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2009年09月25日

「ジェネリック医薬品希望カード」が来た

今回のみ匿名で御容赦下さい様、SAM様からもコメントをいただいておりましたが、協会けんぽより「ジェネリック医薬品希望カード」が送られてきましたのでご紹介します。

こちらが表面。もしかすると、地域によって多少の違いがあるのかもしれません。

いずれの画像もクリックで拡大します。

ジェネリック医薬品お願いカード1

『ジェネリック医薬品』をご存知ですか?」というタイトルの下に、「ジェネリック医薬品希望カード」があります。カードとして取り外すことができるように切れ込みが入っています。

こちらが裏面。

ジェネリック医薬品お願いカード2

なんと氏名を記入する欄があります。カード自体に記名をすることのメリット…。

例えば、病医院や薬局においてカードの取り違えを防ぐことにはつながりますね。他に、落としてしまったときに落とし主が分かるとか…。しかしそれらのために「氏名」欄を設けるでしょうか。

それよりも「氏名を記入する」という行為によって、「お願いカード」に重要性を持たせ、それが提出率、持参率アップにつながる…というのは邪推の部類に入りますかね。

私の場合は「医療費のお知らせ」に同封されてきましたが、これが保険証と一緒に送付されるのであれば、保険証とセットで持ち歩かれる可能性は、少なくはないでしょうね。

(2009.09.26追記)

このブログをご覧いただいている方から、広島県福山市の国保が作成した「ジェネリック医薬品お願いカード」の画像を提供いただきましたので掲載します。

こちらが表面。この見慣れないキャラクター(カード右下)は福山市オリジナルなのでしょうか。大きくあいている部分はありますが、記名欄はありませんね。

福山市国保GEお願いカード1

裏面には「ジェネリック医薬品に関するお問合せ先」として広島県薬剤師会福山市薬剤師会の連絡先が記載されています。薬剤師会が積極的に関わっているのでしょうか。

福山市国保GEお願いカード2

情報提供いただきありがとうございました。


(関連リンク)

協会けんぽ:協会けんぽはジェネリック医薬品の使用を応援します!
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/news/detail.1.18004.html


(関連記事)

2009/08/30 [広島県医師会]ジェネリック医薬品に関するお知らせ
http://blog.kumagaip.jp/article/31720435.html

2009年08月30日

[広島県医師会]ジェネリック医薬品に関するお知らせ

広島県医師会1


広島県医師会が「ジェネリック医薬品(後発医薬品)に関する広島県医師会からのお知らせです」というポスターとチラシを作成したことが話題になっています。 

広島県医師会:「ジェネリック医薬品(後発医薬品)に関する広島県医師会からのお知らせです」
http://www.hiroshima.med.or.jp/news/2009/news20090805.htm

冒頭の画像がポスター、それからこちらの画像がチラシです。カラーか白黒か、またデザイン的な違いはありますが、内容的には同じものですね。

広島県医師会2

目立つ部分を抜き出してみました。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)は先発医薬品と全く同じ製剤ではないのです

ジェネリック医薬品には安全性と有効性が異なる可能性もあるのです

ジェネリック医薬品に適していない医薬品があり、これが安易に使われている可能性があるのです

ジェネリック医薬品を選ぶかどうかの最終決定は、薬局での患者の皆様の判断にゆだねられる場合が格段に増えることになったのです


全般的にジェネリック医薬品に対してネガティブな印象を与える論調がうかがえます。最終的には、

かかりつけ医や薬剤師とご相談の上、ジェネリック医薬品への変更か否かをお決めになりますようにお願い申しあげる次第です


と結ばれています。

これに対して日本ジェネリック医薬品学会は、広島県医師会宛てに見解を送付しています。

日本ジェネリック医薬品学会:「ジェネリック医薬品に関する広島県医師会からのお知らせ」に対する日本ジェネリック医薬品学会の見解について(pdfファイル)
http://www.ge-academy.org/img/semi10/semi2010info.pdf

見解文の中では、

添加物について

ジェネリックの承認・試験方法について

医薬品副作用被害救済制度について


の3点に分けて、広島県医師会の見解に反論しています。更に

現在の医薬品の有効性、安全性を保証している体制に対する誤解、または認識を欠かれたまま、科学的行動を主唱されること


に対して遺憾の意を表するとともに、

驚きと同時に憤怒さえ覚える


と結ばれています。こうして読んでみますとかなり強い調子で書かれているのが分かりますね。

広島県医師会がこのような「お知らせ」を出したことについて考えてみたいと思います。理由の全てではないかもしれませんが、一つに呉市の存在があるのではないでしょうか。

呉市は地方自治体としては全国に先駆けて「ジェネリック医薬品促進通知サービス」を実施しています。即ち、呉市の国保加入者に対して「ジェネリックに変えませんか?」という通知を出しています。

呉市:ジェネリック医薬品促進通知サービス
http://www.city.kure.hiroshima.jp/kureinfo/shisei080916_0200.html

こんな通知が出されているようです。

呉市GE促進サービス
ジェネリック医薬品使用促進のお知らせ

これは推測の範囲を出ないのですが、上記通知が医師の「頭の上」を通る形で患者の手元に渡り、薬局で後発医薬品への変更が行われ、蚊帳の外となった医師がお冠となり、医師会から「お知らせ」が出されたのではないでしょうか。

