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2007年02月14日
更なる処方せん様式変更の可能性
平成18年4月の診療・調剤報酬改定時に処方せん様式の変更が行われました。具体的には以下の写真のように「後発医薬品への変更可」という欄が設けられました。

「後発医薬品への変更可」欄が設けられた処方せん
ちなみに処方せん様式の見直しにあたって医師会側は最後までそれを拒んでいましたが、患者側の強い要望によってこの「後発医薬品への変更可」欄が新設されたとのことです。
その後、後発医薬品使用が伸び悩んでいることはご存知の通りです。厚生労働省の最近の調査結果が以下のリンクよりご覧いただけます。
中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会(第10回)議事次第
実際に後発医薬品へ変更・調剤されたものは全体の5.7%、これはかなり低い数字と受け止められています。
そうなると後発医薬品の更なる使用促進策が検討されることになります。その一つとして処方せん様式の再変更もあり得るということです。
どのように変わるか。もちろん現時点では予想の域を出ないのですが、一つは
「後発医薬品への変更可」 + 保険医署名
という部分を
「後発医薬品への変更不可」 + 保険医署名
という形に変更するということが挙げられます。即ち現行の方式と逆の「署名がなければ後発医薬品へ変更して調剤が可能」という方式です。
この方式の採用は、現在「後発医薬品に対して責任が持てないために署名をせずにいる」という医師に対して、大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。
「可」と「不可」の違いは医師承認制からの単なる変更に留まらず、後発医薬品変更の運用面において、薬局・薬剤師側に大きなシフトが起こると考えられます。
そうなったら薬剤師は「代替調剤の確立だ!」と喜び勇んで後発医薬品使用をするでしょうか。個人的な考えですが、現状を見る限りその可能性は低いでしょうね。
じゃあ後発医薬品使用は永遠に進まないのか?国は別の方法や更にその先を考えている??これについては別記事でアップしようと思います。
[磯部氏講演関連(目次)]
「後発医薬品への変更可」欄が設けられた処方せん
ちなみに処方せん様式の見直しにあたって医師会側は最後までそれを拒んでいましたが、患者側の強い要望によってこの「後発医薬品への変更可」欄が新設されたとのことです。
その後、後発医薬品使用が伸び悩んでいることはご存知の通りです。厚生労働省の最近の調査結果が以下のリンクよりご覧いただけます。
中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会(第10回)議事次第
実際に後発医薬品へ変更・調剤されたものは全体の5.7%、これはかなり低い数字と受け止められています。
そうなると後発医薬品の更なる使用促進策が検討されることになります。その一つとして処方せん様式の再変更もあり得るということです。
どのように変わるか。もちろん現時点では予想の域を出ないのですが、一つは
「後発医薬品への変更可」 + 保険医署名
という部分を
「後発医薬品への変更不可」 + 保険医署名
という形に変更するということが挙げられます。即ち現行の方式と逆の「署名がなければ後発医薬品へ変更して調剤が可能」という方式です。
この方式の採用は、現在「後発医薬品に対して責任が持てないために署名をせずにいる」という医師に対して、大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。
「可」と「不可」の違いは医師承認制からの単なる変更に留まらず、後発医薬品変更の運用面において、薬局・薬剤師側に大きなシフトが起こると考えられます。
そうなったら薬剤師は「代替調剤の確立だ!」と喜び勇んで後発医薬品使用をするでしょうか。個人的な考えですが、現状を見る限りその可能性は低いでしょうね。
じゃあ後発医薬品使用は永遠に進まないのか?国は別の方法や更にその先を考えている??これについては別記事でアップしようと思います。
[磯部氏講演関連(目次)]
15:05
| Comment(18)
| 後発医薬品・銘柄変更可調剤
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もし施行されるとしたら、「あーあ」って言います(きっと)。
アレジオンの後発品は一錠につき100円ほど安くなる場合もありそうです。後発医薬品不可の処方せんに変えることを望みます
薬剤師さんやお医者さんは大変かもしれませんがそう願う患者は多いと思いますよ
ドライシロップにおけるメーカー標準の小児用量の幅を見ればそれがおわかりいただけるかと。
でも、世の中そういう薬ばかりじゃない、というのが問題なんですよね。
制度となると、技術的問題から何でもひっくるめて考えざるを得ないところに物事の難しさがあるように感じます。
結局は個々の薬剤師の知識や経験を、個々の患者さんが信頼してくれるかどうか、ということに行き着くんでしょうね。
まぁそう考えると、やはり大事なのは承認・再評価制度の方で、処方箋の様式なんていうのはどうでも良いとも言えますか?w
後発品がある医薬品は全て一般名。
その代わり、いち「一般名処方」につき10点。上限無し。
これ位やらないと医師会側も変更に納得しないのでは?
