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2010年04月14日

[田辺三菱]25日間の業務停止は重いのか?

田辺三菱製薬に25日間の業務停止命令が出されました。メーカー発表はこちらから。

田辺三菱製薬:薬事法違反に係る行政処分について(2010年4月13日発表)
http://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../release/nr/2010/MTPC_med100413.html

子会社である株式会社バイファが、人血清アルブミン製剤の「メドウェイ注」において、承認申請資料データを差替えたこと等が悪質とされ、今回の業務停止命令となったようです。

詳しくは薬事日報の記事をご覧下さい。

田辺三菱製薬に25日間の業務停止‐申請データ差替えで行政処分(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry18889.html

業務停止期間は、

バイファ:14日から30日間

田辺三菱:17日から25日間


だということですが、この処分については「重すぎる」という声がある一方「軽すぎる」という指摘もあり、どの程度妥当性があるのかは判断が分かれているようです。

ただ、この業務停止期間中にゴールデンウイークが入りますので、実際の業務停止期間としてはもっと短くなりますね。実はそこまで考慮されている…なんてことも、あるのかもしれません。

もっとも「業務停止」とは言っても製造ラインも物流も動いているようですね。MR氏も能動的な活動こそできないものの、まったく連絡が取れなくなってしまうこともなさそうです。

またメーカーは製品2ヶ月分を在庫しており、安定供給には問題がないとのこと。

しかし「メドウェイ注」の自主回収が昨年2009年3月ということを考えますと、何故1年以上が経過したこの時期に業務停止命令なのか、という疑問はありますね。

先日、大洋薬品工業(高山工場)への業務停止命令がありましたが、その辺りとの関連性も何かあるのでしょうか。
23:40 | Comment(12) | ウラ

この記事へのコメント
除外品目があることから、報道では「一部業務停止」とされているものもありましたね(実際には除外品目が『一部』なのですが)。

ミドリ十字という名前を久々に聞いた気がしますが、なんというか、先発・後発問わず、医薬品メーカーに対する信頼がこのところどんどん失われていってますね。

この流れは一体なんなんでしょう。

数年前世を騒がせたマンションの違法建築事件も然りですが、行政による『承認』作業は、そもそも性善説に基づいたいわゆる『お役所仕事』ですので、モラルの失われつつある社会においては、もう古き良き日本のシステムは通用しないんじゃないかと個人的には思うんですよね。

そういう風潮に行政の中で最も先進的な対応を見せているのは同じ厚労省でも保険局でその中でも特に医療課の・・・ブツブツ
Posted by さつき at 2010年04月15日 00:49
確かに2か月分のストックがあり流通に問題ないとはMRさんが来て説明していたので現場の業務には影響なくて良いことではあると思います。
が、「制裁」の意味での「業務停止」の役割は実際はないのでは??とも思ってしまいます。
Posted by k at 2010年04月15日 09:22
私はこの処分について世論への一応の形だと思っています。
実質上滞ってはいけない薬もあり、難しいでしょうしかといってスルーもできない。
だから、世論を一定に理解させるような形をとって納得させる方向にもっていっていると思います。
処分自体は親会社とどういうやり取りがあったかが焦点ですが、基本的に捏造したバイファの方は軽すぎると思います。
Posted by あんず at 2010年04月15日 09:38
田辺も三菱も昔から業界内ではあまり評判がよろしくないのでまだまだでてきそうですが
これって先日の大洋よりも悪質ですね
大手は一様に内部のコンプライアンスには厳しいですが外部には速さを要求してかなり圧力をかけます・・・
その結果を重く見た処分でしょうね
半年くらいの停止になってもおかしくないですがあまりに影響が大きいのでこの程度の処分ということではないでしょうか
Posted by GED at 2010年04月15日 10:44
親会社からの示唆がうかがわれる不正があったようですので、親会社の処分は当然と思います。

実は、あるジェネリック品の採用を検討した時に、田辺の製品のデータが他社に比べとてもきれいで同等性が高いことから採用を決めたのです。今度の事件でその製品に対する信頼も揺らいでしまいました。

絶対にあってはならない「試験データの改ざん」が行われたことは、今回の製品だけでなく、それを是とする会社の体質があったのではないか?と疑念を抱かせます。他の製品に対する信頼にも関わってくるのです。

その重みを田辺三菱製薬、そして他の大手企業にもわかって欲しいです。
Posted by SAM at 2010年04月15日 21:06
>皆様
コメントありがとうございます。
もっと重い処分に、という一方、現場への影響等を考慮して、更に世間的にも何とか納得出来るような形に持っていった、というところなんですかね。

一つの過ちはすべての信頼を失うことにつながってしまいます。信頼回復への道は厳しいですね。
Posted by くま☆ at 2010年04月15日 22:11
 世論への影響はあると思います。

 田辺三菱は、後発品にも力を入れていましたから。
正直、関係ないにしても田辺三菱の後発品を勧めにくくなりました。
「行政処分を受けた会社」と突っ込まれると、
患者さんに対しても、医師に対しても説明しにくいです。

 逆に、田辺三菱の先発品は、後発に代替しやすくなったかも知れません。w
Posted by kitten at 2010年04月18日 00:30
>kitten様
コメントありがとうございます。
大洋薬品の件もそうですが、やはりメーカーとしての信頼性という部分において影響は出てくるでしょうね。
Posted by くま☆ at 2010年04月18日 15:10
初めてコメントいたします。
よろしくお願いします。

私はクローン病で、定期的にレミケードを投与しています。

今回は直接の支障はありませんでしたが、やはりこういう出来事があると、自分が使用している薬剤は大丈夫なのか、とても不安になります。

私のような薬剤アレルギーを持つ人間にとっては、販売権を他の製薬会社に移して欲しいくらいです。


Posted by クロ子 at 2010年04月18日 16:58
>クロ子様
コメントありがとうございます。
こういった事例は、確かに不安を誘発しますね。当該メーカーの医薬品を服用しているのであれば尚更のことと思います。

特に医薬品は、自分で薬剤やメーカーを選ぶわけではなく、またメーカーとの直接のやりとりもほとんどないですので、やり場のない思いがつのるのかもしれませんね。
Posted by くま☆ at 2010年04月18日 19:32
特許の短縮、薬価の削除、ダウンなどが処分としてはいいですね
ダウンはこちらも痛くなりますが
Posted by kense at 2010年04月19日 13:48
>kense様
コメントありがとうございます。
今度のGE収載、大洋薬品は自主的に薬価収載を見送る(縮小する?)ようですが、一定期間の収載制限というのもメーカーにとって厳しいかもしれないですね。
Posted by くま☆ at 2010年04月19日 23:27
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Excerpt:  厚生労働省は13日、遺伝子組み換えヒト血清アルブミン製剤「メドウェイ注」の承認申請資料データ差替えや市販後のGMP逸脱などを理由に、製造業者のバイファと親会社で製造販売...
Weblog: 薬事日報ウェブサイト
Tracked: 2010-04-15 10:00


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