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2017年07月28日

[薬局新聞]オール薬剤師として“かかりつけ”目指す

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第46回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL46


 引き続き、はらだ薬局(鹿児島県)の笹川大介先生にお話をお伺いいたします。

 笹川先生がライフワークとして取り組んでいることがおありだと伺いました。

「はい、副作用の発見に関しての質問力・五感を身につけるということです。かかりつけ薬剤師を目指すということは大切なことです。ただ、個人としてだけではなく、オール薬剤師としてその能力を身につけられないかと試行錯誤をしております」

 講演活動だけでなく、フィールドを広げてゆくご予定もおありでしょうか。

「ブログやSNSを有効に活用してご活躍されている薬剤師の先生方も多いですので、そうした方面にも注力したいと思っています。また、動画配信なども簡単にできる時代になりました。今後は、副作用解説動画なども作ってゆければいいなと考えています。私が講演するなかでもよくお話するのですが、今日からでもできることを焦点にして、小さいことの積み重ねが大事で、それが自信に繋がるというスタンスがとても大切だと考えています。皆で力を合わせて、頑張ってゆければと思います」

 笹川先生の力強い想いが伝わってきて、私も勇気をいただけました。4回に渡ってありがとうございました。


2017年07月21日

[薬局新聞]副作用・相互作用の早期発見

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第45回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL45


 引き続き、はらだ薬局(鹿児島県)の笹川大介先生にお話をお伺いいたします。

 ケアネットが運営するプロファーマCHで「描いてつかむ!副作用の薬理学」という番組を配信していらっしゃいますね。

「副作用のメカニズムについて、6回に渡って映像授業を作製しました。めまい・浮腫・下痢に関して副作用が起こるしくみを解説しています。一貫して伝えたいことは、“薬剤師は薬の専門家。薬理作用の延長が副作用”だということ。それを理解することで、副作用の早期発見が可能になります。実はこの考えは、どんぐり工房の菅野彊先生の考えです。話は余談ですが、私自身、菅野先生のことを尊敬の念をこめて仙人と呼んでいます」

 私も番組を拝見しましたが、ホワイトボードを用いての解説はとても分かりやすいですね。

「よく見る症状が薬の副作用で起こっていることを薬剤師が発見できたら、患者さんだけでなく、医師をはじめとした他の医療職にも薬剤師とタッグを組むことの有用性を示すことができるのではないでしょうか。ポリファーマシーに関しても、エビデンスも重要ですが、実際に患者さんが副作用・相互作用で困っているということを発見できれば、減薬・中止の提案もスムーズにいくはずです」

 次回は今後の展望をお伺いいたします。


プロファーマCH:描いてつかむ!副作用の薬理学

2017年07月15日

[薬局新聞]患者の疑問を解決することが役割

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第44回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL44


 引き続き、はらだ薬局(鹿児島県)の笹川大介先生にお話をお伺いいたします。

 勉強方法について質問を受けることが多いと思いますが、なにかコツはあるのでしょうか。

「私自身は、小遣いをほぼ薬学書・医学書・看護書に投資してしまう、本マニアです。ただ、残念ながらこの1冊を読めば、薬剤師として活躍できるというものには巡り会っていません。勉強法としては、患者さんの質問に対して、深く掘り下げていくことが一番伸びるのではないかと考えています。質問内容に対して真摯に向き合う必要があると思います」

 かかりつけ薬剤師という観点から考えると、何が重要だとお考えでしょうか。

「一言で言えば、患者の疑問を解消できることにつきると思います。残薬調整・ポリファーマシー、副作用の早期発見・回避など薬剤師が活躍できる場面はまだ多くあります。それにも関わらず、薬剤師自身が自分の仕事に対して、ネガティブになっているケースをよくみます。今我々に必要なものは自信、言い換えれば強烈でポジティブな思い込みです。国家資格を持って医療に関わるという誇りを今こそ発揮できればと思い、日々奮闘中です 」

 次回も笹川先生の取り組みについてお伺いいたします。


2017年06月29日

[薬局新聞]知識を積み重ね、使い方を体験する勉強会

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第43回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL43


 今回から、はらだ薬局(鹿児島県)の笹川大介先生にお話をお伺いいたします。

 笹川先生は調剤業務の傍ら、自分自身のスキルアップを目的として勉強会を開催しているとのこと。

「不定期ではありますが、薬剤師勉強会(通称:笹川塾)を行っています。継続は力なりという言葉がありますが、そんな個人的な勉強会を4年間ほどつづけているうちに、日経DIクイズを執筆する機会や、全国各地で勉強会をする機会を与えていただいています」

