新着記事
09/21
09/13
09/05
09/01
08/26
08/24
08/09
08/03
07/25
07/14
07/11
07/04
06/22
06/13
06/09
06/05
05/26
05/18
05/11
05/08

2007年02月09日

薬剤師の説明時間と後発医薬品選択の相関は

平成18年度診療報酬改定の結果について調査が行われました。その中の一つとして、後発医薬品の使用実態についての検証も行われています。

後発医薬品の使用が予想以上に進んでないということは業界紙はもちろん、一般紙でも既に報道されている通りです。

【厚労省】変更処方せん枚数は5.7%‐後発医薬品調査の速報値公表(薬事日報)


検証結果について厚生労働省関係審議会議事録等 中央社会保険医療協議会のページに詳しい資料がアップされましたので見てみました。

中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会(第10回)議事次第

私が気になったのは「患者1人あたりの平均説明時間」の部分です。pdfファイルでしたので、画像にしてみました。

time.PNG
患者1人あたりの平均説明時間

よりわかりやすくグラフ化するとこんな感じになります(クリックで拡大)。

time2.PNG
後発医薬品選択と説明時間

この資料によりますと、「後発医薬品を選択した場合」のピークが説明時間「5-10分」、「後発医薬品を選択しなかった場合」のピークが説明時間「5分未満」にあることが分かります。

後発医薬品についての情報を持ち合わせていない方に、メリット・デメリットを含め、きちんと説明し理解していただくのに5分という時間は長いでしょうか、短いでしょうか。

多くの薬局で「できるだけ丁寧に説明をしたいけれども、様々な制約があるために十分な時間がとれずにいる」、というのが現状なのではないかと思います。

この記事へのコメント
最近こちらを知ったので、今までも後発の話は山のように出たと思うのですが、医療費抑制で安い薬を!はわかります、でもやっぱり「効かない」「副作用があった」と言う声を無視していいのでしょうか?
そう言う患者の声を拾い集めて冷静に判断し、上へあげていくのも薬剤師の仕事のように思います。
しかも、長期投与で飲まなくて捨てられる薬の多いこと。
後発推進が進まないのは「物によっては品質に問題あり!」ってどこか心の片隅でちらつく気持ちを声にしていく必要ないんでしょうか?
Posted by ぽんた at 2007年02月10日 06:59
説明時間5分は短い気がしますね。
実際十分に情報が国・製薬企業から患者様に届かない状態で制度が進みましたから、基本的な話をお伝えしなければしなければなりません。
薬局としては負担ですが、患者様と1対1でちゃんと向き合って話できるチャンスと思い、しっかり説明しています。
Posted by 白澤 at 2007年02月10日 07:37
後発品の品質を取捨選択できる立場の職種は誰でしょうか?
国が決めることは基準とその遵守監視。
医師は病状がどうなるか?
薬剤師は、薬の効き目が確かかどうか?
看護師は、体に不都合なことはないかどうか?
さて、患者が薬の品質を監視してくれると期待できる職種は?
そして、みなさん、その職種は期待通りの勉強をしていると思われますか?
5分以上の説明を充分とするかどうかより、どれだけの情報を咀嚼して 患者にわかりやすく伝えているかどうかの事前準備のほうに、とても興味があります。
そのためのサイトが出来たのでしたよね。真摯に安い確実な薬を社会に提供しようとしている努力にも、目を向けなければならないですよね。安直にブランドの上にあぐらをかいて、消費者を騙してきた企業を、許してはいけないのですからね。
科学者の端くれですから、「今の事実」をしっかりと見極めて、データを積み上げるべきなのです。社会構造変化での事実もしっかり見極めましょうね。
安直な安さに飛び付いている医療機関のほうが問題かもしれません。(病院と繋がって患者が選択できない処方にしています)
Posted by はなくり at 2007年02月10日 10:13
>ぽんた様
コメントいただきありがとうございます。
仰るとおりと思います。副作用報告一つとっても、薬剤師の重要な任務であると考えられます。

闇雲にジェネリック、ではなく個別の事例を検討していく必要がありますよね。そうでなければいつまでたっても次のステージへ行くことはできません。

>白澤様
説明を手間ではなく、チャンスと捉えるのは素晴らしいことだと思います。別の考え方をすれば新たな薬局の価値を生み出すいい機会でもありますので、前向きに取り組まねばなりません。

>はなくり様
今回は厚労省の資料から説明の「時間」という切り口で考えましたが、仰るように「事前準備」が大切なのはもっともなことです。

薬剤師「一個人」としての考え方をベースに、様々なデータや要因を含め総合的に判断していかなければなりません。
Posted by くま☆ at 2007年02月10日 13:36
海外の状況を見る限り、海外では医薬品としての効果は「先発品=後発品」が前提なのでしょう。

