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2013年01月01日

[薬局新聞]一般名処方や6年制卒の薬剤師誕生など注目度高く

2013年がスタートいたしました。本年も「薬局のオモテとウラ」をよろしくお願いいたします。

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第29回は新春スペシャル企画です。皆様にご協力いただきましたアンケート結果も掲載いたしました。ありがとうございました。

ソーシャルPメンター&ニュース29


 毎年恒例になりました重大ニュースの投票。今回も多くの方にご協力いただきました。

 こうして見てみますと、4月にありました調剤報酬改定に関係するものがやはり印象に残っていますね。これまでも大いに現場を賑わせて(?)きた後発医薬品に加え、予想をはるかに上回る速度で浸透した一般名処方や、患者さん一人ひとりに説明を要したお薬手帳等に対して、大変困惑したとの声も数多く寄せられました。また、選択肢にはありませんでしたが、「病棟への薬剤師常駐」がとても大きな出来事であったと、病院に勤務する薬剤師の方からコメントをいただいています。

 今回は、2012年に当欄にご登場いただいた先生方からも、印象に残った事柄についてコメントをいただいています。



井手口直子先生

 「薬学教員としては、今年6年制の一期生が社会へ巣立ったことは感銘深いです。私がおります帝京平成大学では、学生が自分たちで卒業を祝う会を企画し、私たち教員を招待してくれたのですが、こまやかに心配りがされ、かつ立派な会で、教員一同本当に感激しました。彼らは私達が予想していたよりも、遥かに大人に成長していたのですね。その後人それぞれの道を歩む中で葛藤も苦労もあると思いますが、大学の6年間で学んだことは実務に活かせますから、いつも前を向いて堂々と、かつ心やさしく歩んでいって欲しいです。」



赤羽根秀宜先生

 「今年気になるニュースはなんといっても、埼玉ウブレチド事件です。通常の過誤だけでなく放置したということもあってか、禁錮1年(執行猶予3年)という重い判決がされました。少し前に東京都足立区であったワーファリン4倍量の投与で患者が亡くなった事件では、罰金50万円だったことからも、今回は重い判断だということがわかります。

 判決文のなかで、漫然と事態を放置したことについて、「患者の生命や健康を預かる薬剤師としての使命を放棄したに等しい」として強い非難に値すると判断していたのが印象に残っています。生命や健康を預かる薬剤師の仕事の重要性、その危険、そして責任の重さを再認識させられた事件だったと思います。」



ソーシャルPメンター&ニュース29


水八寿裕先生

 「埼玉県に住んでいる者として前会長の過誤事件は避けて通れませんね。警察の捜査が入りましたので埼玉県内の薬剤師には全く状況が伝わらず、皆さん報道によって初めて知ったようです。友人が災害支援時に埼玉県から来ましたと言うと、埼玉はどうなっているんだと問い詰められたこともあったようです。

 学生の実務実習の時にはこの事例をテーマにディスカッションをしています。再発の防止はもちろんですが薬剤師の信用や信頼を取り戻すための方法などもしっかり議論しています。」



原崎大作先生

 「アルマールの名称変更はびっくり!まさか先に出したほうが変えるって…。でも、製薬会社のいいところが見えました。」

 「業務では一般名処方とレセプト突合が一緒にやってきた感があって大変でした。手帳の件もいいのかわるいのかグレーな感じで。添加物が違うジェネリックへ変更がOKなんだから、添加物が違う口腔内崩壊錠は変えてよし!では?」

 「ネット販売に関しては、やはり病院にいかないで治そうとする需要が多いからでしょうか。販売するサイトに薬剤師免許番号を載せることをルール化したらどうでしょう?極論だけど処方箋以外の医薬品は薬局でバンバン売れるようにしたらいいと思います。スイッチ化も進んでいるから、OTCもちゃんと売れるようにならないとですね。」



大久保幸子先生

 「お薬手帳が薬歴管理料に内包され、今まで以上に手帳を勧める機会が増えましたが、実際にお薬手帳の使い方を理解している人がどれくらいなのか、少し疑問があります。病院に行く時「だけ」、薬局に行く時「だけ」、持って歩く人が少なくないように思います。

 先日行われた市のイベント健康フェスタでの薬剤師会のブースで、「手帳は今、お持ちですか?」と聞くと「え?あれは病院(薬局)に行く時しか持って歩いてないわ」と返答される方が多く見られたことからも感じます。

 それは手帳を作成してお渡しする私たちの説明不足にも原因があるのではないかと感じます。せっかく持ってもらったお薬手帳、有効に使用してもらえるよう、まだまだ努力する必要があるのではないでしょうか。」



野口克美先生

「今年も色々医薬品業界でも出来事がありましたが、6年制薬学部卒の薬剤師誕生が一番印象に残っています。実は2年前くらいから…どきどきしていました(笑)

 卒業してきた6年制薬剤師さんを見ると、スゴイ!と感じます。医師に少し近づいていると思えるような知識を薬剤師も持っていますし、何より、マイクを持たせたら困らずにしっかり自分の意見が言えて、発表ができる。これは、4年制薬剤師には出来なかった事、なかった事と思いました。

 私たち4年制卒の薬剤師も6年制薬剤師に負けないように勉強を続けスキルアップしていかなくてはなりませんね。個人的には、菅野先生の御講演でファシリテーターを務めさせていただき、その為の菅野先生とのミーティング等で勉強しています。

 患者さんが困っている事をちゃんと発見して、聞きだしてあげることができて…と思うと、やりたい事がたくさんで焦ってしまいますが、1つ1つステップアップしていきたいですね。」



 念頭にはその年の目標を立てるのが恒例となっていますが、2013年はどんな年になるでしょうか。総選挙も終わり、政権が変わり、業界への影響も今後何らかの形で現れてくるかもしれません。また、14年度改定に向けた動きも活発化してくるでしょう。そうしたところにも注目しつつ、しっかりと腰を据えて日々の業務にも取り組んでゆきたいものですね。

持参薬鑑別システム「薬鑑2013」

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