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2017年05月12日

[薬局新聞]人々とのふれあいで関係性をつくる

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第38回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL38


 引き続き、深井ファミリー薬局(大阪府)の金田仁孝先生にお話をお伺いいたします。

 金田先生は薬学部を卒業後、飛び込みで薬局を探し、5年半の研修をなさったと伺いました。

「当時の薬局はOTC販売がメインでしたが、少ないながら処方せん調剤も毎日行い、薬局製剤などの皮膚病相談も研修することができたのは、私の薬剤師人生にとって何物にも代え難い大きな宝物になりました。その後、29歳で深井ファミリー薬局を開局しました」

 開局当初は大変なこともあったようですね。

「大々的にチラシを打った開店セールこそ賑わいましたが、そのあとは閑古鳥が鳴く毎日でした。処方せん調剤も柱の一つにと考えていましたが、しばらくの間は処方せんゼロ枚という日々が続きました。これではどうにもならないと、時折サロンパスなどのOTCを買いに来てくれる地元の人とのふれあいを大切にするようにしていきました。指名された商品をただ売るだけではなく、どういった症状がいつ頃から続いていて、病院にかかったり、何か薬を使っていたのかなどを雑談の中から聞き出して、ラポール(関係性)の形成に注力していきました」

 次回は薬局でのエピソード等についてお話いただきます。


2017年04月27日

[薬局新聞]市民に役立つ薬局目指し開局

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第37回です。

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 今回から、深井ファミリー薬局(大阪府)の金田仁孝先生にお話をお伺いいたします。

 金田先生のご実家は鮮魚卸売業を営んでいらっしゃったそうですが、子供の頃から薬剤師になろうとお考えだったのでしょうか。

「最初から薬剤師と考えていたわけではなく、将来は医師になって無医村で医療をしたいと本気で考えていた時期もあります。また薬学部への進学を考えた際も、研究職に進むこともイメージしていました。しかし、私の父と母が朝早くから夜遅くまで魚を売る様子を見て、知らない間に商人のDNAが刻み込まれていったのではないかと思います」

 すると薬局を開局するのは必然でもあったのですね。

「医者に行く時間もないほどがむしゃらに働いていた両親は自分達の健康は自分で守るしかないという信念を持っていて、かかりつけの薬屋さんにいつも相談に行ってかぜ薬などを買ってきていました。今で言う、「セルフメディケーション」ですね。そんな原体験があったので、研究職ではなく、薬局を自分で開局して市民の役に立ちたいと思っていったのかもしれません」

 次回以降、金田先生の開局にまつわるエピソードや取り組みについてお伺いいたします。


2017年04月15日

[薬局新聞]「かかりつけ薬剤師」への様々な意見

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第36回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL36


 中医協において、平成30年の調剤報酬改定に向けた議論が活発になってきています。中でも注目は、平成28年の改定で新設された「かかりつけ薬剤師」について。ネット上でも様々な意見が飛び交っています。

 かかりつけ薬剤師に対して、中医協では支払い側、診療側の双方から批判の声が上がっていますが、「制度が設定してあるのに「点数を取りすぎだ」は乱暴な意見」と。また、1年しか経過していない段階で「どう評価するかを設定せずにお金を取りすぎだからダメというのは、拙い議論」だとの指摘もあります。

 大手チェーンが槍玉に上がっていることについては、「ジェネリックのノルマは歓迎、かかりつけ取得の拡大は攻撃、と都合が良すぎる」とバッサリ。国が薬剤師に方向性を示して点数をつけているのに「大手がやると、点数をとるためだけの薬剤師と揶揄される」のはおかしいというのは、たしかに一理あります。

 一方、実際に大手チェーン勤務の人からは「かかりつけ薬剤師の同意を患者全員から取るように上司から言われますが、モチベーションを保てない」という声も。働いている薬剤師も、悩みを抱えていそうです。

 引き続き、中医協での議論を注視してゆきたいと思います。


2017年04月06日

[薬局新聞]笑顔の数を増やす薬局へ

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第35回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL35


 引き続き、ヒルマ薬局(東京都)の比留間康二郎先生にお話をお伺いいたします。

 ドリームマップをどのように活かしているのでしょうか。

「夢が叶うと人はハッピーになり、ハッピーになると幸せホルモンが出て元気になります。すると周りの人や社会も元気になり、その元気が自分にまた帰ってくる。夢の実現はこの繰り返しだと思うのです。医療の最終的な目標は目の前のお客様を笑顔にすることだと思います。お客様が最期をどのように迎えたいのか、どういう人生を歩みたいのか。私たち薬剤師は薬だけでなく人の想いもしっかりと乗せてお薬を渡していかなければなりません」