医薬品としての効果は、病状に対しての効果ですから、吸収が半分でも作用部位(受容体等)に同量の医薬品分子が到達し作用すれば、同等の効果が得られるはずです。

投与された患者の体内動態(吸収率・移行率等)は患者其々個々別々ですから、ここで問題になってくるのが、結局のところ使ってみないと効くか効かないかはわからないという点です。

ですが、医薬品申請の時点ではそう考えていません。
例えば、ガスター錠とガスターD錠、ガスター後発品を比較する場合、ガスター錠とD錠は同じメーカーから発売されているので同等性があると考えがちですが、インタビューフォームを見る限り、OD錠とD錠の生物学的同等性(血中濃度推移;健康人20名)を示しているだけで、他はガスター糖衣錠のデータの流用です。

これは、例え先発品であろうとも、こと同等性の判断には、血中濃度しか考慮していないことの証左です。

無論、メーカーに問い合わせれば相応のデータは得られるでしょうが、それは論外です。
臨床の現場においては即時に使用できない資料は存在しないものと同じです。
我々薬剤師が特に添付文書を判断の拠り所にしているのも、それが公にされているものだからですし、治療薬マニュアル等幾多の医学書も同じことです。
問い合わせなければ得られない資料など、余程特殊な事例以外は役に立ちません。
また相手は企業ですから自らに不利になるデータは出さないでしょう。

結局のところ、品質を保証する第3者機関が必要になるでしょう。
詳細に説明して、100人のうち99人が問題なくても1人に問題があったとき、その1人の体質的な問題なのか、医薬品自体に問題があったのかは、例え医師でも薬剤師でも、臨床現場では判断できません。

また、現状では長期投与でも簡単に後発品切り替えていますが、これもおかしな話です。
例え同等品であろうとも、どんな副作用が現れるかわからないのですから、レフィル処方箋を採用して、最初は1週間分だけ渡し、問題がなければ残りを渡す、問題があれば前のに戻すとした方が、安全かと思います。

長文失礼しました。

Posted by 霧華 at 2007年02月10日 13:57
霧華様に同感です。
厚生労働省はジェネリックを推進するなら、まず第三者機関を設置してデーターを集めて情報を開示すべきです。
品質、副作用etc

ジェネリックかどうかの選択は後発変更可の処方せんの意味するところをただ安くするだけでなく「自由」な選択権を得たと考えるなら、その選択は患者様であって、国でも医師(後発の銘柄指定)でもないのではないでしょうか?
どう選択するかの適切な情報を伝えるのが薬剤師で。

今は例え先発を飲みたいと言う選択肢があっても、それを抹殺するようなジェネリック推進の行政のやり方(流れ)には疑問を感じます。
Posted by ぽんた at 2007年02月10日 20:52
アメリカの例を示しますと、アメリカではジェネリック医薬品を評価する第三者機関が存在します。
そしてジェネリック医薬品をその効果などによって何段階かに分け、その医薬品を使用する医療機関に提示し、患者様が選ぶ時の資料としています。
これは、アメリカでは日本の薬価制度と違って、薬の価格が企業の言い値という制度に起因するのでしょうが・・・・
日本でもその必要性を感じますね。

ところで、患者様に提示する後発品にも、薬価が高い物から低い物まであるのは何なんでしょう。
どなたかご存知でしたらお教えください。
Posted by 白澤 at 2007年02月11日 12:13
薬価は卸売価格を参考にして改定されているはずです。つまり流通価格ですね。

例えば、後発メーカーの中でも東和薬品の製品は高いものが多いですが、これはある経営戦略から、他の後発メーカーと比べて値引き幅が少ないためです。
Posted by さつき at 2007年02月12日 01:29
 特に混雑した時間帯になると説明に時間を割くことすら難しいと感じます。薬局のいすがいっぱいになってしまうことがよくあるところでもありますが。
 やはり紙に書いて渡す方が無難かもしれません。私も帰り道で思いっきり忘れますから。
Posted by さんまん at 2007年02月13日 04:25
>霧華様
>ぽんた様
第三者機関はあった方がいいのでしょうが、それには時間もコストもかかります。現状の限られた環境の中で後発医薬品を使用するにあたり、どのような方策があるのかを考えることは、我々薬剤師の役目であると個人的には思います。

>白澤様
>さつき様
後発医薬品は初回は[先発医薬品×0.7]で薬価収載されますよね。その後は薬価調査(毎年6月?)時の納入価格を参考に、次回薬価改定時にそれが反映されると聞きます。

後発医薬品間で価格差がついてしまうのは、現状の薬価制度下ではやむを得ないのでしょうか。患者さんにとっては非常に分かり難いものに違いはありません。

>さんまん様
紙面で渡すことは有効なことですね。しかしそれだけで十分に理解していただくことは難しいのではないかという不安もあります。
Posted by くま☆ at 2007年02月13日 16:53
すごく疑問なんですが
どんな副作用があるかわからない新薬への処方変更に抵抗が少ないのに、長い間服用されていた物質に対して異常なまでのアレルギーを示すのでしょう。
ジェネリックで治していこうという気持ちが大切ではないでしょうか。
Posted by よっち at 2007年02月14日 11:26
ジェネリックで治していこうという気持ちが大切、ホントにそうですね。
現場の薬剤師は、できる事ならそうすべきと考えている方が多数いらっしゃると思いますよ。

