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2012年05月14日
[review]薬物動態を推理する55Question 一歩踏みこんだ疑義照会と服薬指導のために
遅ればせながら、菅野彊先生の「薬物動態を推理する55Question 一歩踏みこんだ疑義照会と服薬指導のために」を購入し、読み進めています。
こんなことを書くと菅野先生に怒られそうですが、最初の方は「そういえば、大学の時にやったなぁ…」という感じの言葉がぞろぞろ出てきます。
まず1つが「コンパートメントモデル」。そういえば薬物動態の実験で、「1-コンパートメントモデル」「2-コンパートメントモデル」なんてのをやりましたね〜(遠い目
更に出てきましたよ、「消失速度定数」、そして「分布容積」。そういえば大学時代、すごく苦しかったことだけ覚えています。
でもそんなすっぽり抜け落ちてしまった私みたいな者にとって、この上なく丁寧に、わかり易く解説されているのがこの本です。
更にいいのは、例えば消失速度定数については、私たちが普段扱う薬剤を例に、kelとt1/2の関係等を引き合いに出しながら書かれている点です。一般論でなく具体的であることは、現場の人間にとってとても大きいと感じます。
55のQuestionが13章に分かれていて、更にその章ごとに「実践編」と題したQが設けられています。そこには更に具体的な処方例や患者設定、そしてPOS形式による薬歴記載まであります。
「分布容積」が出てくるのは第2章なのですが、そこの実践編には「ジスロマックSRドライシロップの分布容積は大きいけれど、組織移行はどのくらいになるのでしょうか」といった感じの設問があります。
秀逸なのはその先です。決して私たちはジスロマックの分布容積を知ることが目的ではありませんよね。それを用いて何が分かるのか、何に注意するのか、といった点がきちんと示されています。
高々55の設問と侮る事なかれ。これをマスターすれば、ワンランク上の薬剤師に生まれ変わること、間違いなしですね!
▽ 薬物動態を推理する55Question 一歩踏みこんだ疑義照会と服薬指導のために

22:41
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