 比留間先生には野望がおありだとか。

「はい、お客様といっしょに作る夢を薬局の壁いっぱいに敷き詰めることです。それを見て『みんな夢かなえているかな?』と思いをはせるのが楽しくてたまりません。お客様も自分の夢の確認をするために薬局に薬をもらいに来る。その夢は子供へと受け継がれていく。それがやがて道行く人にも伝播して、地域にも広がり、日本、そして世界に広がり、皆の夢が叶っていく!笑顔の数が増え、世の中自体が幸せになっていく。私はそんな薬局を作っていきます」

 比留間先生、4回に渡ってありがとうございました。


2017年03月25日

[薬局新聞]4つの視点をもつ"ドリームマップ"

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第34回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL34


 引き続き、ヒルマ薬局(東京都)の比留間康二郎先生にお話をお伺いいたします。

 「お客様の夢」が大切だと、前回お伺いしました。

「確かにエビデンスが大事な医療の世界です。でもそれだけでは語れない奇跡がたくさん起きているのも現実です。お客様が「生きる目標」を見つけたとき、薬は最大の力を発揮し、その人をより健康の道へといざなってくれると思うのです。この生きる目標が「お客様の夢」だと私は確信しています」

 その「お客様の夢」を、ヒルマ薬局ではドリームマップと名付けていらっしゃるのですよね。

「文字通り「夢の地図」です。ただ、自分の夢を見つけるだけでなく、自分の現在地を認識し、最終的な人生の目的を見つけ出し、そこに行くための階段を昇っていくための手筈がドリームマップにはあります。そして、自利利他の精神を大事にしていて自分の夢が叶った時に人を悲しませることをOKとしないのがドリームマップのすごさです。ドリームマップには、「自分のかなえたい夢」・「その時の自分の心の持ちよう」・「他者に対してどう関わっているか」・「地域・社会・世界に対してどう関わっているか」の4つの視点があります」

 次回もドリームマップのお話をお伺いいたします。


2017年03月16日

[薬局新聞]相手に寄り添う服薬指導

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第33回です。

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 引き続き、ヒルマ薬局(東京都)の比留間康二郎先生にお話をお伺いいたします。

 比留間先生は、常々疑問に思っていることがおありだとうかがいました。

「私が薬を渡している中で、『この人には本当にこんなに薬が必要なのか?』と思うことがしばしばあります。ポリファーマーシーなんて言葉が最近よく聞かれますが、薬の専門家としての知識は私にはまだまだです。わからないこともたくさんあります。そんな中でも服薬指導をしていてよく感じることが『自分は本当にお客様に寄り添った服薬指導ができているのか?』という事です。医療者が思う「治る」とお客様が思う「治る」にはかけ離れた思いがあると感じているからです」

 相手に寄り添った服薬指導を模索しているのですね。

「ヒントとなったのが「お客様の夢」でした。医療において最後のゲートキーパーである私たち薬剤師は、今まさに「お客様の夢を見つけること」が求められているのではないかと思います。かかりつけ薬剤師とは「薬」だけを見ていればいいわけではありません。『その人がその人らしく生きるよう尊重して関わる』ことが大事だと考えています」

 次回も引き続き、比留間先生の関わりについてお伺いいたします。


2017年03月02日

[薬局新聞]心のよりどころとなる薬剤師に

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第32回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL32


 今回から、ヒルマ薬局(東京都)の比留間康二郎先生にお話をお伺いいたします。

 比留間先生は非常に幅広い活動をなさっていらっしゃるのですよね。

「私は92年続くヒルマ薬局の4代目、「小豆沢店の若旦那」なんて呼んでくださる方もいらっしゃいます。薬局で働く傍ら、板橋区薬剤師会の理事や母校である東京薬科大学の講師としても、お仕事をさせていただいています。小学生とその親御さん向けに薬の講演を行ったり、また東日本大震災、熊本地震でのボランティア活動にも取り組んでいます」

 比留間先生は93歳のご祖母様と一緒に働いていることを、非常に誇りに思っていらっしゃるのですよね。

「私は薬師如来になることを目標にしています。薬師如来を感じに京都のお寺に行ったり、写真集を買って毎日眺めたりもしています(笑)でも、仏像は何も答えてくれない……。そんな時ふと、この身近にいる祖母こそが、私の目指す薬師如来なのだということに気が付きました。お客様から愛され続け、薬剤師という仕事をずっと続けている祖母は、薬局のコンセプトでもある「心のよりどころ」そのものでした。薬剤師があるべき姿を私に教えてくれる存在です。ヒルマ薬局に産まれてきたことを私は誇りに思っています」

 次回以降、具体的な取り組みについてお伺いいたします。


2017年02月25日

[薬局新聞]ハーボニー偽薬問題への指摘と現状

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第31回です。

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 先月、ハーボニーの偽造医薬品が出回った事件がありました。非常に衝撃的であり、ネット上でもいろいろな声が聞かれましたので、ご紹介します。