 先生が勉強会を開催するうえで、心がけていることがおありだそうですね。

「はい、パワーポイントを使用しないということです。ホワイトボードと体1つあればできる勉強会を心がけています。講演をする場合には、できる限り資料(ハンドアウト)も渡していません。まっさらな状態から、少しずつ積み上がっていく知識とその使い方を体験していただくことが目的です。受講者と目と目を合わせて、できる限り下を向かないように工夫をしています。そういった勉強会が珍しいようで、リピート率が高い講義ができていると自負しています。私自身、毎日患者さんと接する中、現場で日々悩んでいます。その悩みを自分なりに考え抜いて、その悩みを理解できるからこそ、講演する機会をいただけていると分析しています」

 次回以降、笹川先生の取り組みについてお伺いいたします。


2017年06月17日

[薬局新聞]経済学者の薬剤師業務に対する批判

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第42回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL42


 アゴラなどを主宰する経済学者の池田信夫氏が、加計学園の獣医師問題に続き、薬剤師免許への批判を行っています。Twitterより、いくつかご紹介いたします(一部順序を入れ替えるなど、編集を加えてあります)。

「薬剤師なんかいらない。医師の出した処方箋でコンビニやネットで買えばいい。日本以外の国はそうなっている」

「薬剤師がまだゴチャゴチャいってくるが、これは獣医より存在価値が低い。今は「調剤」なんかしないんだから、コンビニの店員が処方箋どおり売れば十分」

「「処方どおりに薬を渡す」仕事はあるでしょうが、それは「衛生管理に気をつけて食物を提供する」仕事と同じ。「薬剤資格」はあってもいいが、業務独占は必要ない」

「薬剤師免許は単なる競争制限ではなく、医療費の国民負担を膨張させているのが大問題。厚労省も規制改革せざるをえないだろう。調剤薬局がパチンコ屋よりもうかるようになった。医薬分業なんて、今や意味がない」

「薬剤師なんか資格認定で十分。薬学部に6年も行かなくても、処方箋の通り薬を出すのはバイトでもできる。ゼロリスクを求める人は、資格をもつ(高い)薬局で買えばいい」

 経済学という一面からの考察で、また独占業務に対する嫌悪感が強く現れています。薬剤師が嫌いということではないと思いますが、冷静に読むのはなかなか難しいかもしれませんね。


2017年06月08日

[薬局新聞]ドラクエ世代が胸踊る限定品



薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第41回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL41


 不朽の名作と言っていいでしょう。かつて社会現象にまでなったRPGの「ドラゴンクエスト」は、今も多くの人たちに愛されています。個人的なことを言わせていただくならば、特に私のようなアラフォー世代にとっては、青春の1ページにも刻まれており、大変感慨深い思いがあります。

 去る5月27日、そのドラゴンクエストを象徴するキャラクターであるスライムが、ロート製薬とコラボした「ロートジースライム型目薬」が発売されました。ドラクエ世代にとっては、是非とも手に入れたい目薬です。

 パッケージも非常に凝っていて、かわいらしいスライム型の容器はもちろん、箱を開けるとゲームの画面を再現したデザイン。更に添付の説明書も作り込まれており、「ドラクエ感」を満喫することができます。

 キャッチコピーは「かいしんのいちげき!」ならぬ「かいしんの一滴!」。清涼系レベルは「8+」で「マヒャド級の爽快感」が得られるようです。品薄状態が続いているようですので、見かけた方はお手にとってみてはいかがでしょうか。



2017年06月02日

[薬局新聞]この街になくてはならない薬局

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第40回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL40


 引き続き、深井ファミリー薬局(大阪府)の金田仁孝先生にお話をお伺いいたします。

 金田先生は在宅にも熱心に取り組んでいらっしゃると伺いました。

「現在当薬局では複数の医療機関からの依頼を受け、常時約50名の在宅患者さんとのおつきあいがあります。そしてその多くはいわゆる個人宅で、施設の方はごくわずかです。在宅医療は毎回々々薬剤師として、というより人間としての勉強の場です。健康な時も、少し心身に不調があるときも、そして人生の最後のコーナーを回りかけたときにも必要とされる薬剤師になれるようこれからも精進したいと思います」

 これから先、どんな薬局を目指していくのでしょうか。

「よく聞かれるのですが、ほぼ決まって答えるのが、『何か困ったときに真っ先に思い浮かべてもらえる、この街になくてはならない薬局』です。字面だけを見るとごく平凡な答えなんですが、結局たどり着くのはここなんですね。「殺虫剤からターミナルケアまで、あなたの街のかかりつけ薬局」をキャッチフレーズにし、30年かかってやっと少しずつ近づいてきたように思います。体が続く限り、そしてお客様が信頼して来店してくれる限り、この街でこの薬局を続けていきたいと思っています」

 金田先生、4回に渡ってありがとうございました。


[薬局新聞]かかりつけ薬局の実践

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第39回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL39


