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2011年01月01日
[薬局新聞]週刊トラックバックNEWS160
明けましておめでとうございます。今年も「薬局のオモテとウラ」をよろしくお願いいたします。
薬局新聞連載の「週刊トラックバックNEWS」第160回は「新春スペシャル」です。皆様から投票いただいた「ネット薬剤師が選ぶ2010年10大ニュース」を元に構成しました。ありがとうございました。
薬剤師は2010年という1年間をどう見たのか。筆者のブログ「薬局のオモテとウラ」で「ネット薬剤師が選ぶ2010年10大ニュース」と題して、2010年の10大ニュースをアンケート形式で投票してもらった。薬局、ドラッグストア、病院、メーカー、卸等々、様々なフィールドで活躍する、業界に関係する人たちが、同じ「ネット」という窓を通じて見たものは何か。ユニークなものも多く、興味深くご覧いただけるのではないかと思う。
File No.01 6年制薬学生の実務実習が始まる
やはりと言うべきか、意外と言うべきか。最も多くの得票を得たのが6年制薬学生の実務実習。実習を受ける当の学生はもちろん、送り出す大学側も、受け入れる薬局、病院側も、初めてのことだけに不安や戸惑いの声が見られた。実習受け入れは決まったものの「大学、学生からまったく連絡がない」といった状況は、勝手が分からない初年度ならではのものだろうか。
実務実習は来年度以降も継続されるものである。「良い方向にも、悪い方向にも、学生実習の体験は間違いなくその学生のベクトルを大きく揺さぶる」ものであるだけに、今回の反省を次回に活かし、「共育」を実現したいものである。
File No.02 2010年調剤報酬改定行われる
2年に1度行われる調剤報酬改定ではあるが、その内容は多くの注目を集めた。まず、後発医薬品関連だが、調剤体制加算の算定根拠に数量ベースが導入されたことにより「数量ベースの算出方法によっては、現場は混乱しませんか?」「患者の事を無視した変な方向にいかなければいいですが…」といった声があがった。また、「特定薬剤管理指導加算(ハイリスク薬)」の導入については、「加算は初回限定?それとも適時説明をしたときかなぁ…」といった戸惑いの声があったが、ハイリスク薬に対する関心が高まり、またネットでも多くのツールが公開されたことは収穫だろう。
窓口における明細書発行義務化の件は、多くの賛否を呼んだ。
File No.03 調剤一部負担金にポイント付加 日薬が声明
最近の出来事で、まだ記憶に新しいポイントカードの話題。その是非には多くの声が寄せられた。また、「中医協が値引きに目を向けて技術料にメスを入れる可能性があります」といった、今後への影響を懸念する声も散見された。「薬局薬剤師VSドラッグストア薬剤師」という構図を作ってしまったことは残念な部分ではあるが、「薬剤師」という共通項を軸に、協力関係を構築してゆきたいものだ。
File No.04 がっちりアカデミー“薬情拒否で90円おトク”で大波紋
こちらも大きな反響を呼んだ一件。現場の人間の感覚としては、「TVって影響力あるものなのに、中途半端な知識で、しかも面白おかしくとりあげている様子が腹立たしい」というのが共通する部分ではないかと思われる。
これをきっかけに、薬歴管理のあり方から調剤拒否、また「患者責任」といった部分まで話が広がった。当ブログだけでも60件を超えるコメントがあったが、今読み返しても多くのことを考えさせられる。
File No.05 大洋薬品工業に9日間の業務停止命令
調剤報酬改定直前の3月に明るみに出たこのニュースは、業界全体に激震が走った。特に、後発医薬品シフトを敷く薬局においては大きな問題として捉えられ、「大洋製品採用取り消しました」といったコメントも散見された。
また4月には田辺三菱製薬に25日間の業務停止命令が出された。「先発・後発問わず、医薬品メーカーに対する信頼がこのところどんどん失われていっていますね」とのコメントが、大変印象的であった。
File No.06 タバコが値上がり、チャンピックス品薄に
10月のタバコ値上がりの余波は、薬局にも及んだ。チャンピックス錠の「スタート用パックはあるけど、その後の継続用の錠剤がない」、「継続用の錠剤はあるけど、スタート用パックがない」等、現場への説明が異なった点も混乱を大きくした感は否めない。
またファイザー社の禁煙啓発サイト「すぐ禁煙.jp」が、一時的に閉鎖されたことも話題になった。
File No.07 薬歴管理料が事業仕分けされるという噂が流れる
「噂」でありながら、株式市場をも動かすほど大きく報じられた。「社会保障を事業仕分けの対象にするのは馴染まない」といった声が多かったが、「患者のためでなく薬剤服用歴管理指導料を算定するため薬歴を書く」といった、本末転倒になっている問題点も指摘された。