 これまで偽造医薬品の心配がなかった日本で起こったことについては、「まさか日本で起こるとは思わなかった」「日本の医薬品業界にも偽薬が出回るようになってきたのか」と驚きの声があがっている一方、「ネット通販では割とあること」「食品に比べればまだまだ安全」という冷静な声も。

 当該薬局や卸に対しては、「箱と添付文書がなくて購入することがおかしい」との指摘があり、更に「患者さんが気づく前に何故薬局で気付けなかったのか」という厳しい声も。医薬品の流通ルートに対する疑問が指摘されています。

 その一方、「ハーボニー偽薬問題はあってはならないけど、現場の薬局は死活問題。キレイゴト言っても一円でも安く仕入れたいというのが本音」という現場の切実な声も。

「薬局の業務は対物業務があっての対人業務だということ」という全体を俯瞰する意見もありましたが、今回の事件については「トカゲのしっぽ切りで終わりそうだ」という懸念も指摘されています。

 今後の行政の対応や処分等が注目されます。


2017年02月09日

[薬局新聞]正確な情報発信と対面サポート

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第30回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL30


 引き続き、ファイン薬局住道店(大阪府)の田村かおり先生にお話をお伺いいたします。

 ネット上にある医療情報に対して、危惧していることがおありだと。

「昨年、医療情報のキュレーションサイト「WELQ問題」がありました。インターネット上の医療情報は玉石混交です。一般の人が検索しても正確な情報にたどり着くのは難しいです。薬剤師である私が検索しても最初に出てくるのは怪しげな情報サイトです。国民が情報を理解し自ら生活・体調管理ができるようになってもらうことが 国民と医療従事者共に健やかでいられると思います」

 どのような形がよいとお考えでしょうか。

「ネット記事と対面による患者応需は相互補完関係になるのが理想だと考えます。どうしても直接対面する患者さんの数が多すぎて、ひとりひとりに対応する時間が取れない。まっとうな情報を理解できる患者さんは医療従事者が責任を持って発信する情報を読み、それでも理解できない部分を対面で対応する。そのためには生活に即したまっとうな情報が広い範囲で数多く必要です。私もブログを書いていますが、薬剤師全体がもっと情報発信することが肝要です」

 田村先生、4回に渡ってありがとうございました。


「くすりや」の「現場」
http://miyaq.hatenablog.com/

2017年02月03日

[薬局新聞]SNSや人の輪を活かして情報収集

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第29回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL29


 引き続き、ファイン薬局住道店(大阪府)の田村かおり先生にお話をお伺いいたします。

 田村先生は主にTwitterやFB(Facebook)で情報収集を行っているのですよね。

「SNS上には、医薬品の回収情報や副作用情報などを情報提供してくれる人がいます。メーカーのサイトやPMDAに掲載されるより前に情報を得ることもあります。Twitterならば複数のアカウントを持つことも可能なので、医療情報を集めるためのアカウントを作ることを提案します。SNSは業務が忙しく、なかなか時間が取れない場合にも有用なツールとなります」

 ネットでの情報収集はもはや薬剤師の必須スキルと言ってもいいかもしれません。

「薬剤師会は何もしてくれない、行政は周知してくれないというけれども、専門職なら自分で取りに行く姿勢が必要です。もちろん、情報を収集するだけでなく、厚生労働省やPMDA、各メーカーのサイトや出典を調べる等、裏取りは必要です。またネット上だけでなく、近隣の薬局の人と仲良くなったり、大学や元職場の人の関係で人の輪を作るのも十分価値があります。研修会で知り合った他の薬剤師や、講師の方と名刺交換をしてFBでつながるのもいい方法です。他の薬剤師のやり方を見る機会がぐんと増えます」

 次回は、情報発信についてもお伺いいたします。


2017年01月26日

[薬局新聞]学術発表をリアルタイムでウェブ配信

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第28回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL28


 引き続き、ファイン薬局住道店(大阪府)の田村かおり先生にお話をお伺いいたします。

 ちょっと前の話になりますが、一昨年の鹿児島の学術大会の際には、分科会の配信をしていただきお世話になりました。

「座長が豊見さんと原崎さんなので何か起こるとは思っていましたが、配信許可が出たので携帯電話よりツイキャスしました。分科会の1時間半の間、スタンドが無く、手持ちでの配信でしたので、腕がつりそうになりました。バッテリー残量も危うかったのでヒヤヒヤしましたが、視聴者からのリアルタイムの反応にテンションが上りました(笑)」

 それ以前にも何か配信をしたことがあるのでしょうか。

「一度もありませんが、知人がツイキャスをやっていたのでできるんじゃないかと、軽い気持ちでやりました。距離、時間、お金、業務、家庭など事情は様々ですが、学術大会に参加できない人たちには大変好評でした。日本薬剤師会も、発表者の許可を得て、会員に向けて学術大会の様子をウェブ配信するなど工夫してもいいと感じました」

