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2009年12月28日
「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子」まとめ
そんなに新しい話でもないのですが、来年4月の調剤報酬改定に向けて中医協で議論されていた「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子」について、おさらいしてみます。
厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第158回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1222-5.html
上記リンクの「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子について(pdfファイル)」が該当する資料になります。
「基本的考え方」の部分では、これまで後発医薬品の使用促進のために取り組んできたけれども、依然として低調で、特に後発医薬品に対して「積極的でない薬局をどうするか」といったことが書かれています。
続いて「具体的内容」の部分では、施策が列挙されています。確認の意味も込めて、簡単に引用します。
(※の部分は私の個人的な感想ですので読み飛ばしていただいても構いません)
○ 薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し
数量ベースでの後発医薬品の使用割合が低いから、数量ベースを導入します。20%以上、 25%以上、30%以上の3段階で加算を設定し、特に25%以上、30%以上を高く評価すると書かれています。
除外品目として、経腸成分栄養剤(エンシュア・リキッド、ラコール等)や特殊ミルク製剤(フェニルアラニン除去ミルク及びロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク)が挙げられています。
※ 具体的にどのくらいの点数が算定されるのかが大変気になります。drugstore styleのhadakadebanezumi氏のご指摘が鋭いですね。
○ 薬局における含量違い又は剤形違いの後発医薬品への変更調剤
これは薬局の在庫負担に配慮されたものです。大前提として「「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名等のない処方せん」である必要があります。
更に条件が2つあって、「変更調剤後の薬剤料が変更前と同額又はそれ以下」かつ「患者に説明し同意を得ること」。「かつ」ですので両者を満たす必要がありますね。
それらがクリアされた上で、「規格変更」(10mg1錠→5mg2錠)または「剤形変更」(口腔内崩壊錠→普通錠)が可能になる、ということです。
ただし、医師が規格や剤形を変更してほしくない場合は、「含量規格変更不可」や「剤形変更不可」といった記載方法も認められるようです。
気になる医療機関への情報提供ですが、「原則として」情報提供を行うよう書かれています。
※ 剤形変更はとても助かります。例えば5種類の内服薬があって、ひとつだけOD錠という場合、あんまり意味がないですからね。
※ 医療機関への情報提供は、おそらくこれまで通りされるのでしょうね。「原則として」なので、やらなくてもいいと取れますが、信頼関係は大切です。
※ ただ、あまりギチギチにやってしまうとそれがネックになりかねないので、運用の中である程度の柔軟性はあってもいいのではないでしょうかね。
○ 保険医療機関及び保険医療養担当規則等の改正
更に療養担当規則も改正されるようです。これまでも「後発医薬品の使用に努めなければならない」といった記載がありましたが、今度の改正では、
といたことが追加されるようです。
※ これは行動規範としては大切なことなのでアリかなと思っています。むしろ「後発医薬品の使用に努めなければならない」はすごく違和感ありましたから、そっちは外してもいいんじゃない?と思うんですけど、そういうわけにもいかないんでしょうね…。
(関連リンク)
アポネットR研究会:来年4月からの後発医薬品使用促進策が了承http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/091218.html
厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第158回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1222-5.html
上記リンクの「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子について(pdfファイル)」が該当する資料になります。
「基本的考え方」の部分では、これまで後発医薬品の使用促進のために取り組んできたけれども、依然として低調で、特に後発医薬品に対して「積極的でない薬局をどうするか」といったことが書かれています。
続いて「具体的内容」の部分では、施策が列挙されています。確認の意味も込めて、簡単に引用します。
(※の部分は私の個人的な感想ですので読み飛ばしていただいても構いません)
○ 薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し
数量ベースでの後発医薬品の使用割合が低いから、数量ベースを導入します。20%以上、 25%以上、30%以上の3段階で加算を設定し、特に25%以上、30%以上を高く評価すると書かれています。
