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2010年03月04日

エンシュア、ラコールの経口投与は査定対象?

ラコール


地域差はあるのかもしれませんが、エンシュア・リキッドラコールなど、栄養補給に使用する薬剤について、保険診療、保険調剤における審査の目が大変厳しいものになってきています。

特にその投与経路が問題とされるのですが、経口投与が可能な場合における当該薬剤の投与について、その必要性や妥当性を厳しく問われる事態になっています。

具体的には、エンシュア・リキッドラコールが処方せんに記載されてきた場合、投与が経口なのか経管なのかを確認し、場合によっては疑義照会を必要とする、ということ。

それらの背景として言われることが、エンシュア・リキッドラコールが栄養補給を目的とするものであることから食事に該当するものであり、保険での給付は最小限に抑えたいという意図があるようです。

また、エンシュア・リキッドラコールに類似した、市販の栄養機能食品も多数販売されているため、保険を使うのではなく、市販のものを使用するような方向付けもなされているようですね。

現在、薬価収載されている主なものはエンシュア・リキッドエンシュアHラコール配合経腸用液がありますが、今後は同様の薬剤が薬価収載されることはないそうです。

そういえばラコールは名称変更されて「ラコール配合経腸用液」となったわけですが、「経腸」とわざわざつけることで「経口」でないことを示すといった意味合いもあるのかもしれませんね(邪推ですが)。

ただ添付文書をご覧いただくと分かりますが、用法として「経口」は認められています。ですので「どこで線が引かれるのか」というのは大きな問題になりそうです。


(関連リンク)

2009/10/04 ラコールフレーバー各種 コーンスープ味、ごま味も
http://blog.kumagaip.jp/article/32669279.html


簡易懸濁法Q&A Part2 実践編―現場の疑問を解決! 薬剤ごとの留意点・投与工夫・服薬支援
簡易懸濁法Q&A Part2 実践編―現場の疑問を解決! 薬剤ごとの留意点・投与工夫・服薬支援
22:00 | Comment(6) | ウラ

2010年02月28日

認定実務実習指導薬剤師の認定料アップ

認定実務実習指導薬剤師の認定申請ですが、これまで1500円だった認定料がアップして、6月1日より5000円になるということです。公式アナウンスはこちらから。

日本薬剤師研修センター:平成22年度の認定実務実習指導薬剤師養成事業
http://www.jpec.or.jp/contents/c23/ninteijitsumu22.html

認定実務実習指導薬剤師養成は、これまで厚生労働省の補助事業として行って来たようですが、平成22年5月31日をもって終了、その後、研修センターへ事業移管されるようですね。

そのような事情から、平成22年年6月1日以降の申請については、認定料アップと相成るようです。認定要件は満たしているけど申請はまだ、という方はお気をつけください。
23:50 | Comment(0) | ウラ

2010年02月11日

内服薬処方せん記載方法についてのアンケート

内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会が報告書を公表しまして、それに対して多くのコメントが寄せられています。皆様ありがとうございます。

2010/02/09 [処方せん記載方法標準化]移行期こそが危険
http://blog.kumagaip.jp/article/35209742.html

それぞれの方がこの方向性に賛成、あるいは反対のお考えをお持ちかとは思うのですが、立場も、それからどこが問題と感じるかも違いがあるのではと思い、アンケートを作成してみました。

以下にリンクを貼っておきます。よろしければ回答をお願いいたします(設問数は8問程度です)。

内服薬処方せん記載方法についてのアンケート

回答していただいた結果は閲覧が可能です。回答せずに閲覧だけ行うこともできます。

内服薬処方せん記載方法についてのアンケート 結果

寄せられた声を実際どのように活かせるか、というところまでは考えていないのですが、もし何かよいお知恵がありましたら、コメントにてご教示ください。
22:20 | Comment(13) | ウラ

2010年02月09日

[処方せん記載方法標準化]移行期こそが危険

既に話題に上がっていますが、内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会が報告書を公表しています。

厚生労働省:内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会 報告書(pdfファイル)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/dl/s0129-4a.pdf

DI onlineのコラムでも書きましたが、これは義務ではなく「指針」ですので強制力がありません。強制力がないということは、これまでの記載方法と新しい記載方法が混在する「移行期」がかなりの長期間、発生することになります。

報告書の「6.移行期間における対応」では、「移行期間は短い方が望ましい」と書かれていますが、「望ましい」なんて生半可な対応では、安全上大きな問題があることは容易に想像できます。

本来であれば、例えば診療報酬改定などを機に一気に標準様式に統一すべきことです。DI onlineのコメントで秀逸なものがありましたのでご紹介します。

たとえば、信号機のルールを指針で変えたら、青が進めの信号と赤が進めの信号、2種類が混在するわけですよね。事故、ものすごい数になると思うんですけど・・・。


これと同じことを推し進めようとしているわけです。考えただけでも恐ろしいですね。

移行期…というかこれから何年かに渡っては、「この用量は1日量ですか、それとも1回量ですか?」という問合せをしなくてはならない状況が数多く起こるでしょう。


ちょっと話は横道ですが、毎日新聞の記事を見て笑ってしまいました。

毎日新聞:内服薬:バラバラ処方せん標準化へ 誤読の危険回避
http://mainichi.jp/select/science/news/20100206k0000e040052000c.html

冒頭、

用法や分量の書き方は「驚くほど多彩」(医療安全推進室)なのが実情。さまざまな薬の登場で誤読の危険も高まっている


と書いているのに、結びの部分では、

表記の統一を急ぐと、現場が混乱して事故につながる恐れもあるため、厚労省は期限は設けず自主的な改善を待つ構え


思いっきり矛盾しています。
00:00 | Comment(28) | ウラ

2010年01月21日

評価すべきは「数」でなく「質」

[日経DI]一人薬剤師の薬局は基準調剤加算が取れない?」の記事へ多くのコメントをありがとうございます。レスを書いていたら長くなりましたので、皆様のご意見をご紹介しつつ、新しく立ち上げることにしました。

まず、既にご存知のこととは思いますが、基準調剤加算の算定要件を再掲します。

(1)500品目以上の医薬品を備蓄している。

(2)患者ごとに薬剤服用歴管理記録を作成し、調剤の都度、必要事項を記入するとともに、当該記録に基づき、医薬品の服用および保管取扱いの注意に関して必要な指導を行っている。

