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2007年03月09日

ノルバスクとアムロジンの同等性

後発医薬品へ変更する際、問題となることの一つに「生物学的同等性」があります。後発医薬品はそれを担保するために定められた試験を行っています。

一方、先発品で一物二名称と言われる形態があります。主成分は同じだけれども販売名を変えて、異なるメーカーが販売していることがあります。例えばノルバスクアムロジンです。

それらは生物学的に同等と言えるのでしょうか。


後発医薬品と違って、アムロジンはノルバスクとの同等性を担保するための試験を行っていません。先発品の一物二名称すべてにあてはまるのかどうかは分かりませんが、アムロジンについてはメーカーに確認が取れています。

しかしアムロジンとノルバスクの同等性を疑問視する声はあがってきません。何故でしょうか。

それは大日本住友製薬(当時の住友製薬)がファイザーにライセンス料を支払い、特許が絡むような製造に関するノウハウまで全て供与を受けているから、というのが一般的な認識だと思います。

なるほど、ノルバスクとアムロジンの添付文書を見比べて見ますと、使用されている添加物は全く同じです。他の一物二名称については確認していませんので分かりませんが…。


このように先発品の一物二名称においては同等性の試験は行われていませんが、同等であることが前提として話がされています。後発医薬品と違って、恐らく法的な面でも同等性を担保する必要がないのでしょう。

ですのでアムロジンからノルバスク、或いはその逆の変更については何の疑問もなく行われるのが多くではないでしょうか。


しかしノルバスクとアムロジン、使用している添加剤が同じとはいえ錠剤の硬さに大きな違いがあることは結構有名な話です。確かに、見た目からしてアムロジンのほうが硬そうです(笑。

2007年02月17日

薬局は新参者 積極的に行動を!

昨日の記事では後発医薬品使用にあたり、薬局薬剤師はその使用のための環境を整えていくことが必要であり、取組みをしなければ将来はないだろうということを書きました。

2007/02/16 薬剤師は後発医薬品使用の環境を整えるべき

「そんなこと言ったって欧米では代替調剤が当たり前だし、日本もそのうちにそうなっていくでしょ!」と楽観視する向きもあるでしょう。しかしそうはならないシナリオもあります。


厚生労働省の調査で後発医薬品へ変更して調剤した割合は5.7%という結果が出ていることは、以前にも触れました。いわゆる医師承認方式において、これが現状です。

私たちの目標とするところは数字を追うことではありません。しかしこの数字は今後を考える上で大きな判断材料となってくるものです。


「本格的に代替調剤が導入されれば、取り組むよ」

「後発医薬品が信頼できるようになったら、積極的にやるよ」


そんなことを言っても国はもちろん、患者からも医師からも信用してもらえるはずがありません。

自ら取り組まずに、誰かが整備してくれるのを待つのでしょうか。医療を提供するということは、全部お膳立てをしてもらってそこに乗っかってやることではないはずです。


薬剤師が医療の担い手と定められたのが平成4年、薬局が医療提供施設と明示されたのは昨年(施行は平成19年4月1日)。新参者が積極的に動かずに、医療に参画できるはずがありません。

選択型処方せん」の中心にいるのはもちろん患者さんですのでそれを忘れてはなりません。しかし一方で、薬局の薬剤師にとってみてもこれは非常に大きな機会となります。

野球で例えるならば「医療提供チーム」にやっと薬局薬剤師が入り、下位打線ながら打席が回ってきてバッターボックスに入ったところです。そこへ「選択型処方せん」というボールが投げられました。

代替調剤」というど真ん中の絶好球ではないかもしれません。しかし何とかして打っていくことを考えねばならないのです。

「バットが短いから打てない」とか「照明がまぶしいからよく見えない」といった環境依存型になるのでなく、「どうしたら打てるか」ということを前向きに考えていきたいものです。


[磯部氏講演関連(目次)]

2007年02月16日

薬剤師は後発医薬品使用の環境を整えるべき

後発医薬品使用の今後について、2つの記事で書きました。

2007/02/15 後発医薬品使用促進のための飴と鞭

2007/02/14 更なる処方せん様式変更の可能性

あくまで現時点での推測ですので、どうなるかは何とも言えません。しかし一つだけ確実に言えることがあります。それは、

国は後発医薬品使用促進に舵を切っており、今後その傾向は強まる方向に行く

ということです。

そういった中で、私たち薬局は、薬剤師は何をしていくべきか。今までも考えてきたことですが、もう一度改めて考えてみました。


医療を取り仕切っている国が後発医薬品促進を考えている以上、私たちにとって「後発医薬品を使わない」という選択はかなり難しいものがあります。

一方で薬剤師個人として、或いは一薬局として、後発医薬品使用に対して様々な思いがあることは確かです。別の言い方をすれば、後発医薬品使用に賛成なのか、反対なのかという部分でかなりの開きがあります。

では薬剤師は後発医薬品に対して何のアクションもしなくていいのでしょうか。


後発医薬品使用促進をしなければ薬剤師は不要」ということを国は以前から言っています。即ちこのままの状態が続けば、薬剤師は医療の現場から退場させられることになります。

後発医薬品に取り組まないということは、薬剤師にとって「座して死を待つこと」と言ってもいいでしょう。

「患者さんの利益になるのなら、それでも構わない」という考え方もあるでしょう。しかし私は「薬剤師が関わる方がよりよい医療が提供できる」という信念を持っていますのでその考えには反対です。

じゃあ後発医薬品使用促進すべきなのでしょうか?


