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2009年11月10日
タミフル「脱カプセル」時の注意点
タミフルドライシロップ3%の供給が間に合わないということで、対応に苦慮されている方も多いのではないかと思います。
それでもタミフルドライシロップを必要とする患者さんはいるわけで、いよいよということになりますと「脱カプセル」という方法が取られます。
タミフルドライシロップは過去にも供給不足に陥ったことがあり、それを経験している方もいらっしゃるかと思います。今年の5月に日本病院薬剤師会が脱カプセルの調剤方法について参考例を示しています。
日本病院薬剤師会:新型インフルエンザの治療・予防投薬におけるタミフルドライシロップが不足した場合の対応について
http://www.jshp.or.jp/cont/090527-s.html
一部抜粋いたします。
ですので、
でタミフルドライシロップ3%と同一含量の製剤が出来上がるというわけです。
(同日追記)
本当でしたら「タミフルカプセル75mg 4カプセルを脱カプセルしたものに乳糖を加え10gとする」というのが正しい書き方なのかもしれませんが、実際は乳糖を別に秤量することになると思いますので、このような表記にしました。
日病薬のサイトにも書かれていますが、この「脱カプセル」をしたものの服用に際しては、「苦味」が大変厄介です。小さな子どもが飲めるように、いかに工夫するかがもう一つの課題といえます。
それから保険請求上の留意点につきましては、Q&Aが出されていますので、それに沿って請求業務を行うことになります。
厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部から出されました、「新型インフルエンザに係るタミフル等に関するQ&Aについて」(事務連絡 平成21年11月6日)を以下にお示しします。
無闇に脱カプセルすることはダメですよ、といった内容のことが書かれていますが、ドライシロップがあるのにわざわざ脱カプセルするところもないかと思います。
脱カプセルを行った際、レセプトの摘要欄に「タミフルドライシロップ不足のため」等の「やむを得ない事情」を記載することとなっているようです。
(関連書籍)
・医療従事者のための新型インフルエンザA(H1N1)対策実践ガイド(amazon)
それでもタミフルドライシロップを必要とする患者さんはいるわけで、いよいよということになりますと「脱カプセル」という方法が取られます。
タミフルドライシロップは過去にも供給不足に陥ったことがあり、それを経験している方もいらっしゃるかと思います。今年の5月に日本病院薬剤師会が脱カプセルの調剤方法について参考例を示しています。
日本病院薬剤師会:新型インフルエンザの治療・予防投薬におけるタミフルドライシロップが不足した場合の対応について
http://www.jshp.or.jp/cont/090527-s.html
一部抜粋いたします。
調剤方法の参考例
タミフルカプセル75mg(1カプセル中オセルタミビルとして75mg含有。全量は165mg)4カプセル(300mg含有)からカプセルを外し、タミフルドライシロップ3%と同一含量になるよう乳糖で賦形し、1g中にオセルタミビルとして30mg含有する散剤を予製する。
ですので、
タミフルカプセル75mg 4カプセル
乳糖 9.34g
でタミフルドライシロップ3%と同一含量の製剤が出来上がるというわけです。
(同日追記)
本当でしたら「タミフルカプセル75mg 4カプセルを脱カプセルしたものに乳糖を加え10gとする」というのが正しい書き方なのかもしれませんが、実際は乳糖を別に秤量することになると思いますので、このような表記にしました。
日病薬のサイトにも書かれていますが、この「脱カプセル」をしたものの服用に際しては、「苦味」が大変厄介です。小さな子どもが飲めるように、いかに工夫するかがもう一つの課題といえます。
それから保険請求上の留意点につきましては、Q&Aが出されていますので、それに沿って請求業務を行うことになります。
厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部から出されました、「新型インフルエンザに係るタミフル等に関するQ&Aについて」(事務連絡 平成21年11月6日)を以下にお示しします。
問1 新型インフルエンザの流行によりタミフルドライシロップ3%(成分名:オセルタミビルリン酸塩)の入手が困難な場合において、当該製剤の投与対象となる患者に対して、タミフルカプセル75mgを脱カプセルし、賦形剤を加えて調剤した上で交付した場合、薬剤料の算定は可能か。
(答)新型インフルエンザの流行によりタミフルドライシロップ3%が入手困難な場合であって、当該薬剤の投与が必要な患者に対して、タミフルカプセル75mgを脱カプセルし調剤したものをタミフルドライシロップ3%の用法・用量に従い投与した場合に限り、薬剤料の算定は可能である。この場合、脱カプセルしたタミフルカプセル75mgに係る薬剤料については、オセルタミビルの実際の投与量に相当する分(例えば、5日間でオセルタミビルとして合計262.5mg投与する場合は、タミフルカプセル75mgの3.5カプセル分)を請求するものとし、院内処方の場合には医科レセプトの摘要欄に、院外処方の場合には調剤レセプトの摘要欄に、それぞれ「タミフルドライシロップ不足のため」等のやむを得ない事情を記載すること。
