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2012年03月13日

ハイリスク薬であることを患者にどう伝えるか

4月の調剤報酬改定まであと半月ほど。各地でそれに関する伝達研修会等が開かれているのではないかと思います。

私も先日、長野県薬剤師会が開催した研修会に参加してきました。その際に用いられた資料は、厚生労働省のサイトで公表されています。便利な世の中になったものです。

平成24年度調剤報酬改定及び薬剤関連の診療報酬改定の概要:厚生労働省保険局医療課(PDF)

気になる部分はいろいろとありますが、個人的には「特定薬剤管理指導加算(ハイリスク薬)の算定要件の明確化」の部分がちょっと気になっています。

上記PDFの19ページ目なのですが、一部引用します。

【留意事項通知にて、以下の点を明示する 】

▷ ハイリスク薬が処方されている場合に、患者又はその家族等に対して、当該薬剤が「ハイリスク薬」である旨を伝え、当該薬剤について、これまでの指導内容等も踏まえた適切な指導を行った場合に算定できること。

▷ ハイリスク薬に関して、薬学的管理指導を行う上で必要な情報については事前に情報を収集することが望ましいが、薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集については、必ずしも必要とはしないこと。


実は結構流されてしまっているかもしれないのですが、「当該薬剤がハイリスク薬である旨」をどのように伝えるのか、という部分です。これまではなかった部分ですよね。

まさか患者さんに「○○さんが服用しているこのお薬はハイリスク薬なので…」と説明する薬剤師もいないとは思いますが、仮にそんなことを言おうものなら、患者さんを不安のどん底に陥れることになります。

ではどのように伝えたらよいのでしょうか。それはハイリスク薬とは一体何なのか、を考えてみるといいのではないかと思います。

PDFにもありますように、ハイリスク薬とは「特に安全管理が必要な医薬品」です。じゃあ「安全管理」って一体何よ?という話ですよね。

例えば、ワルファリンであれば、出血傾向という、副作用としては程度が重いものがあります。また、食事面でも納豆を始め、留意しなければならない食品があります。

そういった医薬品の背景を考え、「その薬がなぜハイリスク薬なのか」の部分にフォーカスしてゆくと、自ずと答えが見えてくるのではないでしょうか。

更に言えば、患者さんに「ハイリスク薬」という言葉こそ伝えないものの、当該薬剤を服用するにあたっては、リスクを伴っていることをきちんと知ってもらうことが必要なのではないかと思います(医薬品であれば何らかのリスクを持ち合わせているのは当然ですが…)。

「出血傾向の副作用を患者に伝えると、服用状況が悪化するから伝えるな」といったことを未だに主張する医師もいると聞きますが、伏せておくことの方がよっぽど問題は大きいです。

それだけの副作用の可能性を持った薬剤を服用しているという「心構え」もなしに、患者の主体的な治療への参加を求めることなど、到底できません。

「ハイリスク薬であることを患者に伝える」という部分には、意外に重い意味が込められているのかもしれません。

ナビトレ絶対に間違えてはいけないハイリスク薬―薬剤・疾患別アセスメントと患者対応

 ナビトレ絶対に間違えてはいけないハイリスク薬―薬剤・疾患別アセスメントと患者対応

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