(3)緊急時などの開局時間外の時間における調剤に対応できる体制が整備されている。常時調剤ができるような、ほかの薬局との連携体制を確保している。

(4)時間外、休日、夜間における調剤応需が可能な、ほかの保険薬局の所在地、名称、および直接連絡が取れる連絡先電話番号などを記載した文書を患者に交付すると共に、同様の事項を薬局の外側の見えやすい場所に掲示している。

(5)在宅訪問薬剤管理指導の届出を行い、在宅患者に対する薬学的管理および指導が可能な体制を整備している。また、薬局の内側および外側の見えやすい場所に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う薬局であることを掲示している。

(6)調剤従事者などの資質の向上を図るための研修を実施している。

(7)薬局内にコンピューターを設置し、インターネットを通じて定期的に医薬品緊急安全性情報、医薬品・医療機器等安全性情報等の医薬品情報の収集を行い、保険薬剤師に周知している。

(8)次に掲げる情報(その薬局において処方された医薬品に関わるものに限る)を随時提供できる体制にある。
・一般名
・剤型
・規格
・内服薬にあっては製剤の特徴(普通・腸溶性・徐放性など)
・緊急安全性情報
・医薬品・医療機器など安全性情報


先の記事の繰り返しになりますが、「一人薬剤師では算定できない」という記載はどこにもありません。あくまで上記内容を拡大解釈した上での見解ということになります。

じゃあ例えば、一人薬剤師では緊急時の対応ができないのか?在宅患者を訪問することができないのか?と言われれば、そんなことはない、と思います。

一方で、元記事にいただきましたコメントの中に、「一人で緊急時の対応を24時間、365日やるのは無理」というご指摘がありましたが、これらはおそらくその通りでしょう。

じゃあ二人だったらできるのか?「一人ではどうにもならない限界があり、それが二人になる事で飛躍的にできる事の幅が広がりました」とのコメントの通り、対応の幅はかなり広がるでしょう。

矛盾してる、とご指摘を受けるかもしれませんが、少し補足しますので、ちょっと我慢して読み進めてください。

くどいようですが、算定要件の中に「一人薬剤師では算定できない」という記載はどこにもありません。ではなぜこういう見解が生じてしまうかといえば、解釈の時点で「質から量への変換」が行われてしまっているのではないでしょうか。

例えば「緊急時などの開局時間外の時間における調剤に対応できる体制の整備」というのは数字で表すことができません。言ってみればこれは薬局の「質」に相当する部分です。

で、この「質の担保」というのが非常に難しい。厳密に行えば担保の方法はあるのでしょうが、それを目に見える形で保証しようと考えると、やはり数字としての根拠がほしくなるわけです。

そこで、「二人以上なら確実に出来るということではありませんが、確率的には上がります」というコメントもいただきましたが、まさにそのとおり。

より分かりやすい数値としての指標、「一人じゃ難しいんじゃないの?二人だったらそれなりにできるよね」という「質から量への変換」が、解釈の時点でなされてしまったのではないでしょうか。


個人的には、解釈時点でのこの「質から量への変換」は大変乱暴なことだと思っています。

例えば今回のように「薬剤師の数」、あるいは他の点においても「処方せん枚数」「後発医薬品の割合」というように、評価の基準が規模、または数字でしかないからです。

でも本当に大切なのは、その数字や規模という尺度ではかることができない、例えば患者さんの安心感や地域への浸透度合いなど、「質」の部分なのではないでしょうか。

今回の話題はフィーがつくかつかないかという部分でしたが、数字や規模によらない評価を確立し、最終的には「質の高い薬局」をどう残してゆくのか、というのが大きな課題ではないでしょうか。
23:00 | Comment(4) | ウラ

2009年12月29日

日薬学術大会メルマガ 長野県薬が継承

43回日薬学術大会(長野)


お昼頃、久しぶりに日薬学術大会事務局(滋賀県薬)からメールが届きました。「年末の挨拶メールとは、イキなことをするもんだ!」と思っていましたら、それだけではありませんでした。

次回の学術大会が長野県において開催されますが、このメルマガも長野県薬剤師会様が継承していただけることになりました。


ということで引き続き、長野県で行われる学術大会に関するメールが届くようです。

もし希望しない場合は、最下段にあるリンクから削除の手続きができるようになっています(個別URLになっているので、ここでは紹介しません)。

滋賀での学術大会では、開催前から終了後まで、程よい感じでメールが届きました。多すぎも少なすぎもせず、この「程よいくらい」というのは結構難しいのではないかと思います。

来年は私の地元長野県での開催ということで、長野大会に関する情報をちょっと違った角度から、当ブログでもお伝えしようと思っています。


(関連リンク)

第43回日本薬剤師会学術大会
http://www.secretariat.ne.jp/jpa43/
00:00 | Comment(2) | ウラ

2009年12月28日

「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子」まとめ

そんなに新しい話でもないのですが、来年4月の調剤報酬改定に向けて中医協で議論されていた「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子」について、おさらいしてみます。

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第158回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1222-5.html

上記リンクの「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子について(pdfファイル)」が該当する資料になります。

「基本的考え方」の部分では、これまで後発医薬品の使用促進のために取り組んできたけれども、依然として低調で、特に後発医薬品に対して「積極的でない薬局をどうするか」といったことが書かれています。

続いて「具体的内容」の部分では、施策が列挙されています。確認の意味も込めて、簡単に引用します。
(※の部分は私の個人的な感想ですので読み飛ばしていただいても構いません)

○ 薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し

数量ベースでの後発医薬品の使用割合が低いから、数量ベースを導入します。20%以上、 25%以上、30%以上の3段階で加算を設定し、特に25%以上、30%以上を高く評価すると書かれています。

除外品目として、経腸成分栄養剤(エンシュア・リキッド、ラコール等)や特殊ミルク製剤(フェニルアラニン除去ミルク及びロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク)が挙げられています。

※ 具体的にどのくらいの点数が算定されるのかが大変気になります。drugstore styleのhadakadebanezumi氏のご指摘が鋭いですね。

直近3ヶ月が指標になるのかな?5%毎と幅が小さいので、頻繁に加算を変更する手間が出るかも。手間だけならまだしも、頻繁な点数変更が患者さんの不信感を煽らなければいいが…


○ 薬局における含量違い又は剤形違いの後発医薬品への変更調剤

これは薬局の在庫負担に配慮されたものです。大前提として「「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名等のない処方せん」である必要があります。

