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2010年03月14日

ハイリスク薬の標準的薬学管理指導法

調剤報酬改定の伝達講習会がありまして出席してきました。そこでの内容について、いくつかご紹介したいと思います。

今回の改定で、ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実がうたわれました。ご存知かもしれませんが、具体的な中身としましては「特定薬剤管理指導加算(4点)」という項目が新設されました。

薬剤師の業務として「対物」はそれなりにできているが、「対人」が今ひとつだということで、「人」に重点を置いて新設されたのがこの加算だということです。

ですので、対象となるのは「ハイリスク薬」ですが、着目点は「薬」ではなく、それを服用している「患者さん」ということになりますね。ま、当たり前といえば当たり前の話ですが…。

ハイリスク薬は「特に安全管理が必要な医薬品」として、薬効分類に基づいて挙げられています。

抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬


では実際、ハイリスク薬を対象とした薬学的管理指導の標準的な方法はどんな形なのか、そのポイントとなるべき部分を抜粋します。

1. 薬剤の効果:どういう効果があるか、いつごろ効果が期待できるか

2. 副作用:どのような副作用が起こりうるか、いつ頃から、どのように自覚されるか

3. 服薬手順:どのように、いつ、いつまで服用するか、食事との関係、最大用量、服用を継続する意義

4. 注意事項:保管方法、残薬の取り扱い、自己判断による服薬や管理の危険性

5. 再診の予定:いつ再診するか、予定より早く受診するのはどのような時か


2009/12/12 日薬が「ハイリスク薬の業務ガイドライン」策定
http://blog.kumagaip.jp/article/34154463.html

こうして見てみますと、とりたてて新しいことではありませんよね。ですので感覚的には「4点を取りに行く」というよりは、今までやってきたことを当たり前にやって、たまたまその中にハイリスク薬があったから4点が算定できる、といった感じでしょうか。

蛇足かもしれませんが、この「特定薬剤管理指導加算」、もちろんやるべき事をきちんとやれば算定はできるのですが、ベタ取りするような性質のものではない、とのニュアンスで話がありました。


ハイリスク治療薬2010 High-Risk Drug Information
阿南 節子
4840739595

2010年03月09日

新薬創出・適応外薬解消等促進加算 対象品目一覧

今回の診療報酬改定で試行的に導入された新薬創出・適応外薬解消等促進加算について、先日話題にしました。

2010/03/06 新薬創出・適応外薬解消等促進加算とは
http://blog.kumagaip.jp/article/36084553.html

加算要件を満たしたのは、

内服薬 148成分277品目

注射薬 138成分257品目

外用薬 51成分90品目


の、合計337成分624品目とされています。

その品目一覧について、各方面から頂きました資料を元に作成してみました。以下のリンクからご覧いただけます。

新薬創出・適応外薬解消等促進加算 対象品目一覧
http://kumagaip.jp/22kaitei/2010shinyaku.html

メーカーごとに、製品名、旧薬価、新薬価、改定率を記載してあります。併売品等があるため、重複して掲載されている製品がありますので、あらかじご了承ください。

細心の注意を払って作成しましたが、誤り等ございましたらコメント、メールにてお知らせください。


新薬創出加算と医薬品業界 仕組みと影響の解明
新薬創出加算と医薬品業界 仕組みと影響の解明

2010年03月07日

診療報酬改定説明会の動画がYou Tubeに

You Tubeに厚生労働省の公式チャンネルがあるのはご存じの方もいらっしゃるかと思います。

You Tube:厚生労働省チャンネル
http://www.youtube.com/user/MHLWchannel

そこに、診療報酬改定説明会の動画がアップされていました。埋込みはできませんので、一覧へのリンクを貼っておきます。

You Tube:平成22年度診療報酬改定説明会(2010/03/05)
http://www.youtube.com/view_play_list?p=046430350D0DAACF

その中で、調剤や薬価に関係する動画はこちらです。

You Tube:平成22年度診療報酬改定説明会 D調剤・薬価
http://www.youtube.com/watch?v=Mv5tnLplmXA

映像を生かした!というよりは、どちらかと言えば音声メインの映像でしょうかね。資料も、お世辞にも見やすいとは言えませんので、こちらのリンクから資料を入手し、動画を流しながら見るのがよいでしょうか。

厚生労働省:平成22年度診療報酬改定説明会(平成22年3月5日開催)資料等について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/setumei.html

しかしスゴイ時代になりましたね〜。厚労省が説明会の様子を動画でアップしちゃうんですから。資料をwebで公開するのは、既に当たり前とすら感じます。

現行は、この説明会を受けて各都道府県で、更に各支部で伝達講習が行われているのでしょうが、近い将来、そういったこれまでの伝達方法にも変化が見られるかもしれませんね。

2010年03月06日

新薬創出・適応外薬解消等促進加算とは

3月5日の金曜日に平成22年度診療報酬改定の、諸々の事項について告示がありました。

厚生労働省:平成22年度診療報酬改定について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/index.html

この中で、気になる薬価も告示されたわけですが、今回の薬価改定でポイントとなる、いわゆる「新薬創出加算」というものについて、おさらいしてみたいと思います。

「新薬創出加算」というのは正しく(?)は「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」という名称で、「薬価維持特例」と言われていたものが変更され、今回平成22年度の改定で試行的に導入されたものです。

簡単に言ってしまえば、特許が切れていない新薬の薬価を特許期間中は据え置いて、特許が切れ、後発医薬品が発売された時点で一気に下げる、というものですね。

詳細な条件は、以下のようなものが挙げられています。

・薬価収載後15年以内で、後発医薬品が収載されていない

・市場実勢価格と薬価の乖離が、薬価収載されている全医薬品の平均を超えない

・再算定品目でない


薬事日報のニュースによりますと、この新薬創出・適応外薬解消等促進加算は、

後発品のない先発品の約33%を占める337成分が満たした


ということです。

【厚労省】改定薬価を告示‐624品目に新薬創出加算(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry18363.html