File No.08 配合剤が相次いで発売
増え続ける配合剤は、現場への負担も小さくないようだ。在庫に関わる金銭的、物理的問題はもちろん、規格を表す「LD/HD」「MD/EX」「AP/BP」等に統一性がなく、医療安全に関わるルールの未整備が指摘された。一方、点眼薬の配合剤については「患者の利便性に寄与する」といった声もあげられている。
12月には既収載配合剤4製品の投与日数制限も解除された。
File No.09 内服薬処方せん記載方法変更の指針がまとまる
内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会が報告書を公表。当ブログでもアンケートを行ったところ、2日間で約100名の回答をいただき、関心の高さがうかがわれた。「内服薬1回量記載」そのものに対する是非はもちろん、「一斉移行しないこと」「周知徹底の方法」「結論ありきの検討会」等、多くの問題点が指摘された。
File No.10 藤井もとゆき氏参院選当選
3年間の「浪人生活」を経ての当選だけに、関係者の思いも大きいことだろう。当選後、サイトの更新や後援会メルマガの発行など、ネット面においても精力的に活動してくる様子が伝わってくる。
また、秋には日薬専務理事を務めた石井甲一氏が藤井もとゆき参議院議員の政策秘書に就任したことも話題になった。
File No.10 ホメオパシーを巡るやり取り 日薬も声明
このニュースがベスト10入りするのは、ネット特有のものだろうか。薬剤師に限らず、多くのサイト、ブログでホメオパシーに対する考察が見られた。当ブログでは「科学とは」といった切り口から、医療提供者、患者双方の視点から議論された。
File No.…番外編? ロキソプロフェンが普通薬に
「ロキソプロフェンが劇薬ではなくなったニュースは、医薬品の安全管理が軽視された結果として重く受け止めている」という声も。新年1月にもOTC医薬品として発売されると聞くが、スイッチOTCが言われてから発売まで、かなりの時間が経過しており、気になる一件である。
アンケート結果はこちらからご覧いただくことができます。
ネット薬剤師が選ぶ2010年10大ニュース
http://kumagaip.jp/2010/11/2010news/
薬局新聞社ONLINE
http://www.yakkyoku-shimbun.co.jp/
くすりの事典―病院からもらった薬がよくわかる〈2011年版〉
薬局新聞連載の「週刊トラックバックNEWS」第160回は「新春スペシャル」です。皆様から投票いただいた「ネット薬剤師が選ぶ2010年10大ニュース」を元に構成しました。ありがとうございました。
薬剤師は2010年という1年間をどう見たのか。筆者のブログ「薬局のオモテとウラ」で「ネット薬剤師が選ぶ2010年10大ニュース」と題して、2010年の10大ニュースをアンケート形式で投票してもらった。薬局、ドラッグストア、病院、メーカー、卸等々、様々なフィールドで活躍する、業界に関係する人たちが、同じ「ネット」という窓を通じて見たものは何か。ユニークなものも多く、興味深くご覧いただけるのではないかと思う。
File No.01 6年制薬学生の実務実習が始まる
やはりと言うべきか、意外と言うべきか。最も多くの得票を得たのが6年制薬学生の実務実習。実習を受ける当の学生はもちろん、送り出す大学側も、受け入れる薬局、病院側も、初めてのことだけに不安や戸惑いの声が見られた。実習受け入れは決まったものの「大学、学生からまったく連絡がない」といった状況は、勝手が分からない初年度ならではのものだろうか。
実務実習は来年度以降も継続されるものである。「良い方向にも、悪い方向にも、学生実習の体験は間違いなくその学生のベクトルを大きく揺さぶる」ものであるだけに、今回の反省を次回に活かし、「共育」を実現したいものである。
File No.02 2010年調剤報酬改定行われる
2年に1度行われる調剤報酬改定ではあるが、その内容は多くの注目を集めた。まず、後発医薬品関連だが、調剤体制加算の算定根拠に数量ベースが導入されたことにより「数量ベースの算出方法によっては、現場は混乱しませんか?」「患者の事を無視した変な方向にいかなければいいですが…」といった声があがった。また、「特定薬剤管理指導加算(ハイリスク薬)」の導入については、「加算は初回限定?それとも適時説明をしたときかなぁ…」といった戸惑いの声があったが、ハイリスク薬に対する関心が高まり、またネットでも多くのツールが公開されたことは収穫だろう。
窓口における明細書発行義務化の件は、多くの賛否を呼んだ。
File No.03 調剤一部負担金にポイント付加 日薬が声明