国は結果を見て物事を判断します。「後発医薬品に変更して調剤したのが5.7%、まだまだ少ないね」といった具合にです。しかし国と違い、私たちは結果(数字)を求めることが最終目的ではありません。

私たちが取り組むべきは、「後発医薬品使用促進」ではなく「後発医薬品使用の環境を整えること」だということです。数字はその結果出てくるものであり、それ自体はを目標にすべきではありません。というか目標になり得ません。

国の思うように後発医薬品使用が伸びず、「薬剤師は何をやっているんだ!」となった場合、「これだけのことをやった(やっている)んだ!」とそれに対峙できるだけのことをしていくべきなのです。

現状、後発医薬品使用に際して十分な環境が整っているとは言えない部分があるかもしれません。「だから使わない」ではなく(国に)言うべきことはきちんと主張する一方、やるべきことはやっていくことが肝要です。

逆に後発医薬品使用の環境がしっかり整っている状況にあれば、薬剤師でなくても後発医薬品選択ができるということになります。整備されていない状況にあるからこそ、薬剤師が使用の環境を整えるべきではないでしょうか。


[磯部氏講演関連(目次)]

2007年02月15日

後発医薬品使用促進のための飴と鞭

昨日の記事ではもう一段の後発医薬品使用促進策として「後発医薬品への変更不可」のケースがあるかもしれない、ということを書きました。

2007年2月14日「更なる処方せん様式変更の可能性

この延長上にあるのが「強制後発医薬品調剤」とでも言うべきものです。処方せんに書かれている医薬品に後発医薬品が存在する場合、後発医薬品のみで調剤を認める方法です。

具体的には、公的保険における薬剤費部分の給付を後発医薬品の部分までしか出さないといった方法が考えられます。いわゆる「参照価格制度」的なものですね。その他にもやり方はあるのかもしれませんが。


また別の方法として、後発医薬品調剤の取り組み度合いを調剤報酬へ反映させることも考えられている可能性はあります。

例えば、「後発医薬品を用いて調剤した処方せんが全処方せん(枚数)の○%以上」として、調剤基本料に反映させたり基準調剤加算の一要件に組み込むといった具合でしょうか。

いずれも制度的にはますますややこしくなりますが、現実的にあり得る線ですね。


[磯部氏講演関連(目次)]

2007年02月14日

更なる処方せん様式変更の可能性

平成18年4月の診療・調剤報酬改定時に処方せん様式の変更が行われました。具体的には以下の写真のように「後発医薬品への変更可」という欄が設けられました。

prescription.PNG
「後発医薬品への変更可」欄が設けられた処方せん

ちなみに処方せん様式の見直しにあたって医師会側は最後までそれを拒んでいましたが、患者側の強い要望によってこの「後発医薬品への変更可」欄が新設されたとのことです。

その後、後発医薬品使用が伸び悩んでいることはご存知の通りです。厚生労働省の最近の調査結果が以下のリンクよりご覧いただけます。

中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会(第10回)議事次第

実際に後発医薬品へ変更・調剤されたものは全体の5.7%、これはかなり低い数字と受け止められています。

そうなると後発医薬品の更なる使用促進策が検討されることになります。その一つとして処方せん様式の再変更もあり得るということです。

どのように変わるか。もちろん現時点では予想の域を出ないのですが、一つは

後発医薬品への変更可」 + 保険医署名

という部分を

後発医薬品への変更不可」 + 保険医署名

という形に変更するということが挙げられます。即ち現行の方式と逆の「署名がなければ後発医薬品へ変更して調剤が可能」という方式です。

この方式の採用は、現在「後発医薬品に対して責任が持てないために署名をせずにいる」という医師に対して、大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。

」と「不可」の違いは医師承認制からの単なる変更に留まらず、後発医薬品変更の運用面において、薬局・薬剤師側に大きなシフトが起こると考えられます。

そうなったら薬剤師は「代替調剤の確立だ!」と喜び勇んで後発医薬品使用をするでしょうか。個人的な考えですが、現状を見る限りその可能性は低いでしょうね。

じゃあ後発医薬品使用は永遠に進まないのか?国は別の方法や更にその先を考えている??これについては別記事でアップしようと思います。


[磯部氏講演関連(目次)]

2007年02月09日

薬剤師の説明時間と後発医薬品選択の相関は

平成18年度診療報酬改定の結果について調査が行われました。その中の一つとして、後発医薬品の使用実態についての検証も行われています。

後発医薬品の使用が予想以上に進んでないということは業界紙はもちろん、一般紙でも既に報道されている通りです。

【厚労省】変更処方せん枚数は5.7%‐後発医薬品調査の速報値公表(薬事日報)


検証結果について厚生労働省関係審議会議事録等 中央社会保険医療協議会のページに詳しい資料がアップされましたので見てみました。

中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会(第10回)議事次第

私が気になったのは「患者1人あたりの平均説明時間」の部分です。pdfファイルでしたので、画像にしてみました。

time.PNG
患者1人あたりの平均説明時間

よりわかりやすくグラフ化するとこんな感じになります(クリックで拡大)。

time2.PNG
後発医薬品選択と説明時間

この資料によりますと、「後発医薬品を選択した場合」のピークが説明時間「5-10分」、「後発医薬品を選択しなかった場合」のピークが説明時間「5分未満」にあることが分かります。