なお、タミフルドライシロップ3%の使用を優先することは当然であるが、その入手が困難であり、かつ、医療上その投与が必要と判断される状況においては、タミフルカプセル75mgを脱カプセルしてタミフルドライシロップ3%の用法・用量に従い投与することについて、本剤の服用方法や米国においても同様の方法が推奨されていることに鑑み、有効性・安全性上、ドライシロップ3%と異なるような特段の問題は生じないと考えている旨を医薬食品局審査管理課に確認済みであることを申し添える。
問2 問1のようにタミフルカプセル75mgを脱カプセルし、賦形剤を加えて調剤した上で交付した場合、保険薬局は自家製剤加算を算定できるのか。
また、入院中の患者に対して同様の調剤をした上で投薬を行った場合には、保険医療機関は院内製剤加算を算定できるのか。
(答)タミフルドライシロップ3%が入手困難な場合であれば、それぞれ算定できる。
問3 新型インフルエンザに係る医療提供体制の確保の一環として、薬局が夜間・休日営業の地域輪番・当番制に参加する場合に、薬事法に基づく営業時間の変更の届出は必要か。
(答)薬局の営業時間変更に係る都道府県知事への届出は、「通常の営業日及び営業時間」について求めているものであり、新型インフルエンザに係る体制確保の一環として夜間・休日営業の地域輪番・当番の体制をとる場合においては、変更届の提出は行わなくても差し支えない。
なお、各薬事担当部局においては、新型インフルエンザに係る医療提供体制に関する担当部局や地域薬剤師会等から輪番・当番体制に関する情報を得るなど、その把握に努められたい。
無闇に脱カプセルすることはダメですよ、といった内容のことが書かれていますが、ドライシロップがあるのにわざわざ脱カプセルするところもないかと思います。
脱カプセルを行った際、レセプトの摘要欄に「タミフルドライシロップ不足のため」等の「やむを得ない事情」を記載することとなっているようです。
(関連書籍)
・医療従事者のための新型インフルエンザA(H1N1)対策実践ガイド(amazon)
18:00
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タミフルドライシロップが足りない!
Excerpt: タミフルのドライシロップが足りない! 国内工場でフル生産するも追いつかず… タミフルドライシロップ(一般名:オセルタミビル)の生産が、医療機関からの注文に追いついていない。「現在、在庫は全くなく..
Weblog: another side of ”d-inf”
Tracked: 2009-11-11 22:14
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タミフルドライシロップが足りない!
Excerpt: タミフルのドライシロップが足りない! 国内工場でフル生産するも追いつかず… タミフルドライシロップ(一般名:オセルタミビル)の生産が、医療機関からの注文に追いついていない。「現在、在庫は全くなく..
Weblog: another side of ”d-inf”
Tracked: 2009-11-11 22:14
日経DI6月号に載ってたRpを試してみようと
思っております。
(タミフル10C+白糖7.4g+粉末ミルクココア16g)で、
全量25gとする(3%散と同力価)。
…この場合、自家製剤加算(乳幼児)の
120点は算定できるのでしょうか?
今まで算定したことがないので、ご経験の
ある方はご教授願います。
コメントありがとうございます。
ココアパウダーはいいみたいですね。乳幼児の自家製剤加算は、よさそうな気もしますがどうでしょう…。
どなたかご存知の方いらっしゃいますかね。
以下のデータがあるそうです。
○試料
タミフルカプセル20カプセル(1カプセル中165rの粉末が封入)を脱カプセルし、乳鉢中でよく混和する。
そこから精密に750rを秤量し、粉末乳糖を加え10%散を調整、これを試料とする。(結晶乳糖等でも試料の調整を試みたが、粉末乳糖が最も混ざりやすかったとのこと)
○保存条件
@25℃、60%RH、1000ルクス
A40℃、75%RH、1000ルクス
○結果
@の条件下において45日後外観変化なし。成分含量約98%に低下。
Aの条件下において、7日後外観変化なし。成分含量約95%に低下。
だそうです。
ということで、当方は上記の方法で10%散を調整して保管、使用時更に乳糖を加え3%散として調剤に用いようと思います(本当は10%散のまま使いたいのですがね)。
最初から3%散を作るのもありだと思いますが、一応メーカーで安定性が確認されているレシピがある以上はそれでやりたいので。
蛇足ですが、もちろん冷蔵庫での保管は避けますね。
少し興味があるのは、結晶乳糖より粉末乳糖の方が残存率が良い事です。
分包時にロスが多そうな粉末はあまり使用しようとは思いませんが、検討には値するかもしれませんね。
当薬局では小児科の処方せんを受けることがほとんどないため、未だにDSの在庫が残っている(というか、毎年2〜3本ロスになってる)くらいなんで、今回の件もほとんど関係ないんですよね。
ただ、当番制でやってる市の休日夜間小児救急診療所では被害甚大で、そちらの方で使いたいと思っています。
