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2014年12月11日

[薬局新聞]臨床現場で活かせる能力を鍛える

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第104回です。

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 引き続き、中野病院の青島周一先生にお話をお伺いします。

 論文を読む上で、先生が特に意識していることはおありでしょうか。

「僕らが論文を読む意義というのをずっと考えていたんです。日々積み重ねられていく論文情報を全て学びつくすなんて不可能です。知識習得のために論文を読むわけではありません。大事なのは論文情報を学ぶことでも暗記することでもありません。EBMの手法を用いた継続的な学習の本質とは、いざその臨床現場に遭遇した時に同時的にスクリプトが引き出せるように、その能力を鍛えることだと思います。言い換えれば、論文を読み続けるというのは、日常業務で遭遇しうる「重要な問い」にアンダーラインを引くことなのです」。

 大切なのは、EBMの手法で学ぶことの本質理解にあるのですね。

「役にたつかどうか、今は分からないけれど、先駆的にそれを知ること、能力を鍛えることが『学ぶ』ことだと思います。大切なのは、いざその臨床現場に遭遇した時に同時的にエビデンスが引き出せるかどうかなんですよ。だから臨床経験がなくても臨床を学べるんです。学生でも臨床能力を鍛えることができるんです。それがEBMの手法で学び続けることのすごさなんです!」

 青島先生、4回に渡ってありがとうございました。


臨床研究と論文作成のコツ 読む・研究する・書く

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2014年12月04日

[薬局新聞]医学論文から有害事象定量化を

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第103回です。

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 引き続き、中野病院の青島周一先生にお話をお伺いします。

 論文を読み続ける中で、大変重要なことにお気付きになったと伺いました。

「例えば、添付文書の併用についての記載です。頭の片隅に置いておけ、という意味なのか、疑義照会までせよという事なのか、併用注意というものに対して明確な臨床判断がほぼ不可能ですよね。臨床医学論文の中には、リスクとの関連を相対指標、すなわち対象となる薬剤の何倍のリスクになるのか、という事を示しているものも多数存在します。いうなれば有害事象リスクの定量化です」。

 医学論文を読むことで、添付文書では絶対に得られない、実臨床により近いデータを得ることができるのですね。

「重大な副作用であって、添付文書では「頻度不明」となっているものでも、臨床医学論文によって、実際にどの程度警戒すべきか、どういったリスクファクターに注意すべきか、また、リスクを回避するためにはどの薬剤が最適なのかが、統計的に示されるわけです。薬剤師の本来の仕事は薬剤有害事象のアセスメントにもあるわけですが、僕はこれを「薬剤有害事象の定量化」とよび、「薬剤効果の定量化」とともに薬剤師のEBMの根幹をなすものと位置づけています」。

 次回は今後の展望等についてお伺いいたします。


腎機能低下患者における薬剤業務マニュアル―CKD患者の薬物療法適正化のポイントと実例―

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2014年11月28日

[薬局新聞]常識覆す論文を世に広めるために

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第102回です。

ソーシャルPメンター&ニュース102


 引き続き、中野病院の青島周一先生にお話をお伺いします。

 青島先生は高校時代から英語が苦手だったとお聞きしましたが、そんな先生がどのように英語の論文を読みこなしているのでしょうか。

「英語論文の読み方にはポイントがあります。英語を初めから最後までフルに読むのではなく、キーワードとなる単語を拾いながら臨床研究の概要をつかむという手法で何とか読めるということに気づきました。このあたり日経DIのコラムや「薬剤師のジャーナルクラブ」配信でも解説しているところです」。

 そこまでして先生が英語論文と向き合うのは、何か理由があるのでしょうか。

「今まで学んできた「常識」が覆されていく、そういったことを妥当性の高いエビデンスは伝えてくれていて、それを読まずにはいられない、世の中に広めていかなくてはいけない、という思いですね。常識を覆すような衝撃的な事実を知ってしまえば、ほかにも同様な情報があるに違いない。問題なのは情報へのアクセス、その一点だったわけです。重要だったのはその先にある衝撃的な事実を知りたかっただけだ、ということが今となっては明確です」。

 問題なのは英語が読めるかどうかではなかったということですね。次回も関連してお話をお伺いします。


くすりをつかうエビデンスをつかう (EBMライブラリー)