後発医薬品についての情報を持ち合わせていない方に、メリット・デメリットを含め、きちんと説明し理解していただくのに5分という時間は長いでしょうか、短いでしょうか。

多くの薬局で「できるだけ丁寧に説明をしたいけれども、様々な制約があるために十分な時間がとれずにいる」、というのが現状なのではないかと思います。

2007年02月08日

日本ジェネリック研究会がポスター作成

ジェネリック医薬品」の健全な育成と普及を目的として設立された日本ジェネリック研究会という団体があります。

日本ジェネリック研究会

ジェネリック医薬品の使用を促進する団体としては医薬工業協会(医薬協)があります。こちらは主にジェネリック医薬品メーカーで組織している団体です。

一方、日本ジェネリック研究会は医師や薬剤師で構成される、企業色が薄い団体ですね。ジェネリック医薬品の情報サイト「かんじゃさんの薬箱」も運営しています。

日本ジェネリック研究会はこの度、「ジェネリック医薬品の啓発用ポスター」を作成したとのこと。当薬局にもお送りいただきました。

ge_poster.JPG
ジェネリック医薬品啓発ポスター

他のポスターやTVCMと比べるわけではありませんが、「安い」「同じ成分」といった部分を強調することなく、真摯なものに仕上がっていると感じます。


日本ジェネリック研究会は平成19年4月1日より「日本ジェネリック医薬品学会」に移行するとのことです。

2007年01月24日

ジェネリック医薬品の信頼確立に向けた取組み

富山県に本拠を構えるジェネリックメーカー12社が共同で、信頼確立に向けた取組みを始めたようです。一口で言えば「公的な第三者試験機関が一定ロットごとに品質を再確認する制度」ですね。

ジェネリック医薬品の品質を再確認‐富山県医薬品工業協会が新制度創設(薬事日報)

何故これまでこのようなことが行われなかったのかとも思います。少し遅い感は否めませんが、ここは一つ前向きに考え評価していきたいですね。

冒頭にも述べましたが、これは富山県のジェネリックメーカーにおける取組みです。12社とありますが薬事日報のサイトに名前があるのは以下の4社です。

ダイト

日医工

前田薬品工業

陽進堂

ここに来てジェネリックメーカー各社の方向性が少しずつ違ってきているのでしょうか。「ジェネリック医薬品」「ジェネリックメーカー」と一括りにすることはますますできなくなってきます。

テレビCMとして広告宣伝し、イメージアップをすることも大切なことかもしれませんが、それよりも「信頼できるものである」ということが先に必要ですね。

2007年01月22日

ジェネリック医薬品Q&A

医薬工業協議会厚生労働省の監修の下、「ジェネリック医薬品Q&A」という冊子を作成したそうです。一般の方ではなく、医療関係者を対象としています。

generic_q&a.JPG
ジェネリック医薬品Q&A

医薬協作成資料のページには「掲載内容につきましては近日当HPにUP致しますのでしばらくお待ち下さい。」との記載がありますので、web上でも見られるようになりそうですね。

厚生労働省医政局の名前で書かれた<監修に当たって>の中で以下のような記載があります(抜粋)。

医師、薬剤師など医療関係者に後発医薬品の品質や情報提供、安定供給に対する不安が存在している


後発医薬品に対する理解と信頼が一層高まり、その使用が促進されることを期待しています。


全部で10ページ程の冊子の中に14の質問(後述)と最後にまとめが掲載されています。

この冊子を読んだからといって不安が解消され、使用できるようになるかといえばそういうものでもないですが、理解を深める上で読んでおいて損はありません。






ジェネリック医薬品Q&A 目次

Q1.「ジェネリック医薬品」とはどのような医薬品ですか?

Q2.ジェネリック医薬品はどのような基準で審査、承認されていますか?

Q3.ジェネリック医薬品の製造・品質管理は製造販売承認前後でどのように検証されていますか?

Q4.ジェネリック医薬品の添加剤が先発医薬品と異なっている場合があります。同等性、有効性、安全性に問題はないのでしょうか?

Q5.「品質再評価」はどのように実施されていますか?

Q6.ジェネリック医薬品の副作用情報の収集、提供などはどのように実施されているのか?

Q7.販売名は類似したものが多く、医療事故につながる恐れがあります。政府の方針はどうなのでしょうか?

Q8.ジェネリック医薬品の中には先発医薬品製剤の一部の規格品しか発売されていないものがあります。政府の方針はどうなのでしょうか?

Q9.ジェネリック医薬品の中には先発医薬品の効能・効果の一部を欠くものがあります。何故でしょうか?

Q10.ジェネリック医薬品の添付文書記載情報が少ないのですが?

Q11.ジェネリック医薬品は安定供給に不安があると言われていますが?

Q12.処方せん様式の変更について教えてください。

Q13.ジェネリック医薬品は「医薬品副作用被害救済制度」が適用されるのでしょうか?

Q14.ジェネリック医薬品に対する啓発活動にはどのようなものがありますか?

まとめ

2007年01月05日

添加物が違うとは言うけれど…

「ジェネリック医薬品は主成分は同じだけど、添加物が違うから…」

と言った声はしばしば聞かれる話です。添加物が違うから薬物動態も変わってくる。その結果効果・副作用に違いが出てくるということが言いたいのでしょう。

言わんとすることはよく分かります。もちろん実際にそういうケースもないわけではないでしょう。徐放性製剤やTDMを必要とするような医薬品においてはシビアに考えなければならない問題です。

しかしそうでない多くの医薬品においてはどの程度考慮すべき問題なのでしょうか。


最近ではすっかり市民権を得た?口腔内崩壊錠−Dとかレディタブと末尾につくような−ですが、多くの製品において普通錠からの切り替え、あるいは普通錠も残しての併売という形で出回っています。

また剤形変更がない場合でも処方変更(この場合は添加物の組成変更といった意味)が行われることもしばしばです。最近の例ではムコダインDSやメイアクト錠(MS錠)などがあります。