 次回も、田村先生の取り組みについてお話をお伺いします。


2017年01月19日

[薬局新聞]効率を重視してスタッフで情報共有

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第27回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL27


 今回から、ファイン薬局住道店(大阪府)の田村かおり先生にお話をお伺いいたします。

 田村先生が勤務する薬局、とても特徴的だとうかがいました。

「スタッフは女性ばかりですし、薬局の特性上、患者さんとして対応する方も女性が中心です。スタッフはみな家庭を持つ女性。限られた時間をどのように使うかという部分でいろいろな工夫をしています。効率を重視しつつ、薬局の基本となる業務をきっちり行うことを常に意識しています」

 具体的にはどのようなことがあるのでしょうか。

「紙ベースでの申し送りと電子薬歴をうまく活用しています。例えば、電話での相談があった場合、おおまかな質問内容を相談記録として紙ベースで残し、個別の詳細な記録は電子薬歴に記載します。申し送り用紙に個々人書いてもらって、ファイルにはさんだり、メモを皆が見る場所に貼ったりしています。また、患者さんにどのように接したかや患者さんの様子(昔に比べて元気がなくなったとか、出産したとか)をスタッフ同士で話すなど、業務の“合間”をうまく活用し、情報の共有をしています」

 円滑に業務が行われている様子が目に浮かびますね。

 次回以降、田村先生の様々な取り組みについてお伺いいたします。


2017年01月01日

[薬局新聞]かかりつけ薬剤師PERSONAL2017新春スペシャル



2017年、あけましておめでとうございます。本年も薬局のオモテとウラをよろしくお願いいたします。薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」新春スペシャル号をお届けいたします。

かかりつけ薬剤師PERSONAL2017新春SP


<2016年主なニュース>

・調剤報酬改定
(かかりつけ薬剤師、医療に関わる地域活動、湿布薬70枚制限、お薬手帳持参で減額)
・日本調剤が水野薬局を買収
・調剤権をめぐり中医協でバトル
・健康サポート薬局始まる
・オプジーボが半額に、薬価制度を巡る議論
・デパス、アモバンが向精神薬に指定
・敷地内薬局解禁、フェンス撤廃も


 2年に一度、必ずあるものですが、4月の調剤報酬改定に際しては、今回もドタバタがありました。特に新設されたかかりつけ薬剤師指導料に関しては、その是非から算定に至るまで、多くの意見が飛び交いました。中でも、算定要件である「医療に係る地域活動」の解釈やあり方を巡っては、特に混乱を招いたと言っても過言ではありません。

 個人的には、日本調剤の水野薬局買収が非常に印象に残っています。薬局の草分け的な存在でもある水野薬局が、その思想やシステムが対極にあると考えられていた大手チェーンに買収されたことは衝撃であり、今後の薬局業界の将来を見据える中で、いろいろと考えさせられる出来事でした。

 オプジーボの薬価を巡るやり取りは、皆保険を維持するために医療費の適正化を考える上では必要ですが、メーカーの開発意欲をそぐことは否定できず、複雑な思いです。今後、毎年の薬価改定にも話が及んでくるでしょう。またこれは「対岸の火事」では済まされず、調剤報酬の技術料の部分にも切り込んでくる可能性もあるでしょう。

 「かかりつけ薬剤師PERSONAL」にご登場いただいた皆様から、2016年の振り返りと2017年の展望について、一言お寄せいただきました。



山本雅洋 「拡がるご縁」

 「優劣をつけられないほど多くの出来事に恵まれた」という台詞が真っ先に思い浮かびました。 今年一年は「拡がるご縁」。 自分たちの継続してきた活動が書籍になり、雑誌になり、ワークショップとなり、研修会となりました。 漣のように広がる想い、志を同じくする仲間とのご縁、どれだけ感謝をしても尽きることはありません。多くの仲間に支えられて、七転八倒の末ここまでやってこれたと痛感しております。一度生まれ拡がったご縁は決して絶えません。 来年はいよいよNPO法人AHEADMAPが始動します。どんなワクワクが待ち受けているのでしょうか。今はあえて何も考えずに、ただただ静かに年が明けるのを愉しみにしております。



水元由香 「熊本大地震」

 この一年は熊本大地震を抜きにしては語れません。まず、震災にあわれた方へ心からお見舞い申し上げます。幸い私自身は大きな被害には合わなかったものの、揺れへの恐怖心は今でも忘れることができません。しかしながら、震災時に日本中から温かい励ましや助けをいただきました。感謝の念でいっぱいです。全国の皆さん、本当にありがとうございました。熊本県民は復興に向けて一歩一歩進んでいます。熊本城も踏ん張っています。災害はいつだれの身に降りかかってくるかわかりません。何が起ころうと何度でも立ち上がり、ますますたくましい日本になっていくことを願っています。できるこつをできるしこ(できることをできるだけ)!



