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2007年03月05日

調剤「補助」行為は認められる?

日本薬剤師研修センターのHPに巻頭言というページがあります。毎月色々な分野の方が書いておられますが、先月は弁護士の三輪亮寿氏が書いておられました。

法的に見た薬剤師職能存立のための7か条

ちょっと気になるのは1番目のところです。引用いたします。

1.薬剤師は、大いに助手・機械による調剤を採用せよ。
 調剤の補助には法的な制限がないので、助手に補助させることは可能である。但し、「補助」というからには補助としての実態がなければならない。薬剤師は、「薬剤師ならでは」の業務に邁進すべきである。


「薬剤師ならではの業務を」という文章の趣旨はよく分かります。しかしながら、これをそのまま受け止めるとどういった解釈になるのかが気になります。

「調剤の補助には法的な制限はない」とのことですが、法律を見てみます。薬剤師法の調剤に関する規定は非常にシンプルです。


第十九条  薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない。


確かに調剤の補助についての規定はありません。現状は規定がないということを根拠に、薬剤師以外の者が調剤ができないという認識が一般的だと思われます。

しかし誤解を恐れずに言えば、法というのは解釈次第でどうにでもなります。補助についての規定がないということを逆手にとりますと、

「薬剤師が調剤したということが担保できれば、補助行為が認められる」

という解釈をすることも可能になります。具体的には調剤行為と補助行為に線引きを行うことが挙げられます。

じゃあ調剤って何でしょう。どこまでを調剤と言うのでしょう。レセコン入力は調剤ではない?ピッキングは調剤行為でしょうか、調剤補助行為でしょうか。


ちょっと見方を変えると調剤補助(テクニシャン)制度導入への布石となりそうな感じもしますね。


(関連リンク)

調剤補助とテクニシャン導入(何かをすれば何かが変わる)

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20:21 | Comment(19) | ウラ

この記事へのコメント
 三輪先生が述べられるとドキっとします。今月末に講演会がありますので、楽しみにしています。
 「調剤」の意味ですが、薬剤師法19条では行動を規定しており、パッと見ただけでは意図が担保されるよう求めているようには見えません。見(え)なきゃいけないのかもしれませんが。
 その意図を意識するから、補助まで規定していないと、行動(手段)に縛られすぎるなと訴えておられるのかもしれません。
Posted by お疲れ at 2007年03月06日 08:40
はじめまして。
過去に報道された無資格調剤とは
何なのでしょうね。
どのような行為を調剤とみなしたので
しょうか。
それがわかれば、少しははっきりと
すると思います。
私としては、販売又は授与の目的で
薬をさわる行為は調剤と思います。
Posted by オーナー薬剤師 at 2007年03月06日 17:47
>お疲れ様
私は学生時代に三輪氏の講義を受けたことがあります。薬事法規の方面ではかなり影響力のある方ですよね。
その方がこういった意味の発言をすることに何か裏があるのでは?とついつい思ってしまいます。

>オーナー薬剤師様
はじめまして、コメントありがとうございます。
この発言だけでは何とも真意をはかりかねる部分もありますがなるほど、過去の事例は大いに参考になりそうですね。
現状行われている行為の容認にならないかも心配です。
Posted by くま☆ at 2007年03月06日 18:16
解釈は多様で難しいですよね。
オーナー薬剤師さんが言うような解釈ももっともだと思う反面、先日述べた経理上の歪みも考えると(結局現在助手のような者を使っているのは、薬剤師を雇用するにあたっての、金銭的や人数的なところからの利益を出すための策なわけだし)、将来薬剤師のポジションがどうあるべきか考えてしまいます。

薬剤師が何でもかんでもやらないといけないとなると、自然に必要薬剤師数は多くなるし、多くなれば国全体で見た場合の薬剤師にわたる報酬も人数割りで少なくなるし・・・

理想は患者さん一人当たりの診療及び調剤報酬が上がって、全員が薬剤師として質の高いものを増えた支払いの代わりに提供してもらう事ですが、いかんせん日本国の借金事情を考えると、これから先も点数を筆頭として利益率は下がっていくと思われます。