ネガティブキャンペーンを行ってしまう医師会については、首を傾げたくなる部分もありますが、どこかで「またか(苦笑)」という思いもあるかもしれません。

最も心配なのが、医師と患者の信頼関係が壊れてしまうことです。それによって患者が不利益を被るようなことは、絶対にあってはならないことです。

呉市はモデルケースとして全国からの視察も多いと聞きますが、ジェネリック医薬品促進通知サービスを行うに当たって医師会や薬剤師会との折衝がどのように行われたのか、大変興味があるところです。


(関連リンク)

アポネットR研究会:後発品は有効性や安全性が異なる可能性がある(広島県医師会)
http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/090822.html


(関連記事)

2008/06/05 [呉市]後発品使用、まず市職員から
http://blog.kumagaip.jp/article/15724828.html

2009年08月24日

製薬業界「2010年問題」、GEも続々

YAHOO!JAPANのトピックスにも載っていたのでご覧になった方もいらっしゃるかと思います。製薬業界のいわゆる「2010年問題」についてです。

YAHOO!JAPANニュース:後発薬「2010年」で大競争 特許切れで新薬勢も参入へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090824-00000513-san-bus_all

沢井製薬は2012年3月期までに100品目以上を投入、売上高も740億、更に「5年以内に1000億」(沢井光郎社長)。また日医工も2012年11月期までに100品目以上、売上高1330億と景気のいい数字が並びます。

2010年前後に特許が切れる医薬品をWikipediaから抜粋します。

2010年問題 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/2010%E5%B9%B4%E5%95%8F%E9%A1%8C

2008年

フォサマック - メルク
プログラフ - アステラス製薬
アムロジン/ノルバスク - 大日本住友製薬、ファイザー製薬
オノン - 小野薬品
ラジカット - 田辺三菱製薬

2009年

タケプロン - 武田薬品
ハルナール - アステラス製薬

2010年

コザール - メルク
アリセプト - エーザイ
クラビット - 第一三共
パキシル - グラクソスミスクライン

2011年

リピトール - ファイザー製薬
アクトス - 武田薬品

2012年

シングレア - メルク
バイアグラ - ファイザー製薬
ブロプレス - 武田薬品

2013年

パリエット - エーザイ


タケプロンは既に日本では特許が切れていますので、上記特許切れはアメリカにおいてのものなのかもしれません。いわゆる「大型製品」の特許切れが相次ぎます。


ちなみにYAHOO!JAPANの意識調査で先発か後発、どちらを選ぶかという調査が行われています(09年9月2日まで)

YAHOO!JAPAN意識調査:病院で新薬と後発薬のどちらを選ぶ?
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/quiz/quizresults.php?poll_id=4300&wv=1&typeFlag=1



結果はリアルタイムで反映されますので今後はどのような動きを見せるのか分かりませんが、「後発薬」を選ぶ人が結構多いでしょうか。

「医師の指定した通りの薬」という回答も多く見られますね。


(関連記事)

2007/01/11 製薬会社の2010年問題
http://blog.kumagaip.jp/article/3026779.html

2009年07月05日

「格安処方薬」に違和感は感じつつも…

日経トレンディネットの「ビジネスパーソン・気になるシリーズ」というコーナーにジェネリック医薬品のことが書かれた記事がありました。

nikkei TRENDY net:格安処方薬ジェネリックで得する術 極意は「2度のオーダー」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090624/1027230/

読んでいただくとよく分かりますが、記事は患者向けに書かれています。「2度のオーダー」というのはどういうことか、一部抜粋いたしますと、

診察を受け、薬を手にするまでの間に、「ジェネリック薬でお願いします」と、概ね2回、宣言すればよい。


ということで、患者が2回声を発するという意味で書かれています。

よく言えばかなり丁寧に、悪く言えばクドクドと書かれており、「ジェネリック医薬品って?」という状態の人が読んでも分かりやすいのではないかと思います。

記事全体を通してみますと、正直、少々の違和感を感じる部分がないわけではありません。「格安処方薬」という言い方も考えてしまう部分があります。

しかし現状では医療費を節約したいと考える人であっても、なかなか言い出せない状況でしょうから、こういった提起の仕方も十分アリなのかもしれません。

薬局については6ページ目に、以下のように触れられています。

調剤薬局には、「できればジェネリックは使いたくない」という意識が働いている


一般向けにしては詳しすぎる理由は、上記リンク先からご覧ください。関連してこんなニュースもありました。

CB news:「通知書」で8割が後発品に―健保連調査
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/22978.html

私は薬局の人間ですので「お前たちがやらないからGE使用が進まないんだ!」と言われれば甘んじてその言葉を受けるつもりです。

しかしよりよい方法があるのであれば、今後それを模索してゆくというのも大切になってくるのではないかと感じます。

2009年06月29日

後発医薬品「数量ベース」の考え方とは?