 引き続き、深井ファミリー薬局(大阪府)の金田仁孝先生にお話をお伺いいたします。

 印象に残っているエピソードをお聞かせください。

「20年来のお客様で、ご夫婦で当薬局を利用してくださったAさん。ご主人に先立たれた後のお話なのですが、ちょうど薬局のごく近くで熱中症になり、倒れてしまいました。私が駆けつけた際、Aさんに意識はなく、「誰かこの人知っている人ないですか?」という救急隊員の呼びかけに「うちのお客さんのAさんです」「一人暮らしで住所は○○町、近くに身内の方はおられません」と反射的に答えている自分がいました。救急隊長の「あなた、行けますか?」の言葉に、迷わず救急車に同乗しました」

 Aさんは金田先生のことを「命の恩人」とおっしゃっているとか。

「10日ほどでAさんは住み慣れた自宅に帰ってくることが出来ました。退院の一報を受けて、いつも飲んでいるOTCの栄養剤を配達させてもらいました。二人で談笑しながら、ふと横の仏壇を見たときにかかっていたのが、最高の笑顔で笑っているご主人の写真。なんと、以前に薬局で撮影した写真が遺影になっていたのです」

 「遠くの親戚より、近くのかかりつけ薬局」を実践している金田先生ならではのお話ですね。

 次回も様々な取り組みについてお伺いいたします。


2017年05月12日

[薬局新聞]人々とのふれあいで関係性をつくる

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第38回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL38


 引き続き、深井ファミリー薬局(大阪府)の金田仁孝先生にお話をお伺いいたします。

 金田先生は薬学部を卒業後、飛び込みで薬局を探し、5年半の研修をなさったと伺いました。

「当時の薬局はOTC販売がメインでしたが、少ないながら処方せん調剤も毎日行い、薬局製剤などの皮膚病相談も研修することができたのは、私の薬剤師人生にとって何物にも代え難い大きな宝物になりました。その後、29歳で深井ファミリー薬局を開局しました」

 開局当初は大変なこともあったようですね。

「大々的にチラシを打った開店セールこそ賑わいましたが、そのあとは閑古鳥が鳴く毎日でした。処方せん調剤も柱の一つにと考えていましたが、しばらくの間は処方せんゼロ枚という日々が続きました。これではどうにもならないと、時折サロンパスなどのOTCを買いに来てくれる地元の人とのふれあいを大切にするようにしていきました。指名された商品をただ売るだけではなく、どういった症状がいつ頃から続いていて、病院にかかったり、何か薬を使っていたのかなどを雑談の中から聞き出して、ラポール(関係性)の形成に注力していきました」

 次回は薬局でのエピソード等についてお話いただきます。


2017年04月27日

[薬局新聞]市民に役立つ薬局目指し開局

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第37回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL37


 今回から、深井ファミリー薬局(大阪府)の金田仁孝先生にお話をお伺いいたします。

 金田先生のご実家は鮮魚卸売業を営んでいらっしゃったそうですが、子供の頃から薬剤師になろうとお考えだったのでしょうか。

「最初から薬剤師と考えていたわけではなく、将来は医師になって無医村で医療をしたいと本気で考えていた時期もあります。また薬学部への進学を考えた際も、研究職に進むこともイメージしていました。しかし、私の父と母が朝早くから夜遅くまで魚を売る様子を見て、知らない間に商人のDNAが刻み込まれていったのではないかと思います」

 すると薬局を開局するのは必然でもあったのですね。

「医者に行く時間もないほどがむしゃらに働いていた両親は自分達の健康は自分で守るしかないという信念を持っていて、かかりつけの薬屋さんにいつも相談に行ってかぜ薬などを買ってきていました。今で言う、「セルフメディケーション」ですね。そんな原体験があったので、研究職ではなく、薬局を自分で開局して市民の役に立ちたいと思っていったのかもしれません」

 次回以降、金田先生の開局にまつわるエピソードや取り組みについてお伺いいたします。


2017年04月15日

[薬局新聞]「かかりつけ薬剤師」への様々な意見

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第36回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL36


 中医協において、平成30年の調剤報酬改定に向けた議論が活発になってきています。中でも注目は、平成28年の改定で新設された「かかりつけ薬剤師」について。ネット上でも様々な意見が飛び交っています。

 かかりつけ薬剤師に対して、中医協では支払い側、診療側の双方から批判の声が上がっていますが、「制度が設定してあるのに「点数を取りすぎだ」は乱暴な意見」と。また、1年しか経過していない段階で「どう評価するかを設定せずにお金を取りすぎだからダメというのは、拙い議論」だとの指摘もあります。