分包時のロスについてはおっしゃる通りなんですが、なにしろしょぼい調剤スペースしか与えられておらず、分包機もこれと似たような原始的なやつ(以下参照)ですから、逆にロスの心配はゼロです(笑)
http://www.cs-labo.jp/sho_detail.html?SHID=CHZ1000984&SHNM=%BE%AE%B7%BF%C2%EE%BE%E5%CA%AC%CA%F1%B5%A1&CTCD=CH
関係ありませんけど、診療所では日祝日は1日分、土曜日や祝前日は2日分の処方が出るんですよね。
しかも1人の患児に分3の粉を3種類とか平気で処方する心やさしい医師とかがいらっしゃって・・・
その場合、2日分だと3x3x2で、何と一人の患児に対して18回も秤量しなきゃいけない!!責任者今すぐ出てこ〜い!(#-_-)
てか、アスベリン散0.1g分3とか…ここにあるのはそういう天秤じゃ、ない…デス…orz
ま、そんなこんなで、混むのか混まないのか毎回ドキドキです(そして半分くらいの確率で瞬殺)笑
話がそれてスイマセンm(_ _)m
DSの用量用法に従えば、薬剤量の算定が可ということですが。
ただでさえ苦い薬を、量が多く処方されて、飲めないお子さんも多いので、少量の賦形で、混ぜる食べ物、飲み物で、コンプライアンスを上げようと思うのですが・・・・レセプトが通らなかったら悲惨だし。
新型インフルの患者さんはまもなく400人に達しそうです。
皆さんのご意見をお聞かせください。
昨日、地元薬剤師会の会合がありまして
実際に混ぜて、味見された方から。
やはり、粉末が混ぜやすい。まずい苦い。
服用時はココアと混ぜると飲みやすい。
とのことでした。
コメントありがとうございます。
いろいろと工夫をなさっているのですね。結晶乳糖と粉末乳糖で違いがあるのも驚きでした。
DSと同じ3%にしなくてはならないか…という点は確かに悩みどころですね。量を抑えたいのはすごくよく分かります。
レセプトの件で悩むのは、本当に歯がゆい思いをしますよね。
薬を飲めなくては意味がないので、とおるのであればトライしたいと思うのですが、分包機ににおいが残るのではとも心配です。
日病薬の処方に従って作って、患者さんにはお薬のめたねチョコ味を勧めてみましょうか?
ところで、リレンザも品薄で、こちらでは卸からの出荷規制がかかってきましたが、皆さんの所はどうですか?
リレンザの生産のため、セレベントロタディスクも入手不可能になっていますが。
コメントありがとうございます。
いざとなったら自宅でココアパウダー用意してもらうしかないですかね…。
リレンザは私も出荷調整の話を聞きました。まったく入ってこないわけではなさそうですが。セレベントにも影響が出ているんですね!
インフルワクチンの10mlバイアル以上にひどい話じゃないですか?
何でそんなでかい箱にするんでしょうね?
捨てるためのリレンザは、いっぱいあるんですよね?
備蓄用、というのは国が持っているのですよね?77人分って、なぜそんなすごい数になってしまうのでしょう…。
当番の時はやはりないと困りますよね。そういう事情、多少考慮していただけるといいんですけど…。
苦味対策に白糖やココアで賦形とのことですが、うちの管理が分包機がべたべたになって、あとが困るというのですが、本当にそんなにべたべたになりますか?
何分、内科の門前で薬剤師の中で小児科に長けている者がいなくて、すべて管理の思い込みが多いもので...薬なんだから苦いだろうなんて一言でかたずけられているのですが。
苦味は何とかしないといけないと思うのですが
ね〜
ひとつ質問したいのですが…。
数年前にも、タミフルDSは品不足になって脱カプしまくっていた記憶があります。その時は3%になるように調製していた記憶がないのですが…。皆さんはいかがでしたか?
またこの調製のために、乳糖も品薄で入荷しません。ますます、10%のまま調剤したほうがいいように思っています。
もし、趣旨に合わなかったらくま☆様、コメント削除してください。
過去にインスタントコーヒーを分包機にかけたことがありますが、ちょっとニオイは残った記憶があります。
白糖は熱が加えられると溶けちゃいますかね…。
どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらお教えください。
>あゆ様
以前にDSが不足した際、3%に調製することはしていなかったですよね。
公表されている手順を標準的なものとして、状況に応じてアレンジできるといいのですが…。
副作用被害者救済制度とかとか・・・
カプセルって多分小児適応ないって思いますし(調べてなくてすみません)
自家製剤品だと、PL法やら何やら、ややこしいって思うんですが・・・・
ウクライナで、強毒性インフルエンザが流行。
まさしくスペイン風邪の再来。
肺が内出血、肺水腫を起こす。
死亡した方の肺は真っ黒だそうですが。
直近24時間で2万人感染。12人死亡。
どなたか情報ありましたらお願いします。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20091120_ukraine_h1n1/
メーカーMR氏が来たので聞いてみたのですが、特に3%にしなければならないといったことはないとの返答でした。
他に、千葉県薬剤師会が「タミフルカプセル75 脱カプセルマニュアル」を出していますね(会員以外は見れないようですが)。
http://www.c-yaku.or.jp/
ウクライナのはちょっと気になりますね…。