そのような事情の中では、テクニシャンに雑務(本当は専門的なことも有るが・・)は任せつつ、薬剤師が偉そうに?それらを操り動かし責任を持ち患者さんに薬等を提供をしていくほうが薬剤師の社会的地位におけるメリットは有るのではないかと思ってしまいます。
Posted by まじゃ at 2007年03月06日 18:17
>まじゃ様
将来的なことを考えますと、調剤行為を本来的なものと補助的なものとに分けて考える必要も出てくるかもしれません。それならそれで、法的な面での整備もしていかないとですよね。
なし崩し的にこのまま行くのはリスクが大きすぎると感じます。
Posted by くま☆ at 2007年03月06日 18:52
 三輪先生の主張の中で、調剤補助・調剤助手のところにばかり反応しがちですが、この意図するところは、現状の「薬剤師不足を緩和しよう」とか「薬剤師の採用を減らし、労務費率を下げ、経営改善を図ろう」ということではないのではないでしょうか。
 「薬剤師ならではの業務に邁進すべきである」という部分こそ眼目で、調剤補助等はその手段のように思えます。
 仮に結果として調剤補助が公けなものになったとして、同時に薬局や薬剤師のレベルアップが期待され、そういう社会に進展することが目指すところであり、問われているのではないでしょうか。
Posted by お疲れ at 2007年03月07日 16:42
>お疲れ様
確かに着眼すべきは「薬剤師ならではの業務に邁進すべきである」という部分でしょうね。恐れるのは言葉が一人歩きし、補助が手段でなく目的になってしまうということです。
Posted by くま☆ at 2007年03月07日 18:23
私は調剤薬局に勤務している事務員ですが、私も日々「補助とは何なんだろう?」と考えながら仕事をしています。

正直うちの薬局では、分包は勿論のこと、散剤の混合、更には嚥下困難の患者さんの粉砕&計量&混合まで、主に事務員がやっているのが実態です。

その間、薬剤師は薬歴をゆっくり書いたり、会議の資料を眺めたり。

薬剤師も複数居るのに、事務のうち一人は必ず調剤に入って当然という店内ルールです。


患者さんを待たせない為に・・・とか、薬剤師は薬歴を細かく書かなきゃいけないから、大変なんだよ・・・という事は理由にする次元ではないと思います。

勤務歴が長いと、確かに薬に対する知識は多少は付きます。
でも、薬剤師免許証という物が何なのか、ただ監査して、時々疑義して、投薬して、薬歴記入さえすればいいのだろうか?

患者さんの待ち時間が仮に5分短縮できたとしても、無資格者が薬を取り扱うリスクと天秤に掛けられる問題ではありませんよね?

そんな気持ちで仕事をしています。

法律で調剤とはどこからどこまでなのか、きっちり決めていないから、こういう事が起きるのでしょうかね?
Posted by 雪だるま at 2010年06月25日 01:19
いやあ、調剤行為は決まっているでしょう。
散剤混合したり粉砕してしまったら、いくら調剤した担保が云々なんて、へ理屈つけたって、後で薬剤師が確認できないんだから無理でしょう?
どうやって粉々になった薬や混ぜてしまった薬に、他の物が混入してないって証明できます?

そんなもん、助手にさせるなんて信じられない。
雪だるまさんの勤めているとこが「おかしい」
し、それでOKと思っている薬剤師なら、免許返上すべき。
私は古い人間なので、どんなに忙しくても、助手に薬さわられるのは嫌ですね。

すみません、昔の話題ですが、一言。
三輪先生がこんな話をするというのは、確かに調剤業務の多様化で機械に頼らなくなってきた背景があると思いますし、個人的には昔から気に入らないんですが、病院のオーダリングのこともあるって思います。
あれって、医者が調剤してない?って嫌なんですよ。
また薬局でもレセコン入力を事務員が
してたら、それも嫌ですね。

それと、将来的には6年制の4年卒業生の道として、薬局助手って職業もありかなあって気もしますし、今回のように、資格のない人が何でもやってる現状を整理する意味もあるのかも、、、、医療助手なんとかが新設されたように・・・・っても思います。

でも、3年経っても変わってませんね。
Posted by ぽんた at 2010年06月25日 08:03
またまたすみません。暑さで少しぼけてました。
以下加筆。

「薬局でもレセコン入力を事務員がしてたら、それも嫌ですね。」→省略しすぎでした。
レセコンと分包機が連動してる場合、です。

医療助手なんとかが新設されたように」
→医科の医療クラークですね。すみません。

でも・・・忙しいから他の職種へって話で、特定看護師の創設って話になるんだろうし・・・
どうなんでしょうね。
Posted by ぽんた at 2010年06月25日 16:48
>お二方
コメントありがとうございます。
この話が出たのは3年以上前なのですが、その後大きな動きは出ていませんよね?将来に対する布石なのでは?とも思ったのですが…。

薬剤師の業務として考えるのであれば、もう少し薬物治療への関与へシフトしてもよいのでは?と思います(移行可能かどうかはまた別の話になりますが)。

雪だるま様のケースは、文面から法解釈よりも薬剤師への不満の方が大きいのでは…という印象を受けましたが、そうでもないのでしょうか。
Posted by くま☆ at 2010年06月26日 22:49
お疲れ様です。
私の知る限り、事務員が調剤はクリニックの院内投薬では当然の行為です。私も事務員に調剤方法を習ったクチです。