その際に「添加物が違うから口腔内崩壊錠への切り替えは慎重に」あるいは「組成が変わったが同等性は大丈夫か」といった議論は聞かれません。


例えばアステラス製薬のハルナール(一般名:塩酸タムスロシン)。

「ハルナールカプセル」から「ハルナールD錠」への変更(移行)は問題なし、一方ハルナールのジェネリック医薬品への変更は問題あり??(制度的なことは考慮に入れていません)

ハルナールD錠もハルナールのジェネリック医薬品も、ハルナールカプセルを基準として生物学的同等性の承認を受けており、その基準は同じです。何故このようなことになるのでしょうか。

昨日の繰り返しになりますが、これこそが「ジェネリック医薬品は非先発」のいい例ではないでしょうか。


(関連記事)

1月4日「まだまだ続く?ジェネリック医薬品の問題

2007年01月04日

まだまだ続く?ジェネリック医薬品の問題

昨年4月、診療・調剤報酬改定時に処方せん様式が変更されたのを皮切りに、昨年はジェネリック医薬品に右往左往した年だったという感じが強いですね。

薬事日報などのニュースを見ていてもやはり話題は多かったですし、当ブログでも何度か記事としてアップいたしました。コメントもたくさんいただきました、ありがとうございます。

現在は小康状態?にある「後発医薬品への変更可」ですが、年が変わったからといって何かが変わったわけでもなく、むしろこれから促進策がもっと出てくるような感じも受けます。

現状、ジェネリック医薬品の使用を推進するのか、慎重であるのかというのは、個々の医師・薬剤師によって或いは病院・薬局毎に考え方の幅がかなりあります。

そんな中で「ジェネリック医薬品は信頼性がないから使用に躊躇いがある」ということがチラホラと聞かれます。


ではジェネリック医薬品使用促進のために、ジェネリック医薬品の信頼性を上げていけば事は解決の方向に向かうのでしょうか。それはそれで大切なことですが、万事解決とは思えません。

ジェネリック医薬品が「後発」であるが故に背負う宿命とでも言いましょうか。ジェネリック医薬品はどんなに信頼性を高めても「似先発」であって「非先発」なのです。

お断りしておきますが、私はジェネリック医薬品を卑下して申し上げているわけではありません。ジェネリック医薬品の有用性を高めるためには、これらの正しい理解が欠かせないと考えています。

話を元に戻しまして、何が言いたいのかといいますと。

現状ある「ジェネリック医薬品はちょっと…」という声の中身は「ジェネリック医薬品は非先発」に集約されるのではないかということです。

それがよく言われる「日本人のブランド志向」と関係しているのかどうかまでは分かりませんが、もしそうだとするならば、ジェネリック医薬品使用促進のためには何が必要なのでしょうかね。

2006年12月05日

[後発医薬品]日薬の考え方

今月の日薬誌に、日本薬剤師会としての「後発医薬品の使用促進に対する基本的考え方」が掲載されています。要旨を抜粋します。

・経済的な理由のみによる医療費の適正化という考え方には賛成できない

・医療水準を後退させない範囲での医療費適正化について、可能な範囲で協力する


また、薬剤師職能の拡大・確立、患者さんとのコミュニケーション機会の増大といった面からも「むしろ前向きに取り組んでいくべき」といった趣旨のことが書かれています。


この考え方を、現場においてジェネリック医薬品を使用しようとするケースに当てはめてみます。すると私たちが考えなければならいことが大きく3つ出てくるかと思います。

一つは「ジェネリック医薬品への変更によって治療に差し支えがない」ということです。今一番問題とされているのはこの部分ですね。有効性、安全性、同等性等々について考えなければなりません。

二つ目は「患者さんの支払う一部負担金の軽減」ということです。逆に言ってしまえば、ほとんど値段が変わらないもの、高くなるものは患者さんにとってのメリットは薄いということになります。

それから三つ目は「国の医療費の低減」ということです。私たち現場の人間の最終目標とは違うかもしれませんが、頭のどこかに必ず置いておかねばならない問題です。

これらをトータルで考えると、


「医療費(一部負担金を含む)の軽減のみを目的とはしないが、治療に差し支えない範囲でジェネリック医薬品へ変更することを支援する」


ということになると考えられます。



関連した話題で「後発医薬品データベース」ですが、12月8日より稼動とのことです。概要については同じく日薬誌に掲載がありました。どんなものになるのでしょうか。

2006年11月14日

[後発品]ポジティブデータの蓄積も必要

先日、日本医師会より緊急調査の分析について発表がありました。

日医:「ジェネリック医薬品に関わる緊急調査の分析結果について

「73銘柄に問題があった」「特定メーカーに偏りがあった」等、詳細までは分からなくても非常にショッキングな内容だったと感じています。

とは言えジェネリック医薬品における「問題」は、ある程度は予想されていたこととも言えます。むしろ問題が全くない方が不思議だといっても過言ではありません。

このような事例を収集し活用することは非常に意義のあることだと思います。

ではその一方で今回の日医の調査では対象外でしたが、問題のない事例についてはどうでしょうか。

後発医薬品に変更して特に問題がない場合「よかった、よかった」で終わってしまうケースが多いかと思いますが、こういった「問題のなかった」事例の収集も非常に重要だと感じています。

「問題がなくて当たり前、そんなデータを集めても意味がない」と仰る方もいるかもしれませんが、私はそうでもないと考えています。むしろ使用促進のためにはポジティブデータの集積のほうが効果があるのではないでしょうか。