 大手チェーンが槍玉に上がっていることについては、「ジェネリックのノルマは歓迎、かかりつけ取得の拡大は攻撃、と都合が良すぎる」とバッサリ。国が薬剤師に方向性を示して点数をつけているのに「大手がやると、点数をとるためだけの薬剤師と揶揄される」のはおかしいというのは、たしかに一理あります。

 一方、実際に大手チェーン勤務の人からは「かかりつけ薬剤師の同意を患者全員から取るように上司から言われますが、モチベーションを保てない」という声も。働いている薬剤師も、悩みを抱えていそうです。

 引き続き、中医協での議論を注視してゆきたいと思います。


2017年04月06日

[薬局新聞]笑顔の数を増やす薬局へ

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第35回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL35


 引き続き、ヒルマ薬局(東京都)の比留間康二郎先生にお話をお伺いいたします。

 ドリームマップをどのように活かしているのでしょうか。

「夢が叶うと人はハッピーになり、ハッピーになると幸せホルモンが出て元気になります。すると周りの人や社会も元気になり、その元気が自分にまた帰ってくる。夢の実現はこの繰り返しだと思うのです。医療の最終的な目標は目の前のお客様を笑顔にすることだと思います。お客様が最期をどのように迎えたいのか、どういう人生を歩みたいのか。私たち薬剤師は薬だけでなく人の想いもしっかりと乗せてお薬を渡していかなければなりません」

 比留間先生には野望がおありだとか。

「はい、お客様といっしょに作る夢を薬局の壁いっぱいに敷き詰めることです。それを見て『みんな夢かなえているかな?』と思いをはせるのが楽しくてたまりません。お客様も自分の夢の確認をするために薬局に薬をもらいに来る。その夢は子供へと受け継がれていく。それがやがて道行く人にも伝播して、地域にも広がり、日本、そして世界に広がり、皆の夢が叶っていく!笑顔の数が増え、世の中自体が幸せになっていく。私はそんな薬局を作っていきます」

 比留間先生、4回に渡ってありがとうございました。


2017年03月25日

[薬局新聞]4つの視点をもつ"ドリームマップ"

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第34回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL34


 引き続き、ヒルマ薬局(東京都)の比留間康二郎先生にお話をお伺いいたします。

 「お客様の夢」が大切だと、前回お伺いしました。

「確かにエビデンスが大事な医療の世界です。でもそれだけでは語れない奇跡がたくさん起きているのも現実です。お客様が「生きる目標」を見つけたとき、薬は最大の力を発揮し、その人をより健康の道へといざなってくれると思うのです。この生きる目標が「お客様の夢」だと私は確信しています」

 その「お客様の夢」を、ヒルマ薬局ではドリームマップと名付けていらっしゃるのですよね。

「文字通り「夢の地図」です。ただ、自分の夢を見つけるだけでなく、自分の現在地を認識し、最終的な人生の目的を見つけ出し、そこに行くための階段を昇っていくための手筈がドリームマップにはあります。そして、自利利他の精神を大事にしていて自分の夢が叶った時に人を悲しませることをOKとしないのがドリームマップのすごさです。ドリームマップには、「自分のかなえたい夢」・「その時の自分の心の持ちよう」・「他者に対してどう関わっているか」・「地域・社会・世界に対してどう関わっているか」の4つの視点があります」

 次回もドリームマップのお話をお伺いいたします。


2017年03月16日

[薬局新聞]相手に寄り添う服薬指導

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第33回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL33


 引き続き、ヒルマ薬局(東京都)の比留間康二郎先生にお話をお伺いいたします。

 比留間先生は、常々疑問に思っていることがおありだとうかがいました。

「私が薬を渡している中で、『この人には本当にこんなに薬が必要なのか?』と思うことがしばしばあります。ポリファーマーシーなんて言葉が最近よく聞かれますが、薬の専門家としての知識は私にはまだまだです。わからないこともたくさんあります。そんな中でも服薬指導をしていてよく感じることが『自分は本当にお客様に寄り添った服薬指導ができているのか?』という事です。医療者が思う「治る」とお客様が思う「治る」にはかけ離れた思いがあると感じているからです」

 相手に寄り添った服薬指導を模索しているのですね。

「ヒントとなったのが「お客様の夢」でした。医療において最後のゲートキーパーである私たち薬剤師は、今まさに「お客様の夢を見つけること」が求められているのではないかと思います。かかりつけ薬剤師とは「薬」だけを見ていればいいわけではありません。『その人がその人らしく生きるよう尊重して関わる』ことが大事だと考えています」

 次回も引き続き、比留間先生の関わりについてお伺いいたします。


2017年03月02日

[薬局新聞]心のよりどころとなる薬剤師に

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第32回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL32