(2010.3.1追記)
※ このページでいう「数量ベース」の考え方は、2010年4月の調剤報酬改定で導入される「数量ベース」と一致していません。最新の情報は中医協の資料等でご確認ください。

(関連リンク)

2009/11/27 後発品数量ベース エンシュアは除外?
http://blog.kumagaip.jp/article/33880406.html

2010/02/09 [日経DI]“数量ベース”って一体何だ
http://blog.kumagaip.jp/article/35219149.html

2010/02/14 2010調剤報酬改定 その1
http://blog.kumagaip.jp/article/35309271.html

2010/02/14 2010調剤報酬改定 その2
http://blog.kumagaip.jp/article/35309975.html


現在、処方せんの「枚数ベースで30%」を超える薬局が算定できる「後発医薬品調剤体制加算」ですが、それが「数量ベース」に切り替えられるのではないかと言われています。

後発医薬品調剤体制加算 4点

直近3か月間の当該保険薬局における処方せんの受付回数のうち、後発医薬品を調剤した処方せんの受付回数の割合が30%以上であること


「受付回数」と「枚数」は厳密には違うのですが、それを承知でざっくりと書きますと、「1000枚の処方せんのうち後発医薬品を含む処方せんが300枚以上あれば算定が可能」ということです。

薬局側が後発医薬品への変更を働きかけなければならない、等の条件等は一切なく、後発医薬品と意識されることが少ないメチコバールやバイアスピリンが製品名で記載されていても算定ができます。

その結果、約8割の薬局が「後発医薬品調剤体制加算」を算定していると言われています。

一方、後発医薬品の「数量ベース」は「薬剤種類数に占める後発品の種類数の割合」だということで、その考え方はこちらのページで見ることができます。

厚生労働省:平成20年(2008)社会医療診療行為別調査結果の概況
後発医薬品の使用状況

http://www-bm.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/sinryo/tyosa08/2-6.html

薬剤種類数に占める後発医薬品の種類数の割合

= 後発医薬品種類数 / 薬剤種類数 × 100


これは薬局で使用する薬剤種類数全体としての割合でよいのでしょうか。例えば処方せん単位、レセプト単位で割合を算出するという方法もありますよね。

細部の考え方で若干の違いがあるでしょうが、いずれにしてもハードルが高くなることは確実でしょう。

しかし後発医薬品への取り組みをほとんどしない薬局でも取れてしまう現行の「後発医薬品調剤体制加算」は、その意義を考えますと、確かに問題アリなのかもしれませんね。

2009年05月24日

[後発医薬品]使用の動機づけをどのようにすべきか

後発医薬品の使用が進まず、厚生労働省が療養担当規則の徹底を求めるというニュース。

【厚労省】後発品使用進まず、「療担規則」遵守を徹底(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry11685.html

中医協が3月に公表した「後発医薬品の使用状況調査結果」では、後発品への変更が可能な処方せんが全体の2/3あり、更にそれらのうち実際に変更されたのは6.1%だということです。

後発医薬品の使用にあまり積極的でない薬局も約3割ということで、依然として後発品の使用状況は低調と言っていいでしょう。

「療担規則の徹底」という部分、具体的にはどのようになされるかも書かれていますので引用しますと、

地方厚生局が行う適時調査や、集団指導・集団的個別指導の機会を捉えて後発品の使用を促す


ということで、「使用を促す」なんて書かれていますが、実際はそんなに生やさしいものではないかもしれませんね。

「何かをすれば何かが変わる」の「ジェネリックはノルマ、薬局は部下か」というエントリにも書かれていますが、こうした手法は大変危ういものであると言えます。

しかし厚生労働省としては「後発医薬品使用の環境は整えているのにどうしてなのか?」という思いはもちろんあるでしょう。肩を持つわけではありませんが、厚労省も環境整備に十分尽力していると思います。

じゃあ何が悪いかといえば、その手法ではないでしょうか。CBニュースに「「診療報酬で医療を変えるのはもう無理」―邊見会長」という記事がありましたが、そのとおりと思います(若干意味合いが違うかもしれませんが)。

ダグラス・マグレガーのXY理論に当てはめるならば、現在の手法は典型的なX理論に基づくものですが、これだと十分なモチベーションの喚起につながりません。

もちろん経営とは違いますし、これだけ巨大かつ複雑な体系の中でどのように動機づけを行うかは考えねばなりません。ただ、行き詰っている現状を変えるためには、手法を変えることも有効ではないでしょうか。


(関連リンク)

ロハス・メディカル:「薬局が悪い」 後発品の促進に"最終兵器"
http://lohasmedical.jp/news/2009/05/25012757.php

2009年02月01日

調剤手順の変更はGE使用促進に有効か

毎日新聞に「後発品について常に患者に説明する薬剤師は7人に1人」というニュースがありました。

毎日新聞:後発医薬品:「常に説明」薬剤師の7人に1人 情報不足で
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090130k0000m040015000c.html

元の調査は、沢井製薬が薬剤師に対して行ったアンケート調査です。詳細が以下のリンクからご覧いただけます。

沢井製薬 薬剤師対象調査報告:〜ジェネリック医薬品について、依然として半数を超える薬剤師が“患者さんから尋ねられたら説明”〜
http://www.sawai.co.jp/press/2008/20081212.html