何よりも「問題のない」もののデータであれば、即座に公表することが可能です。ジェネリック医薬品を使いたくても(不安があって)使えずにいる人々にとって、それほど有用なものはありません。

問題のあるジェネリック医薬品があることは事実でしょうが、問題のないジェネリック医薬品があることもまた事実です。


(関連記事)

11月11日「問題あるジェネリック医薬品への対処

2006年11月11日

問題あるジェネリック医薬品への対処

9月に緊急調査の概要が発表されましたが、更に解析が行われその発表がありました。

日本医師会:定例記者会見
「ジェネリック医薬品に関わる緊急調査の分析結果について」

ジェネリック医薬品に関わる緊急調査報告(II)(pdfファイル)

日本全国で使われているジェネリック医薬品のことを考えれば報告数は決して多いとは言えないでしょうし、その「問題」が当該ジェネリック医薬品に起因してのものなのかどうか厳密に精査されなければなりません。

しかし特定のメーカーの銘柄に問題が集中したことを考えますと、かなりの相関関係があることが予想されます。直ちにメーカー名と銘柄を公表して欲しいところですが、影響の大きさを考えるとなかなか難しいでしょうか。

しかしこのまま公表されないままに物事が進められても、進展は全くありません。むしろ「このメーカーは大丈夫か?」という疑心暗鬼を生むことにすら繋がってしまいます。

今後動きがあった場合、冷静に対処したいものです。


こういった情報、将来的には共有できるような仕組みが必要でしょうね。現状でも集まりがあったときに情報交換などは行われているでしょうが、もっと広い範囲において。

製薬メーカーがデータを公表する、日薬がデータベースを稼動させる。もちろん大切なことです。が、やはり実際のユーザーの声、現場の声にかなうものはありません。

そういった声が集まることで悪いジェネリック医薬品は使われなくなり、良い物だけが残っていく。


ちょっと理想を語りすぎでしょうかね。


(関連ニュース)

【日医】ジェネリック薬調査結果を報告‐「問題あり」は73銘柄(薬事日報)

(関連記事)

9月19日「[日医]ジェネリック医薬品「緊急」調査

2006年10月30日

[後発品]数値目標が必要なのか

【厚労省経済課】後発薬促進でヒアリング‐NPhAは1年後に28%目標(薬事日報)

日薬の曖昧な言い方

「決して反対の立場ではなく、協力するスタンス」


というのも決して褒められたものではないでしょうが、NPhAが数値目標を設定することには大きな違和感を感じます。

NPhAは、会員薬局が月間1%「上乗せ」を努力することにより、概ね1年後には28〜29%の後発医薬品使用を達成させたいと、具体的な目標値を打ち出した


「日薬は職能団体、NPhAは企業団体」と言った人がいますが、それを如実に表していますね。こうやって数値目標を定め、それを達成していくという考え方は正に企業的な考え方に基づいていると言えます。

誤解のないように申し上げますと「経営的な考え方が悪い」と言っているのではありません。私はむしろ、薬局に経営的な考え方をもっと導入すべきだと思っています。

いわゆる大企業でない、街の薬局の開設者−特にそれが薬剤師であれば尚更−は経営に関して無関心なことが多く、「儲けることは悪」といった認識を持っている人すらいますので。

もっと効率よく業務をし適正な利益を上げてそれを患者さんに還元していくことは、非常に大切なことです。そういった意味で「導入すべき」と言っているのです。

ただ、それを後発医薬品変更率へあてはめることはすべきではないでしょう。数値を追うことが優先になって中身が伴なわない恐れがあります。「服薬指導加算」「お薬手帳」についても同様です。

「まず数字ありき」のこの姿勢、患者さんの方を向いてすべき私たちの仕事とは到底相容れないものです。

2006年10月27日

[後発医薬品]薬局が使用促進の足を引っ張る?

武田経済課長 後発品の使用促進、薬局は「足を引っ張るな」(RISFAX)

当ブログ10月24日の記事「後発医薬品が調剤されたのは全処方せんの2%」でもご紹介いたしましたが、薬局で後発医薬品の調剤が少ないという調査結果を受け、

「業界全体としてきちっと(後発遺品の普及に)取り組んで、足を引っ張らないでほしい」


と述べられたとのことです。

これは現場に対して、あまりに理解のない発言ではないでしょうか。

そもそも見切り発車的な感の強い処方せん様式変更に加え、先発品との効能・効果の違いの放置など、厚生労働省としてやるべきこともやらずにこういった発言ばかり耳に入ってくるのは非常に心外ですね。

個人的なことを言わせてもらうならば「後発医薬品使用促進」云々は別にしても、患者さんの選択権ということを念頭に置き、「参加型医療」に少しでも近づけるべく認知・アナウンスをしているつもりです。

それを数字だけ見て「薬局での調剤があまりに少ない」と評価されてしまったのでは、腹立たしさも、悲しさも通り越して、本当に哀れになってきます。

このやり場のない思い、どこに持っていったらいいんでしょうか…。



とはいえ、日本のこの保険医療制度の下において厚生労働省は言ってみれば「神様」的な位置にいるんですよね、制度をコントロールできるという点においては。

「薬局の後発品使用が少ないですよ」と言われれば、後発品を利用するか、もしくは退場するか。

遠からず決断を迫られる日が来るのでしょうか。

2006年10月26日

市民記者によるジェネリック医薬品考

ライブドアのニュースにこんな記事がありました。

ジェネリック医薬品はなぜ普及しないのか(livedoorNEWS)

