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2010年03月14日
ハイリスク薬の標準的薬学管理指導法
調剤報酬改定の伝達講習会がありまして出席してきました。そこでの内容について、いくつかご紹介したいと思います。
今回の改定で、ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実がうたわれました。ご存知かもしれませんが、具体的な中身としましては「特定薬剤管理指導加算(4点)」という項目が新設されました。
薬剤師の業務として「対物」はそれなりにできているが、「対人」が今ひとつだということで、「人」に重点を置いて新設されたのがこの加算だということです。
ですので、対象となるのは「ハイリスク薬」ですが、着目点は「薬」ではなく、それを服用している「患者さん」ということになりますね。ま、当たり前といえば当たり前の話ですが…。
ハイリスク薬は「特に安全管理が必要な医薬品」として、薬効分類に基づいて挙げられています。
では実際、ハイリスク薬を対象とした薬学的管理指導の標準的な方法はどんな形なのか、そのポイントとなるべき部分を抜粋します。
2009/12/12 日薬が「ハイリスク薬の業務ガイドライン」策定
http://blog.kumagaip.jp/article/34154463.html
こうして見てみますと、とりたてて新しいことではありませんよね。ですので感覚的には「4点を取りに行く」というよりは、今までやってきたことを当たり前にやって、たまたまその中にハイリスク薬があったから4点が算定できる、といった感じでしょうか。
蛇足かもしれませんが、この「特定薬剤管理指導加算」、もちろんやるべき事をきちんとやれば算定はできるのですが、ベタ取りするような性質のものではない、とのニュアンスで話がありました。
ハイリスク治療薬2010 High-Risk Drug Information
阿南 節子

今回の改定で、ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実がうたわれました。ご存知かもしれませんが、具体的な中身としましては「特定薬剤管理指導加算(4点)」という項目が新設されました。
薬剤師の業務として「対物」はそれなりにできているが、「対人」が今ひとつだということで、「人」に重点を置いて新設されたのがこの加算だということです。
ですので、対象となるのは「ハイリスク薬」ですが、着目点は「薬」ではなく、それを服用している「患者さん」ということになりますね。ま、当たり前といえば当たり前の話ですが…。
ハイリスク薬は「特に安全管理が必要な医薬品」として、薬効分類に基づいて挙げられています。
抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬
では実際、ハイリスク薬を対象とした薬学的管理指導の標準的な方法はどんな形なのか、そのポイントとなるべき部分を抜粋します。
1. 薬剤の効果:どういう効果があるか、いつごろ効果が期待できるか
2. 副作用:どのような副作用が起こりうるか、いつ頃から、どのように自覚されるか
3. 服薬手順:どのように、いつ、いつまで服用するか、食事との関係、最大用量、服用を継続する意義
4. 注意事項:保管方法、残薬の取り扱い、自己判断による服薬や管理の危険性
5. 再診の予定:いつ再診するか、予定より早く受診するのはどのような時か
2009/12/12 日薬が「ハイリスク薬の業務ガイドライン」策定
http://blog.kumagaip.jp/article/34154463.html
こうして見てみますと、とりたてて新しいことではありませんよね。ですので感覚的には「4点を取りに行く」というよりは、今までやってきたことを当たり前にやって、たまたまその中にハイリスク薬があったから4点が算定できる、といった感じでしょうか。
蛇足かもしれませんが、この「特定薬剤管理指導加算」、もちろんやるべき事をきちんとやれば算定はできるのですが、ベタ取りするような性質のものではない、とのニュアンスで話がありました。
ハイリスク治療薬2010 High-Risk Drug Information
阿南 節子

01:10
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| 診療・調剤報酬
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クスリはそもそもリスクはあるものですもんね。
この加算は初回限定?それとも適時説明をしたときかなぁ・・・
聞いているか確認しても算定可能であれば月1回?早く解釈が出て欲しいです。
22日は出席されますか?
抗てんかん剤を強烈に処方されている私はかなり驚いています。
そもそも何でハイリスクなんでしょうか?
飲み続けていれば何も問題ないなんて神話は甘いのですが、生死にかかわってしまうなんて薬の意味がないのでは・・・
22日は社保の説明会でしたっけ?疑義解釈等出てきますかね。できたら出席したいのですが、現段階では未定です…。
>さんまん様
言葉には驚かれるかもしれませんが、必ずしも生死にかかわるというものばかりではありません。
抗てんかん剤に関しては、シビアな血中濃度管理が求められるという意味合いが強いのではないかと思われます。
でもそれが薬局薬剤師の仕事なのかというところに疑問があります。私たちは薬剤の血中濃度を測ることが出来るわけではないわけですから。
そもそもじゃぁ、診療行為って一体なんなんでしょう?
定時薬において「管理なんていらないどうでも良い薬」なんていうものがあるとすれば、それはすなわち漫然投与に陥っているってことではないでしょうか?
ハイリスクだろうがローリスクだろうが、患者の訴えるある症状と服用薬の薬理あるいは相互作用を照らし合わせ、その可能性を疑い、原因がコンプライアンスにあるならばそれを改善するように患者に働きかけ、用法用量の範囲で起こっているならば用法用量や薬剤或いは併用薬の変更を医師に具申することは、薬剤師にとって当たり前というか、点数がどうとか関係なくやるべき通常業務の範囲内の仕事でしょう。
逆に言えば、血中濃度測定を含め、より確信的に同様のことをチェックすることは医師の通常業務の範囲内の仕事として診療行為に含まれるべきなのではないのですかね?