取り上げられている設問は、Q15の以下のものです。

「ジェネリック医薬品」が処方可能な場合、あなたは患者さんに対し、「ジェネリック医薬品」についての説明を行っていますか。


それに対する回答がこちら。グラフで見やすくなっています(クリックで拡大)。

沢井製薬0810調査
ジェネリック医薬品の説明に対する回答

「後発品について常に患者に説明する薬剤師は7人に1人」という捉え方は確かにできますが、ちょっと見方を変えてみます。話を保険薬局に限定したほうが分かりやすいのでそうします。

後発品について常に患者に説明 16.5%

患者さんから尋ねられたら説明 64.0%


設問が複数回答ですので単純に「8割!」というものではありませんが、実に多くの薬剤師が「説明している」と捉えることができます。

「尋ねられたら説明」では、薬剤師として十分に仕事をしていない!とお叱りの言葉が飛んできそうですね。療担規則に違反している?確かにそうかもしれません。


ちょっと話は飛びますが、社会保険指導者研修会の中で「調剤手順を変更することで、ジェネリック医薬品の使用が促進されるのではないか?」という話が出ています。

具体的には、患者から処方せんを受け取ってすぐにレセ入力、調剤を行う方法だと、ジェネリック医薬品の説明や変更に際して二度手間になり、それが変更を妨げているのではないか?ということです。

そこで調剤手順を以下のように変更し、レセ入力や調剤の前に患者インタビューを行うことで、人的資源・時間を有効に活用、ジェネリック医薬品への円滑な変更を促そうということが言われています。


1.処方せん受付

2.処方監査

3.薬歴との突合

4.疑義照会→場合により処方変更

5.服薬指導

6.レセ入力

7.調剤

8.調剤監査

9.印字

10.医薬品の受け渡し

11.領収


個人的な感想ですが、方法としては悪くないと思います。患者サイドとしても、処方せんを渡したら顔を見ずにすぐ入力という手順よりも、そこで処方内容に言及することで「話を聞いてもらえた」という安心感も出てくるかもしれません。

問題点としては、FAX処方せんの場合はどうするかという点があります。また患者インタビューを行うのは多くの場合薬剤師ということになりますので、人的制約が出てくる可能性もあります。

ただ、従来行われている調剤手順がジェネリック医薬品への変更を妨げているのか、調剤手順を変更することで変更が大幅に増えるかといえば、それについては疑問が残りますね。


資源の有効活用をいうのであれば、以前さつき様からコメントいただきましたように、

果たして専門家として薬剤師がどのステージから携わるのがベストで、コストパフォーマンスが最大になるのか


といった、根本的な部分から考え直さねばならないでしょうね。

2008年07月29日

[後発品]安定供給に関する新たな通知

7月4日付けで後発医薬品が収載されましたが、その際に「平成20年7月4日付けで薬価基準に収載された後発医薬品の安定供給に係る対応について」という通知が出されています。

今回の収載ではアムロジピンをはじめとして、同一成分で多数の銘柄が収載されましたが、それらの製品について安定供給を確保することが目的とされているようです。

要約いたしますと、

医薬品卸売一般販売業者等に在庫がない緊急の場合

 平日は2-3日(遠隔地は4日)

 土日を挟んだ場合は2-5日(遠隔地は5-6日)


にて製造販売業者から保険医療機関・保険薬局に供給できる体制であること(いずれの場合も注文日を含む)とされています。

これまで、安定供給に関する通知は平成18年3月10日医政発第0310003号(=平成18年通知)がありますが、それに加えた対応ということが明記されています。

厚生労働省:平成18年3月10日医政発第0310003号(pdfファイル)

そういえば先日、東和薬品がゆうパックで医薬品を配送するというニュースがありました。卸経由でも販売は行っているようですが、こういった通知に対応する必要があったのかもしれませんね。

NIKKEI NET:東和薬品、後発薬を「ゆうパック」で配送 薬局などに
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080721AT1D1801X20072008.html

2008年07月12日

[後発品]品質検証新システムが導入される?

後発医薬品の品質を検証するための新システム導入が検討されているということです。

読売新聞:「後発医薬品」品質検証の新システム導入へ…厚労省
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080709-OYT1T00472.htm

後発医薬品に対する不信感一掃のため、

従来品に劣ると指摘する研究論文を、複数の研究者による検討会で精査し、後発医薬品に問題がないかを判断する


ということですが…。

ある銘柄に問題があった場合、承認取り消しの可能性まであるかのようなことが書かれています。本当にそこまでされるのでしょうか。

仮に承認取り消しにまで至る製品があったとしたら、それは後発医薬品の承認審査が機能していないことになりますね。審査が「ザル」だということを認めるということでしょうか。

後発医薬品の承認審査そのものの信頼性を揺るがす可能性があると思われます。不信感一掃どころか、逆に後発医薬品全体や制度に対する不信増長につながりかねません。

あ、品質検証システム導入を批判しているわけではなくて、厚生労働省が自分の首を絞めるようなことを本当にするのかな?と、ちょっと疑問に思っているだけです。


また逆に先発医薬品メーカーに不正があった場合…例えば自社製品を後発品へ変更させないために、権威ある研究室に対して先発品有利とするデータ作成を依頼したような場合。

そのようなケースでは、先発メーカーに対して何かペナルティのようなものが課されるのでしょうか。もちろん、そうあることではないでしょうが。

2008年07月10日

[後発薬]供給能力は増大の一途

平成19年10月に策定された「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」というものがありますが、その実施状況が厚生労働省より発表されました。