更に条件が2つあって、「変更調剤後の薬剤料が変更前と同額又はそれ以下」かつ「患者に説明し同意を得ること」。「かつ」ですので両者を満たす必要がありますね。

それらがクリアされた上で、「規格変更」(10mg1錠→5mg2錠)または「剤形変更」(口腔内崩壊錠→普通錠)が可能になる、ということです。

ただし、医師が規格や剤形を変更してほしくない場合は、「含量規格変更不可」や「剤形変更不可」といった記載方法も認められるようです。

気になる医療機関への情報提供ですが、「原則として」情報提供を行うよう書かれています。

※ 剤形変更はとても助かります。例えば5種類の内服薬があって、ひとつだけOD錠という場合、あんまり意味がないですからね。

※ 医療機関への情報提供は、おそらくこれまで通りされるのでしょうね。「原則として」なので、やらなくてもいいと取れますが、信頼関係は大切です。

※ ただ、あまりギチギチにやってしまうとそれがネックになりかねないので、運用の中である程度の柔軟性はあってもいいのではないでしょうかね。

○ 保険医療機関及び保険医療養担当規則等の改正

更に療養担当規則も改正されるようです。これまでも「後発医薬品の使用に努めなければならない」といった記載がありましたが、今度の改正では、

患者に後発医薬品を選択する機会を提供すること等患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応に努めなければならない


といたことが追加されるようです。

※ これは行動規範としては大切なことなのでアリかなと思っています。むしろ「後発医薬品の使用に努めなければならない」はすごく違和感ありましたから、そっちは外してもいいんじゃない?と思うんですけど、そういうわけにもいかないんでしょうね…。


(関連リンク)

アポネットR研究会:来年4月からの後発医薬品使用促進策が了承http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/091218.html
00:10 | Comment(7) | ウラ

2009年12月21日

調剤レセプトに医療機関コード記載が必須に?

中医協において、薬局に関連の深い話題が議題として取り上げられています。こちらは12月18日の診療報酬基本問題小委員会の議事です。

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会(第156回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1218-k3.html

資料がその日のうちにアップされるようになるとは、厚生労働省も仕事が早いですね。

その中に「処方せん等の変更について」という部分があります。何が書かれているか、タイトルを見ればズバリ分かりまして、

調剤レセプト及び処方せんへの医療機関コード等の記載について


ということで、我々が調剤報酬を請求する際のレセプトに、処方元の医療機関コードを記載した方がいいのではないか、ということが議論されています。

その理由としては「現状と課題」の部分に、以下のように書かれています。

保険者において調剤レセプトと処方せんを発行した保険医療機関の医科レセプト(又は歯科レセプト)との突合を行う際に、手間がかかっている状況にある


調剤レセプトに医療機関コードを載せるということですので、薬局において、当該医療機関のコードを入手しなければなりません。じゃあ、というので読み進めます。

すると、調剤レセプトへ都道府県番号及び医療機関コードを記載するために、

処方せんにも都道府県番号及び医療機関コードを記載する必要があり、これらの記載を加えることとしたい


といったことが論点として挙げられています。

イメージ的にはこんな記載になるようです(画像クリックで拡大します)。

医療機関コードなしレセプト
調剤報酬レセプト(医療機関コードなし)

医療機関コードつきレセプト
調剤報酬レセプト(医療機関コードあり)

医療機関コードなし処方せん
処方せん(医療機関コードあり)

医療機関コードあり処方せん
処方せん(医療機関コードなし)

レセコンの対応はベンダーさんにお願いするのでよいとして、我々の業務的な部分では、医療機関の登録を行う際に、医療機関コードも一緒に登録するということになりそうですね。
22:00 | Comment(2) | ウラ

2009年12月20日

偏頭痛に関する小冊子「頭痛ダイアリー」がいい

偏頭痛でゾーミッグ錠を服用している患者さんから「(資料的なものが)何かないか?」と言われ、送っていただいた2冊です。

こちらは「偏頭痛なぜなぜブック」です。平成21年2月作成となっています。

頭痛なぜなぜハンドブック

概要として「頭痛の種類と偏頭痛」があり、その後に「どんな症状?」「どうして起こる?」など、主にQ&A方式で偏頭痛について説明されています。

こちらは「頭痛ハンドブック(ZUTSU HANDBOOK)」。2008年2月に作成されているものです。

ZUTSU_HANDBOOK

「あなたの頭痛はどれ?」とチャート式でタイプ分けの目安が示されています。また特徴的なものとして「頭痛ダイアリー」がついています。

いつ、どの程度の痛さがあったのか、日常生活への影響や一言メモを記入する欄があり、経時的に頭痛の発生を記録できるようになっていますね。

「偏頭痛がいつ起こるか分からない」と訴える方も少なくないですが、記録することによって、何かしらのきっかけやタイミングが見えてくる可能性もありますね。

頭痛OnLine」というサイトもあって、頭痛ダイアリーはそこからもダウンロードできるようです。

頭痛OnLine
http://www.zutsu-online.jp/

頭痛コミックの「ズッコミ」というのがユニークですね。ツライ頭痛を楽しく学べそうです。

ズッコミ
18:00 | Comment(0) | ウラ

2009年12月14日

だったら薬局から挨拶に行けばいいじゃないか

来年から始まる、6年制薬学部最初の実習に関連する話題が薬事日報の無季言にありました。

「大学からのあいさつ」がないことも(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry17536.html

私が気になった部分を抜粋します。

未知の体験を前に薬局側も不安・心配を募らせている。ただ受け入れ薬局にもかかわらず、「大学からのあいさつすらない」との回答が少なくないのが気がかりだ。


初めてのことなのでもちろん不安はつきものです。大学側から連絡がないことも、もちろん不安につながります。でもそうであるならば、どうして薬局の方から挨拶に行かないのでしょう。

「大学側から挨拶にくるのを待っているのではなくて、だったら薬局側から挨拶に行けばいいじゃないか!」と思うのは私だけでしょうか。

子どもたちには「挨拶とは先にするものなんだよ」と教えるのに、大人になると、どうして挨拶を待つようになるのでしょう。

新しい実習が、新しい形がスタートするのです。大学が薬局に学生を「お願いする」というこれまでの形にこだわらず、大学と薬局が対等な立場で進めればいいのではないでしょうか。

大学と薬局がパートナー関係をもち、「よい薬剤師を育てるんだ」という意識を共有することこそが、学生にとっても望ましい形であり、よい実習につながるのではないでしょうか。