太田貴之 「副作用機序別分類アプリ」

 2016年は、あっという間に過ぎていきました。熊本・鳥取の地震、かかりつけ薬剤師、健康サポート薬局。個人的にはM&Aに個別指導と、薬剤師人生の中でそう何度もない体験をしました。その中でも、私が所属するどんぐり未来塾で今回、副作用機序別分類のアプリを作成し、リリースできたことが一番大きな出来事かもしれません。アプリを手作りするなんて考えた事もなかったし、一人では到底不可能です。信頼できる仲間、励ましあえる仲間がいてこそ、達成できたことだと思います。2017年はイベントもいくつか企画する予定です。今までに知り合う事ができた仲間との繋がりを大切にし、薬剤師としてより一層頑張っていきたいと思います!



田中孝明 「行動に移す」

 現場目線の制度作りをしていきたい。あれこれ言ういよりも、行動して変えていきたい。以前掲載していただいた際に、お話をさせて頂きました。それを実行に移すために、熊毛地区の推薦を受けて、県薬剤師会の委員をさせて頂くことになりました。私の現在の仕事は、薬剤師会会員の皆様の研修会、登録販売者の方向けの研修会の準備、開催、講師などです。具体的には、椅子や机の配置、案内状の作成、研修会の報告書の作成、担当講義のスライド作成・講師など。普段の仕事にプラスでやらないといけませんし、離島から本土に行くのは大変ですが、やりがいを感じています。今後も行動に移して、皆で協力して薬剤師業界をより洗練された業界にしていきたいです。



豊見敦 「規制緩和」

 今年の春、薬局の独立性を担保するいわゆる公道規制が緩和されました。一般用医薬品の区分変更や通信販売など経済振興を名分とした規制緩和は今までも行われてきましたが、今回の規制緩和は後年に大きな意味を持って語られる出来事になってしまう可能性があります。医薬分業において薬局の独立性が担保されない形が認められてしまっては大きく本旨を揺るがします。 遠隔服薬指導も特区において認められる方向です。今後も医薬品を経済活動の"商品"として扱いたい方々の要望は強まると思われます。今こそ医薬品の専門家として、その危険性を知っているものとして、適切なルールが必要であることを訴え続けていかなければならないと感じています。



 業界全体を見渡すと、先行きを憂慮することも少なくありませんが、昨年このコーナーにご登場いただいた方々をはじめとし、個人や薬局単位で多くの取組がなされ、実を結んできていることも確かです。当コーナーでは、引き続きそうした取り組みをご紹介し、業界の動向を現場レベルでお伝えしてゆく予定です。


2016年12月21日

[薬局新聞]薬局の業務にも遠からずAIが

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第26回です。

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 ここ最近、AI(人工知能)の話題がホットですが、医療の分野においてもその活用が期待されています。AIというのは、過去の経験から未来を予測することが可能ですので、蓄積された膨大なデータを瞬時に解析し、そこから特徴や傾向、類似点などを掴むことを得意としています。

 例えば、診断に関して言えば、AIは医師の能力を既に上回っていることが示唆されています。糖尿病による重大な合併症の一つに網膜症がありますが、Googleのディープラーニングを活用したアルゴリズムは、8人の眼科医の平均スコアを上回ったことが話題になっていました。

 また、創薬の分野においても期待は大きいです。AIに生化学分野の論文を考察させることで、未知のタンパクの機能を、これまででは考えられないスピードで特定したことも紹介されていました。これまでの常識が、根底から覆される状況が発生しています。

 薬局の業務においても、遠からずAIが導入、活用されることになるのは間違いありません。何がどう変わるのか、予測すら難しい部分もありますが、「AIを使いこなす」のではなく、「AIに使われる」日々が待ち構えているなんてことも、冗談ではないかもしれませんね。


2016年12月09日

[薬局新聞]24時間対応の必要性を考える

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第25回です。

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 11月半ば、ファミリーレストランチェーンのロイヤルホストが、来年1月までに、すべての店舗で24時間営業を取りやめると全国紙で報じられました。併せて、深夜や早朝の時間短縮や定休日の導入も考えているようですね。

 賃金上昇、コスト増に伴って、外食産業は深夜営業を減らす傾向にあり、その流れの一つなのでしょう。それに対してネット上では「24時間開いている必要はない」「日本人は働きすぎ」といった声が寄せられています。中には「英断である!」と評価する声もあり、好意的な反応が多くを占めているようです。

 外食産業と薬局業界の単純な比較はできませんが、薬局に目を向けてみますと、24時間開局こそ決して多くありませんが、24時間対応が求められるなど、そうした流れと逆の方向を向いているように思えます。しかし闇雲に推し進めるのではなく、本当に必要なことなのかどうか、考えなくてはなりません。

 「すべての薬局が、24時間対応をする必要があるのか」という疑問の声もあがっていますが、いかに負担を減らすのかということを模索してゆく必要があるのではないでしょうか。薬局で働く人たちの健康にも目を向けてほしいものですね。