まあ、医師会も組織力低下しているし、患者サイドが政治家に働きかければ、点数無しで変更もあり得るけど。
あんまり場当たり的に変更を繰り返さないで、医療機関と薬局が完全オンライン化して情報の共有化できてからにして欲しいですね。
そうすれば一般名処方でも病院診療所にどの後発品を調剤したかオンラインで伝わるので。
システム屋泣かせの制度改定ですかね。って、今に始まったことじゃないですが。
「後発医薬品へ変更不可の意思表示がない限り代替可」というのは諸外国では割とメジャーといった話を聞きます。
>あみおき様
コメントありがとうございます。
医師に言いにくいといった声は少なくありません。仮に「変更不可」方式になった場合、患者さんにとっても大きな変化となるかもしれませんね。
>さつき様
> でも、世の中そういう薬ばかりじゃない、というのが問題なんですよね。
そうなんですよね。そこで薬剤や患者さん毎に適不適を見極めるのが薬剤師の仕事でもあると考えています。
>霧華様
この記事も磯部氏の話をベースにしているのですが、実は磯部氏の口から「一般名処方」ということは聞かれませんでした。
本日アップの記事も関連する話題となる予定ですので、よろしければご覧ください。
はじめまして。ときどき仕事中にチラ見させていただいてます。
磯部氏が口にしたのは、もしや「参照価格制度」のことでは。
はじめまして。コメントありがとうございます。
講演会に出席なさっていたのですか?「変更不可」については、懇親会の時に個人的に質問をした際にこんなお答えをいただきました(お酒が入っていたのでどこまで本当かは分かりませんが…)。
参照価格制度については今日の記事に類することを書きました。もうじきアップします。
医療費抑制の恩恵は自分にかかってきますし、個人的にはジェネリックや一般名処方は賛成です。ただ、行政のやり方として「改革ありきの悪例」が身についているのか分かりませんが、改革に伴うコストの負担を何処に求めるつもりなのかと言う点を明らかにしてから進むべきだと常々感じています。
例えば、今現在、「公的に認められた薬剤一般名の表」と言うものは存在しませんから、その開発には多大なコストがかかります。レセプト、処方せんのオンラインにしても検討段階であり、ネットワークの安全性確立が為されていない段階での情報リークには猜疑心を持ちます。
このままだと、オンライン化の金銭的負担は、国民がするのか、はたまたベンダが提供する際に持つのか、と言う事態に陥りかねません。(だって、レセコン購入時にオンライン資材分は医療/調剤側ですから+αを支払ってください、と言われても「レセコン買うんだから」と言って納得しない人はきっと多いですよね?)
とオンラインばかり話してますが、ジェネリック医薬品についてもガス給湯器のようにならないための制限を設ける事が先決だと考えています。
なるほど、国からは強要され、使用側の医療機関等からは不満を言われ、立場的にお辛い部分がありそうですね。しかも時間的な制約もかなり強いられますしね。
今の医療業界はPC無しには成り立っていかないですし、それは今後ますます強くなります。ベンダの方の声がもっと届くような仕組みを作るべきですね。
レスありがとうございます。残念ながら磯部氏の講演会には行っていません。「参照価格制度」については、後発品使用が思ったように進まない厚労省の次の促進策として業界紙で何度か記事を見かけました。ただ現実的には導入は難しいと思います。製薬協の各社も増収のところが多いですが、海外での好調が原因で、国内を見れば横ばいや減少がここ数年続いています。無理に導入すれば、各社は新薬開発を海外にシフトさせるでしょう。
ただ厚労省もそこは十分承知していて、「参照価格制度」と「代替調剤」をチラつかせながら、最終的には「後発品処方点数の+α」(+5〜10)と「後発品変更可→変更不可」に落ち着くのではないかと思っています。
「台所事情は苦しいが、決して一方的に進められない」といったところでしょうか。様々な要因や展開を検討する必要がありそうです。
つまるところ、ジェネリックは「品が違う」ときちんと厚生労働省が認めるところからスタートラインして欲しい。
そうすれば薬剤師も正々堂々とジェネリックをすすめます。
「一緒だ」と言われるから、皆尻ごみするんではないでしょうか?