教育とは、教える側も、教えられる側も、共に育つ「共育」であるとも言われます。その言葉に真摯でありたいものです。
22:00 | Comment(12) | ウラ

2009年12月12日

日薬が「ハイリスク薬の業務ガイドライン」策定

日本薬剤師会が、「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」(第1版)を策定しています。

薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」(第1版)(pdfファイル)
http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kaiken/pdf/091209_3.pdf

このガイドラインは、今年10月に日本病院薬剤師会薬剤業務委員会が作成した「ハイリスク薬の薬剤管理指導に関する業務ガイドライン(Ver.1)」を参考にしているということです。

日本病院薬剤師会:「ハイリスク薬の薬剤管理指導に関する業務ガイドライン(Ver.1)」について
http://www.jshp.or.jp/cont/091021.html

「じゃあ、ハイリスク薬って何よ?」と思われるかもしれませんが、このガイドラインにおいて「ハイリスク薬」は、以下のように定義されるということです。

I.厚生労働科学研究「医薬品の安全使用のための業務手順書」作成マニュアルにおいて「ハイリスク薬」とされているもの。

1.投与量等に注意が必要な医薬品

2.休薬期間の設けられている医薬品や服用期間の管理が必要な医薬品

3.併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品

4.特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品

5.重要な副作用回避のために、定期的な検査が必要な医薬品

6.心停止等に注意が必要な医薬品

7.投与量が単位(Unit)で設定されている注射剤


II.投与時に特に注意が必要と考えられる以下の治療領域の薬剤

1.抗悪性腫瘍剤

2.不整脈用剤

3.抗てんかん剤

4.血液凝固阻止剤

5.ジギタリス製剤

6.テオフィリン製剤

7.精神神経用剤(SSRI、SNRI、抗パーキンソン薬を含む)

8.糖尿病用薬

9.すい臓ホルモン剤

10.免疫抑制剤

11.抗HIV薬


III.投与時に特に注意が必要と考えられる以下の性質をもつ医薬品

1.治療有効域の狭い医薬品

2.中毒域と有効域が接近し、投与方法・投与量の管理が難しい医薬品

3.体内動態に個人差が大きい医薬品

4.生理的要因(肝障害、腎障害、高齢者、小児等)で個人差が大きい医薬品

5.不適切な使用によって患者に重大な害をもたらす可能性がある医薬品

6.医療事故やインシデントが多数報告されている医薬品

7.その他、適正使用が強く求められる医薬品



ここに挙げられた「ハイリスク薬」、具体的な製品名こそ書かれていませんが、見ていますと「適正使用」のためには、確かに説明や情報提供が必要と思われます。

ただ、これだけ範囲を広げてしまうと、かなり多くの医薬品が「ハイリスク薬」となり、そこから外れる医薬品の方が少なくないですかね?

となると、敢えて「ハイリスク薬」という言葉を使わなくても…という話になってしまうかもしれませんが。

次回改定では「ハイリスク薬」の薬歴管理についての話題も出ていると聞きます。そういった部分とリンクしてくるのかもしれませんね。


ハイリスク治療薬2010 High-Risk Drug Information
ハイリスク治療薬2010 High-Risk Drug Information
00:00 | Comment(5) | ウラ

2009年11月24日

薬剤師に薬学はいらない…だろうか?

私も最近知ったのですが、毎日の経済ニュースを伝えるオピニオンサイト「アゴラ」というサイトがあります。いろいろな人が投稿できるのですが、こんな記事がありました。

アゴラ:薬剤師に薬学はいらない 井上晃宏(医師)
http://agora-web.jp/archives/807191.html

一部引用しますと、

薬学部は、実験科学の研究教育機関としてなら、それなりに見るべきものがあるのだが、職業教育機関としては論外

家電製品や加工食品の取り扱いに専門職が不要であるように、(工業製品である)医薬品の取り扱いには、何ら技術は必要ない

ピッキングマシーンを養成するのに、6年もの教育年限を義務付けるべきだろうか


等々、かなり衝撃的な言葉が並べられ、主に薬学教育に対する批判が展開されています。

大学の人間ではないので教育機関としての薬学部がどうなのか、現状を語ることができないのですが、社会で必要とされる薬剤師と薬学部における薬剤師に隔たりがあるのかもしれません。

薬学部も6年制になり、だいぶ変わってきたとも言われていますが、時代の流れに遅れをとっているのでしょうか。

なんとも皮肉を込め、

果たして、薬学教育は、薬剤師のためにあるのか、薬学部教員の雇用のためにあるのか、どちらなのだろうか。


と結ばれています。

こういった批判はもちろん薬学部だけでなく、我々現場の人間に対するものとしても、受け止めなくてはならないでしょう。しかし必ずしも氏の主張が全てとは思えない部分もあります。

井上氏の記事の中では「薬剤師はこれだけの仕事しかしていないの?」といった論調を感じ取ることが出来ます。じゃあ医師は、どれだけ立派な仕事が出来ているのか。

突き詰めてゆくと、医師だから、薬剤師だからという職種で括ることは、あまり意味がないように感じます。出身学部や免許の有無に関わらず、高い意識を持って取り組んでいる人はどの世界にもいるでしょう。

「そういった人間が、薬剤師には少ない」と言われるのであれば、それこそが教育が力を入れる部分であり、また職能団体が生涯教育の重要性、方向性を示す部分に違いありません。


記事の冒頭で紹介されていた、林一氏の本はこちら。

日本の薬学教育―医療の質を高める薬剤師を(amazon)

井上晃宏氏は他に、こんな内容の記事も投稿していました。

アゴラ:医師増員のため、医学部を廃止せよ - 井上晃宏(医師)
http://agora-web.jp/archives/799263.html
22:30 | Comment(47) | ウラ

2009年11月13日

漢方薬の保険外しはあるか?

現在「事業仕分け」が行われています。我々の業界にも関係の深いものもあり、動向が注目されます。

本題に入る前に、そもそも「事業仕分け」とは何なのか?分かりやすい説明がないかな…と探しておりましたら、ありました!