厚生労働省:「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」の実施状況について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0709-1.html

内容的なものについてはpdfファイルにまとめられアップされているので、それを見ることで着実な実施状況を確認することができます。

一つ注目したいのは、「ジェネリック医薬品供給能力増強計画に係る調査結果」というものです。そこにメーカー全体としての供給能力増強計画が明示されています。

ジェネリック医薬品供給能力増強計画に係る調査結果
ジェネリック医薬品供給能力増強計画に係る調査結果

各年度の供給計画を剤形別に見てみますと、平成18年度の実績を100とした場合、平成20年度は内服薬=240注射薬=210外用薬=440となっています。

即ち内服薬においては2.4倍、注射薬においては2.1倍、外用薬においては実に4.4倍の供給が可能、という状態になるということです。

しかしこれらの数字、注意すべきは供給「能力」の増強計画であり、この数字通り直ちに2.4倍の数量が供給されるわけではないということです。

調査結果にもありますように、あくまで「供給能力を有している」と考えることが肝要です。もちろん、それ自身非常に大切なことではありますが。

これらの計画、後発医薬品の数量シェア30%(平成24年度)という目標を達成するために立てられたものです。要素の一つとしては重要ですが、この計画だけで目的が達成されるわけではないということも頭に入れておく必要があります。

2008年07月06日

ノルバスク/アムロジンを後発医薬品へ変更する場合

7月といえば後発医薬品追補収載の時期ですが、今年も4日(金)に薬価収載がありました。

【厚労省】後発品463品目を薬価収載−新規はアムロジピンなど18成分(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry7306.html

今回の目玉は何と言っても(一般名)アムロジピンベシル酸塩ノルバスク/アムロジンの後発医薬品でしょう。薬価は新規収載時は[先発品薬価×0.7]で算出されますので、

アムロジピン錠5mg 52.9円/錠

アムロジピン錠2.5mg 28.4円/錠


ということになります。アムロジピン口腔内崩壊錠の後発医薬品は東和薬品1社のみから発売されています。『アムロジピンOD錠2.5mg/5mg「トーワ」』で薬価は普通錠の後発品と変わりありません。

他の品目については、厚生労働省のサイトをご覧ください。

厚生労働省:平成20年度新たに収載された診療報酬における後発医薬品
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/06/tp0620-1.html


さて、ノルバスク/アムロジンを後発医薬品に変更する場合に注意すべき点、いくつかありますが一つ挙げてみます。

薬事法で認められた投与方法を見ますと分1投与の製剤です。それからも分かりますように、消失半減期が非常に長くなっています。ノルバスク錠の添付文書より単回投与時のデータを抜き出してみます。

T1/2(hr)

 2.5mg=33.3±2.2

 5mg=39.4±3.6


もちろん全ての後発医薬品は上市にあたり、先発品と生物学的に同等であることが必須条件とされていますので多くの場合問題はないと思われます。

が、仮に何かしらの体調変化が出てくる場合、それは非常にゆっくりとしたものであることが考えられます(もちろん即時性のものがないというわけではありません)。

ノルバスク/アムロジンを後発医薬品へ変更した場合は、変更後数日から数週程度のスパンでフォローしてゆく必要があるのではないでしょうか。


それから一部負担金の面から見てみます。1日薬価はそれぞれ

ノルバスク錠/アムロジン錠5mg 8点

(後)アムロジピン錠5mg 5点


ですので、1日あたり3点違ってくる計算になります(1錠分1、単剤服用の場合)。2.5mg錠ですと同様の条件で1点/日ですね。併用薬がある場合はまた変わってきますので注意が必要です。

2008年06月08日

同一成分のジェネリックに価格差がある理由

All Aboutに以下の記事を見つけました。

All About健康・医療同一成分のジェネリックに価格差がある理由
http://allabout.co.jp/health/medicine/closeup/CU20080531A/

窓口で患者さんから、後発医薬品の価格差があることについて質問されるケースも多いのではないでしょうか。大雑把に分かっていたつもりでしたが、詳しく説明されており参考になります。

例えば、(一般名)プラバスタチンナトリウム錠10mgの価格差を見てみます。先発品(メバロチン錠10=第一三共)と後発品で以下のような価格差があります。

(先発)メバロチン錠10 124.4円/錠

(後発)マイバスタン錠10mg(東和薬品) 86.9円/錠

(後発)メバリリン錠10(ケミックス) 27.8円/錠


後発医薬品は薬価の一番高いもの(マイバスタン錠10mg)と低いもの(メバリリン錠10)を抜き出してみました。同じ後発品でも価格差にして60円、実に3倍以上の開きがあります。

マイバスタン錠とメバリリン錠が、これまでどんな売られ方をしてきたかというのが、薬価を見ることである程度予想がつきますね。

じゃあマイバスタン錠はメバリリン錠に比べて3倍優れているかといえば決してそういうわけではありませんよね。価格と品質は単純にリンクしているわけではない、ということです。