除外品目として、経腸成分栄養剤(エンシュア・リキッド、ラコール等)や特殊ミルク製剤(フェニルアラニン除去ミルク及びロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク)が挙げられています。
※ 具体的にどのくらいの点数が算定されるのかが大変気になります。drugstore styleのhadakadebanezumi氏のご指摘が鋭いですね。
直近3ヶ月が指標になるのかな?5%毎と幅が小さいので、頻繁に加算を変更する手間が出るかも。手間だけならまだしも、頻繁な点数変更が患者さんの不信感を煽らなければいいが…
○ 薬局における含量違い又は剤形違いの後発医薬品への変更調剤
これは薬局の在庫負担に配慮されたものです。大前提として「「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名等のない処方せん」である必要があります。
更に条件が2つあって、「変更調剤後の薬剤料が変更前と同額又はそれ以下」かつ「患者に説明し同意を得ること」。「かつ」ですので両者を満たす必要がありますね。
それらがクリアされた上で、「規格変更」(10mg1錠→5mg2錠)または「剤形変更」(口腔内崩壊錠→普通錠)が可能になる、ということです。
ただし、医師が規格や剤形を変更してほしくない場合は、「含量規格変更不可」や「剤形変更不可」といった記載方法も認められるようです。
気になる医療機関への情報提供ですが、「原則として」情報提供を行うよう書かれています。
※ 剤形変更はとても助かります。例えば5種類の内服薬があって、ひとつだけOD錠という場合、あんまり意味がないですからね。
※ 医療機関への情報提供は、おそらくこれまで通りされるのでしょうね。「原則として」なので、やらなくてもいいと取れますが、信頼関係は大切です。
※ ただ、あまりギチギチにやってしまうとそれがネックになりかねないので、運用の中である程度の柔軟性はあってもいいのではないでしょうかね。
○ 保険医療機関及び保険医療養担当規則等の改正
更に療養担当規則も改正されるようです。これまでも「後発医薬品の使用に努めなければならない」といった記載がありましたが、今度の改正では、
患者に後発医薬品を選択する機会を提供すること等患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応に努めなければならない
といたことが追加されるようです。
※ これは行動規範としては大切なことなのでアリかなと思っています。むしろ「後発医薬品の使用に努めなければならない」はすごく違和感ありましたから、そっちは外してもいいんじゃない?と思うんですけど、そういうわけにもいかないんでしょうね…。
(関連リンク)
アポネットR研究会:来年4月からの後発医薬品使用促進策が了承http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/091218.html
00:10
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| ウラ
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今は、何を指標にしてチョイスするか…その辺も曖昧な感じが拭えないし。。。
たとえば、最低でも、Tmaxとt1/2とか、崩壊試験とかは、先発品のデーターを使うのではなく、測定してデーターを出してもらうとか…
それに、先発だけが適応追加承認を受けるのも…問題ないのでしょうか?もし、同等性があるのなら…その辺も統一してくれないと、ちょっと納得行かないんです。
勉強不足で、間違った事を書いていたらごめんなさい。
コメントありがとうございます。
GEに関してはいろいろと悩みも少なくないですよね。
クロスオーバー法が用いられるのであれば、先発品のデータは個々のGEメーカーが試験を行ってとりますよね。…というか先発品のデータだけ抜き出して比較することは全く無意味なことです(試験条件が違うので)。
例えば先発と後発、それぞれの添付文書を比較してtmaxとt1/2がどれだけ違う!ということはできないですよね。
適応と同等性の話は、「わかりやすさ」という観点からはできれば一緒の方がいいですよね。しかし物質特許と用途特許という考え方が成り立っている以上、どうしても生じてしまうのではないでしょうか。
後発品を使用しなければならない本当の意味は?何なんでしょう。化学物質の共有値を安くするのは当然と考えます。ジェネリックが嫌ならばそもそもの先発品の値段を下げればどうなんですかねぇ?
コメントありがとうございます。
テバは興和と組みましたね。更に大正薬品を買収しました。一時、沢井製薬が買収されるのでは?という話もありましたが…。
先発品の値段を下げれば、というのは多くの方が言っておられますね。医療財源の観点から考えるのであれば、それはもっともな話です。
「事業仕分け」でもそのあたりのツッコミが入っていました。厚生労働省の答弁は「後発品を使いたいのは先発品に比べて価格が安いから。だから、先発品の薬価は高い方がいいんだ」というナゾなものでしたが(本末転倒ですね…)。
後発品の使用に消極的な病院・薬局の法人税率や社会保険料率を引き上げればいいんです。
法律や事務手続き上の問題はあるかもしれませんが、これなら患者負担は増えず、医療機関のふところが痛むだけです。
医療費を余計に使うところからたくさん徴収するという名目もたちますし、大規模なところほど影響が大きいので一気に進むのではないでしょうか。
先発薬価の引き下げはいいのですが、薬価が一気に半額以下になっても卸値がそこまで下がらず、逆ざやになったりしないかというのが個人的に心配です。
コメントありがとうございます。
法人税率を引き上げるとは考えつきませんでした。調剤報酬ばかり頭にありましたが、結局は経済誘導という方法に行きつくのでしょうかね…。