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2014年11月13日

[薬局新聞]論文をブログにまとめ業務活用も

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第101回です。

ソーシャルPメンター&ニュース101


 今回からは中野病院の青島周一先生にお話をお伺いします。

 青島先生と言えば、日経DIオンラインのコラム「症例から学ぶ 薬剤師のためのEBM」でご存知の方も多いと思いますが、以前からブログも書いていらっしゃるのですね。

「かれこれ2年半くらい、「薬剤師の地域医療日誌」というブログを続けています。自分で読んだ論文を当初はノートに要約していたのですが、ブログに書くことで見た目も知識もすっきりしますので。検索性もよく、ちょっとしたデータベース的な使い方もでき、日々の業務でエビデンスを検索する際にも、とても役立っています」。

 青島先生とEBMの出会いは、2011年に明治薬科大学で行われたワークショップへの参加がきっかけだと伺いました。

「EBM教育の第一人者である名郷直樹先生に出会ったのが転機でした。なんとなく言葉を知っていただけのEBMでしたが、その際に、バックグラウンドと具体的な使い方を学びました。僕の薬物治療の考え方は病態生理、薬理学に基づくものでしたから、それが臨床疫学的な視点から見ると180度変わってしまうという事の繰り返しでした。自分は薬の「本当」の効果を知らないまま業務を行っていたんだと知りました」。

 次回以降、具体的なお話をお伺いしたいと思います。


青島先生のブログはこちらから。

薬剤師の地域医療日誌
http://blog.livedoor.jp/ebm_info/

医療系研究論文の読み方・まとめ方――論文のPECOから正しい統計的判断まで

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2014年11月07日

[薬局新聞]学ぶだけでなく使うことを主体に

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第100回です。

ソーシャルPメンター&ニュース100


 引き続き、小林晃洋先生にお話をお伺いします。

 医療者プロジェクトの今後の展望などをお聞かせください。

「薬剤師を含む医療者のために、経営をもっと知っていただきたいなと考えています。私自身がワクワクしたいという欲求ももちろんありますが、それ以上にみんなと一緒に何かを作ったり・変えることでワクワクし、そして笑顔を溢れる世界にすることのほうが一人で楽しむよりずっと楽しいですから。みんなで一緒に学んでいければと考えています。」

 人材育成に携わりたいという想いもお持ちのようですね。

「学ぶことそのものではなくて、それを「使うこと」を主体とした人財育成を、これからもしていきたいと考えています!この医療者プロジェクトを運営する中でみなさんにプラスになる場の提供ができたらと思っています。あと、個人的には、カレー部の全国展開や音楽業界にも、機会があれば参入していきたいと思っています。」

 小林先生、4回に渡ってありがとうございました。ブログの方に小林先生へのコンタクト方法など載せておきますので、興味のある方はそちらからどうぞ。


小林先生のフェイスブックアカウントはこちらから。薬局新聞またはブログを見たと伝えていただくと話が伝わりやすいので、お友達申請の際はその旨メッセージを添えていただければと思います。

小林 晃洋 - Facebook

薬がみえるvol.1

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2014年10月23日

[薬局新聞]まずは情報発信などで信頼獲得

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第99回です。

ソーシャルPメンター&ニュース99


 引き続き、小林晃洋先生にお話をお伺いします。

 前回、OTCの売り上げ倍増のお話を伺いましたが、具体的にお教えください。

「その時は目標として、売上2倍以上、重点商品としてコンドロイチンを設定しました。まず患者様に確認を取り、膝腰の痛い方をリサーチしました。痛みがあり、見込み客となり得る方々に対してチラシを配ります。このチラシは、膝腰の痛みがなぜ起きるのか?どうしたら抑えることが出来るのか?というような、痛みのメカニズムと対処方法等を紹介します。大切なのは信頼を得ることを一番に考えることです。チラシに出し惜しみすることなく、予防法から対処方法まで、幅広く記載することもポイントです」。

 ここで売ることを考えてはいけないわけですね。

「ある意味、この“売らない”を実践するのが辛かったですね。ただ、フロントエンド&バックエンドの考え方がないと、闇雲にコンドロイチンはいいですよと、押売りをしては売れず…在庫ばかりとなっていたでしょう。そのチラシを読んだ方が一ヶ月後に来た際、POP等を出しておくことで販売につながるわけです」。

