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2009年02月07日

[ネット販売]第3類に限定&検討会設置という結論に

争点となっていた医薬品のいわゆるインターネット販売についてですが、昨日厚生労働省令が公布されました。結論としては対面販売を徹底するため、大方の予想通り第3類に限定されました。

【厚労省】改正薬事法の関係省令を公布‐ネット販売は第3類薬に限定(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry9121.html

ただこれで完全に決着、というものではなく「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を設置し、引き続き議論をしてゆくことになるようです。

検討会の趣旨としましては、

改正薬事法に基づく新しい医薬品販売制度の全面施行を本年6月1日に控え、新制度の下、国民が医薬品を適切に選択し、かつ適正に使用することができる環境づくりのために国民的議論を行うことを目的として、大臣の指示の下、検討会を開催する。


ということが掲げられています。また主な検討事項として、

(1)薬局・店舗等では医薬品の購入が困難な場合の対応方策

(2)インターネット等を通じた医薬品販売の在り方

(3)その他


が挙げられています。その検討会ですが、以下の19人から構成されているということでご紹介いたします(敬称略)。

足高慶宣 日本置き薬協会常任理事長

阿南久 全国消費者団体連絡会事務局長

綾部隆一 全国伝統薬連絡協議会

今地政美 福岡県保健医療介護部薬務課長

井村伸正 北里大学名誉教授

小田兵馬 日本チェーンドラッグストア協会副会長

北史男 日本OTC医薬品協会医薬品販売制度対応協議会委員長

倉田雅子 納得して医療を選ぶ会

国領二郎 慶應義塾大学総合政策学部教授

児玉孝 社団法人日本薬剤師会会長

後藤玄利 日本オンラインドラッグ協会理事長

今孝之 社団法人全日本薬種商協会副会長

下村壽一 東京都福祉保健局健康安全部薬務課長

関聡司 楽天株式会社執行役員渉外室室長

高柳昌幸 全国配置家庭薬協会副会長

増山ゆかり 全国薬害被害者団体連絡協議会

松本恒雄 一橋大学大学院法学研究科教授

三村優美子 青山学院大学経営学部教授

望月眞弓 慶應義塾大学薬学部教授


第1回の検討会は2月中〜下旬に公開にて開催されるということで、その内容がどういったものになるのか気になりますね。

単に賛成派・反対派の数の工作とするのではなく、「どうしたら医薬品のネット販売が可能になるのか」という前向きな議論にしていただきたいものです。

この記事へのコメント
パブコメの意見と回答を読みました。
どうも店舗販売業者に甘いですよね。
薬剤師か登録販売者がいれば販売は無資格者可、空箱容認(ぼかした回答でしたが)、医薬品レジ以外での精算可(これもあいまいな表現)、結局私の勤務する店では今やっていること(完全セルフ)でOKとなります。
結局今回の改正では営業中の有資格者不在問題だけが解決されただけで本質的なことは何も解決されていないように思いました。
パブコメで薬剤師さんの本質をするどくついた意見がことごとく却下されているのには唖然としました。
この省令だとウチは今までどおり薬剤師不在時でも1類を堂々と販売すると思います。
今も食品&雑貨レジカウンターの下の棚に1類を各2個ずつ常備していてお客さんがそのレジで商品名を言ったらすぐ出せる仕組みになっています。
当然薬剤師さんもお給料をもらってる立場なので会社に意見などできないわけです。
Posted by Alice at 2009年02月08日 01:03
>>Aliceさん
1類薬に関しては薬剤師の情報提供が義務(努力義務ではなく)づけられているので、
薬剤師不在時の販売はOUTになるのでは無いでしょうか?
厚労省の職員が薬剤師以外が1類を販売してないか、抜き打ちで視察にくるかもしれないので注意するよう市の薬剤師会から連絡がありました。

私のところは怖いお兄さん達もくることがあるので、ゆすりのネタになるようなことは避ける為きちんとしようとは思います
Posted by ゲン at 2009年02月09日 14:18
>お二方
コメントありがとうございます。
ネット販売については検討会も気になりますが、省令は公布されました。ネット販売業者の対応が注目されますね。

また、店舗販売では主にドラッグストアの販売形態がどう変わるのか(或いは変わらないのか)、こちらも注意深く見守る必要があると思います。それによってネット販売の議論へ影響が出てくる可能性も十分に考えられます。
Posted by くま☆ at 2009年02月10日 00:10

くま☆さん、こんばんは。OAFMTです。

医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会、推進派も反対派も消費者のことを考え議論してもらいたいものですね。

今日の日経で、この検討会に楽天の三木谷社長自ら参加する意向を明らかにしたという記事がありました。

くま☆さんも書かれていたように、当初は楽天の関執行役員が参加すると公表していましたが、三木谷社長は「自分が出て憤りと疑問をぶつけ国民的議論を喚起する」と出陣の構えを見せているようです。

さらに注目の箇所がありました。

三木谷社長は、経済界の要人を含めて「【楽天 三木谷】ご協力お願いいたします!」と題したメールを送信したとのことです。

送信した相手は井出ソニー前会長や山田NTTドコモ社長らビックネームも多数含まれており、三木谷社長の個人的なネットワークを活用したようで、その数は1万6千人にのぼるようです。

メールでは省令に反対する自らの考えを伝えるとともに、6月の施行までに再改正を働きかけるために、署名活動に協力してほしいと呼びかけています。「今までの私の楽天人生において出会うことのできた方々に今の私の考えをどうしてもお伝えしたく、メールを書かせていただきました」との書き出しで、一般医薬品の通信販売を制限する省令について「国民不在の行政」と批判するとともに、省令の実効性にも疑問を感じていると主張。また、地方の薬局や通販業者の数多くが廃業に追い込まれるはずとして行政を非難しているとのことです。