構想日本:事業仕分けとは
http://www.kosonippon.org/shiwake/about/index.php

一部抜粋しますと「事業仕分け」とは、

・予算項目ごとに、

・「そもそも」必要かどうか、必要ならばどこがやるか(官か民か、国か地方か)について、

・外部の視点で、

・公開の場において、

・担当職員と議論して最終的に「不要」「民間」「国」「都道府県」「市町村」などに仕分けていく作業。


と定義されています。

今日の薬事日報には、漢方薬がその「事業仕分け」の対象として挙げられ、保険適用から除外する(いわゆる「保険外し」)方向性が示されたということです。

【ツムラ・芳井社長】漢方薬の“保険外し”に反発‐「事業仕分け」の結論を一蹴(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry17252.html

これは漢方に限ったことではなくて、「市販類似薬」ですので、OTC医薬品として売られているようなものを保険の対象から外そう、という話の流れから出てきているのですね。

当然と言うべきでしょうか。ツムラの社長は、

「漢方医学の現状を知らない人たちの議論。なぜこういうことになるのか分からない」


と怒りをあらわにしています。

ただし、みずほ証券は「医療用漢方製剤が保険適用から外される可能性は低いと予想」しています。

その理由として、

・民主党が党内に漢方医療小委員会を発足させ、漢方薬に対する理解が深い

・医療現場が医療用漢方製剤を必要としている(ツムラ「抑肝散」は認知症周辺症状に対する唯一の治療薬)

・医療用漢方製剤を処方している医師の反発

・高齢者の支持も高い漢方薬を医療現場から遠ざけることは高齢者の怒りを呼びかねない(選挙対策)

・1日当たり薬価も安く医療経済的にも有用性が高い


といったことが挙げられています。

証券会社は恐らく市場を分析する力には長けていると思われますので、状況分析としてはあながち間違ってはいないと思われますが、どこまで信用できるものなのかは判断できません。
23:00 | Comment(10) | ウラ

2009年11月10日

第二のケンコーコム?医薬品個人輸入サイト「空詩堂」

ケンコーコムがシンガポールに子会社を設立、医薬品の「個人輸入」を開始したことは、以前お伝えしました。関連する記事はこちら。

2009/11/07 [薬局新聞]週刊トラックバックNEWS111
http://blog.kumagaip.jp/article/33487619.html

2009/10/27 [ケンコーコム]シンガポールに子会社設立は大変残念
http://blog.kumagaip.jp/article/33227522.html

当初から懸念されていた「第二のケンコーコム」或いはそれ以上ともいうべきサイトが出現しています。リンクは貼りますが、くれぐれも購入なさらぬようお願いいたします。

空詩堂
http://www.sorashido.com/

見ていただくと分かるのですが、この空詩堂というサイトは一般用医薬品ではなく、医療用医薬品に該当する製品を扱っています。取り扱い品目を見てみますと、

タミフルカプセル

リレンザ

クラビット錠

ジスロマック


等が目に入ってきます。また、日本国内では販売されていない、

ロニテン(ミノキシジル) 内服

ニゾラール(ケトコナゾール) 内服

ブロプレス錠16mg


等も販売されています。

「医薬品個人輸入に関する説明」として、

当サイトは個人輸入を代行するためのサイトです。紹介している商品は、日本国外の販売会社とお客様の直接取引となります。当社は輸入代行というかたちでお客様のお取引をお手伝いさせていただく「代行業」であり、「販売業」ではありません。ご理解の上、ご利用ください。


といったことが書かれています。扱っている品目こそ違いますが、薬事法の規制が及ばない日本国外から医薬品を発送するという手法はケンコーコムと同様ですね。

三牧ファミリー薬局のサイトからリンクされていますが、何らかの関係があるのでしょうかね。

三牧ファミリー薬局
https://www.mimaki-family.com/


ここまで書いてきて、なぜか喪失感でいっぱいです…。もう薬事法とか、どうでもいいですね。
22:00 | Comment(10) | ウラ

2009年11月01日

シナモロールの服薬チェックシール

シングレア細粒4mgに「服薬チェック用シール」というものがあるのをご存知でしょうか。シナモロールがデザインされた実物はこんな感じになっています。

シングレア1

シングレア細粒4mgののませ方」と題して、保護者向けに飲ませ方が書かれています。「アイスクリーム、ゼリー、ヨーグルト等に混ぜても差し支えない」旨の記載もありますね。

裏面はこうなっています。「のませ方の一例」がイラストつきで載っていますね。

シングレア2

薬を飲んだ際、カレンダー等にシールを貼るように、シールつきになっているのが特徴でしょうか。小学生くらいの女の子には、かなり人気となりそうですね。


(関連リンク)

Sanrio.co.jp:シナモロール
http://www.sanrio.co.jp/characters/cinnamon/

シナモロール 2010年 カレンダー
22:50 | Comment(3) | ウラ

2009年10月25日

[内服薬処方せんの記載方法]これからが正念場

内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会での検討を経て、パブリックコメントが開始されました。

e-GOV:「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書骨子案」に対する意見募集について

最もベースとなる部分は以下の2点でしょうか。

薬価基準に記載されている製剤名を記載する。

最小基本単位である1回の内服量を処方せん記載の基本とする。また、散剤、液剤の分量は製剤量(薬剤としての重量)で記載する。


それに対して短期的方策と長期的方策が示されています。一部抜粋します。

2−9)処方オーダリングシステム等の処方入力画面については、1回量を基本とした入力、1日量を基本とした入力のいずれの入力方法であっても、1回内服量と1日内服量が同一画面で確認できるようにする。

2−10)出力された処方せんの記載事項については、処方オーダリングシステム等が、1回量を基本とした入力、1日量を基本とした入力のいずれの入力方法であっても、出力された処方せんには、1回内服量と1日内服量が併記されるようにする。

2−12)処方オーダリングシステム等の処方入力画面においては、1回量を基本とした入力方法に対応できる処方入力画面を装備し、かつ1回内服量と1日内服量が同一画面で確認できるようにする。


このあたりを見ますと、必ずしも「1回量」のみの記載にこだわっているようには見えない気もするのですが…。実際の運用にまで触れられていないため、どのようになるのかは見えてきませんね。

アポネットR研究会のページに非常によくまとめられて掲載されていますので、リンクさせていただきます。

アポネットR研究会:内服薬処方せんの記載方法の在り方についてのパブコメ開始
http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/091018.html

2-3年で中間評価を行い、5年程度で完結させるという構想のようです。これまで医師や医師会からの声があまり聞こえてきませんでしたが、その辺りがどう影響してきますかね…。

パブコメが出されたということは、行政も現場も、ほぼこのままの形で動き出すことになるのでしょうが、これからが正念場になるでしょうね。
08:20 | Comment(8) | ウラ