 経営学の理論を見事に実践されたわけですね。次回は今後の展望についてお伺いいたします。


幸之助論―「経営の神様」松下幸之助の物語

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2014年10月17日

[薬局新聞]経営学実践し売り上げは大幅アップ

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第98回です。

ソーシャルPメンター&ニュース98


 引き続き、小林晃洋先生にお話をお伺いします。

 小林先生は経営学を学ぶだけでなく、それを実践してかなりの成果をお出しになったとのこと。

「ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、“フロントエンド、バックエンド”という考え方があります。フロントエンドにて信頼を得て、その後にバックエンドで売上に貢献する商品やサービスを売るというものです。この考えを応用して、月間のOTCの売上を20万円から50万円にすることができました。」

 どのような点に着目したのでしょうか。

「売上を伸ばすには、「顧客の数・単価・リピート率」の三つのファクターを考えなくてはなりません。信頼が得られると顧客の数が増えますので、成約が増えます。また、人によっては少しくらい高くても買ってくれるようになるかもしれません(単価アップ)。信頼があるので、また買いたくなる、つまりリピート率が上がります。このように、一つ一つの要素に着目してゆけば、良いことだらけ…ということになります。」

 では実際にどのように行ったのか、具体的なお話を次回お伺いいたします。


勝手に売れていく人の秘密

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2014年10月09日

[薬局新聞]経営学び医療者プロジェクト運営

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第97回です。

ソーシャルPメンター&ニュース97


 今回からは埼玉県川越市の小林晃洋先生にお話をお伺いします。

 小林先生は、井上義之先生と一緒に医療者プロジェクトを運営していらっしゃるとお伺いしました。

「薬学・薬局業界の現状を何とかしたいと試行錯誤している中、運よく経営を学ぶ環境に身を置くことができました。6か月ほど集中して学ぶ中で、自分の想うカタチを何か作ってみてはどうかと持ち掛けられてプロジェクトがスタートしました。経営基礎知識や目標を達成するために必要な事項などを、ゼロベース思考で教えています。」

 自分で学ぶだけで終わらなかったのは、小林先生の「教える能力の高さ」を見抜かれてのことなのでしょうね。

「認定実務実習薬剤師として学生さんに教えることをしていなければ、自分が経営者になって終わりだったかもしれません。教えた人が成長して新しい何かを作り上げた姿を見てみたいなと思いました。医療者プロジェクトは、医療者がこれからの時代を生きていく上で必要なパワー(このパワーの源泉を私は経営学と据えています)を得る場でもありますし、またパワーを得た後に自分たちのやりたいことを実現する場でもありたいと思っています。」

 次回以降、具体的な内容についてお話しいただきます。


選ばれる調剤薬局の経営と労務管理

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2014年09月26日

[薬局新聞]他のサービスとの連携も可能に

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第96回です。

ソーシャルPメンター&ニュース96


 引き続き、株式会社ファルモの広井嘉栄先生にお話をお伺いします。

 前回、「薬局発の新しい医療イノベーション」に触れられていました。

「薬局が基盤となる医療ICTの仕組みは、大きな可能性を秘めています。とは言え、特定の薬局だけのサービスではダメですし、特定の患者さんだけをターゲットにしたサービスでもダメなのかなと。汎用性を持たせつつ、利用者によって異なるお薬手帳情報の活用シーン、ニーズをいかに実現するか。ファルモはその辺りがもともとの設計思想にありますので、例えば、子どもをもつお母さんの為に母子手帳アプリにお薬手帳機能を組み込む、糖尿病患者さんの為に糖尿病管理アプリにお薬手帳機能を組み込む、など外部サービスでの活用も可能となっています。」

 ファルモはそれだけで完結するものではないということですね。

「はい。ファルモは薬局を基盤とした患者さんとのコミュニケーションプラットフォームです。いろいろなサービスと連携することで、薬局側としても、小児科専門薬剤師や、糖尿病専門薬剤師など立地によらず広く得意分野を生かせる環境を提供できますし、他の医療従事者や企業も参加し、社会全体で個人の健康をサポートできるサービスの提供が可能になると考えています。ITだけで完結するのではなく、そこに現場の医療人が介在することで、さりげないけど、何かあればしっかり役立つ、そんなサービスを目指しています。」