内容については最近の動向をよく把握し、しっかりまとめられている印象を受けます。驚くべきはこの記事を書いた小林亮一氏という方がパブリックジャーナリスト(市民記者)だということです。

パブリックジャーナリストの詳細についてはこちら
PJニュースPJ記者募集ページ

小林氏がどういった立場の方なのか明らかではありませんので何とも言えませんが、しっかりとした観察力と十分な考察がなされていると感じます。

特に、

約6割の医療機関が「なんとなく(後発医薬品に対して)不安」と回答しているのは、医師・薬剤師の知識不足を露呈しているのではないか


(情報提供に対し)ダメならダメ、いいならいい、と、医師・薬剤師が、自分の頭で冷静に判断することが必要であろう


といった辺りは、我々薬剤師にとっても耳の痛いところです。

私たちは実際にジェネリック医薬品を扱う現場にいるので「自分たちはジェネリック医薬品についてよく知っている」という驕りにも似た思いが心のどこかにあるのかもしれません。

しかし現場にいると案外、物事を客観的に見ることが出来なかったり、的確な判断力を欠くこともあります。メディアの情報はもちろんですがこういった記事も非常に貴重なものであり、耳を傾けていくべきでしょう。

2006年10月24日

後発医薬品が調剤されたのは全処方せんの2%

ジェネリック医薬品、普及進まず 厚労省が聞き取りへ(asahi.com)

数字だけ聞けば確かに少ないという印象は受けます。でもそんなものなのかもしれません。

医師の「後発医薬品への変更可」サインは全処方せんの20%にあったということは、ちょっと乱暴な言い方ですが「2割の医師が後発医薬品へ変更してもよい」と考えたということ。

同じように「後発医薬品に変更しても良い」と考えた薬剤師が、仮に2割(医師と同じ割合)いたとします。すると、

全数×0.2(医師)×0.2(薬剤師)=0.04

単純に考えても4%という数字が弾き出されます。

さらに患者さんが先発医薬品を希望したり、適応症が異なって変更したくでも出来ないといったケースがあることを考えると、むしろ2%は多いかもしれません。


(関連リンク)

開業したて整形外科院長の野望(無謀)日記。
ジェネリックの普及すすまず

2006年10月18日

【後発医薬品】安定供給に関する苦情申し立て

厚生労働省は後発医薬品メーカーにいくつかのハードルを課していますが、そのうちの一つとして「医薬品の安定供給」があります。実はそのための窓口というのがあるのですが、案外知られていないのかもしれません。


ジェネリック医薬品促進は国民の願望‐日薬学術大会で磯部氏が強調
(薬事日報)

安定供給対策として整備した苦情処理体制については「意外に苦情が来ないが、問題があると考えた場合はぜひ言ってほしい。それがメーカーとの間に、緊張感を持たせることにつながる」


その根拠となる文書は平成18年3月10日に厚生労働省医政局長名で出された「医政発第0310004号」です。その中に(別添)として「後発医薬品の安定供給に関する苦情」という申し立て書もあります。

内容としては

「苦情を申し立てる後発医薬品の名称と製造販売業者」

「苦情の内容」

「保険医療機関・保険薬局名、担当者名、連絡先」

を記入するようになっています。

まるっきり同一ではないのですが作成しましたので、必要でしたら参考にしていただければと思います。

後発医薬品の安定供給に関する苦情(docファイル)

この申し立ては後発医薬品全般ではなく、あくまで「安定供給に関しての苦情」だということです。例えば、

・とある後発医薬品を注文したら納品まで1週間かかるといわれた

・添付文書には100錠包装があると記載されているのに、1000錠包装しか納品できないといわれた

といった感じです。でも申し立ては「具体的に」とのことですので、メーカーや医薬品名を明らかにする必要はありますが。

申立先は以下のとおりです。

厚生労働省医政局経済課
FAX:03-3507-9041

通達には「苦情を受け付けた場合、当該後発医薬品の製造販売業者への必要な調査、改善指導等を行うことを申し添えます」とありますので、ある程度の実効性は期待できそうです。

2006年10月14日

後発品への変更が減っている

ネット上にソースがなかったのですが、上田薬剤師会が調査をしたということです。本当に数字だけご紹介すると

処方せん様式変更直後に33%だった後発品希望率が、半年後には22%まで下がった


ということです。

この背景には何があるのでしょうか。後発医薬品・後発品メーカーへの不信感や変更した際の値段が思ったほどに安くならない、といった理由ももちろんあるのでしょう。しかしそれだけでしょうか。

昨晩、上田で開局している方と一緒になりそんな話題が出ていたところ、思わぬ言葉が出てきました。


「後発品への変更可」という処方せんが減っている


というのです。

これは、医師が「後発医薬品への変更可」欄にサインをするのではなく、処方せんに後発医薬品の銘柄を記入するようになったことが大きな原因ではないか、ということでした。

その背景には、いわゆる中小の後発医薬品メーカーが医師に売り込みを掛け、「先発品記入+変更可サイン」方式ではなく「特定の後発品銘柄記入+変更可サインなし」を推し進めているということがあるようです。

大手の後発医薬品メーカーにしてみれば、流通もそれなりに確保されているため「変更可」にサインがあれば使用されるチャンスはありますが、中小メーカーは「変更可」の恩恵を受ける機会が限られてきます。

そのため医師に直接働きかけをして自社製品の使用の機会をひろげよう、という意図があるのでしょうか。変更可サインがなければ、別の後発医薬品で調剤することは不可能ですし。