『見える風景が変わるか? 2040年の薬局』


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2016年12月03日

[薬局新聞]多職種との論文情報共有を目指して

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第24回です。

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 引き続き、はるか薬局三条支局(愛知県名古屋市)の山本雅洋先生にお話をお伺いいたします。

 山本先生は普段、薬局で「論文情報を活用して患者さんが納得するまで対話をすること」を実践されているとのこと。

「私の勤務先の薬局の長年の積み重ねの成果でしょうか。「検査値のことをもっと知りたい」「受診目的以外の軽微な症状(例えば風邪)ではどんな薬がいいのか?」「健康食品・サプリメントを試したいのだけれど、ほんとに効果あるの?」など、患者さんからの質問は毎日、多様多岐に渡ります」

そのような質問にどう対応するのでしょう。

「患者さんからの質問内容を、P:どんな背景の人に、E:どんなことをすると(薬、食事、運動など)、C:何と比較して、O:どうなるのか(健康になる?死亡リスクが減る?合併症リスクが減る?)という形式に落とし込みます。そこから臨床医学論文を探し、内容を吟味して患者さんが納得のいくまで会話を継続します。その場で解決することもあれば後から電話などでお伝えすることもあります。現在は患者さんに対する論文情報の活用がほとんどですが、ゆくゆくは主治医も含めた他職種との情報共有、論文活用を目指して活動したいと思っています」

 山本先生、4回に渡ってありがとうございました。


薬がみえる vol.3


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2016年11月18日

[薬局新聞]EBMは誰でも実践できる

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第23回です。

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 引き続き、はるか薬局三条支局(愛知県名古屋市)の山本雅洋先生にお話をお伺いいたします。

 論文抄読会はどのように行っているのでしょうか。

「具体的には,仮想症例シナリオを作成し,そこでの患者さんや医師からの質問をきっかけに,それにマッチする英語論文を当日までに予めこちらで用意し,ネットで告知をします。抄読会当日はそれらと論文を読むためのチェックシートを用いて,論文の批判的吟味をして,最終的には目の前の患者さんへの対応方法や,医師への情報提供の仕方などを視聴者の方々と一緒に議論してゆきます」

 参加者の方々の反応はいかがでしょうか。

「実際にJJCLIPの抄読会を視聴した薬剤師の先生方の中で,自ら進んで臨床疑問を立てて,エビデンスを探して,読んで,吟味して,行動される方々が少しずつ増えています。EBMは医療者ならば誰でも実践が可能性です。現在は月に一度のネット抄読会の開催を中心に活動しておりますが,今後は活動の継続性を担保するために,JJCLIPをNPO法人へと移行するための手続きを行っています」

 次回は、山本先生ご自身の取り組みと今後の展望についてお伺いいたします。


2016年11月11日

[薬局新聞]エビデンスをどう実臨床で活かすか

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第22回です。

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 引き続き、はるか薬局三条支局(愛知県名古屋市)の山本雅洋先生にお話をお伺いいたします。

 共同主宰している薬剤師のジャーナルクラブ(JJCLIP)について教えてください。

「2013年9月より取り組みを開始した,インターネットを活用した臨床医学論文抄読会です。「エビデンスと実臨床をつなぐ架け橋へ」をスローガンに,薬剤師がエビデンスをどう読み解くのか,それをどう実臨床で活かすかを学ぶことができるインターネットコミュニティを作りました。Evidence Based Medicine(根拠に基づく医療)を実践するための基礎知識,あるいは心構えを学習できる場所を目指しています」

 ややハードルが高い印象も受けますが、実際のところどうなのでしょうか。

「『英語論文なんて自分には無理!』『論文なんて専門の資格をもつ一部の医療者だけが触れるべきものだ』なんて声が聞こえてきそうですよね(笑)そんなもったいない偏見を打破して,論文なんて誰でも気軽に読める・実臨床に活かせる・現場での視野が広がりいろんな見方ができる...そんな体験ができるよう善処しています」

 次回はその取り組みについて、更に具体的にお伺いいたします。


2016年10月28日

[薬局新聞]オンラインで臨床医学論文抄読会

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第21回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL21


 今回から、はるか薬局三条支局(愛知県名古屋市)の山本雅洋先生にお話をお伺いいたします。

 現在はどのような環境でお仕事をなさっているのでしょうか。

「私の勤務先は地域医療機能推進機構(JCHO)所属の中京病院の近隣にあり、非常に多くの診療科から一日あたり200〜250枚の処方箋を応需しています。また、頻度はそこまで多くないですが、OTC医薬品による健康相談や開業医との連携による在宅療養支援も行っています」