我々業界の人間にすら分かり難く、また疑問に感じる部分もあるのですから、それを患者さんに納得してもらうというのはかなり難しいことではないでしょうか。


※ 薬価は2008年6月現在のものです。

2008年06月05日

[呉市]後発品使用、まず市職員から

広島県呉市は市職員に対して、後発医薬品の使用を呼び掛ける通知を出したということです。

中国新聞後発薬使用、まず職員 呉市が率先協力求める
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200806050288.html

リンク先にもありますが、

「市民に勧める前にまず職員から」


ということで、率先して使用していこうという姿勢が見えます。

呉市は「健康管理増進システム」を導入し、医療機関から提出されたレセプト情報をもとに国保加入者の診療記録データベースを構築しているということです。

そのデータベースを元に、後発医薬品の利用が適当と思われる人を抽出し、利用勧奨の通知を送るといった取組みもしていくようですね。

自治体として後発医薬品の推進を掲げているところは、結構珍しいのではないでしょうか。それだけに今回の「まず職員から」の動き、注目されます。


厚生労働省も、アピールでもいいから省内職員に対してこういった通知を出したらどうでしょうかね。生活保護受給者に対して後発品を「お願い」するより、よっぽど効果があると思いますが。


(関連リンク)

アポネットR研究会呉市、国保加入者に後発医薬品情報を通知へ
http://www.watarase.ne.jp/aponet/topics/0802topics/080212.html

2008年06月01日

平成20年7月主要ジェネリック医薬品追補収載予定品

日本ジェネリック医薬品学会のページに「平成20年7月主要ジェネリック医薬品追補収載予定品のお知らせ」が掲載されています。

日本ジェネリック医薬品学会
http://www.ge-academy.org/index.html

簡単に抜粋します。記載は「一般名(商品名)」の順です。

○ 内服薬

高血圧・狭心症用剤
ベジル酸アムロジピン錠(アムロジン錠2.5、アムロジン錠5)

アレルギー用剤
エバスチン錠(エバステル錠5mg、エバステルOD錠5mg、エバステル錠10mg、エバステルOD錠10mg)

抗不安剤
クエン酸タンドスピロン錠(セデール錠5、セデール錠10)

うつ病用剤
塩酸ミルナシプラン錠(トレドミン錠15、トレドミン錠25)

血圧降下剤
塩酸イミダプリル錠(タナトリル錠2.5、タナトリル錠5、タナトリル錠10)

消化器症状改善剤
塩酸イトプリド錠(ガナトン錠50mg)

消化性潰瘍用剤
エカベトナトリウム顆粒(ガストローム顆粒66.7%)

消炎鎮痛剤
メロキシカム錠(モービック錠5mg、モービック錠10mg)

その他の血液・体液用薬
イコサペント酸エチルカプセル(エパデールS600、エパデールS900


○ 注射剤

合成抗菌剤
シプロフロキサシン注射用(シプロキサン注200mg、シプロキサン注300mg)

主としてグラム陽性菌に作用するもの
テイコプラニン注射用(注射用タゴシッド200mg

不整脈用剤
塩酸ビルジカイニド注射液(サンリズム注射液50)


○ 外用剤

緑内障用剤
塩酸レボブノロール点眼液(ミロル点眼液0.5%)

眼科用抗アレルギー剤
塩酸レボカバスチン点眼液(リボスチン点眼液0.025%)


細かいですが、アムロジンの記載があってノルバスクがないのは何故か?エバステルは普通錠、OD錠とも後発品がでてくるのか?

逆に、アムロジンはOD錠の記載がないので、出てくる後発品は普通錠だけなのか?となると、東和薬品がアムロジピンのOD錠を発売するってのはガセ??

「主要」とあり、全部ではないので記載されていないだけの話なのかもしれませんが、気になるところです。

2008年05月28日

後発医薬品を野球に例える

先発医薬品と後発医薬品についてはいろいろな例えがありますが、こちらの記事では野球のピッチャーになぞらえています。

ZAKZAK“リリーフ投手”ジェネリック…先発薬と効き目同じ?
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_05/t2008052732_all.html

この中で薬剤師は「ピッチングコーチ」とされています。この例えも秀逸ですね。ボールを投げる(医薬品を選択する)のは患者自身であり、その際に与えるコーチの影響は非常に大きいものです。

記事中、

厳密には、その部分で“効き方”に若干の違いがあることは確かなようだ


とありますが、先発医薬品と後発医薬品は同一ではないですし、その必要もありません。同等性に基づき違いを認識した上で、適正に使用することが肝要と思われます。

2008年05月26日

[東和薬品]アムロジピンのOD錠を発売予定

今夏の追補収載の目玉!ノルバスク/アムロジン(一般名:アムロジピンベシル酸塩)の後発医薬品ですが、40社近くから約80品目ほどが予定されているようです。

その多くは普通錠ですが、東和薬品からは早くもOD錠(口腔内崩壊錠)の後発医薬品が出てくるようです。

The Chemical Daily東和薬品、高血圧症薬のOD錠で市場参入
http://www.chemicaldaily.co.jp/news/200805/21/02801_2121.html

そういえばノルバスクOD錠の製造承認取得の話も聞きましたが、一向に発売になってきませんね。


(関連リンク)

東和薬品

(関連記事)

2008年02月26日 ノルバスクOD錠の承認取得

2008年05月16日

[GE学会]第二回学術大会

日本ジェネリック医薬品学会の第二回学術大会が、6月7・8日に新潟市朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターにおいて開催されるということです。

