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2012年02月28日
[review]いまはむかし―竹取異聞
なぜ薬剤師のブログでこの本を話題にするかと言いますと、実はこの「いまはむかし―竹取異聞」という本、現役の薬学生が書いた本なのです。
以下、ややネタバレありますのでご注意いただきながら読み進めてください。
明治薬科大学に在籍中だという著者の安澄加奈さん。あ、本名かどうかは分からないのですが、出身が長野県安曇野市だということで、同じ長野県人としてちょっとだけ(勝手に)盛り上がっています。
この本がデビュー作だということですが、読んでいても、とてもデビュー作だとは思えません。しかも薬学部在籍中に本を出版してしまうなんて、オドロキですよね。
肝心の内容はと言いますと、竹取物語をモチーフにした和風ファンタジーとでも言いましょうか。1世紀くらいの時代背景を現代風の文体で書いてあるのですが、そのギャップが斬新です。
しかしこの本の何よりの良さは、その「清らかさ」にあるのだと個人的には思います。普段の自分の行いが、いかに計算高く打算的かということが分かって、ちょっとだけ自己嫌悪になるくらい。
読み進めてゆくと、昔は持っていたけれど今はどこかに忘れてしまった、透き通った感情を思い出すような場面もいくつかあって、年をとったことを実感しますね…。
著者の安澄さんが大学生ということもあり、文章にもその若さが非常によく表れているのではないかと思います。
世の中の世知辛さを知りつつある30代〜アラフォー世代以降の皆様に、特に強くオススメしたいと思います。
▽ いまはむかし―竹取異聞

23:54
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