2009年10月23日

感染症対策の象徴として重要なマスク

さつき様よりコメントをいただいておりますが、インフルエンザの患者対応の話に端を発した、薬局における感染症対策のあり方について考えてみました。

「考えてみました」とは言っても、さつき様のコメントの焼き直しになってしまう感が否めません。そのあたりをご理解いただいた上でお読みください。

薬局における感染症対策を語る際に最も問題とされることの一つは、「マスクをするか否か」という部分ではないかと思います。それに対してさつき様は、

「自らが感染源にならない」という意思の表出であり、薬局を訪れる患者さん達に対する啓蒙


であると書かれています。普段薬局においてマスクをしているか否かに関わらず、この考え方には多くの方が同意できるのではないでしょうか。

であるならば、感染症対策におけるマスクが果たす役割を考えますと、医学的なエビデンス以上に、というよりもエビデンスを無視して考えてしまっても、ほとんど差し支えがないといえます。

というのは、マスクというのは、極論すれば感染症対策の象徴みたいな部分があって、エビデンスよりも社会的役割としてその存在が重要視されていると考えることが出来るからです。

とはいえ、エビデンスを捨ててしまったら何を基準に行動し、判断すればいいのか?ということになってしまいますので、否定することはもちろん出来ないんですけどね。

ただ、エビデンスというのはあくまで「現時点における」ものですし、社会の常識も普遍的なものではありません。マスクに対する考え方、役割も変わってゆく可能性は小さくないですね。
23:50 | Comment(14) | ウラ

2009年10月06日

新型インフルエンザにおけるファックスの取り扱い(Q&A)

既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、平成21年10月2日付けで「ファクシミリ等による処方せんの送付及びその応需等に関するQ&Aについて」という事務連絡が出されています。

ちょっと長いですが全文を引用します(誤りがありましたらご指摘ください)。

問1
 電話による診療でファクシミリ等により処方せんが送付でいるのはどのような患者ですか。また、急性疾患での受診歴がある患者に対しても、電話による診察でファクシミリ等による処方せんの送付が可能となりますか。

(答)
 原則として慢性疾患を有する定期受診患者を対象とします。ただし、インフルエンザ様症状を訴えて受診した患者に対して、解熱剤や鎮咳剤を追加処方する場合など、同一の急性疾患において最近の受診歴があり、かつ医師が電話により適切に診療できると判断した場合には、電話による診療でファクシミリ等による処方せんの送付が可能となります。


問2
 慢性疾患等を有する定期受診患者について、直近の受診は何ヶ月以内であることが必要ですか。

(答)
 電話による診療により医師が患者の病状を判断するためには、医師が患者の全身状態について従前に評価できていることが必要です。したがって、受診間隔のみで一律に判断されるものではなく、当該患者がかかりつけの医師を定期的に受診しており、特に最近の受診が途切れていないことが必要と考えられます。例えば、経過観察のみで半年以上の受診間隔である場合などは、全身状態について従前に評価できているとは考えにくく、電話による診療のみでファクシミリ等による処方せんを送付することは適切ではないと思われます。


問3
 電話による診療でファクシミリ等による抗インフルエンザウイルス薬等の処方が可能となるのは、どのような状況です。

(答)
 新型インフルエンザ患者が多くみられる地域であって、電話による診察でファクシミリ等による処方を行うことで、患者やその家族の医療機関内における感染を防止すること等により、感染対策になると判断される状況をいいます。
 国立感染症研究所感染症情報センターの発表によれば9月14日〜20日の1週間に全国の医療機関を受診したインフルエンザ患者数は約27万人と推計され、インフルエンザの流行状況にあることを参考に、各地域の外来受診者数の状況等を踏まえ、各都道府県において総合的に判断してください。
 なお、電話による診察でファクシミリ等による処方せんの送付を行う場合には、事前に都道府県、保健所、医師会及び薬剤師会等の地域の医療関係者により十分な協議を行い、混乱なく実施できるよう留意してください。


問4
 慢性疾患の定期処方薬についても電話による診察でファクシミリ等による処方せんの送付が可能ですか。

(答)
 当該患者の慢性疾患が最近は安定して経過しており、かつ電話により必要な療養指導が可能な場合には、医療機関内における感染を防止する観点から、電話による診療でファクシミリ等による処方せんを送付することが可能です。


問5
 ファクシミリ等による処方せんの送付を受けた薬局は、調剤した薬剤を患家に届ける必要があります。

(答)
 ファクシミリ等による処方せんに基づき調剤された薬剤の受け渡しについては、患者ではなく患者の同居者や患者の依頼を受けた者等へ行うこと、それらの対応も困難な場合については介護や看護にあたる者等を活用するといった対応も考えられます。また、やむをえず患者本人が受け取りに行く場合には、マスクを着用し、必要に応じて事前に薬局へ連絡してもらうなどして屋外で薬剤の受け渡しを行う等の感染対策をとることも考えられ、必ずしも、薬局が調剤した薬剤を患家に届ける必要はありません。したがって、ファクシミリ等による処方せんの送付を行う場合は、薬剤の受け渡しが適切に行われるよう、あらかじめ医師から患者及びその同居者等に対して、薬局における感染対策への十分な配慮や薬剤の受け渡しの留意点について指導しておくようにしてください。
 なお、薬剤を患家に届ける場合等には、服薬指導は電話で行うことでも差し支えありません。


問6
 電話による診療の結果、ファクシミリ等により抗インフルエンザウイルス薬等の処方せんを送付する場合、保険医療機関は、電話再診料、処方せん料を算定できますか。

(答)
 算定できます。ただし、電話再診料については、外来診療料を算定する保険医療機関の場合は、算定できません。


問7
ファクシミリ等により抗インフルエンザウイルス薬等の処方せんを受け付けた保険薬局において当該医薬品に係る調剤を行った場合、調剤技術料及び薬剤料は算定できます。また、医薬品の調剤時において、新型インフルエンザ患者との接触を避けるため、電話にて服薬指導を行った場合、薬剤服用歴管理指導料等の薬剤師からの説明が要件となっている点数は算定できますか。

(答)
 調剤技術料及び薬剤料は算定できます。
 薬剤服用歴管理指導料等は、電話にて適切な指導を行っており、その他の要件を満たしていれば算定できます。



個人的な感想になりますが、医科の方はよく分かりませんが、調剤については、本当に現場のことを解らずに作られたQ&Aだと思います。

電話で診療を受けるというのは、どういった状況なのか。そのような際に「必ずしも薬局が(調剤された薬剤を)患家に届ける必要はない」とは、よくぞ言えたものです。患者さんは当然持ってきてくれるものと思うでしょう。

