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2012年05月05日
医薬品ネット販売 ゼロからの再構築を求めた判決
先日も少し触れましたが、一般用医薬品のネット販売規制に関する行政訴訟に関連して、思うところを少し。思うところ、というよりも、皆様から問題点や今後のことなど、素晴らしいコメントが寄せられていますので、それをまとめるような形に近いかもしれません。
薬局のオモテとウラ: 医薬品ネット販売判決関連の記事
そもそもこの問題、ケンコーコム側が求めていたのは以下の3点です(「ケンコーコム プレスリリース」より)。
(1)第1類医薬品・第2類医薬品を郵便等販売の方法により販売する権利があることを確認する。
(2)平成21年2月6日公布の薬事法施行規則等の一部を改正する省令のうち、いわゆる“ 対面販売”部分の無効を確認する。
(3)上記(2)の、改正省令の条項を取り消す。
簡単に書きますと、今回の判決では、(1)は認められましたが、(2)(3)は認められませんでした。一見、矛盾しているように思えるかもしれませんが、HY様ご指摘のように、JODAの声明が的確です。
JODA 日本オンラインドラッグ協会:「医薬品ネット販売の権利確認等請求事件」の勝訴判決に対する声明
医薬品のインターネット販売ができる地位・権利を制限するためには、法律で明確に規定されなければならず、さらにはその規制の必要性や合理性を裏付ける根拠について国会で十分に議論されなければならないことが明らかにされました
しかし考えてみたらこれは至極当然のことであり、(1)が認められたことでケンコーコム側は勝訴と表現していますが、(2)(3)が認められなかったことで、厚労省側が勝訴ということも実はできたりします(実質的な販売規制がなくなったわけではないですし)。
玉虫色の判決と言えなくもないですが、それよりも、相撲で例えるなら、行司によって「取り直し」を言われたようなものであり、医薬品ネット販売のあり方について再構築を促すような判決と捉えることができるのではないでしょうか。
個人的には、「どう規制するか」ではなく、「どう(ネットを)使うか」という視点で今後を考えてゆく必要があると思っています。ネットとリアル店舗の融合についても模索してゆくことが大切ですね。
(関連リンク)
” 医薬品ネット販売を認める判決に思う | アポネットR研究会・最近の話題
医薬品のネット販売規制について国民が考えたいこと: みゃんこがゆく!!
▽ PC版今日の治療薬2012 for Windows

12:51
| Comment(4)
| OTC医薬品関連
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確かに「法に記載が無い」のに「施行規則」はおかしいですけど・・・・・
行政訴訟だから、国が勝つって弁護士も過信し過ぎてたのではないですか?っても感じます。
絶対勝つつもりなら、第1条の「医薬品の安全のための規制」を持ち出して、ネット販売での事故をとことん上げるなど、何かもう少し戦略があった気がするんですけど。
法の専門家って言っても、弁護士は「薬事法」なんてあんまり詳しくないですからね〜。
昔親戚の弁護士と話したら、医師法ですら、?って感じで。
無診療行為はおかしいだろう?って議論をしてもかみ合わないんですよ。
患者などの事情で止むを得なかったんなら、仕方ないでしょう?みたいな。
日薬から「確定じゃない」って早々FAXとかきてましたから、控訴はするでしょうね。
ネットの利便性はわかりますが・・・・この話題を考えて、そう言えばすっかり忘れていましたが、個人に番号つけたカードがあったなあ・・・って思いましたけど。
とにかく、誰が何を買ったか、しっかり資格証明ができる物を必要としたいですね。
個人情報がどうこう言いそうですが、副作用などを追えるように、大量購入できないように、何か対策を考えて欲しいですね。
薬事法は、あくまで「モノ」についての法律だと思います。薬剤師法1条で、医薬品という「モノ」を扱う薬剤師という「ヒト」が、「国民の健康な生活を確保するものとする。」としているので、一応、法律上規定されている、といえるでしょう。
まあ、今回は(他の大部分の訴訟もか?)、原告側も被告側も、お互いに歩み寄って「落としどころ」を探っているような気もしますので、必ずしも「白黒はっきりさせてやる!」的な闘いではないような気もします。
あと、くま☆さんが指摘する「ネットとリアル店舗の融合」という方向性は、その通りなのでしょう。ただ、そうなると、ネットには国境がない一方、リアル店舗は国境がありローカルな法律(日本法)が適用されることになるため、TPPのような国際協調の流れが、また新たに生じてくるのではないか、とも思います。
そうなんですよね。物なんですけど。薬事をもっと広く捉えて発展できないかって思って書きました。
薬剤師にとっては、人と物の区別があって、整合性があるって納得できても、薬剤師以外から見たら、どうなんだろうって思って。
物と副作用だけで、薬と人の関係を考えたのって何も無い気がして・・・・
何とかならないのかなあって思ったんですよ。
でも、物のみ、のはずなんですけどね〜。
何とか厚生局は、管理薬剤師は、調剤報酬点数などありとあらゆる全てを管理監督しろって寝とぼけた事言うんですよね〜。
と、また横道すみません。
国境がないとなると、どこで線引きするのかって事ですよね・・・・・
やっぱり、目先の利便性に走ると際限なく規制撤廃になりそうです。
どんどん大きなものに飲み込まれていきますからね。
逃げかもしれませんが、こんなややこしい問題、「規制あり」でいいでしょうが?って言いたくもなりますよね。
コメントありがとうございます。
その後、国は最高裁に上告しましたね。
http://www.yakuji.co.jp/entry26380.html
一方のケンコーコム後藤氏は、「上告したら損害賠償請求も辞さない」とのことです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120501/231590/?P=1
ますます泥沼化ですね。