もともと省令や官僚主体に反論してきた三木谷氏。人脈をフル活用で規制反対の声を大にしていくようですね。


Posted by OAFMT at 2009年02月11日 23:28
>OAFMT様
コメントありがとうございます。こちらのニュースのことですね。私もチェックしました。

楽天・三木谷社長が“お願い”メール、医薬品ネット販売規制で
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/10/22393.html

ただこの記事を読む限りですが、どうしても医薬品をネットで売るんだ、そのための行動なんだという風に取れないのがこの問題に関する認識の違いとでも言いましょうか。

よい例が後半、
「他の分野においても今後、十分に議論されずにネットへの規制強化がなされることを危ぐ」

「単なる薬事の問題だけではなく、このような規制を認めてしまうと次々に同様な規制をかけることを容認」

といった部分に表れていると感じます。ネットを生業としている人ですからもちろんそういった危機感を持つのは当然でしょうが、医薬品ネット販売の問題が単なる論争の具に成り下がってしまわないか、論点がずれてしまわないか、大変心配ではありますね。
Posted by くま☆ at 2009年02月13日 00:26
楽天市場の地主さん(=三木谷氏)の再三に亘るご意見ですが、そこの店子(=出店企業)が今現在もユーザーに対して垂れ流している様々な不利益(詐欺まがいのものも含む)に対して、楽天側が解決できていない(解決しようとすらしていないように感じられる)現状を同氏は一体どう考えているんですかねぇ。
あまつ楽天自身がユーザーに不利益を与えることすらある始末…

卑しくも我々医薬品の販売を行うものは、それら医薬品が自らの提供した情報に基づいて適正に利用される限りにおいて、販売した医薬品によって引き起こされる様々な不利益から購入者を守り、被害を最小限に抑える義務があるはず。

購入者に健康被害が出た際、それが提供した情報の不備によるものならば、それは人災ですから、普通の副作用救済とは対処が異なるわけで。
もし販売側がトンズラしたら、後には被害者だけが残るのみなわけで。
だからこその店舗販売なんじゃないかと。
簡単にはトンズラさせないシステムだし。
直接相談に行くことも電話することもできるし。
その辺、ユーザーからの問い合わせにメールフォームしか存在させていない企業のトップである三木谷氏は理解して言っているのですかな?

そもそも楽天市場において問題ある企業を招致している主体は一体誰なのか。
出店させる時点で厳正なチェックを行い、その後も定期的に業態をチェックし、ひとたび出店企業がユーザーに不利益を与えたならば、被害者救済の全責任は楽天が負う。
それによる楽天の損害に対する賠償は、ユーザーとは関係ないところで楽天と出店企業の間で勝手にやる。
とまぁそういうシステムを敷いている企業のトップが述べる言なら耳も貸しましょう。
んで、実際はどうなんすかね?

私からすれば、よりにもよって三木谷氏が医薬品販売の在り様について述べるなんてのは、ちゃんちゃらおかしすぎて笑い話にもならんのです。

ま、くま☆さんの仰る通り、氏の主張の主軸はとにもかくにも規制反対であって、実際に販売されるものが何かなんてのは興味もないのでしょうから、今回の省令に関する一連の議論の中ではノイズでしかないわけですが。

それよりは、全国伝統薬連絡協議会の声明の方が理解できるし妥当性も感じますよね。
http://www.yakuji.co.jp/entry9146.html?PHPSESSID=jk9ilp5qb51l0e56svgi13qt83j0mnep
Posted by さつき at 2009年02月13日 01:49

くま☆さん、こんにちは。OAFMTです。

自分が規制推進できない点は大きく1点のみなんですよね。

以前にも述べましたが、今までグレーゾーンだったとは言え、一応適法の下で医薬品のインターネット販売はおこなわれてきました。その中でネットを通じて医薬品を購入してきた人は多数にのぼります。つまり、ネット販売を通じて医薬品を購入してきた人は薬の主作用の恩恵を受けていることになりますが、規制されるとこの主作用の恩恵を受けることができなくなることになり、健康を害する人が出てくる可能性も否めないという点です。

推進派の方々は何年も前から議論してきたと言いますが、推進派ばかり固まって議論してきたのが現実であり、反対派が議論の場を設けたいと申し入れても取り合わなかったのは厚生労働省の官僚達です。

官僚主体、そして規制推進派だけの議論、これだから議論が十分になされてこなかった現実をさらけだした格好となっていますよね。なれ合いの集団の中で議論してきたこの数年間は全くもって無意味です。

舛添厚労相の「身体の不自由な方とか僻地に住まれて薬局がない、こういう方に対する販売方法をインターネット販売に反対する方はきちんと答えを出してもらわないといけない」という発言は通常の人であれば当然考えるべきであるのに、現実的な対案を出さずに規制一点張りでここまできた官僚主体の省令はもうやめて欲しいものです。

三木谷氏を擁護する気はありませんが、医薬品については素人でもその業界ではトップレベルの人です。色々な視点を持つ方々が議論するのはマイナスにはなりません。反対の人の意見も聞いてこそ良い案がでるというものではないでしょうか。

Posted by OAFMT at 2009年02月13日 13:58
>さつき様
これまであまり注目されてこなかったかもしれませんが、言葉をお借りすれば「簡単にトンズラできない」というのは、店舗販売・対面販売であることの大きな理由になり得ますね。

>OAFMT様
これまでネット販売の恩恵を受けてきた人々にどのように対応するかということは、考えていかねばならない問題の一つと思います。
Posted by くま☆ at 2009年02月15日 22:30
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