 今回から、ヒルマ薬局(東京都)の比留間康二郎先生にお話をお伺いいたします。

 比留間先生は非常に幅広い活動をなさっていらっしゃるのですよね。

「私は92年続くヒルマ薬局の4代目、「小豆沢店の若旦那」なんて呼んでくださる方もいらっしゃいます。薬局で働く傍ら、板橋区薬剤師会の理事や母校である東京薬科大学の講師としても、お仕事をさせていただいています。小学生とその親御さん向けに薬の講演を行ったり、また東日本大震災、熊本地震でのボランティア活動にも取り組んでいます」

 比留間先生は93歳のご祖母様と一緒に働いていることを、非常に誇りに思っていらっしゃるのですよね。

「私は薬師如来になることを目標にしています。薬師如来を感じに京都のお寺に行ったり、写真集を買って毎日眺めたりもしています(笑)でも、仏像は何も答えてくれない……。そんな時ふと、この身近にいる祖母こそが、私の目指す薬師如来なのだということに気が付きました。お客様から愛され続け、薬剤師という仕事をずっと続けている祖母は、薬局のコンセプトでもある「心のよりどころ」そのものでした。薬剤師があるべき姿を私に教えてくれる存在です。ヒルマ薬局に産まれてきたことを私は誇りに思っています」

 次回以降、具体的な取り組みについてお伺いいたします。


2017年02月25日

[薬局新聞]ハーボニー偽薬問題への指摘と現状

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第31回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL31


 先月、ハーボニーの偽造医薬品が出回った事件がありました。非常に衝撃的であり、ネット上でもいろいろな声が聞かれましたので、ご紹介します。

 これまで偽造医薬品の心配がなかった日本で起こったことについては、「まさか日本で起こるとは思わなかった」「日本の医薬品業界にも偽薬が出回るようになってきたのか」と驚きの声があがっている一方、「ネット通販では割とあること」「食品に比べればまだまだ安全」という冷静な声も。

 当該薬局や卸に対しては、「箱と添付文書がなくて購入することがおかしい」との指摘があり、更に「患者さんが気づく前に何故薬局で気付けなかったのか」という厳しい声も。医薬品の流通ルートに対する疑問が指摘されています。

 その一方、「ハーボニー偽薬問題はあってはならないけど、現場の薬局は死活問題。キレイゴト言っても一円でも安く仕入れたいというのが本音」という現場の切実な声も。

「薬局の業務は対物業務があっての対人業務だということ」という全体を俯瞰する意見もありましたが、今回の事件については「トカゲのしっぽ切りで終わりそうだ」という懸念も指摘されています。

 今後の行政の対応や処分等が注目されます。


2017年02月09日

[薬局新聞]正確な情報発信と対面サポート

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第30回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL30


 引き続き、ファイン薬局住道店(大阪府)の田村かおり先生にお話をお伺いいたします。

 ネット上にある医療情報に対して、危惧していることがおありだと。

「昨年、医療情報のキュレーションサイト「WELQ問題」がありました。インターネット上の医療情報は玉石混交です。一般の人が検索しても正確な情報にたどり着くのは難しいです。薬剤師である私が検索しても最初に出てくるのは怪しげな情報サイトです。国民が情報を理解し自ら生活・体調管理ができるようになってもらうことが 国民と医療従事者共に健やかでいられると思います」

 どのような形がよいとお考えでしょうか。

「ネット記事と対面による患者応需は相互補完関係になるのが理想だと考えます。どうしても直接対面する患者さんの数が多すぎて、ひとりひとりに対応する時間が取れない。まっとうな情報を理解できる患者さんは医療従事者が責任を持って発信する情報を読み、それでも理解できない部分を対面で対応する。そのためには生活に即したまっとうな情報が広い範囲で数多く必要です。私もブログを書いていますが、薬剤師全体がもっと情報発信することが肝要です」

 田村先生、4回に渡ってありがとうございました。


「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

2017年02月03日

[薬局新聞]SNSや人の輪を活かして情報収集

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第29回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL29


 引き続き、ファイン薬局住道店(大阪府)の田村かおり先生にお話をお伺いいたします。

 田村先生は主にTwitterやFB(Facebook)で情報収集を行っているのですよね。

「SNS上には、医薬品の回収情報や副作用情報などを情報提供してくれる人がいます。メーカーのサイトやPMDAに掲載されるより前に情報を得ることもあります。Twitterならば複数のアカウントを持つことも可能なので、医療情報を集めるためのアカウントを作ることを提案します。SNSは業務が忙しく、なかなか時間が取れない場合にも有用なツールとなります」