 広井先生、4回に渡ってありがとうございました。


リラックマ キャラクターお薬手帳

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2014年09月18日

[薬局新聞]生活者の健康増進に薬剤師が介在

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第95回です。

ソーシャルPメンター&ニュース95


 引き続き、株式会社ファルモの広井嘉栄先生にお話をお伺いします。

 ファルモは現在、電子お薬手帳としてサービスが提供されていますが、最初から電子お薬手帳を作ろうと思ったのではない、と伺いました。

「実はその通りで(笑)、もともとは薬局と患者のコミュニケーションツール、患者支援ツーツとして開発していました。そんな中、国の方針がお薬手帳の電子化という方向になってきた、という感じです。 専門知識を持たない患者さんができることは限られていますし、医療、健康情報の蓄積、管理が直接的に個人の健康増進につながっていくようなサービスを実現するには、やはり現場の医療人が何らかの形で介在する必要があります。」

 私も実際に使ってみて、ファルモがコミュニケーションツールであるという印象を強く感じました。

「お薬手帳の電子化はきっかけ、方法であって、そのツールを通じて薬局、薬剤師がどんな価値を提供できるか、ということに尽きます。単にお薬情報を電子化するだけなら、今なら比較的簡単に実現可能です。しかし、そこに薬剤師がうまく介在し、気持ちを入れることで、薬局発の新しい医療イノベーションが生まれるのではないかと思っていますし、気持ちが伝わるようなサービス、仕組みを作っていきたいと思っています。」

 次回は今後の展開についてお伺いいたします。


明日を拓く55の技術

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2014年09月04日

[薬局新聞]現場の経験から電子お薬手帳開発

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第94回です。

ソーシャルPメンター&ニュース94


 引き続き、株式会社ファルモの広井嘉栄先生にお話をお伺いします。

 当初から電子お薬手帳を開発しようと考えていたのでしょうか。

「薬局+ITでできること、したいこと、また社会のニーズ等をもんもんと考えていました。調剤の現場で働いた事がなかったので、今考えれば、短絡的な発想で事業プランを練っていたと感じます。一方で、医療情報の標準化の研究をやっていましたので、社会インフラ的な医療サービス、それも薬局が基盤となるような仕組みを作りたいという思いは強かったように思います。」

 薬局で働くことがきっかけで電子お薬手帳「ファルモ」を開発したと伺いました。

「研究だけやっていても、なんとなく論文を書くことが目的になっており、もう少し現場に役立つ何かをしたいなと。この時期、提案書をまとめ出資のお願いなどにまわっていたのですが、これが後のファルモのコンセプトに繋がります。とは言え、そううまく行くはずもないですよね(笑)さて、どうしたものかと思っていた際に、まずは薬剤師としての経験を積もうと、初めて薬剤師として働かせてもらったのが世田谷区にあるゆずき薬局でした。調剤の基礎からみっちり教えてもらったのですが、その際に開発したのがファルモとなります。」

 次回はその「ファルモ」に対する想いや考えをお聞かせいただこうと思います。


キャラクターお薬手帳 まめゴマ 1冊

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2014年08月28日

[薬局新聞]IT+薬学的視点で社会に貢献

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第93回です。

ソーシャルPメンター&ニュース93


 今回からは株式会社ファルモの広井嘉栄先生にお話をお伺いします。

 広井先生は大学時代から医療ITに感心をもっていたと伺いました。

「卒業研究のため、国立小児病院(今の国立成育医療研究センター)に外研に出ていまして、ウェットの実験の傍らperlと呼ばれるプログラミング言語を使い遺伝子解析の研究のお手伝いをしていました。その時、これからは膨大な医療情報を扱う時代がくる、と医療分野での情報技術の必要性を認識しました。その中で、薬学という自身のバックグラウンドを考えたとき、IT+薬学的な視点でなにか貢献できそうだ、と。」

 卒業後、当時では珍しいバイオベンチャーにお勤めだったということですが、神戸の研究所が突然の撤退、それが転機になったのですね。

「迷ったら辛いほうを選ぶ、という変なマイルールがありまして、会社を辞めて、共同でプロジェクトを進めていた神戸大学に残りました。途中、修士過程にも入学し医療情報の研究を続けておりましたが、『研究を社会に生かすには?』と、常に考えていました。そして漠然とですが、実際の医療現場で生かせるようなサービスを立ち上げたいという思いが強くなってきました。」

 それが電子お薬手帳ファルモにつながるのですね。次回、そのあたりを詳しくお伺いします。


2014年08月21日

[薬局新聞]科学とクライアントの架け橋に

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第92回です。

ソーシャルPメンター&ニュース92


 引き続きエビデンスエージェントの工藤知也先生にお話をお伺いします。

 薬局を対象としたサービスも行っているということですが、内容を教えてください。

「一つは、患者様の質問に対する薬剤師の明確な回答をサポートするために、関連する科学的知見をレポートするサービスです。そして、その要点をおさえたオリジナルの指導せん作成までお引き受けしています。もう一つは、科学的知見を探すための方法論についてお伝えする講座を薬局内で開催させて頂いています。」