第2回学術大会のご案内:日本ジェネリック医薬品学会第2回学術大会の開催にあたって
http://www.ge-academy.org/seminnar2008.html

会期 2008年6月7日(土)〜2008年6月8日(日)

会場 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター

テーマ 今拡がる、ジェネリック医薬品 − 安心利用に向けて −

大会会長 佐藤 博(日本ジェネリック医薬品学会副代表理事、新潟大学医歯学総合病院)


ge_academy2008.PNG
日本ジェネリック医薬品学会第2回学術大会ポスター

2008年04月20日

ジェネリック医薬品の公共広告

ジェネリック医薬品メーカーが行う広告は数多くありますが、それに比べて公共広告という形での広告を目にする機会は限られています。

そんな状況を憂慮してか、内閣委員会において民主党の市村浩一郎議員がジェネリック医薬品公共広告について質問しています。それに対して町村官房長官は、

「20年度予算の中で取り上げ、政府広報という形で必ず1度はやる」


との答弁をしています。詳細は以下のリンクから。

衆議院TV 4月18日

「内閣委員会」の「市村浩一郎(民主党・無所属クラブ)」をクリックすることで、その様子(動画)を見ることができます。

市村議員も言うように、タイミングとしては処方せん様式変更のあったこの4月はベストだったのかもしれません。今後いつどのような形で行われるのか、注目したいと思います。

しかし「1度はやる」ということは「1度だけ」の可能性もありますね。どの程度の効果が期待できるのでしょうか…。


政府広報といえばTVCMとは少し違いますが、政府インターネットテレビがあります。その中でジェネリック医薬品の認知と普及をはかるための動画は以前からあり、当ブログでもご紹介したことがあります。

2006/10/12 ジェネリッくん

その動画は以下のリンクから(音が出ますのでご注意ください)。

ジェネリッくんの後発医薬品のススメ!

2008年03月18日

保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則等の改正

後発医薬品の使用を促進するため、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則、保険医療機関及び保険医療養担当規則等において、以下のように規定されることになります。

(1) 保険薬局は、後発医薬品の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。

(2) 保険薬剤師は、処方せんに記載された医薬品に係る後発医薬品が薬価収載されている場合であって、処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは、患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。この場合において、保険薬剤師は、後発医薬品を調剤するように努めなければならない。

(3) 保険医は、投薬、処方せんの交付又は注射を行うに当たっては、後発医薬品の使用を考慮するよう努めなければならない。


各項目は主語がそれぞれ異なっており、それぞれの立場において何をすべきかが明記されています。「(2) 保険薬剤師は〜」の部分が一番長いですね。

以前コメント欄でさつき様が書かれていたことについて。保険薬剤師は後発医薬品を「調剤するよう努める」のに対して保険医は「使用を考慮するよう努める」という表記の違いですが。

これについては、医師会側への配慮もやはりあるようですね。非常に神経を使う部分なのかもしれません。ただ、内容的な差異は全くないと考えてよいのではないでしょうか。

むしろこの表現の違いは、「後発医薬品については薬剤師に任せたぞ!」という意味合いを含んでいると考えていいのかもしれません。ちょっとポジティブ過ぎますかね(苦笑

しかし後発医薬品を含む医薬品に対しては「我々薬剤師が積極的に関与しなければ誰がやるのか?」という思いはもちろんあります。その意味ではむしろ当然の表現と受け取ることもできます。

2008年03月17日

後発医薬品調剤体制加算

伝達講習会での内容を少しずつアップしていこうと思います。まず、今回の改定で新設された「後発医薬品調剤体制加算」の評価についてです。

後発医薬品調剤体制加算 4点

直近3か月間の当該保険薬局における処方せんの受付回数のうち、後発医薬品を調剤した処方せんの受付回数の割合が30%以上であること

後発医薬品調剤に積極的に対応している薬局である旨を、分かりやすい場所に掲示していること


これまで42点(19点)あった調剤基本料が引き下げられ、40点(18点)になります。しかし後発医薬品調剤体制加算の施設基準を満たしていれば基本料に4点の上乗せがされるため、トータルでは基本料アップという形になります。

半分は私の推測もありますが、剤ではなく基本料の部分に手が入れられたのは、

・後発医薬品に積極的に対応している薬局への評価

・後発医薬品の備蓄に対しての評価

ということが挙げられます。

注意しなければならないのは「直近3か月の割合が30%以上」という部分です。即ち、この加算の施設基準は毎月見直しをしなくてはなりません。

平成20年4月1日よりこの加算を付加する場合、平成20年1月より3月の間において、後発医薬品を調剤した処方せんの受付回数(割合)を見る必要があります。

割合が30%を超えている場合、それを4月14日までに届け出ることにより、4月1日にさかのぼって算定が可能になるということです。

平成20年4月の届出・算定に関しては特例的ですが、それ以降は以下の形で届出・算定を行うことになります。割合に変動があってから実際の算定変更まで1ヶ月のタイムラグが生じることになります。