処方せん様式変更が産んだ、別の形での後発医薬品使用促進とも言えます。


処方する医師側にしてみれば「国が言うように後発医薬品を使っているのだからいいでしょう?」という話になりますよね。変更可欄への署名も後発品銘柄処方も、手間が大きく変わるわけではありません。

一方の処方せんを受ける薬局側はかなり大変です。その方も言っていましたが、医師によって使用する後発品が違うため、例えば「フルナーゼの後発品でも5種類以上」置かなくてはならないようです。

後発品使用促進が言われる中、一つの先発品に対して複数の後発品が存在する現実を考えると、同一成分の後発品複数銘柄を薬局に置くということは、ある程度想定されていると思います。

しかしそれが顕著に進むとどうなるでしょうか。「薬局が苦しいから、変更可にサインで行きましょうよ」と言いたい気持ちもあるのですが、それは置いておいて別の視点から。

そもそも4月にあった処方せん様式の変更、「選択型処方せん」とも言われるように、患者さん自身が先発品か後発品かを選べるようにすることが大きな意義の一つなわけです。

そのことを考えると「後発医薬品の銘柄記入」は、患者さんの最大のメリットである医薬品選択の機会を奪うことに繋がってしまいます。別の言い方をすれば、患者さんの医療への参加を後退させる事にもなります。

言うなれば参加型の「医療2.0」から受動型の「医療1.0」へ逆戻りしてしまう可能性も含んでます。それはあまり好ましいこととは思えません。

後発医薬品使用促進も国は財政的な面から推し進めていますが「医療2.0」へのきっかけの一つと考えれば、尻込みすることなく取り組んでいくべき課題の一つと言えます。


正論でまとめてしまいましたが、やはり同一成分の後発医薬品を5つも6つも置くと言うのは、薬局にとっては厳しいと言う現実はもちろんあるんですけどね…。

2006年10月06日

NTTデータ「後発品促進サービス」の功罪

10月5日の記事「NTTデータの後発品促進サービス」。昨日はあえて踏み込んだことは書きませんでしたが、ちょっと考えてみたいと思います。

皆様からコメントもいただきありがとうございます。レスを兼ねる部分もありますので、ご容赦ください。

まずダメ出しからですが、「通知書に後発医薬品メーカーが記載されている」ということがいただけません。恐らくある程度の基準を作成し、それに則って選定された3社ということなのでしょう。

しかし個々の薬剤を評価せずに、もっと言ってしまえば個々の患者の状態を観察せずに後発医薬品の選定を行うことに対しては、疑問を抱かざるを得ません。

「それら大手3社とはつながりはないんですか?」という疑念の元ともなってしまいます。疑うことはしたくありませんが、こうした状況は後発医薬品メーカーからNTTデータに対して働きかけをするきっかけにもなり得ます。

通知書に後発医薬品メーカー、またその薬剤を記載することは一切するべきではないと考えます。


ただ個人的には、こうした「通知書」自体を否定するつもりはありません。メリットを2つほどあげます。

一つは自分の受けている医療に対しての意識が高まることです。これはコスト意識ばかりのことを言うのではなく、通知書をきっかけに医療や健康に対して考えることが出来ると思われます。

それからもう一つは、情報公開に繋がるからです。4月から後発医薬品を選べる環境にはなりましたが、患者さんにしてみればまだまだ知らないことも多いでしょうし。


NTTデータに限らず、この手のサービスはこれからまだまだひろがりを見せるでしょうから、注意して見ていきたいものです。

2006年10月05日

NTTデータの後発品促進サービス

4月から始まっているサービスのようですがここに来て注目を集めているようです。

ジェネリック医薬品に切り替えた場合の薬品名・価格(削減効果)が
一目で分かる『ジェネリック医薬品促進通知書』提供サービスを開始
(NTTデータ)

一見すると後発医薬品と全く関係のなさそうなNTTデータがどのような形で後発品促進サービスを行っているのか、簡単に図にしてみました。

061005.JPG
クリックで拡大

保険者は、患者である組合員がかかっている医療機関からレセプトの提出を受ける

そのデータをNTTデータに渡し、実際に先発品を後発品に切り替えることによってどれだけ薬剤費が抑えられるか分析

NTTデータは保険者に「一月あたりのお薬代が4885円安くなります」など金額を明示した「ジェネリック医薬品促進通知書」を送付

保険者は組合員に通知


といった流れですね。
4月からの実績で既にレセプト件数100万件を突破したとのことです。

更にその通知書には、「信頼性ある大手メーカー3社」に限定されているものの、後発医薬品メーカーが記載されているとのこと。

こうした動きに対し、医師会側からは反発の声があがっています。

談話:医師と患者との信頼関係を壊すNTTデータの後発医薬品切り替え通知事業に抗議する(神奈川県保険医協会)

しかしこうした保険者側の働きかけというのは今後も大きくなる一方でしょうね。

(関連記事)

後発品促進サービス伸長、推奨3社
NTTデータ 「信頼性のある大手のみ」、薬剤費抑制に一役
(RISFAX)

2006年09月15日

ジェネリックサーチ

後発医薬品情報提供書を作成するためのソフト「ジェネリックサーチ平成18年度2期版」が正式リリースされたとのことです。2期版は今年7月に収載された後発医薬品も含んでいます。

後発医薬品情報提供書には必要記載事項があります。

ア 一般名
イ 剤形
ウ 規格
エ 内服薬にあたっては、製剤の特性(普通製剤、腸溶性製剤、徐放性製剤等)
オ 備蓄医薬品の一覧とその品質(溶出性等)に関する情報
カ 先発医薬品との薬剤料の差に係る情報
キ 保険薬局の名称並びに保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等