 これまでにないサービス、多くの可能性がありそうですね。

「エビデンスエージェントのスローガンは、「『知りたい』をかなえる。」です。サイエンスとクライアントの架け橋になる事業を展開していきたいと考えています。今後の薬局の機能として、それぞれの患者様が求める「情報」を的確に提供していくことが益々重要になります。そのなかで、科学的手続きによって得られた「情報」を効率良くかつ正確に収集することができる能力は欠かせません。その点において、エビデンスエージェントは、薬局様の発展を支えることができるのではと考えています。」

 工藤先生、4回に渡ってありがとうございました。


医療系研究論文の読み方・まとめ方――論文のPECOから正しい統計的判断まで

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2014年08月07日

[薬局新聞]看護師に向けレポートを作成

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第91回です。

ソーシャルPメンター&ニュース91


 引き続き、エビデンスエージェントの工藤知也先生にお話をお伺いします。

 近隣医院の看護師に向けて、定期的なレポートをしているそうですが、どういった内容なのでしょうか。

「これまでに、整腸剤の抗菌薬関連下痢症に対するエビデンス、慢性腎不全患者におけるNSAIDs投与の注意点、そして向精神薬による眼圧上昇の可能性など、処方箋から私自身が疑問に感じたことを中心にレポートしています。看護師さんに処方薬の特長を知って頂くと同時に、コミュニケーションのツールとしても非常に有効で、良好な関係を築けています。」

 その医療機関の特徴をつかんで、薬剤師の視点で情報提供をする。非常に付加価値の高い情報ということになりますね。

「看護師さんも処方薬の内容を知ることで、薬の禁忌や併用薬に関する患者様の情報にこれまで以上に気を付けている印象を持っています。患者様の併用薬や他院の受診状況も教えて頂けるようになりました。看護師さんが持っている情報は、薬局の窓口で薬剤師には話さない内容のこともあり、とても重要なものだと感じています。」

 工藤さんの取り組みは、いろいろな形で成果に結びついているのですね。次回は、今後の展望についてお伺いします。


漢方がん治療のエビデンス―がん治療に漢方薬が役立つ理由と根拠

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2014年07月25日

[薬局新聞]透析患者への用量設定 論文等も参考に医師へ提案

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第90回です。

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 引き続きエビデンスエージェントの工藤知也先生にお話をお伺いします。

 起業のきっかけとなった透析患者への用量設定のお話(前号参照)ですが、実際どのような提案をしたのでしょうか。

 「このケースでポイントになるのは透析膜なのですが、論文として発表されているものはすべて1970年代から80年代のものでした。読み進める中で、今の透析膜は当時と比較にならない程優れているので、参考にならないと結論づけました。最終的には、透析膜への影響を考慮せずに(当時の論文でも、対象医薬品の透析性はさほど高く無かったと記憶しています)、腎不全の代謝への影響から半量に減量するのが妥当ではないかとレポートしました。」

 しっかりとした根拠を示して提案を行ったのですね。

 「意外に昔からある医薬品のほうが最近の報告もなく苦労するのですが、丁寧に論文を当たり、参考になる部分、ならない部分を見極めるようにしています。医師からは、モヤモヤが晴れて、すっきりしたような印象を受けました。すぐに、「この通りの処方でいくよ」と迷いのない口調でしたので。少しは役に立てて良かったと感じました。」

 次回も引き続き、工藤先生の取り組みつにいてお伺いします。


レジデントのための血液透析患者マネジメント 第2版

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2014年07月17日

[薬局新聞]薬の疑問を科学的にレポート

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第89回です。

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 今回からはエビデンスエージェントの工藤知也先生にお話をお伺いします。

 工藤先生は薬局で薬剤師として働く一方、ご自身で起業をしていらっしゃいますね。医師からの問い合わせがきっかけだったと伺いました。

 「薬剤師を始めて二年程経った頃、ある病院から、ピロリ菌の除菌を透析患者に行う場合の用量設定について、その病院の透析膜も考慮していくらが適切かという問い合わせがありました。私は、原著論文を週末に読みあさり、レポートにまとめたところとても好評で、処方についても私の提案通りになりました。」

