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2007年05月21日
[後発品]安売りしないことが先ではないか
医薬工業協議会の新会長に沢井製薬の澤井氏が就任し、「医薬協新役員・新会長マニフェスト」が先日公開されました。
医薬協新役員・新会長マニフェスト(pdfファイル)(医薬工業協議会)
マニフェストの内容や報道から薬価制度に対する強い要望が見て取れます。簡単にまとめますと以下のような内容です。
具体的な数字(0.7掛や2%)についてはもちろん議論の余地があるでしょうが、「後発品を安くするな!」という主張には違和感を覚えます。
というのも現状の薬価決定のシステムを見ますと、納入価が安いものは薬価も安くなるという仕組みだからです。即ち薬価を下げているのは後発品メーカー自身であり、極めて矛盾のある主張と言えます。
正直な話、購入する側にしてみれば「薬価差はないほうがいい」と言えば嘘になりますが、コメントでもいただきますように「後発品を育てる」ことを考えるなら、薬価差に頼った販売は避けるべきでしょう。
逆に言えば薬価差が小さい後発医薬品であっても、品質確保や安定供給・情報提供といった面がきちんと行われていれば、むしろ進んで使用されていくのではないでしょうか。
「安売り→薬価下落→信頼失墜・売り逃げ」といったスパイラルから脱却しなければ後発品に未来は見えません。それは、後発医薬品メーカー自身によって克服していくしか道はありません。
(関連ニュース)
【医薬工業協議会】新会長に澤井弘行氏を選出(薬事日報)
医薬協新役員・新会長マニフェスト(pdfファイル)(医薬工業協議会)
マニフェストの内容や報道から薬価制度に対する強い要望が見て取れます。簡単にまとめますと以下のような内容です。
・品質・情報提供・安定供給を確保するためには一定のコストが必要であり、そのためには適正薬価の確保が不可欠
・新規後発品収載時の薬価算定係数を先発品の0.7掛けから0.8掛けに引き上げる
・先発品の薬価の3割以下には価格を引き下げない
・調整幅を現在の2%から10%に引き上げる
具体的な数字(0.7掛や2%)についてはもちろん議論の余地があるでしょうが、「後発品を安くするな!」という主張には違和感を覚えます。
というのも現状の薬価決定のシステムを見ますと、納入価が安いものは薬価も安くなるという仕組みだからです。即ち薬価を下げているのは後発品メーカー自身であり、極めて矛盾のある主張と言えます。
正直な話、購入する側にしてみれば「薬価差はないほうがいい」と言えば嘘になりますが、コメントでもいただきますように「後発品を育てる」ことを考えるなら、薬価差に頼った販売は避けるべきでしょう。
逆に言えば薬価差が小さい後発医薬品であっても、品質確保や安定供給・情報提供といった面がきちんと行われていれば、むしろ進んで使用されていくのではないでしょうか。
「安売り→薬価下落→信頼失墜・売り逃げ」といったスパイラルから脱却しなければ後発品に未来は見えません。それは、後発医薬品メーカー自身によって克服していくしか道はありません。
(関連ニュース)
【医薬工業協議会】新会長に澤井弘行氏を選出(薬事日報)
15:57
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| 後発医薬品・銘柄変更可調剤
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何かこの言い方ではジェネリックは行政の圧力で安くしているように聞こえます。
でも実際今後ハードルが高くなっていくと後発もかなり厳しいって言いますよね。
10円以下の薬は実際赤字だって言ってたメーカーもいます。
後発=薬価差あり って戦略でやってきたのは自分達で、結局自分で自分の首をしめたことにやっと気がついたと言うことではないですか?
このままいくと、5年後にはジェネリック推進!って声高に言ったのに、残るメーカーがなくなるか、先発とあまり薬価変わらないものだけになるんじゃないですか?
ですから、ジェネリックが無くなっても困ると慌てた厚労省が先発メーカーにお願いしてるのでは?って思わず深読みしてしまいます。
でも、やはり品質、情報提供、安定供給の三本柱がしっかりしてる後発メーカーこそ信頼され生き残っていくのでしょうね。
薬価差を前面に押し出してアピールしてきたのは、なにより自分たちなのにという感じです。
薬価差が無くなったら、買ってもらえなくなる、行政から採用を推奨されなくなるという意味もあってしてきたことをここにきて翻したようなものではないかと思います。
価格、コストを考えるのは、企業の常ですがそれよりも使ってもらえる土台を品質と信用にシフトすべきでは?と思います。
今後も後発医薬品に関する議論は、増えそうですね。
全規格そろえて、売り逃げが批判をあびて難しくなると、やっぱり大変だと思いますしね。
でも、やっぱり多いですね、製造止めます・・・
しかし、来年の診療報酬で病院等の再診料等を下げるって発表あったけど、厚生省は「そんな事実はない」って発表してるし、何かどうも政治的駆け引きで、裏では相当火花が散っているような感じですね〜
ジェネリックも冷静に見るべきのような気もしてきました。
後発はやっぱり副作用を集めて、きちんとした情報公開をやっていくのが私達の仕事のような気がします。
決して推進しないとは言ってないですが。
やっぱり大手メーカーの小会社は情報もあるし安心感はありますよね。先入観かもしれませんが・・・・
他でもきちんとした対応するとこは安心ですけど、某ジェネリックにベイスンの後発が出た時、少し意地悪な質問をしましたが、まあわからないなりにも、一応回答してきたんですよ。
その態度は評価しますが、宛先の薬局名が違っているんですよね(大笑)
そんなひどい間違い誰もしないぞー!