「ジェネリックサーチ」はこれらを網羅して印刷できるようなソフトですね。初期設定をしておけば薬局名などの印字も一緒にしてくれます。

20060915.GIF
薬剤検索画面(クリックで拡大)

200609152.GIF
印刷プレビュー(クリックで拡大)

優れているのはお薬全量を入力すると、薬価に係る情報もそれに準じたものになるということです。負担率ごとに記載されているので、その金額も一目瞭然です。

開発元は有限責任中間法人ドラ研というところです。他にもデッドストックを解消するためのシステムなどの取り組みもしているようですね。今月の日経DI『後発品対応に効く「ネット分譲」』でも、活動の様子が紹介されていました。

こちらのソフト、ベクターの「ジェネリックサーチ平成18年度2期版」のページで購入が可能です。

2006年08月11日

[後発医薬品]数字と現場とのギャップ

診療報酬改定の勝ち組は後発品メーカー(2006/8/10 日経メディカル)

今年4月の診療報酬改定で医科は軒並みダウンの中(もちろん調剤もでしょうが)、後発医薬品メーカーは処方せん様式の変更によって大幅に売り上げを伸ばしています。

そんなことからこの記事では「勝ち組は後発メーカー」とも書かれています。記事中、後発医薬品メーカーの様子を拾ってみますと、

沢井製薬
売上高:86億4700万円(前年同期比44.9%増)

東和薬品
売上高:62億8600万円(14.8%の伸び)

日医工
売上高:140億円へと上方修正(当初124億円と予想)

と「一見」いい事ずくめに見えます。果たしてそうでしょうか。

これらの数字だけを見て現場を推測すると「ものすごい勢いで後発医薬品への変更が行われている」と考えられそうですが、実際に処方せんを受けていますとそこまでのものは感じられません。

もちろん、「変更可」の処方せんは増えましたし、実際に変更も行われています。2002年に後発医薬品を処方・調剤した際の加算(2点)が設定された時の状況と比べれば大きな動きに違いありません。

しかし飛ぶ鳥を落とす勢いのメーカーとのギャップが感じられるのはなぜでしょうか。

一番の理由は、流通在庫が増えたことだと考えられます。実際に患者さんの薬に変更がなくても、卸や薬局などが後発品処方に備えて備蓄をする。1薬局1品目だとしても、全国規模であれば膨大な数になります。

もちろん、多くの後発医薬品メーカーの経営陣はそれらのことに気がついているでしょうから、手放しで喜んでいることはないと思います。現状分析や今後の対策も考えているでしょう。

しかし大きな流れを考えると、ある一定の割合まで後発医薬品へのシフトは確実に起こっていくでしょう。それが「どこまでなのか」ということは物差しによって大きく違うでしょうが。

2006年07月15日

後発品は安いんだから…

月刊ジェネリックという雑誌をご存知でしょうか。今月の特集に「11人の薬剤師・医師が語るジェネリック銘柄選択基準」という記事がありました。

医師、薬剤師、また病院勤務、薬局勤務、それぞれの立場の方にアンケートを取り、それを元に書かれています。その中で特に印象に残った部分について、取り上げてみようと思います。

聖マリアンナ医科大学病院薬剤部長の増原慶壮氏が以前、インタビューに答えていた言葉が引用されていました。

先発品の薬価が現在も高い以上、先発品とジェネリックに情報提供の差があるのは当然。薬剤師側から情報収集のアプローチをしなければならない。(一部抜粋)」


イメージとしてはこんな例えはどうでしょう。
先発品の情報提供はフルコースのレストラン。黙っていても食事の進み具合をみてタイミングよくいろいろな料理が運ばれてくる。シェフやソムリエが都度出てきて食材やワインの解説をしてくれるし、希望の料理も作ってくれる。そのかわり、料金は高い。

後発品の情報提供はバイキング形式のレストラン。料理はそれなりに用意されているけれども、座っているだけでは運ばれてこず、自分で食べたいものをチョイスする。料理の品揃えはそこそこで、時々ないものもあったり、言わないと出してくれなかったり。料金もそれなり。

ここでいう料理ってのは、医薬品ではなくて医薬品「情報」に置き換えた方が適当かもしれませんね。まあ、深く考えると例えとして適当でない部分が出てくるので、あまり突っ込まないでください。


よく「後発品は安いんだから…」ということを言いますが、その最大のメリットである後発品の価格をどう捉えるか。

「安いんだから効くか効かないか分かりませんよ」「安いんだから変なものが入っているかもしれませんよ」というのは患者さんへの転嫁ですよね。高い後発品ならいいのか?という話になってしまいます。

また、後発品メーカーに先発メーカーと同じ対応を求めるのは酷でしょう。情報提供に関わるコストも医薬品の価格に内包されていることを考えると当然です。個人的にも先発品と同じ情報提供の方法は望んでいません。

そこで、私たち薬局の薬剤師が働く余地が出てくるというわけです。薬の情報を提供することでフィーを得ているのですから当然といえば当然です。

「後発医薬品メーカーは情報提供体制がなっていない」というのは簡単です。しかしそれでは「待ち」の姿勢は変わりません。薬剤師が自らすすんで行うことが求められます。


最後に。
昨日の記事ではありませんが、政田先生の言葉をお借りして表してみます。

「国が認めているから同じですと話すのでは、逃げている薬剤師」

であるならば、

「現行の制度下で後発品は勧められませんと話すのでは、逃げている薬剤師」

と言うことができます。
本質として大切なのは「外部依存せず、能動的に同異を見極める」といったところでしょうか。
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