 薬剤師冥利に尽きると言ってもいいですね。

 「このような質問に対応することは、時間もかかりますし、当然無償です。現在の保険薬局の薬剤師にとって経済的にも時間的にも無理があるのではと考えていました。しかしながら、医師だけでなく患者さんの中にもそのようなニーズがあることを日常業務のなかで感じましたので、それなら作ってしまおうと考えたのです。患者さんや医師が抱く薬に関する疑問について科学的知見に基づいてわかりやすくレポートすることを事業の柱とする『エビデンスエージェント』を一年前に立ち上げました。」

 次回以降、エビデンスエージェントの事業内容などについてお伺いします。


2週間でマスターするエビデンスの読み方・使い方のキホン―すぐにできるEBM実践法

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2014年07月10日

[薬局新聞]医療者同士の緩やかな繋がりを

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第88回です。

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 引き続き、株式会社メディエールの井上義之先生にお話をお伺いします。

 井上先生の今後の展望についてお聞かせください。

 「いろいろな薬剤師の働き方を知っていただくためのWebサイト(現在準備中)と、先日から始まった「優秀な医療者をつくる」をコンセプトにしたプロジェクトを2本の柱にして、Web上のつながりだけではなく、実際に会ってお互いを高めあえるようなコミュニティを実現していきたいと思っています。また、全国各地で薬剤師、薬学生を含めた医療者が交流を持てるようなイベントも企画していきたいと思います。」

 今後ますますコミュニティを充実させていくことをお考えなのですね。

 「そのようなつながりが、前にも言ったような大学や会社では学べない、医療者の教育の場になればいいと思います。また、医療者それぞれがプロフェッショナル(自立した存在)としていつも緩やかに繋がっていて、何かをしたいと思ったときにそれを実現するチームがすぐにつくれるような環境になったらいいと思っています。そのような場で、自分は若手医療者のやりたいことを見つける手助けや、やりたいことを実現していく手助けができればと考えています。」

 井上先生、4回に渡ってありがとうございました。


あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑 薬剤師 心にも効く薬を届けたい [DVD]

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2014年06月26日

[薬局新聞]薬剤師の早期離職に危機感 目標見つけて働く工夫を

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第87回です。

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 引き続き、株式会社メディエールの井上義之先生にお話をお伺いします。

 井上先生は一つの危機感をお持ちだと伺いました。

 「多くの薬学生、薬剤師の方と実際にお会いし、またメールなどでお問い合わせをいただく中で、「何をしたいのか分からない?」という方が非常に多いように思います。働き始めたものの、何となくやりたいことと違うから、思っていたより辛いので、他にやりたいことがある(ような気がする)…といって、1年経たずに辞めていく薬剤師が多いことに、とても危機感を感じます。」

 さらに何も疑問に思わず、日々ただ働いている…という薬剤師も多いのかもしれませんね。

 「どんな場所でも目標を見つけて、楽しく働く工夫をもっとしてほしいのです。出来ないと決めつけてしまうのではなく、やるためにはどうするか?という思考を身につけてほしいと切実に願います。ですので、せめて何か動きたい、変わりたいという気持ちを持った方だけでも応援して、実現の手助けができたらと思うのです。繰り返しになってしまいますが、それらを見つける、身につけるきっかけをつくっていけたらと思うのです。」

 次回は今後の展望などについてお伺いします。


▽ ▽ 消える大学 生き残る大学 (朝日新書)

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2014年06月20日

[薬局新聞]やりたいことの明確化がテーマ

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第86回です。

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 引き続き、株式会社メディエールの井上義之先生にお話をお伺いします。

 井上先生が主宰しているイベントや交流会の概要を教えてください。

 「今、定期的にやっているのは、異業種交流会の「みんな集まれ!@みのりCafe」と、「人生を思い通りにデザインするための個性心理学と保険講座」の二つです。他に不定期で行っているものもありますが、全てに共通するテーマは「自分のやりたいことを明確にしてもらう」ことです。自己理念と言ったり、あり方、軸と言ったりもしますが、それぞれが薬剤師として、一人の人間として、何に価値を見出し、何を目指して進んでいくのか…を見つけてほしいのです。」