もちろん以後出入り不要、と言いました。
話は戻りますが、健康を守り十分な医療には、やはりお金がかかります!
それをきちんと国民に説明していくのも我々の仕事ではないかと。
財源がないし、そこそこの金で、ある程度の医療でいいのか、判断するのは国民で財務省ではないと思います。
決して推進しないとは言ってないですが。
やっぱり大手メーカーの小会社は情報もあるし安心感はありますよね。先入観かもしれませんが・・・・
↑これはおっしゃるとおりではないでしょうか?
会社対会社で取引を始めるときに、一番は経営状態とトンズラされるかされないか(不動産的資産が多いのと、マンションの一室を事務所としておるのでは信用がかなり違います、そして都会では後者のような会社がごまんとあります)。
もちろん後発品メーカーは、上記のような簡単にトンズラできるわけではないですが、製造中止など、やはり初めに商品化した先発品メーカーに比べて、社会的責任等よりも儲け主義なのではないのでしょうか??
でも、違和感感じます。政策だから・世の流れだから・患者さんの負担軽減だから・・・いろいろな主義主張で後発品推進に関わってきているのに、メーカーの商売的な思惑に対しては不賛成では、メーカも厳しくないですかね〜?
後発品推進自体が商売的ではないのでしょうか?金額が同じで後発品をわざわざ選択する人はいないはずです。
つまり後発品の存在自体が「安いからよい」(品質及び信頼で先発品を越えることはないですよね?)。
しかしメーカーも薬価差を切り札に商売しているのだから、薬価を下げるな!と言うのはあたりまえの主張だと思いますよ。
薬局は薬価差から他の部分での収入に点数が変化してきている(基本料・薬歴・各調剤及び服薬指導のフィー)、だけど、製造業って如何によい品質のものを安く作って売るか、そこの差額にのみ収入があるわけで(もちろん高級品等の付加価値のあるものはこればかりではないですが、薬のような大量生産品はこれに尽きるでしょう)。
例えば、従業員1人あたりの給料を下げて人数を増やし、患者さんの待ち時間を減らしたり、指導時間を増やしたり、深夜まで営業したり(製造コストの低減)で患者さんの利益を増やして集客していた(薬価差があるから使ってもらっている)のに、処方箋枚数とかで人数の上限設定(薬価を下げる)とかされたら、せっかくの企業努力も水の泡と言うか、努力できなくなってしまう。
もっとも悪なのはお国で、広げるだけ広げといて(一種の規制緩和)、後は引き締めて淘汰をしていく、医薬分業となんら変わりませんね。
だから儲けが出るときにどんどん売って、風向きが悪くなればトンズラ・・・そう考えるメーカー幹部がいてもあたりまえな感じがしてしまいます(これもやはり一部薬局経営者にも当てはまる気がします)。
現状、メーカーによってもかなり開きがありますよね。安定供給や全規格収載等を考えると、今後は安売りしたくてもそんなにできなくなるのではないでしょうか。
「政治的駆け引き」との言葉がありましたが、医療そのものを見るのではなく政策の具として扱われてしまっている感もありますね。
>某卸@配達人様
仰るとおりと思います>三本柱がしっかりしてる後発メーカーこそ信頼され生き残っていく
薬価差は患者さんにとっての直接的なメリットとは考えにくいものと思います。
>ハマノリ様
「安かろう悪かろう」という後発医薬品のイメージ形成に、メーカー自身が一翼を担ってきた部分もあると感じます。
>まじゃ様
誤解のないよう補足いたしますと、後発品と先発品の薬価差に対してではなく「薬価差益(薬価-納入価)」に対して矛盾しているという指摘をしています。
「薬価を下げるな」というのが当たり前の主張ならば、何故自身で薬価を下げるような叩き売りをしているのか(実際の納入価が調査され、次回薬価改定時の薬価に反映されるのはご存知ですよね)。
つまり自分で自分の首を絞めているにもかかわらず、首を絞めないよう他人にお願いしている状況です。これは矛盾以外の何物でもありません。
誤解の点は大丈夫です、納入価と薬価の差という意味合いで捕らえています。
その本来の薬価差も先発後発の薬価差も、どちらも後発品メーカーにとっては数少ない強みで、前者については自ら首絞め、後者に対しては患者さんのためでもあるし良い事、と言うのは企業が成り立つには無理がないですか?