 ネットでの情報収集はもはや薬剤師の必須スキルと言ってもいいかもしれません。

「薬剤師会は何もしてくれない、行政は周知してくれないというけれども、専門職なら自分で取りに行く姿勢が必要です。もちろん、情報を収集するだけでなく、厚生労働省やPMDA、各メーカーのサイトや出典を調べる等、裏取りは必要です。またネット上だけでなく、近隣の薬局の人と仲良くなったり、大学や元職場の人の関係で人の輪を作るのも十分価値があります。研修会で知り合った他の薬剤師や、講師の方と名刺交換をしてFBでつながるのもいい方法です。他の薬剤師のやり方を見る機会がぐんと増えます」

 次回は、情報発信についてもお伺いいたします。


2017年01月26日

[薬局新聞]学術発表をリアルタイムでウェブ配信

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第28回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL28


 引き続き、ファイン薬局住道店(大阪府)の田村かおり先生にお話をお伺いいたします。

 ちょっと前の話になりますが、一昨年の鹿児島の学術大会の際には、分科会の配信をしていただきお世話になりました。

「座長が豊見さんと原崎さんなので何か起こるとは思っていましたが、配信許可が出たので携帯電話よりツイキャスしました。分科会の1時間半の間、スタンドが無く、手持ちでの配信でしたので、腕がつりそうになりました。バッテリー残量も危うかったのでヒヤヒヤしましたが、視聴者からのリアルタイムの反応にテンションが上りました(笑)」

 それ以前にも何か配信をしたことがあるのでしょうか。

「一度もありませんが、知人がツイキャスをやっていたのでできるんじゃないかと、軽い気持ちでやりました。距離、時間、お金、業務、家庭など事情は様々ですが、学術大会に参加できない人たちには大変好評でした。日本薬剤師会も、発表者の許可を得て、会員に向けて学術大会の様子をウェブ配信するなど工夫してもいいと感じました」

 次回も、田村先生の取り組みについてお話をお伺いします。


2017年01月19日

[薬局新聞]効率を重視してスタッフで情報共有

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第27回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL27


 今回から、ファイン薬局住道店(大阪府)の田村かおり先生にお話をお伺いいたします。

 田村先生が勤務する薬局、とても特徴的だとうかがいました。

「スタッフは女性ばかりですし、薬局の特性上、患者さんとして対応する方も女性が中心です。スタッフはみな家庭を持つ女性。限られた時間をどのように使うかという部分でいろいろな工夫をしています。効率を重視しつつ、薬局の基本となる業務をきっちり行うことを常に意識しています」

 具体的にはどのようなことがあるのでしょうか。

「紙ベースでの申し送りと電子薬歴をうまく活用しています。例えば、電話での相談があった場合、おおまかな質問内容を相談記録として紙ベースで残し、個別の詳細な記録は電子薬歴に記載します。申し送り用紙に個々人書いてもらって、ファイルにはさんだり、メモを皆が見る場所に貼ったりしています。また、患者さんにどのように接したかや患者さんの様子(昔に比べて元気がなくなったとか、出産したとか)をスタッフ同士で話すなど、業務の“合間”をうまく活用し、情報の共有をしています」

 円滑に業務が行われている様子が目に浮かびますね。

 次回以降、田村先生の様々な取り組みについてお伺いいたします。


2017年01月01日

[薬局新聞]かかりつけ薬剤師PERSONAL2017新春スペシャル



2017年、あけましておめでとうございます。本年も薬局のオモテとウラをよろしくお願いいたします。薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」新春スペシャル号をお届けいたします。

かかりつけ薬剤師PERSONAL2017新春SP


<2016年主なニュース>

・調剤報酬改定
(かかりつけ薬剤師、医療に関わる地域活動、湿布薬70枚制限、お薬手帳持参で減額)
・日本調剤が水野薬局を買収
・調剤権をめぐり中医協でバトル
・健康サポート薬局始まる
・オプジーボが半額に、薬価制度を巡る議論
・デパス、アモバンが向精神薬に指定
・敷地内薬局解禁、フェンス撤廃も


 2年に一度、必ずあるものですが、4月の調剤報酬改定に際しては、今回もドタバタがありました。特に新設されたかかりつけ薬剤師指導料に関しては、その是非から算定に至るまで、多くの意見が飛び交いました。中でも、算定要件である「医療に係る地域活動」の解釈やあり方を巡っては、特に混乱を招いたと言っても過言ではありません。

 個人的には、日本調剤の水野薬局買収が非常に印象に残っています。薬局の草分け的な存在でもある水野薬局が、その思想やシステムが対極にあると考えられていた大手チェーンに買収されたことは衝撃であり、今後の薬局業界の将来を見据える中で、いろいろと考えさせられる出来事でした。

 オプジーボの薬価を巡るやり取りは、皆保険を維持するために医療費の適正化を考える上では必要ですが、メーカーの開発意欲をそぐことは否定できず、複雑な思いです。今後、毎年の薬価改定にも話が及んでくるでしょう。またこれは「対岸の火事」では済まされず、調剤報酬の技術料の部分にも切り込んでくる可能性もあるでしょう。

