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2010年03月30日

医薬品ネット販売訴訟 判決は「棄却」

医薬品ネット販売訴訟の件ですが、速報でケンコーコム代表後藤氏のつぶやきを引用しました。

2010/03/30 【超速報】医薬品ネット販売判決 後藤氏のつぶやき
http://blog.kumagaip.jp/article/36760726.html

ダメでした。」の言葉からある程度の予想は出来ていましたが、東京地裁の岩井伸晃裁判長は、ケンコーコム社らの請求を棄却したということです。

時事ドットコム:医薬品ネット販売規制は適法=通販会社の無効請求退ける−東京地裁
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010033000656

ケンコーコムは同社のサイトで訴訟の判決要旨を公開しています。

ケンコーコム:ケンコーコム、医薬品ネット販売規制訴訟「判決要旨」を公開
http://www.kenko.com/company/pr/archives/2010/03/post_81.html

また同社はこの判決を受け、「ただちに控訴の手続きに入る」とコメントを出しています。

恐らく後藤氏が書いているブログだと思うのですが、そちらでも今回の件について触れられていました。

健康とECのBlog:一審敗訴を受けて
http://www.kenko.com/blog/genri/2010/03/blog-post_30.html

今回の判決で最も納得がいかないことが、

「対面販売とネット販売を比べると情報提供の難易、実現可能性に有意な差がある」と断じていること


だとした上で、例を4つ挙げています。

1. 対面販売では、購入者の年齢、性別、体格、身体上の特徴、顔色、表情、行動、態度やしぐさ、声質や口調を見聞きできるのに対し、インターネット販売ではそれらが困難である、あるいは購入者の申し出の場合は自己申告だからその申告内容の真偽の確認が著しく困難である。

2. 対面販売では、有資格者は名札で表示されているので確認できるが、インターネット販売では応対の相手が本当に有資格者であるか確認できない。

3. インターネット上で、禁忌事項に関するチェックボックスを設けたところで、それを正しく理解しているかわからない。

4. 対面販売で例え、実際の使用者が購入者以外のものであっても、対面販売であれば、購入者から情報をしっかり聞き取ることができるが、インターネット販売では購入者の自己申告に基づくしかないので、虚偽の申告を見抜けない。


ネットにおける販売については、性悪説についた仮説を採用しているような感じを受けますね。リアル店舗でも虚偽の申告をする人は当然いるでしょう。

じゃあその「虚偽の申告」が見破られる可能性ですが、それは対面販売の方が高いかもしれませんね。あくまで感覚的なものですが。

個人的には、ケンコーコムがシンガポールに子会社を設立し、そこから第1類、第2類医薬品を「個人輸入」するという手段をとった時点で先が見えなくなったと感じました。

法令順守にものすごく厳しいこのご時世、法の網をくぐり抜け、時代に逆行するような手段をとったことは、裁判官への心証のみならず、医薬品ネット販売の時計の針を戻したのではないでしょうか。

医薬品のネット販売、将来的にはもちろん解禁になるのでしょうが、安全性担保のための「仕組み」と、ネット販売業者の「姿勢」が問われているのかもしれません。


(関連リンク)

Tech Wave:「はらわたが煮えくりかえっている」 ネットビジネス根幹を揺るがす判例と後藤氏 【増田(maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51424858.html


(関連記事)

2009/10/27 [ケンコーコム]シンガポールに子会社設立は大変残念
http://blog.kumagaip.jp/article/33227522.html

この記事へのコメント
こんにちは

先生の原稿をよく読みます。
私はこの問題に最初の時点から関わっていました。
しかし、会を作っても会員が誰なのか?情報がこの一社しかわからない様にされていました。

また、自社の利益の為に、有力な先生達を名指しでMLで批判した為、協力しない先生が出た事も確かです。協力していれば団体として裁判に望んでいたでしょう。

1〜4までのことは4年ぐらい前でしょうか?議論が尽くされました。
なぜ?ワインなど酒の通販が出来るのかなど。

先生のおっしゃるようにシンガポールに子会社を設立しネット推進派の先生方にも見放されることになり裁判官心証もいいものではなかったはずです。

医薬品のネット販売は相当の間解禁にはならないでしょう。
ネット推進派の先生方も薬剤師会の会員であるので彼らと同じ主張というわけでなく、裁判に持ち込むのであればキチンとした形を望んでいました。

ネットは改正薬事法の一部でしたが、問題は薬学部が増える中で薬剤師以外にも薬の販売を許した点です。
ネットを含めこの国は薬に関しては発展途上国以下の水準まで落ちたというのが私の感想です。

この問題に関しては書きたい事、私も山ほどあります。
当事者でもありましたから…聞きたいことがあればご連絡ください。
Posted by koko at 2010年03月31日 02:33
>koko様
コメントありがとうございます。
内部の事情にお詳しいようで…今回の件もいろいろな思いを持ってご覧になっているのでしょうか。
またいろいろとご教示ください。
Posted by くま☆ at 2010年03月31日 21:51
くま先生

ありがとうございます。
この件に関しては上の裁判所でも棄却されると思います。

監査システムを貸し出すことを条件に会員を募集したのですが…最終的には誰も貸し出しませんでした。
私は薬剤師以外の仕事もしていますのでシステム会社の社長の人間に聞いたところ実装は無理であるという回答をもらいました。
当時の薬種商を入れる事についても激論でしたね。

検討会も…、当時の大臣は投げ…
最大の○天が裁判に加わらなかった…
法律作成時から全てが決まっていたようなものです。
ネット販売が無くなって万歳という方いますがそうではなく、
携わった薬剤師の先生方の共通の意見としては薬剤師の職域が大幅に制限されたのです。
次は調剤なのですから。
長文失礼しました。 
Posted by koko at 2010年03月31日 22:45
>koko様
コメントありがとうございます。
「薬剤師の職域制限」という部分、非常に考えさせられますね。
ネット販売について、これまでの議論とはまったく別の次元で考えていかねばならないこともあるのかもしれませんね。
Posted by くま☆ at 2010年04月01日 22:43
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