その辺りの整合性がとれるような説明を誰かにお願いしたいですね。
とりあえず、個人的にはハイリスク薬なんていうカテゴリーそのもの(それとそれを決めた人間)を笑うしかありません。
加算を算定するかどうかは経営的な問題が関わってしまうから、リーマン薬剤師としてはもどかしいところですが、本筋ではないそういう嫌なことを考えさせるシステムが俗でいやらしいことこの上ない。
薬剤師をバカにした最低の考え方ですよ。
以前の特別服用指導加算みたいに、後から返還とかの指導が入ったりするものなのかしら・・・?
しかし、劇薬加算とか毒薬加算と一緒で、薬使ってて、普通に指導してたら全部取れないとおかしいでしょ?
そういう意味なら、さつき様と違って違和感ないですね。
特別な指導したから取れる点数と考える方がおかしいですよ。点数は「4点」です。
病院の服薬指導では、55点ですね。
もし、薬剤師の自給を1800円とするなら。
80秒間ですね。40円って。2400円なら60秒です。
あくまでも、個人的主張ですけど。
コメントありがとうございます。
どの程度算定ができるのか?(できないのか)については、私の印象も含んでいますので、現段階ではなんとも言えません。
場合によっては不文律の「算定率」なんてのがあるのかもしれませんね…。
さつき様のご指摘はごもっともですね。素面様やぽんた様のご指摘も、表現方法は違いますが、同様の内容ですよね。
「人にスポットを当てた加算」なのに、なぜ「薬剤」が対象なのか、というのが、個人的には違和感ありです。
同感です。 前から思っていますがそもそもそういう点数でなにやら評価されるのではなく、もっと違うシステムを導入したほうがいいような気がします。そもそも上手に儲かっている薬剤師と、努力し悩んでいてもまったく儲からない薬剤師がいることがいろいろ何かと問題を引き起こすのではないかと思います。
3/5に厚生省から発表された薬価改定のエクセルファイルを作成しましたので利用される方はご自由にご利用ください。SQLを使って旧薬価も記載してあります。
https://docs.google.com/fileview?id=0B9pEXrOIHfF0NTkwMGMwZjAtZGRlMC00ZDU0LThjOTktOWFjZDUxYmI2MjY4&hl=ja
またハイリスク薬のリストも仮で作成しました。厚生省コードから抽出しましたが再考しておりません。ご意見がいただければ正式にアップしたいと思います。
https://docs.google.com/fileview?id=0B9pEXrOIHfF0YWZiMzE5ODYtYzE2NS00NTZjLTkyY2UtZTA2YTQyOWQ1Y2Rj&hl=ja
お金儲けに不器用(という表現がいいのか分かりませんが)でも実直に患者さんと向き合う薬剤師が報われるような評価方法があれば、と思います。
>madcockie様
ありがとうございます。
素晴らしいですね。ハイリスク薬のリストなどは必要としている人が多いでしょうから、すぐにでも役に立ちそうです。
リスク薬リスト
https://docs.google.com/fileview?id=0B9pEXrOIHfF0OWY5YmFkM2MtZDZmNi00ZjM3LTliYTktYWNhMzhiOWE0MmFh&hl=ja
細かいところの見直し
HIV薬追加しました。
リスク薬リスト
https://docs.google.com/fileview?id=0B9pEXrOIHfF0NWRmNTk5NmQtYTc2MC00ODI4LWI2MDYtYTdmNmNjZDczZWI1&hl=ja
修正版アナウンスありがとうございます。
コメントありがとうございます。
確かに、これまで病院で行っていたことをそのまま薬局でやろうとしても難しい部分も出てくるでしょうね。
これまでの例を参考にしつつも、最初は手探りになってしまうでしょうか。
訪れた方が書かれたコメントに対する、くま☆様のコメントもまた毎回気が利いているというか、なるほど〜という言い回しにちょっと感動しています(笑)
うちはチェーン店ですが、ハイリスク薬加算はできるだけ加算するようにと言われています。
実際、聞き取りや服薬指導はしておりますが、はて、いったいどこまで薬歴に記載したら良いのやら、と悩んでおります。
バイアスピリンひとつにしても、「出血やあざはない、胃痛、その他気になることは無いと確認した」だけじゃだめ(?!)なのでしょうし、「手術や歯の治療予定無し」などを毎回確認して記載するのか?と疑問があります。全て確認したときだけ加算するのでしょうか。そうすると今回は会計が違う!と言われかねないですよね、、(特指のときもそうでしたが)
「ハイリスク薬につき、調剤報酬算定要件に見合った服薬指導をバッチリした」と書いて終わりにしたいくらいです(笑)
数ヶ月して見えてくるものなんでしょうかね。
独り言のようになってしまいました。
失礼いたしました。
今後も勉強させていただきます!
コメントありがとうございます。
極めて個人的な意見で、理想的すぎるかもしれませんが、患者さんのQOLの向上に貢献できたのであれば、いくつ聞かなくては…といったことは問題にならないと思います。
でもそれを言ってしまうと、上のほうでさつき様も書かれていますが、「じゃあそもそもハイリスク薬なんてものがなくたって…」という話になってしまうんですけどね…