 井上先生ご自身の理念もおありでしょうか。

 「私の理念は、「医療業界に衝撃を与えるリーダーをつくる」です。これは自分がリーダーを育成するということではなく、リーダーになり得る想いや素質を持った人達が共に成長できる場を作りたいということで、それがコミュ二ティづくりだと考えています。最初は夢を語り合ったり、励まし合ったり、時には愚痴をこぼす場になるのかもしれませんが、それぞれが自分のやりたいことをそこで実現する中で、大学や会社では学べない、医療者の教育の場になれば、と思います。」

 その理念が先生の行動の原動力となるのですね。次回も引き続きお話をお伺いします。


指示待ちスタッフが変わる仕組み:いつも忙しいリーダーのための

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2014年06月12日

[薬局新聞]薬剤師業務のほか医療者支援も

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第85回です。

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 今回からは株式会社メディエールの井上義之先生にお話をお伺いします。

 井上先生の立ち上げた株式会社メディエールは、この6月で6年目を迎えるそうですが、どんな活動をしているのでしょうか。

 「一言で表すと「医療者支援の会社」です。私自身、薬剤師としても働きながら、それ以外の時間、会社として活動するスタイルを続けています。全国各地でイベントや交流会などを企画、運営し、多くに方々に参加いただいています。」

 根底にはどんな想いがおありなのですか。

 「薬剤師として何をやりたいのか、どうなりたいのかを考える場を提供できれば、という想いがあります。難しいスキルやテクニックなどではなく、本質的な考えや想いを、多くの薬学生、若い薬剤師に持ってもらうためのきっかけ作りをしたいのです。また、薬剤師、薬学生をつないで共に成長を目指す仲間作りをする中で、コミュニティが大きくなり、さらに広がりが加速していく・・・、そんなコミュニティを後ろから支えることで、コミュニティや薬剤師の機能、能力をより高めていくような関わり方をしたいと思っています。」

 次回以降、具体的な活動についてお伺いします。


薬学生・薬剤師のための英会話ハンドブック

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2014年06月06日

[薬局新聞]起業を目指す薬剤師の応援も

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第84回です。

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 引き続き株式会社ファーサスの山口洋介先生にお話をお伺いします。

 本業であるコンサルティング、イベント「ザイシ」などのお話をお伺いしましたが、今後はどのようなことをお考えでしょうか。

 「それらを大きく育てていくことはもちろんですが、事業として手がけたいことはたくさんあります。例えば、顧客満足向上の鍵となるサービスを生産するのは現場で働く従業員です。ですから、企業は顧客だけでなく従業員満足も高めていく必要があります。そこで今、従業員満足度調査についても企画しています。また、処方箋受付から投薬までの待ち時間を表示するアプリの開発、社会保険労務士として企業のメンタルヘルス対策にも事業を展開していこうと考えています。」

 それらも大きなニーズがありそうですね。

 「最後に、もう一つ。それは、起業してみたいという薬剤師を応援することです。僕は起業するにあたり、本業以外のところでいろんな壁にぶつかりました。ファーサスには、その壁を乗り越えるための資産、ノウハウが蓄積していますので、気軽に起業できる環境を提供することが可能です。そうやって、薬剤師の専門性を活かしつつ医療の枠の外で活躍する薬剤師を増やしていくことができれば最高ですね。」

 山口先生、4回に渡りありがとうございました。


がんばりすぎない起業のための教科書 (日経BPムック)

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2014年05月29日

[薬局新聞]薬剤師のプレゼン能力向上へ

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第83回です。

ソーシャルPメンター&ニュース83


 引き続き株式会社ファーサスの山口洋介先生にお話をお伺いします。

 山口先生は薬剤師がプレゼンする「ザイシ」という企画を主宰していらっしゃいますね。

 「薬剤師のプレゼン能力を高める手助けと、薬剤師同士でアイデアを共有するためのインフラになればと考えています。全国には、素晴らしい技術、アイデアを持ちつつ現場に埋もれてしまっている薬剤師がたくさんいるはずです。現場志向であるがゆえにプレゼン、情報発信のチャンスがないというのは、我々薬剤師にとって大変な損失だと思います。僕はそんな「野生の薬剤師」にプレゼンの機会を提供して、「薬剤師のプレゼン能力の向上」「有用なアイデアの機会損失」を解決したいと考えています。」

 最終的には1000人規模のコミュニティにしたいということも伺いました。

 「運営の仕組みづくりが整ってから、ザイシの存在を大きくアピールしてゆこうと考えています。目標は大きいですが、今僕に出来る事は、集まってくれる薬剤師の方々に、参加して良かったと言ってもらえるイベントに全力で仕上げることです。良い物を継続して提供していけば、狭い業界ですから自然と注目されるのではないかと考えています。」