(n-3)月、(n-2)月、(n-1)月の3ヶ月間において、後発医薬品を調剤した処方せん受付回数の割合を算出

30%超か否か、変動があった場合はn月の半ばまでに届出

後発医薬品調剤体制加算は(n+1)月1日より算定開始又は停止


この「30%」という数字、個人的には甘めの設定だと感じていましたが、やはりそのようですね。今後、引き上げられていく可能性もあるのではないでしょうか。


※ 誤りを発見された方はコメントまたはメールにてご指摘をお願いいたします。

2007年12月30日

[GE]全規格収載により242品目が姿を消す

後発医薬品の全規格収載(先発品にある規格を全て揃える)の通達が出されて以降、後発医薬品メーカー同士の協力もありましたが、242品目が姿を消すことになるのでしょうか。

ジェネリック医薬品の全規格収載‐242品目が揃えられず(薬事日報)

度々言われてきたことですが、後発医薬品メーカーのいわゆる「売り逃げ」「オイシイところ取り」に対しては非常に批判が大きかった部分があります。

後発品メーカーは企業としてそういった部分に応えなければならないところは大いにあるでしょう。しかしこういった措置が後発医薬品メーカーの淘汰にも一役買うことになりそうです。

逆のパターン、例えばプレドハン錠2.5mgフロセミド錠10mg「NP」といった後発医薬品にしかない規格ですが、先発メーカーに対して特に発売の圧力がかかるといったことはないのでしょうかね。

2007年12月18日

後発医薬品情報提供のあり方

2008年4月の診療・調剤報酬改定で処方せん様式が(再)変更されることが決まりました。付随する部分についての詳細は不明ですが、現行の「後発医薬品情報提供」のあり方が気になります。

処方元への「後発医薬品情報提供」いわゆるフィードバックは、原則的に「不要になるのではないか?」ということが言われていますが、制度上廃止になったとしても実際はどうでしょうか。

個別の病医院より「フィードバックしてくれ」という話は当然出てくるでしょう。そのようなケースではどうすればよいのか。

実際問題としては悩むまでもなく、要望があればフィードバックをする体制を整えなければならないでしょう。個々の薬局であったり地域の薬剤師会であったりがそういった仕組みを作っていくことと思います。

しかし個人的には、一律的なフィードバックの要請には疑問を感じます(必要に応じて、例えば患者さんごと、医薬品ごとにというのであれば、それはそれで行うべきなのは言うまでもありません)。

単に「処方元だから」という理由だけでなく、「何故フィードバックが必要なのか」ということと「(フィードバックされた)情報がどのように生かされているのか」といったことを具体的に示していくことが肝要と思われます。

2007年12月05日

後発品30%以上で調剤基本料がプラスに

はまなす様よりコメントいただいておりますが、来年4月の診療・調剤報酬改定における後発医薬品に関連して話題がいくつか挙がってきています。

後発品促進の環境整備案固まる(CBニュース)

気になる部分を抜粋しつつ。

まずは処方せん様式変更についてはほぼ決定と思ってよいでしょうか。

処方せん様式を変更し、後発医薬品への変更にさしつかえがある場合にだけ処方医が署名する形


それから療養担当規則の変更を示唆している内容でしょうか。

医師が投薬や処方せんの交付、注射を行う際、「後発品の使用を考慮しなければならない」という規定


薬剤師についても、後発品への変更を処方医が認めている場合、患者に対して後発品を適切に説明するよう規定


「お試し調剤」も導入されるようです。

患者が初めて後発品に切り替える際、違和感がないかを短期間に区切って試す「分割調剤」も導入


一時議論されていた剤形変更については見送られたようですね。「日医の反対が強く」と書かれています。

薬剤師による処方医への確認なしでの「剤形変更」は削除


調剤基本料にも手が入るようです。処方せんの枚数ベースで、後発医薬品を30%以上含む場合に、調剤基本料が上乗せとなるようです。

後発品を含む処方せんが全体の30%以上に達した薬局を加算で評価


逆に、

30%を超えた薬局は今よりも高くなるが、やっていないところは今より低くなる


とも書かれています。

2007年11月29日

[後発品]「処方せん変更でも普及に疑問符」のワケ

後発薬に「効能追加」の壁 処方箋変更でも普及に疑問符(NBonline)
(全文を見るには会員登録が必要)

記事ではクラビットの特許延長(2011年まで)を引き合いに出し、先発メーカーの特許延長やそれを認める薬事行政が後発医薬品使用促進の妨げとなっている、と述べられています。

確かに「処方せん変更でも普及に疑問符」という部分はあるでしょう。しかし記事内容も一因ではあるでしょうが、現場にいる者としてはもっと別に原因があるのではないかという気持ちの方が強いですね。

2007年11月28日

[ざわざわニュース]外来患者に定額払い

外来患者に定額払い方式導入 後期高齢者医療で厚労省が提案(産経ニュース)

お薬手帳が大活躍でしょうか。

調剤時に「手帳」へ薬剤情報や注意事項を記入した場合に調剤報酬を上乗せ

医師や薬剤師には「手帳」などで患者の服薬状況を確認することを義務付ける


といった部分が目を引きます。

重複投薬のチェックを防ぐための方策として、いろいろな可能性が考えられます。システム的には今後もっとよいものが出てくるかもしれませんが、手帳の有効利用が望まれます。

ざわざわニュース的にこのニュースを分析してみました(ネタです)。

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