ましてやQ5の答えの部分「マスクを着用し、必要に応じて事前に薬局へ連絡してもらうなどして屋外で薬剤の受け渡しを行う等の感染対策をとることも考えられ」ですと。

具合が悪い患者を寒空の下に立たせて、薬剤の受け渡しをしろと言うのでしょうか?それか薬剤師が車にでも乗り込む?だったら何故ワクチン優先接種の対象者から外れたのか。

繰り返しになりますが、全くもって現場のことを考えていないQ&Aです。


(関連リンク)

旭川の薬剤師道場(ブログ):新型インフルエンザワクチンの医療従事者から調剤薬局薬剤師は外れる
http://chuopharm.dtiblog.com/blog-entry-355.html

新小児科医のつぶやき:インフルエンザ関連の小ネタ2題
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20091005
01:40 | Comment(8) | ウラ

2009年09月30日

薬局ヒヤリ・ハット事例の集計報告に学ぶ

日本医療機能評価機構が行っている「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」ですが、この度、初めての集計報告が公表されました。

日本医療機能評価機構:薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/

上記サイト内のこちらのページに報告書がアップされています。

「第1回集計報告」(PDF形式)
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/report_1.pdf

報告書は結構ボリュームもあり、全部を読もうとすると大変ですが、決して他人事ではないので共有できる事例は共有し、自分のものにしたいところです。

それからデータ的な部分ですぐにでも役に立ちそうなもの、少し抜粋してご紹介します。一つ目は「発生曜日別」のデータです。

月曜日と金曜日の報告が多いことが分かります。月曜日と金曜日はそもそも混雑するところが多いのではないかと思いますが、「休み明け」「休み前」といった心理的要因も絡んでいるかもしれません。

ヒヤリ・ハット1
発生曜日別

続いてこちらは「時間帯別」。10時から12時の間が飛びぬけて多いですね。こちらも処方せんが集中する時間帯です。報告される「数」だけでなく、割合でも同様のことが言えるのでしょうか。

ヒヤリ・ハット2
時間帯別

事例の発生要因」は「確認を怠った」が最も多いとされています。確かに最大の要因なのですが、どの事例にも「なぜ確認を怠ったのか」という背景があるはずです。

これは個々の薬局がそれぞれ行うことなのかもしれませんが、その背景にまで踏み込んで対応策を考えてゆくことも、必要なことと思われます。

個別の事例については、こちらのページから閲覧が可能です。

薬局ヒヤリ・ハット報告事例検索
http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/phsearch/SearchReport.action


(関連リンク)

CB news:薬局のヒヤリ・ハット事例で初の集計報告
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24522.html

アポネットR研究会:薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 第1回集計報告
http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/090931.html


服薬指導のリスクマネジメント 2―ヒヤリハット事例に学ぶ (2)
日経ドラッグインフォメーション
4822211231

23:00 | Comment(2) | ウラ

2009年08月20日

第43回日本薬剤師会学術大会(長野)のメインテーマ決まる

まだ今年の滋賀での学術大会前に来年の話で恐縮ですが、第43回日本薬剤師会学術大会長野県(長野市)で開催される予定です。日程は平成22年10月10-11日です。

そのメインテーマが決まったとのことで、ご紹介いたします。

メインテーマ:求められ・応えられる薬剤師へ

サブテーマ:−みすずかる信濃の国から思いを込めて−


サブテーマの「みすずかる」は信濃にかかる枕詞です。「あおによし」奈良と同じ類のものですね。


(関連リンク)

長野県薬剤師会ホームページ
http://www.naganokenyaku.or.jp/
00:10 | Comment(0) | ウラ

2009年08月15日

「ケロ」と「コロ」で子供の心をつかむ方法

60周年を迎えたコーワのマスコットカエル「ケロ」と「コロ」ですが、先日はブログパーツをご紹介しました。

2009/06/18 コーワのケロコロランドからブログパーツ2種
http://blog.kumagaip.jp/article/29875776.html

この「ケロ」と「コロ」ですが、販促品として指人形があるのは有名です。

こちらは「ケロ」です。

ケロ

それからこちらが「コロ」。

コロ

こうして並べてみると違いは一目瞭然なのですが、特に子供たちには「ケロ」と「コロ」の2種類のカエルがあるということは、案外知られていないように感じます。

薬局に来た小さな子供たちに「カエルいる?」と聞きますと、大抵の場合喜びます。更にケロとコロを並べて「この2つのカエル、違うところがあるんだけど、どこか分かるかな?」と聞くと真剣に考え始めます。

ここまでくれば「つかみはOK」の状態で、子供たちの気持ちをグッと引き寄せることができます。ただし、違いを知っている子供ですと「そんなの知ってるよっ!」と言われるのがオチです。

そういう場合は、カエルを2匹並べて「カエルさんたち喧嘩しちゃったみたいだから、仲直りさせてあげてね!」と言って、このようにカエルを並べて見せます。

コロケロ

勘のいい方でしたらすぐにお分かりでしょうか。仲直りした写真はこちら。

続きを読む
22:50 | Comment(0) | ウラ

2009年08月08日

外国人向け薬局店頭対応マニュアルWeb版

外国人向け店頭マニュアルタイトル


今日は半分宣伝で恐縮ですが、学生時代に私が卒業研究として作成した「外国人向け薬局店頭対応マニュアルWeb版」の話題です。研究室の先生の異動もあり、今は城西国際大学薬学部臨床統計学講座のサイト内で公開されています。

外国人向け薬局店頭対応マニュアルWeb版
http://stat.jiu.ac.jp/products/gaikoku_jin/index.asp

東邦大学のサイト内でもこれまで同様、公開されています。

外国人向け薬局店頭対応マニュアルWeb版
http://center.phar.toho-u.ac.jp/contents/gaikoku_jin/index.asp

Webで公開するのとほぼ同時に、当時の協和発酵(現協和発酵キリン)からもCD-ROM化していただいたため、そちらをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

実は09年8月号の日経DIで「これでできる!薬局の外国人対応 服薬指導から領収書の書き方まで」という特集が組まれているのですが、そちらに「お役立ち情報&ツール」として紹介していただきました。

DI online:日経DI 2009年8月号
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/di/magazine/2009/200908.jsp

こんな感じです。

日経DI0908

学生時代、現場を知らずに作成したものですから、今から見てみるとちょっと首を傾げたくなる部分がないわけでもありません。また当時調べながら書いたhtmlのソースは、今見てみますと非常に恥ずかしいですね(苦笑

よろしければご活用ください。


16:50 | Comment(4) | ウラ

2009年08月07日

[日薬学術大会]山田洋次監督と吉永小百合さんが開会式に登場

滋賀県で行われる第42回日本薬剤師会学術大会開催まで、あと65日となりました。

第42回日本薬剤師会学術大会
http://jpa42.jtbcom.co.jp/

昨日届いたメールマガジンに、宿泊予約、事前登録を今月10日で締め切ることが書かれていました。参加予定の方はお早めに登録を。

そのメールマガジンに気になる情報がありました!