 次回は、今後の展望等についてお伺いします。


医療者・研究者を動かす インセンティブプレゼンテーション

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2014年05月22日

[薬局新聞]サービスを客観的に分析 効果的に患者満足度向上へ

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第82回です。

ソーシャルPメンター&ニュース82


 引き続き株式会社ファーサスの山口洋介先生にお話をお伺いします。

 患者満足度調査に関して、具体的に教えてください。

 「調査の目的として、@いろいろなサービスの質を評価すること、Aどのサービスがどのくらい患者満足に影響を及ぼすかの分析、Bどのサービスを良くすれば効果的に患者満足を向上させられるかの3点があります。しかし、学会報告等をみると単純集計で@サービスの質を評価するに留まっているものがほとんどです。」

 単に患者満足度調査といっても、奥が深いのですね。

 「そこで弊社ではAを中心としたコンサルティング、具体的には統計学手法でサービスと患者満足の関連性を解析します。その上で、@と組み合わせて二次元に展開することで、Bを明確に示すことができます。多くは勘や経験で、@から直接Bを導いていました。もちろん現場の感性は素晴らしく、それを否定するつもりはありません。しかし、主観だけに頼った考察だと人によって結論が異なります。そうした主観的評価を補強する客観的手段として、コンサルティングをご提案しています。」

 主観的評価の補強、という点がとても興味深いですね。次回も引き続きお話をお伺いします。


診療情報管理士のためのやさしい医療統計学

 診療情報管理士のためのやさしい医療統計学

2014年05月15日

[薬局新聞]薬局でのサービスについて研究

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第81回です。

ソーシャルPメンター&ニュース81


 今回からは株式会社ファーサスの山口洋介先生にお話をお伺いします。

 山口先生は薬剤師でありながら社会保険労務士の資格もお持ちだとお聞きしました。現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか。

 「私は2012年9月に株式会社ファーサスを創業しました。薬局サービス、患者満足の研究を専門にしています。また社会保険労務士としては、薬剤師向け業界誌に労務に関するQ&Aの記事を書いたりもしています。」

 先生の会社は、筑波大学発ベンチャーの認定もおありだとか。きっかけは何だったのでしょう。

 「サービスサイエンスを軸とした「サービスカイゼン研修コース」の受講がきっかけです。形のないサービスが学問として研究されていること、サービスを管理するにあたって、品質測定の手法が開発されていることは、あまり知られていないことだと思います。サービスなんてあやふやなものが昔から研究対象だったということに衝撃を受け、一方でこのことを知る薬剤師は日本に誰もいないだろうということで、薬局でのサービス品質の測定、すなわち患者満足度調査を商品として起業することにしました。」

 次回はもっと詳しいお話をお伺いします。


メイヨー・クリニック 奇跡のサービスマネジメント―すべてのサービスは患者のために

 メイヨー・クリニック 奇跡のサービスマネジメント―すべてのサービスは患者のために

2014年05月02日

[薬局新聞]先行き見えない時期での開局 地域に根差した取り組みを

薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」第80回です。今回は私事で恐縮ですが…。

ソーシャルPメンター&ニュース80


 既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの4月、長野県諏訪市で新規に薬局を開局しました。今回はそのことについて少しお話させていただきます。

 2007年8月の小欄(当時は週刊トラックバックNEWSというコーナーでした)で、薬局を閉局したことをご報告しました。それから約7年が経過し、なぜ新たに薬局を開設したのかと思われるかもしれません。

 私自身も、開局を決断するに当たっては随分と悩みました。親しい友人には「調剤報酬が不透明な中、開局する時期ではない」とも言われましたし、何より、2度目の開局ということで、自分自身のエゴになってしまうのではないかとも考えました。

 とはいえ、やはりそんな先行きが見えない時期だからこそ、自分自身で再度やってみようと思いました。規模も小さく、自分一人でできることは限られていますが、それでも、自分の住む地域の方々と、正面から向き合ってみようと考えたのです。

 開局して1か月。まだまだ落ち着かず、右往左往の日々が続きますが、いい意味で肩の力を抜いて、自然体で取り組んでゆこうと思います。また時々、こちらのコーナーでも話題にしたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。


これからの薬局開設・経営戦略ハンドブック

 これからの薬局開設・経営戦略ハンドブック
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