 「かかりつけ薬剤師PERSONAL」にご登場いただいた皆様から、2016年の振り返りと2017年の展望について、一言お寄せいただきました。



山本雅洋 「拡がるご縁」

 「優劣をつけられないほど多くの出来事に恵まれた」という台詞が真っ先に思い浮かびました。 今年一年は「拡がるご縁」。 自分たちの継続してきた活動が書籍になり、雑誌になり、ワークショップとなり、研修会となりました。 漣のように広がる想い、志を同じくする仲間とのご縁、どれだけ感謝をしても尽きることはありません。多くの仲間に支えられて、七転八倒の末ここまでやってこれたと痛感しております。一度生まれ拡がったご縁は決して絶えません。 来年はいよいよNPO法人AHEADMAPが始動します。どんなワクワクが待ち受けているのでしょうか。今はあえて何も考えずに、ただただ静かに年が明けるのを愉しみにしております。



水元由香 「熊本大地震」

 この一年は熊本大地震を抜きにしては語れません。まず、震災にあわれた方へ心からお見舞い申し上げます。幸い私自身は大きな被害には合わなかったものの、揺れへの恐怖心は今でも忘れることができません。しかしながら、震災時に日本中から温かい励ましや助けをいただきました。感謝の念でいっぱいです。全国の皆さん、本当にありがとうございました。熊本県民は復興に向けて一歩一歩進んでいます。熊本城も踏ん張っています。災害はいつだれの身に降りかかってくるかわかりません。何が起ころうと何度でも立ち上がり、ますますたくましい日本になっていくことを願っています。できるこつをできるしこ(できることをできるだけ)!



太田貴之 「副作用機序別分類アプリ」

 2016年は、あっという間に過ぎていきました。熊本・鳥取の地震、かかりつけ薬剤師、健康サポート薬局。個人的にはM&Aに個別指導と、薬剤師人生の中でそう何度もない体験をしました。その中でも、私が所属するどんぐり未来塾で今回、副作用機序別分類のアプリを作成し、リリースできたことが一番大きな出来事かもしれません。アプリを手作りするなんて考えた事もなかったし、一人では到底不可能です。信頼できる仲間、励ましあえる仲間がいてこそ、達成できたことだと思います。2017年はイベントもいくつか企画する予定です。今までに知り合う事ができた仲間との繋がりを大切にし、薬剤師としてより一層頑張っていきたいと思います!



田中孝明 「行動に移す」

 現場目線の制度作りをしていきたい。あれこれ言ういよりも、行動して変えていきたい。以前掲載していただいた際に、お話をさせて頂きました。それを実行に移すために、熊毛地区の推薦を受けて、県薬剤師会の委員をさせて頂くことになりました。私の現在の仕事は、薬剤師会会員の皆様の研修会、登録販売者の方向けの研修会の準備、開催、講師などです。具体的には、椅子や机の配置、案内状の作成、研修会の報告書の作成、担当講義のスライド作成・講師など。普段の仕事にプラスでやらないといけませんし、離島から本土に行くのは大変ですが、やりがいを感じています。今後も行動に移して、皆で協力して薬剤師業界をより洗練された業界にしていきたいです。



豊見敦 「規制緩和」

 今年の春、薬局の独立性を担保するいわゆる公道規制が緩和されました。一般用医薬品の区分変更や通信販売など経済振興を名分とした規制緩和は今までも行われてきましたが、今回の規制緩和は後年に大きな意味を持って語られる出来事になってしまう可能性があります。医薬分業において薬局の独立性が担保されない形が認められてしまっては大きく本旨を揺るがします。 遠隔服薬指導も特区において認められる方向です。今後も医薬品を経済活動の"商品"として扱いたい方々の要望は強まると思われます。今こそ医薬品の専門家として、その危険性を知っているものとして、適切なルールが必要であることを訴え続けていかなければならないと感じています。



 業界全体を見渡すと、先行きを憂慮することも少なくありませんが、昨年このコーナーにご登場いただいた方々をはじめとし、個人や薬局単位で多くの取組がなされ、実を結んできていることも確かです。当コーナーでは、引き続きそうした取り組みをご紹介し、業界の動向を現場レベルでお伝えしてゆく予定です。


2016年12月21日

[薬局新聞]薬局の業務にも遠からずAIが

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第26回です。

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 ここ最近、AI(人工知能)の話題がホットですが、医療の分野においてもその活用が期待されています。AIというのは、過去の経験から未来を予測することが可能ですので、蓄積された膨大なデータを瞬時に解析し、そこから特徴や傾向、類似点などを掴むことを得意としています。