ジェネリックが思ったほど・・・は、私からすれば厚生労働省の政策の誤りが一番と思います。
なるほど、それは要因の一つとしてあるかもしれません>「一緒だ」と言われるから、皆尻ごみする
前提を変えれば見方も変わってきますね。
私は以前ある雑誌に処方箋の問題を投稿したのですが、ジェネリックがどうのという前に、変更内容を報告する義務や、変更内容に対する責任を薬剤師の方々がきちんと自覚するかとか、患者がどんな薬局に行くか特定できないのに変更を依頼するということに疑問があり、制度としてきわめて未熟だということで、この制度は良くないといったのですが、「変更不可」ということになるとそこにサインがない限り変更しなければならないという義務が薬剤師には生ずるわけですから、それがたくさんになると大変でしょうね、きっと!
>「変更不可」ということになるとそこにサインがない限り変更しなければならないという義務が薬剤師には生ずる
後発品に変更するかどうか最終的に決定するのは患者さんですよね。
言葉遊びに聞こえてしまうかもしれませんが、「変更不可」のサインが無いということは「変更可」です。不可は “してはいけない” ですが、可は “しなければいけない” ではなくて “してよい” です。つまり義務ではありません。
変更可の処方箋を受けたら、患者さんに後発品に関する説明を行い、変更の意思を確認し、それに従うという義務はあるでしょうが、変更しなければならない義務などというものはないのではないでしょうか。
逆に、ある患者が変更可のサインが無い処方箋を持ってきたとしても、
(1)話を聞いていたら生活費における治療費のウェイトが重く、今後治療を受け続けられない可能性があることを知ったような場合に、後発品の使用或いは、後発品のある薬剤への変更を医師に相談するよう薦めたりすることや、
(2)味や錠剤・カプセルの大きさ等に関して後発品の方が優れていて、後発に変えることによりコンプライアンス向上が見込まれるようなケースにおいて、積極的に後発品への変更を患者に薦めて行くこと
などは、薬剤師の義務だと考えています。
でも、あくまで主体は患者であるべきだと思います。だから私は様式なんて正直どうでもいいと思っています。
院外処方もまるめの中に入ったら・・・・
それこそ必死になってジェネリックに変えないと「赤字で薬分持ちだし」です。
そこまではかわいそうだから自力で利益が出るように・・・と。
あくまで最悪のシナリオでの私見ですが。
私の記事の書き方があまりよくなかった部分もありますが、決してつけ忘れを期待した様式変更ではないと思います。ニュアンスがうまく伝わらないかもしれませんが…。
一つ考えられるのは「変更不可」にした場合、医師にその根拠が求められるということです。国としては先発と後発は同等であるとの立場ですので、正当な根拠がなければ安い方、即ち後発品を使ってくださいということだと思います。
>さつき様
主体は患者さんだということは仰る通りと思います。そういう意味では、選択権の広がる「変更不可」様式の方がいい部分もあるのかなと感じます。
>ぽんた様
後発医薬品の本格的な普及には「使わなければ身を切る」という包括化にしないと、という話になってくるのかもしれません。
>選択権の広がる「変更不可」様式の方がいい部分もあるのかなと感じます
いやー、実は私も上の文章打ちながら、「ん?『変更不可』様式のほうが普通に良くないか?」と思ったんですけど、さすがにそれは言いすぎかと思って控えて見た次第でした(笑)