外に超高齢化と共存していく術はないと思っています。
「金を出すのか、労力を払うのか」の問題です。古代の税と同じです。
“今”も確かに大事でしょうが、継続していくこと、後世に繋いでいくことの方が遥かに大事なことなのではないのかなと思う今日この頃です。
しかし1点気になったことは、国が推進して皆が相談に行ったら云々。
これは門前薬局を考えてのご意見と思います。
しかし、本来医薬分業は「かかりつけ薬局」を持つ事です。
しかし、診療所と違い、何故小さい薬局が育たないか?
それは在庫の備蓄の問題が大きいです。
そして、ある程度ご理解いただいてるのか、高給でチェーン薬局へ薬剤師が流れないようにと書かれておられますが、まさしくそのとおりです。大きい薬局へ薬局へと薬剤師が集中しています。
ですから、門前薬局で相談したいが時間がなく、門前薬局から身近な薬局へと足を向けていただく、これは国も我々も理想とする薬局のあり方です。
ですから対応しきれない、と言うことはありません。
ちなみに、うちは施設基準だすのに調べていますが、ジェネリックは70%使っています。
地域の開業医の先生方とは、どういうジェネリックを使うか、きちんと顔を見て相談して決めています。
処方せんに「変更可」だから、薬剤師の判断で。確かに当たり前ですが、私は常に医師と患者とトライアングルでいたいと願っています。
ですから、医師の考えをきちんと聞いてから、ジェネリックも一緒に考えて選定しています。
官公立はなかなかそこまでは無理ですが。第一「変更不可」が半数以上です。
コメントありがとうございます。
なるほど、GE利用推進のよりよい方法を模索してゆく必要がありそうですね。
限られた人的・物的資源をどう有効に動かすか、今一度マクロの視点から考え直さなければならないのかもしれません。
というか、医療費削減を本気で考えるのであれば、GE利用促進よりももっと考えなければならないことがあるのでしょうが…これを言い出したら話が収まらなくなりそうですね(苦笑