 例えば、診断に関して言えば、AIは医師の能力を既に上回っていることが示唆されています。糖尿病による重大な合併症の一つに網膜症がありますが、Googleのディープラーニングを活用したアルゴリズムは、8人の眼科医の平均スコアを上回ったことが話題になっていました。

 また、創薬の分野においても期待は大きいです。AIに生化学分野の論文を考察させることで、未知のタンパクの機能を、これまででは考えられないスピードで特定したことも紹介されていました。これまでの常識が、根底から覆される状況が発生しています。

 薬局の業務においても、遠からずAIが導入、活用されることになるのは間違いありません。何がどう変わるのか、予測すら難しい部分もありますが、「AIを使いこなす」のではなく、「AIに使われる」日々が待ち構えているなんてことも、冗談ではないかもしれませんね。


2016年12月09日

[薬局新聞]24時間対応の必要性を考える

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第25回です。

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 11月半ば、ファミリーレストランチェーンのロイヤルホストが、来年1月までに、すべての店舗で24時間営業を取りやめると全国紙で報じられました。併せて、深夜や早朝の時間短縮や定休日の導入も考えているようですね。

 賃金上昇、コスト増に伴って、外食産業は深夜営業を減らす傾向にあり、その流れの一つなのでしょう。それに対してネット上では「24時間開いている必要はない」「日本人は働きすぎ」といった声が寄せられています。中には「英断である!」と評価する声もあり、好意的な反応が多くを占めているようです。

 外食産業と薬局業界の単純な比較はできませんが、薬局に目を向けてみますと、24時間開局こそ決して多くありませんが、24時間対応が求められるなど、そうした流れと逆の方向を向いているように思えます。しかし闇雲に推し進めるのではなく、本当に必要なことなのかどうか、考えなくてはなりません。

 「すべての薬局が、24時間対応をする必要があるのか」という疑問の声もあがっていますが、いかに負担を減らすのかということを模索してゆく必要があるのではないでしょうか。薬局で働く人たちの健康にも目を向けてほしいものですね。


『見える風景が変わるか? 2040年の薬局』


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2016年12月03日

[薬局新聞]多職種との論文情報共有を目指して

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第24回です。

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 引き続き、はるか薬局三条支局(愛知県名古屋市)の山本雅洋先生にお話をお伺いいたします。

 山本先生は普段、薬局で「論文情報を活用して患者さんが納得するまで対話をすること」を実践されているとのこと。

「私の勤務先の薬局の長年の積み重ねの成果でしょうか。「検査値のことをもっと知りたい」「受診目的以外の軽微な症状(例えば風邪)ではどんな薬がいいのか?」「健康食品・サプリメントを試したいのだけれど、ほんとに効果あるの?」など、患者さんからの質問は毎日、多様多岐に渡ります」

そのような質問にどう対応するのでしょう。

「患者さんからの質問内容を、P:どんな背景の人に、E:どんなことをすると(薬、食事、運動など)、C:何と比較して、O:どうなるのか(健康になる?死亡リスクが減る?合併症リスクが減る?)という形式に落とし込みます。そこから臨床医学論文を探し、内容を吟味して患者さんが納得のいくまで会話を継続します。その場で解決することもあれば後から電話などでお伝えすることもあります。現在は患者さんに対する論文情報の活用がほとんどですが、ゆくゆくは主治医も含めた他職種との情報共有、論文活用を目指して活動したいと思っています」

 山本先生、4回に渡ってありがとうございました。


薬がみえる vol.3


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2016年11月18日

[薬局新聞]EBMは誰でも実践できる

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第23回です。

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 引き続き、はるか薬局三条支局(愛知県名古屋市)の山本雅洋先生にお話をお伺いいたします。

 論文抄読会はどのように行っているのでしょうか。

「具体的には,仮想症例シナリオを作成し,そこでの患者さんや医師からの質問をきっかけに,それにマッチする英語論文を当日までに予めこちらで用意し,ネットで告知をします。抄読会当日はそれらと論文を読むためのチェックシートを用いて,論文の批判的吟味をして,最終的には目の前の患者さんへの対応方法や,医師への情報提供の仕方などを視聴者の方々と一緒に議論してゆきます」

 参加者の方々の反応はいかがでしょうか。

「実際にJJCLIPの抄読会を視聴した薬剤師の先生方の中で,自ら進んで臨床疑問を立てて,エビデンスを探して,読んで,吟味して,行動される方々が少しずつ増えています。EBMは医療者ならば誰でも実践が可能性です。現在は月に一度のネット抄読会の開催を中心に活動しておりますが,今後は活動の継続性を担保するために,JJCLIPをNPO法人へと移行するための手続きを行っています」

 次回は、山本先生ご自身の取り組みと今後の展望についてお伺いいたします。


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