新薬への処方変更に抵抗が少ないかどうかは別として、新薬の処方には14日縛りがあります。定期的な血液検査等、医師による管理もそれなりにしっかりなされているはずです。

では後発への変更はどうですか?何を出すか分からない、変えるかどうかすらわからない状況下で、今回の後発品推進策の前に行われた、受診回数を減らすための長期処方誘導策により、最悪の状況になっていませんか?
後発品に変わったことで、体調変化が起こるかもしれない、という前提で様子見のための短期処方を切る医師を私は見たことがありません。

物質に対しての異常なまでのアレルギーというのは語弊があると思います。物質と薬剤を同一視するのは、薬学を否定することと同じことと考えますがいかがですか。
Posted by さつき at 2007年02月14日 13:34
新薬の処方が増えるのは長期投与が可能になってからです。
物質という表現がまずかったかもしれません。私は新薬もジェネリックも新規に投与する場合同じ条件だと考えます。
しかし、ジェネリックへの風当たりは新薬に比べて強いと感じています。
Posted by よっち at 2007年02月14日 14:32
>よっち様
>さつき様
よっち様の仰りたいこと、私も同じようなことをを感じており、非常によく分かります。「ジェネリックだから」という理不尽な理由で叩かれることが多すぎますね。

さつき様仰るように、ジェネリック使用促進に当たっては初回投与制限を設けるなど、何らかの環境整備も必要になってくるでしょうね。
Posted by くま☆ at 2007年02月14日 15:00
>よっち様
>私は新薬もジェネリックも新規に投与する場合同じ条件だと考えます。

そのお考え、激しく同意いたします。後発に変更する、というのは治療方針を見直すくらいの気持ちでやらないといけないですよね。
だから、くま☆さんも仰るように、後発への初回変更時には制度上の日数制限等を設け、薬剤師側から処方日数の変更を医師に対して進言し、その場で処方日数も変更できるような制度にして貰いたいものです。

>ジェネリックへの風当たりは新薬に比べて強いと感じています。

これは私だけかも知れませんが、新薬に対する先発メーカーの情報提供・収集体制と、後発メーカーのそれとの違いが、メーカーそのものに対する信頼性の違いとなり、結局医薬品そのものの信頼性に繋がっていると思います。
だから、後発品あるいは後発メーカーに対する医療従事者の批判や不信は、決して不当な迫害だけではないと思っています。

このブログでも散々言わせて頂いたことですが、医薬品とは情報を伴ってこその医薬品であって、情報を伴わないものは単なる化学物質でしかない、という考えです。

現に、メーカーとしての信頼を勝ち取ろうと、最近ようやく後発メーカーも情報提供体制を整えつつあるようですから、よっち様が仰る「現場の風当たりの強さ」もあながち批判したものでもないんじゃないかと思うのですが・・・
Posted by さつき at 2007年02月14日 22:39
>さつき様
横からですが。
今はネット等で様々な情報の入手が可能になってきており、先発・後発メーカー間の格差は縮まってきていると個人的には思います。

仰るように医薬品とは情報を伴ったものです。製薬メーカーに情報提供義務はありますが、しかしその情報は能動的に入手することも可能です。

例えが適切かどうか分かりませんが、先発医薬品を利用するのが高級ホテルのフルコースディナーなら、後発医薬品はバイキング方式とでもいいましょうか(以前もどこかで書いたかもしれません)。

後発医薬品を使用するということは、「セルフ」の分、薬剤師側で考えたり情報収集したりしなければならないことが多くなることは事実であり、それを求められているのだと考えます。
Posted by くま☆ at 2007年02月15日 16:25
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス(非公開):

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL(承認後の表示となります)
http://blog.sakura.ne.jp/tb/3318536

この記事へのトラックバック:

【厚労省】変更処方せん枚数は5.7%‐後発医薬品調査の速報値公表
Excerpt:  厚生労働省は、昨日31日に開いた中央社会保険医療協議会・診療報酬改定結果検証部会(部会長:遠藤久夫学習院大経済学部教授)に、昨年度の診療報酬改定の影響を調べる5特別調査のうち、後発医薬品の使用状..
Weblog: 薬のことなら薬事日報ウェブサイト
Tracked: 2007-02-09 19:04

この記事へのトラックバック:

後発医薬品変更率1%
Excerpt: 2/3朝日新聞の記事に、1月31日厚生労働省諮問機関の中央社会保健医療協議会が後発医薬品変更についての調査結果を発表した事が書かれていた。 それによると、保険薬局が昨年10月の1ヶ月に扱った処方箋の..
Weblog: workaholic薬剤師の思うこと
Tracked: 2007-02-11 12:16


Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...