前者の価格幅を実現するためにも、後者の後発品メーカーの利幅が必要になるのではないですか?
>(実際の納入価が調査され、次回薬価改定時の薬価に反映されるのはご存知ですよね)
このこと自体がお国の悪という点で、それを承知で安く納品するのは自ら首絞めです。しかし上記利幅が必要で、それがなくなるような( )のようなことに反対しているんですよね?現行では首絞めになる予定のものを首絞めにならないように言っているのですよね?
後発品メーカーにとって価格以外のところで、先発品メーカに比べて勝っている部分はないと思います。だから、前者後者の価格差共に、メーカーがこだわりを入れてくるのは至極当然な主張と思いますけど・・・
後発品の最大のメリットの1つが価格であることは確かにその通りと思います。ちょっと繰り返しになりますが…。
一つは「先発品との薬価差」です。これは患者さんにとって支払が安くなるというメリットがあると思います。
もう一つは「納入価との薬価差」いわゆる「差益」です。これは患者さんにとって直接的なメリットはありません。
そう考えると売る側(メーカー)も買う側(病医院や薬局)も「薬価差益」で物事を進めるってのは違うのではないか?というのが、私の中にあります。
薬価差益は、あるメーカーが、複数銘柄ある後発医薬品から自社の物を使ってもらうように働きかけるには有効な手段でしょう。しかし「薬価差益が大きいから後発品を」というのは医療関係者のエゴというものではないでしょうか。
まじゃ様仰るように「差益」が後発メーカーの強みというのが現状かもしれませんが、それを付加価値にするのではなく、もっと別の部分に注力すべきでは?と思うのです。
「どうせ信頼性では先発品にはかなわないんだし、だったら安売りしちゃえ」ではなくて、「後発品を使うのならこのメーカーで」と言われるような、具体的には品質とか安定供給になりますが、そういう部分にもっと付加価値を見出すべきです。
以前このブログに「後発品は薬価差益が大きく、金儲けの象徴」というコメントをいただいたことがありますが、これから後発品を育てていくことを考えますと、やっぱりそれではいけないのではないでしょうか。
キレイ事考えすぎですかね。結構本気で思っているんですけど。でもやっぱり物事を一番動かすのは「お金」の部分になるんでしょうかね…。
頂いています。貴重なご意見ありがとうございます。
私は後発品メーカーに所属するMRですが、
価格や薬価差にばかり目がいかない様、
取引先に行く時には、なるべく品質に対する
取り組みなどもお伝えするようにしています。
後発医薬品でも製剤の工夫をしており、先発と
比べても優位性があるものもございます。
悲しいかな、後発品メーカーのお伝えする力が
弱いのか、または価格差を中心にPRされる方もいるのが現実で、皆様がこの様に判断されているのかもしれないと思いました。
患者様や薬剤師の先生方が安心して使用して頂ける様に信頼を得ていきたいと思います。
後発品メーカーが納入価を下げることをセールスにしようがしなかろうが、薬価を下げる=利益の減少になるわけだし、悪く捕らえれば金儲けの象徴でしょうが、そんなに目くじら立てることもないと思います。
そして、きれいごとだと思いますよ。後発品推進も分業推進も全て政策誘導(医師への点数加算)じゃないですか。
後発品メーカーが儲かるように仕掛けておいて、後で首が絞まるようにしていく政策。言ってみれば分業が頭打ちになってきて薬価差がなくなってきて以前より儲からなくなった薬局と同じで、薬局、後発品メーカー共に被害者ですよ。
コメントありがとうございます。
「後発メーカー」と一括りで話をしてしまっていますが、もちろん全てというわけではないと思います。
医師や薬剤師とMR氏が直接顔を見て話をすることは、人間関係の上でも大切なことと思います。
>kense様
CMについては昔から問題が色々と指摘されていますよね。「約半分」はあまりに大雑把な表現ですね。
>まじゃ様
とはいえ、薬価差益に頼った販売、今後はメーカー側にとって重荷になりそうです。上の方にも少し書きましたが、後発品を販売する上でハードルも高くなりましたし、売り逃げは許されません。
そういう部分から見ると、後発品の薬価差益は今後縮小傾向にはなってくるのでしょうね。