 薬局外でもご活躍のようですね。

「ご存じの方もいらっしゃるでしょうか。今挙げました通常業務とは別に、「薬剤師のジャーナルクラブ」(Japanese Journal Club for cLInical Pharmacists:JJCLIP)を、青島周一先生、桑原秀徳先生と共同主宰しています。オンラインでの臨床医学論文抄読会を月に一度開催しています。そこでの経験、学びを活かして,患者さんやご家族からの健康相談(服薬指導時も含めて)に対して,臨床医学論文(いわゆるエビデンス)を活用して、不安や疑問を一緒に解消してゆくことに尽力しています」

 次回以降、具体的な取り組みについてお伺いいたします。


 

2016年10月25日

[薬局新聞]制度の複雑さとわかりにくさ

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第20回です。

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 エチゾラム(デパス)とゾピクロン(アモバン)の向精神薬指定が決まり、今月14日に政令が施行されました。ご存知のように、向精神薬に指定されたことにより、投与期間に上限が定められます。現場の薬剤師の間では、投与日数を巡って施行前から情報が錯綜し、混乱する様子も見られました。

 両剤の投与日数については、中医協の場で議論され、1回に30日までの処方ということで決着済みです。そもそもの話として、9月14日に政令が公布され、10月14日に施行という段取りの複雑さに加え、施行のその日に直ちに30日制限がかかるわけではないこともわかりにくさに拍車をかけました。

 投与日数上限を30日にするためには、政令施行とは別に、そのための通知が厚生労働省から発出される必要があります。更に、向精神薬は原則として14日処方が上限とされるため、その通知が施行日までに出されなければ、エチゾラムとゾピクロンは、一旦14日制限がかかる可能性も指摘されましたが、それはさすがに回避されるのではないかという見方が大勢です。

 今号が発行される頃には既にはっきりしていることだと思いますが、長年普通薬だったものが向精神薬に新たに指定されるというケースは初めて経験する人が大半でしょう。改めて制度の複雑さ知ると共に対応を考えるよい機会となったのではないでしょうか。


向精神薬の薬物動態学 -基礎から臨床まで-


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2016年10月07日

[薬局新聞]日調の水野薬局買収にWEBで侃々諤々

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第19回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL19


 大きな驚きとともに広がった日本調剤の水野薬局買収のニュースは、既に多くの方がご存知のことと思います。Web上でも様々な声があがっていましたので、ご紹介しましょう。

 水野薬局に対しては、「先進的な個店の代表のような存在」で、「小さいけれどキラリと光る尖った薬局」という声もあるように、業界内では一目置かれる存在であったことに間違いはありません。

 その水野薬局が日本調剤に事業譲渡するのですから、「驚きというよりショック」を感じた人も少なくないようです。「もはや理想を実現するためには規模が必要なのか」という疑問も投げかけられ、今後、薬局業界はますます淘汰が進むのではないかと予測する人もいます。

 水野薬局のプレスリリースにあった「昨今の薬歴未記載問題に対する業界団体等の対応などに疑問を覚え」の部分に対しては、「今の薬剤師会に見切りをつけたのでは?」という推測がなされる一方、なぜこのフレーズが入っているのかいぶかしがる声も。

 水野薬局と日本調剤は「経営ポリシーが合致した」と声明していますが、トップが合意しても現場レベルの話はこれからすり合わせてゆくことでしょう。企業の合併話の際は、白紙に戻ることもしばしばあるだけに、しばらくは両者の動向について注視してゆく必要がありそうですね。


薬剤師のための薬物療法に活かす検査値の読み方教えます! 〜検査値から病態を読み解き、実践で活かすためのアプローチ


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2016年09月29日

[薬局新聞]狭い組織から地域という広い組織へ

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第18回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL18


 引き続き、みどり調剤薬局(福島県郡山市)の太田貴之先生にお話をお伺いいたします。

 太田先生は教育に非常に関心がおありだとうかがいました。

「実は、もともと教師志望でした。薬剤師になってからも、自分が学んだこと、経験したことを、新しく入ってきた薬剤師に教えたいと常々思っていました。ところが、薬剤師になって14年、自分より年下の薬剤師が入ってきたことがないんです(笑)ですので社内ではなく、薬剤師会に教育の場を求めていきました。まずは若手薬剤師を集めて、飲み会を開くことから始めました。嬉しいことに、声をかけたらけっこう集まってくれたんです。その後は勉強会の企画もしています。社内という狭い組織ににいなかった若手薬剤師が、地域という広い組織に集まりだしたのです」

 どんぐり未来塾でも活動をしていらっしゃるのですよね。

「自主研修会やセミナーなども随時企画しており、そこで講師もやらせて頂いています。教育をしたい!という願いが、このような形で叶いつつあります。また教育とはちょっと別の話ですが、副作用のアプリを作成しています。副作用を機序別に分類し、それをデータベースとしてレセコンなどに組み込んでもらおうと日々作成しています。仲間がいるからこそできることなんだと実感しています」