最近の出来事で、まだ記憶に新しいポイントカードの話題。その是非には多くの声が寄せられた。また、「中医協が値引きに目を向けて技術料にメスを入れる可能性があります」といった、今後への影響を懸念する声も散見された。「薬局薬剤師VSドラッグストア薬剤師」という構図を作ってしまったことは残念な部分ではあるが、「薬剤師」という共通項を軸に、協力関係を構築してゆきたいものだ。
File No.04 がっちりアカデミー“薬情拒否で90円おトク”で大波紋
こちらも大きな反響を呼んだ一件。現場の人間の感覚としては、「TVって影響力あるものなのに、中途半端な知識で、しかも面白おかしくとりあげている様子が腹立たしい」というのが共通する部分ではないかと思われる。
これをきっかけに、薬歴管理のあり方から調剤拒否、また「患者責任」といった部分まで話が広がった。当ブログだけでも60件を超えるコメントがあったが、今読み返しても多くのことを考えさせられる。
File No.05 大洋薬品工業に9日間の業務停止命令
調剤報酬改定直前の3月に明るみに出たこのニュースは、業界全体に激震が走った。特に、後発医薬品シフトを敷く薬局においては大きな問題として捉えられ、「大洋製品採用取り消しました」といったコメントも散見された。
また4月には田辺三菱製薬に25日間の業務停止命令が出された。「先発・後発問わず、医薬品メーカーに対する信頼がこのところどんどん失われていっていますね」とのコメントが、大変印象的であった。
File No.06 タバコが値上がり、チャンピックス品薄に
10月のタバコ値上がりの余波は、薬局にも及んだ。チャンピックス錠の「スタート用パックはあるけど、その後の継続用の錠剤がない」、「継続用の錠剤はあるけど、スタート用パックがない」等、現場への説明が異なった点も混乱を大きくした感は否めない。
またファイザー社の禁煙啓発サイト「すぐ禁煙.jp」が、一時的に閉鎖されたことも話題になった。
File No.07 薬歴管理料が事業仕分けされるという噂が流れる
「噂」でありながら、株式市場をも動かすほど大きく報じられた。「社会保障を事業仕分けの対象にするのは馴染まない」といった声が多かったが、「患者のためでなく薬剤服用歴管理指導料を算定するため薬歴を書く」といった、本末転倒になっている問題点も指摘された。
File No.08 配合剤が相次いで発売
増え続ける配合剤は、現場への負担も小さくないようだ。在庫に関わる金銭的、物理的問題はもちろん、規格を表す「LD/HD」「MD/EX」「AP/BP」等に統一性がなく、医療安全に関わるルールの未整備が指摘された。一方、点眼薬の配合剤については「患者の利便性に寄与する」といった声もあげられている。
12月には既収載配合剤4製品の投与日数制限も解除された。
File No.09 内服薬処方せん記載方法変更の指針がまとまる
内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会が報告書を公表。当ブログでもアンケートを行ったところ、2日間で約100名の回答をいただき、関心の高さがうかがわれた。「内服薬1回量記載」そのものに対する是非はもちろん、「一斉移行しないこと」「周知徹底の方法」「結論ありきの検討会」等、多くの問題点が指摘された。
File No.10 藤井もとゆき氏参院選当選
3年間の「浪人生活」を経ての当選だけに、関係者の思いも大きいことだろう。当選後、サイトの更新や後援会メルマガの発行など、ネット面においても精力的に活動してくる様子が伝わってくる。
また、秋には日薬専務理事を務めた石井甲一氏が藤井もとゆき参議院議員の政策秘書に就任したことも話題になった。
File No.10 ホメオパシーを巡るやり取り 日薬も声明
このニュースがベスト10入りするのは、ネット特有のものだろうか。薬剤師に限らず、多くのサイト、ブログでホメオパシーに対する考察が見られた。当ブログでは「科学とは」といった切り口から、医療提供者、患者双方の視点から議論された。
File No.…番外編? ロキソプロフェンが普通薬に
「ロキソプロフェンが劇薬ではなくなったニュースは、医薬品の安全管理が軽視された結果として重く受け止めている」という声も。新年1月にもOTC医薬品として発売されると聞くが、スイッチOTCが言われてから発売まで、かなりの時間が経過しており、気になる一件である。
アンケート結果はこちらからご覧いただくことができます。
ネット薬剤師が選ぶ2010年10大ニュース
http://kumagaip.jp/2010/11/2010news/
薬局新聞社ONLINE
http://www.yakkyoku-shimbun.co.jp/
くすりの事典―病院からもらった薬がよくわかる〈2011年版〉
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