現在は転職して別の職場で働いていますが、今思うとヤバいと思います。
Posted by SP at 2010年06月26日 23:25
錠剤自動分包機や全自動薬剤払出機などの省力化機器が発売されている中、どこまでが薬剤師にしか出来ない「調剤」に当たるのか・・・?散・水剤秤量などの計量調剤以外の計数調剤については薬剤師以外でも良いという解釈が成り立つような気がします。機械ができる事を「薬剤師」にこだわる必要がどこまであるのか疑問に思ってしまいます。

Posted by メルボルン at 2010年06月27日 17:12
>SP様
コメントありがとうございます。
院内調剤の場合、確かに薬局ほど言われませんね。院内の歴史が長かったから、というのもあるのかもしれませんが…。

>メルボルン様
コメントありがとうございます。
おっしゃるように「機械はよくて事務員はNGなのか」という声は私も聞いたことがあります。
環境が大きく変わる中、新たな視点から考える時期に来ているのかもしれませんね。
Posted by くま☆ at 2010年06月29日 14:30
錠剤のピッキングなど、後から薬剤師が確認できるものに関しては補助として考えても良いのでしょうか?
また、レセコン入力は薬剤師がするべきなのでしょうか?
そうだとすると、事務は何をすれば?

レセコンは調剤室に入れてはいけないと、言われたことがあるのですが、何を調べても答えがわかりません。

グレーな部分が多いのが現状だと思います。
Posted by たまご at 2011年12月11日 23:35
>。機械ができる事を「薬剤師」にこだわる必要がどこまであるのか疑問に思ってしまいます。


確かに 笑 でも 機械結構壊れるってか ミスってくれるんですよ ある意味人じゃありえない事をやってくれる(とんでもないほどのミス)まぁ つぶれない機械はないわけで 特に調剤関係の機械って・・・・ こわれるんですよねぇ 普通のロータリー式からスライダーから 全自動まで(こいつの ぶっ壊れた時が一番やっかい)

で 結局 できあがったものはぜんぶ薬剤師がみないとしかたないんですよねぇ・・ 


薬剤師をあまらせ競争させれば レベルが上がるって言う方が いますが・・・ 実際 どーなんでしょう。 歯科医は競争でレベルが上がるといわれましたが 実情は やぶ医者でうめつくされる状態になりましたけどww

医師も競争させようとして失敗して 現状があるんでしょう? 競争さえさせれば よくなるってのは間違いというのは 今の医療と 日本の経済みれば わかると思うんですけど。 社会主義よりましだ!っていう理屈はなしですよ。(違う世界の話と比較しても意味がない)
Posted by やくざいし at 2011年12月12日 21:58
最近、薬局業務運営ガイドラインを熟読して、考えが変わってきました。

薬局の「業務」の中に、「調剤」行為は含まれていません。
事細かに、FAXやら処方せんの受領とか薬袋の作成等とかも書いてありますけど。
疑義照会・服薬指導もあっても、調剤は、入ってません。
調剤は薬剤師がやって当たり前だから。
当たり前なら、当たり前にやる「業務」だろうと思いますけど、ありません。

「業務」に無いから、いいんじゃないの?機械でも補助者でもって気がします。
最終的に、間違ってない事を確認して、薬袋を作成して、調剤済印を押せば。

しかし・・・・たまに薬剤師の印が無い袋見るのですが、あれは犯罪(罰金か懲役)ですけどね・・・・・

で。
まともに服薬指導等やってたら、とっても1日40枚作れません。
Posted by ぽんた at 2011年12月13日 07:47
横道ですみません。

某掲示板で面白い?記事を発見しましたので貼らせれて頂きます。

これだけ必死に調剤がうんぬんって熱く語っても世間の反応って冷ややかなんだなと、薬剤師として悲しくなりましたね。。。。


http://unkar.org/r/kankon/1233042412
Posted by 師走師匠 at 2011年12月13日 17:32
>皆様
コメントありがとうございます。
なんとなく、のフィーリングなんですが、最近は薬剤師が全部やらなくて、「薬剤師ならではの業務に専念しようよ」という流れがあるように思います。

何が「薬剤師ならでは」なのかと言われると、それはそれでまた難しい部分もあるのですが、こういうのは結局のところ、相対的なもので、社会的な合意が形成されてくれば、ラインが変わってくるのではないでしょうかね。どの方向に変わるか、というのが問題なのですが…。
Posted by くま☆ at 2011年12月13日 23:19
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