 太田先生、4回に渡ってありがとうございました。


どんぐり未来塾の薬物動態マスター術


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2016年09月16日

[薬局新聞]信頼される薬剤師であるために

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第17回です。

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 引き続き、みどり調剤薬局(福島県郡山市)の太田貴之先生にお話をお伺いいたします。

 普段、太田先生が心がけていることがあるそうですね。

「常日頃思っているのは、患者さんが薬をもらって帰る時に、少しでも笑顔になってほしいということです。病気に対する不安、服薬に対する不安が少し和らぐことで、険しかった患者さんの表情も少しずつ明るくなっていくと思います。最近では週刊誌で不安をあおるような記事も目にしますが、その際に「薬剤師さんに聞くのが一番正しいと思って」と言って相談してくれる患者さんがすごく多くて、それは素直に嬉しいですね。それだけ信頼してもらえているのかな、と思います」

 それがかかりつけ薬剤師の本来の姿でもありますよね。

「まずはわかりやすく説明して、信頼してもらって、ああ、この人になら“指導”してもらってもいいなぁ、と思ってもらえる関係作りが必要です。それが、本当の意味でのかかりつけ薬剤師だと思うんです。かかりつけ薬剤師になる要件で、その薬局に6ヶ月在籍していること、なんていうのがありますが、たかが6ヶ月で、何がわかります?月1回会うとしたら、わずか6回会っただけで、私はあなたのかかりつけ薬剤師です、って、すごく違和感があります。5年でもいいくらいです」

 次回は今後の展望についてお伺いいたします。


ゆらゆら薬局(ファーマシー)プラリネ 3巻 (まんがタイムコミックス)

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2016年09月08日

[薬局新聞]もっと薬剤師に会ってみたい

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第16回です。

かかりつけ薬剤師PERSONAL16


 引き続き、みどり調剤薬局(福島県郡山市)の太田貴之先生にお話をお伺いいたします。

 東日本大震災をきっかけに仲間の良さを実感、その後ネットワークが広がってゆくのですね。

「とは言え、勉強会にもほぼ行ったことがなかった私です。簡単に仲間が欲しいと思っても、すぐにできるわけがありません。どうしたら良いか?悩んだ結果、じゃあ自分から会いに行ってみよう!という結論になり、最初に会いに行ったのが、井手口直子先生でした。熊谷さんに初めて会ったのも、この頃でしたね」

 中でも、埼玉県の朝霞で行われた研修会が大きな転機となったようですね。

「その研修会で知り合った水八寿裕先生、行動派の抜井留理子先生をはじめ、朝霞の薬剤師の皆さんにお会いしたことで、私の中にわずかに眠っていた積極的な部分が覚醒しました。朝霞に行ってから、今までおとなしいと思っていた薬剤師のイメージが一変し、誤解を恐れずに言えば、こんなに面白い人たちがいるのなら、もっと会ってみたいと思い始めました。その後、高知県の川添哲嗣先生、更に日在薬の狭間研至先生、どんぐり工房の菅野彊先生にもお会いしました」

 そうした繋がりが、現在の太田先生の活動の原点にあったのですね。

 次回も様々な活動についてお伺いいたします。


在宅訪問,かかりつけ薬剤師のための 服薬管理 はじめの一歩 コツとわざ

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2016年08月25日

[薬局新聞]震災で生まれた仲間との絆

薬局新聞連載の「かかりつけ薬剤師パーソナル」第15回です。

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 今回から、みどり調剤薬局(福島県郡山市)の太田貴之先生にお話をお伺いいたします。

 ご自身でFacebookにも書かれていましたが、人と話をするのが苦手だったとか。

「大袈裟かもしれませんが、薬局に14年間勤務して、ようやく患者さんとの会話に慣れてきた感じです。今でこそたくさんの患者さんと会話していますが、当初は人と話をするのが非常に苦手でした。私ほどではないでしょうけど、同じように患者さんとのコミュニケーションに苦手意識を持っている薬剤師は多いのではないでしょうか」

 そんな太田先生ですが、今では郡山市薬剤師会理事、福島県薬剤師会理事、NPO法人どんぐり未来塾理事など、幅広く活動なさっています、東日本大震災が大きな契機になったとうかがいました。

「ご存知の通り、福島県は震災の直接的な被害もですが、福島第一原子力発電所の水素爆発による放射性物質の飛散により、風評被害などが今もなお進行中です。震災の直後に、電話などの通信手段が全く使用できなかった中で、一番の連絡ツールとなったのがSNSでした。当時見ず知らずの私に、「大丈夫か?しっかりしろ!」と全国から熱いエールが届きました。それまで薬剤師の知り合いなんてほとんどいなかった私が、仲間っていいなぁ、と思った最初の出来事でした」

 次回は太田先生がどのように変わっていったのかお伺いします。


福島第一原発廃炉図鑑

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