来年1月に薬局薬剤師が主役の映画が全国ロードショー決定♪山田洋次監督と主演女優の吉永小百合さんが開会式に登場されます、お楽しみに〜!


華々しい医師や看護師に比べて、地味な薬剤師(苦笑)はドラマや映画には向かないと言われていますが、薬局薬剤師も遂に映画化されるのでしょうか?

映画には明るくないので詳しいことは分からないのですが、山田洋次監督に吉永小百合さんって、かなり豪華な組み合わせですよね。

…ってことは、吉永小百合さんが薬局薬剤師?ちょっとイメージわきませんが、どんな感じになるのでしょう。

昨年の宮崎の学術大会は、東国原知事の特別講演があったため開会式は「立ち見、座り見」も出るほどすごい人でしたが、今年の滋賀も…早めの座席確保が必要かもしれませんね。
00:50 | Comment(2) | ウラ

2009年07月23日

政権交代したら、中医協はどうなる?

今のところ報じているのは毎日新聞のみなのですが、民主党の衆議院選挙マニフェストに関連する話題。「中医協中央社会保険医療協議会」の改革について触れられています。

毎日jp:選挙:衆院選 診療報酬、国会で決定 民主「中医協を改革」−−公約原案
http://mainichi.jp/select/science/news/20090723ddm001010004000c.html

民主党の「政治主導の政策決定」の柱の一つとして、診療報酬改定に際して国会が関与する形を作りたいようです。当然調剤報酬に関しても同様となります。

岡田克也幹事長は中医協のあり方に関して、

「ほとんどは税金と保険料という公的なお金なのに、国会が関与できていないのは不思議だ」

「利害関係者が自分たちの取り分を決める政府の制度は他にない」


といった発言が報じられています。また、民主党党幹部の発言として、

「医師会などから抵抗が予想されるが、政権交代するからできる」


とも書かれています。

ちなみに現在の中医協委員名簿はこちら。

厚生労働省:中央社会保険医療協議会委員名簿
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/12/s1201-5.html

中医協はそもそも厚生労働省に設置される協議会であり、顔ぶれを見ましてもても、「利害関係者」の集まりと断じてしまうのは早急な感じを受けます。

この話は民主党のマニフェスト原案となる「09年政策集」に記載されているというもの。これがそのままマニフェストになるのかどうかはなんとも言えない部分はあります。

国会議員や政党が国会主導を唱えるのは決して悪いことではないでしょうが、中医協改革をマニフェストとするならば、国会でどのように決めるのか。その案を提示すべきではないでしょうか。
23:40 | Comment(0) | ウラ

2009年07月20日

「「ジェネリック医薬品」にかえてみませんか」で現状が変わるか?

「ジェネリック医薬品」にかえてみませんか


日薬がジェネリック医薬品に関する患者向け説明・確認用資材(「ジェネリック医薬品」にかえてみませんか)を作成し、無償配布をしています。

既にお手元に届いている薬局もあるかもしれませんが、7月9日の定例記者会見にて発表されていますね。

日本薬剤師会:ジェネリック医薬品に関する患者向け説明・確認用資材の件
http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kaiken/p090709.html#090709_1

このパンフレットを利用するに当たり、注意事項が一緒に書かれています。ちょっと長いですが、あえて全文を引用いたします。

ジェネリック医薬品に関する患者向け説明・確認用資材を使用するにあたっての留意点

1. ジェネリック医薬品に関する患者向け説明・確認用資材(以下、「説明・確認用資材」)は、処方せん受付時に使用することを想定しています。
ジェネリック医薬品に変更可能な処方せんであった場合は、患者にその旨を伝えるとともに、調製行為に入る前に、ジェネリック医薬品への変更希望の有無を確認してください。

2. 患者からジェネリック医薬品への変更希望の有無を確認したら、その内容を薬歴に記録します。次回以降はその記録内容に基づいて対応することになりますが、必要に応じて、適宜確認するように努めることが求められます。

3. 説明・確認用資材は、そのまま患者へお渡しするものです。ご自宅へお持ち帰りいただき、ジェネリック医薬品を使用することについて理解を深めていただくことも必要です。

4. ジェネリック医薬品に変更不可の処方せんであっても、後日受診した際には変更可能の処方せんが交付されることも考えられます。また、普段からジェネリック医薬品を使用することについて関心を持っていただくことも重要です。
受け付けた処方せんがジェネリック医薬品に変更可能か否かを問わず、説明・確認用資材を活用して、あらかじめ患者の意向を確認しておくよう努めてください。

5. すでに患者からジェネリック医薬品への変更希望を確認済みの場合は、今回配布する説明・確認用資材を使用する必要はありません。また、各施設でジェネリック医薬品の普及促進に係る各種資材を準備・作成している場合もあり、今回配布する資材はそれらを妨げるものでは一切ありません。

6. 説明・確認用資材につきましては、本会ホームページからダウンロードすることも可能です(http://www.nichiyaku.or.jp/)。枚数が不足した場合には、必要に応じてコピーするなどによりご対応いただきますようお願いします。


日薬も配っただけではダメだろうと、注意事項を書いたのでしょうが…。ここまで子細に、マニュアル的に書かないとならないような状況なのでしょう。

更に身も蓋もないことを言ってしまえば、資材が配布されて、情けないですがこれだけの注意書きが書かれていても、状況が大きく変わるとは考えにくいですね。

薬剤師が後発医薬品に対して疑問を持ち、敢えて先発医薬品を使用する、或いは敢えて後発医薬品は使用しないという状況でしたら、まだ意思が感じられますが、恐らくそうではないでしょう。

処方せんの「変更不可」欄に署名があるなど後発品利用が進まない要因は様々ありますが、処方せんに記載されたものをそのまま調剤する「無気力」こそが、現在の状況をつくりあげているに違いありません。


(関連リンク)

CB news:「ジェネリック医薬品」にかえてみませんか?−日薬
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/23302.html

アポネットR研究会:日薬、後発医薬品に関する患者向け説明・確認資材を作成
http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/090709.html
22:40 | Comment(11) | ウラ
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