新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象となった成分にドネペジル塩酸塩(アリセプト)がありますが、その薬価がどのように推移したのかを一覧にしてみました。

2010アリセプト薬価推移
アリセプト薬価推移(クリックで拡大します)

ご覧いただいて分かりますように、改定率が非常に小幅に推移しています。

この新薬創出・適応外薬解消等促進加算というのは、薬価が下がらずに得られた収益を、製薬メーカーが次の新薬開発、あるいは適応外の解消につなげるという目的があります。

従って4月以降、この加算対象となった品目は薬価と実勢価格の差がかなり絞られ、「薬価差がほとんど出ないのではないか?」と言われています。


(関連記事)

2010/03/09 新薬創出・適応外薬解消等促進加算 対象品目一覧
http://blog.kumagaip.jp/article/36157905.html


新薬創出加算と医薬品業界 仕組みと影響の解明
新薬創出加算と医薬品業界 仕組みと影響の解明

2010年02月21日

ロースカツ定食を例に考える「明細書発行義務化」

先の診療報酬改定の答申において、「患者の視点等/医療の透明化に対する評価」に関する部分で、明細書の発行について書かれていました。

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会 (第169回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/s0212-4.html

それによりますと、

正当な理由のない限り、原則として明細書を無料で発行することとする


と書かれています。言い換えれば、詳細な明細書の発行が義務化される、というわけです。

その対象は、多くの報道では「レセプトを電子請求している医療機関」と書かれており、一見すると「薬局は関係ない?」と思いがちですが、注意深く中医協の資料を見てみます。

厚生労働省:平成22年度診療報酬改定における主要改定項目について(案)(pdfファイル)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/dl/s0212-4a.pdf

この資料の109ページですね。画像として抜き出してみます(クリックで拡大します)。

1002中医協資料

赤線は私が引っ張ったのですが「医療機関」ではなく「医療機関等」と書かれています。役所の作る文書というのは大変よくできていて、特に「等」の記載は、時に都合よく解釈されます。

中医協の文書も例外でなく「医療機関」と「医療機関等」はきちんと区別して書かれています。ということで、今後、医療機関等の「」に薬局が含まれるという解釈が出てくる可能性も十分にある、と言えます。


ところで現在、多くの薬局では「調剤基本料」「調剤料」「薬剤料」といった項目が入った領収書を発行しているはずですが、もし明細書を発行するとなった場合、それでは足りないのでしょうか。

明細書というのはどこまでのものを指すのでしょう。

これも中医協の資料からの抜粋ですが「詳細な個別の点数項目までわかる明細書」と書かれています。ということは、恐らく「レセプト並」の詳細さが求められるのではないかと思われます。

明細がわかるのは、情報が開示されるわけですから、基本的にはよいことです。よいことなのですが、今回の件、他の例に置き換えて考えてみます。

私は学生時代に、トンカツ屋でアルバイトをしていたことがありますので、それを引き合いに出しましょう。現状、レシートはこんな感じで出てくるのではないかと思います。

ロースカツ定食 980円

アイスコーヒー 300円

消費税(5%) 64円

合計 1344円


それを「明細書」として発行するとどうなるか。

ロースかつ定食 980円
(豚ロース200g200円、パン粉8円、他調味料43円、キャベツ10円、カラシ2円、ごま15円、ご飯30円、味噌汁20円、お新香15円、割り箸5円、爪楊枝2円、光熱費100円、人件費430円、他施設費100円)

アイスコーヒー 300円
(コーヒー豆20円、ミネラルウォーター20円、ストロー2円、光熱費90円、人件費130円、他施設費38円)

消費税(5%) 64円

合計 1344円


※ あくまで一例ですので、金額の妥当性についてはご容赦ください。

果たして毎回ここまでの明細書が必要なのでしょうか。個人的には「求めがあったら発行」で十分なのではないかと思うのですが…。

それからもう一つ。保険者でなく医療機関等から患者さんに対して発行することの是非。こちらのほうがより根源的な問題かもしれませんね。

2010年02月14日

2010調剤報酬改定 その2

4月の診療・調剤報酬改定の答申がなされ、その内容をまとめてみました。先にアップした記事はこちらです。

2010/02/14 2010調剤報酬改定 その1
http://blog.kumagaip.jp/article/35309271.html


後発医薬品の使用促進について

まず、資料を読む際に注意しなければならないのは、「後発医薬品」の定義する部分です。

先発医薬品よりも薬価が高い後発医薬品を除外した後の「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品」


という趣旨で記載している場合は、文字の背景がグレーになっています。非常にややこしいですね。

最も気になっていた?部分、後発医薬品調剤体制加算の見直しです。数量ベースとなり、点数的には30%超17点25%超30%未満13点20%超25%未満6点といった配分になりました。

1002GE調剤体制加算

逆に言うと、数量20%以下の薬局(どのくらいの割合なのかは分かりませんが)は、これまで算定できていた4点が算定できない、ということになります。

数量ベース計算の際に除外する薬剤(ラコール、エンシュア・リキッド等)があるということ、それから1割の変動を認める経過措置がなされたことにも注意する必要がありそうですね。

更に「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品」のリストから除外する予定の8成分9銘柄16品目が、具体的に記載されています。


@バルプロ酸ナトリウム(抗てんかん剤)
ハイセレニン細粒 40%[シェリング・プラウ]
(先発医薬品;デパケン細粒 40%[協和発酵キリン])

A塩酸アンブロキソール(去たん剤)
ムコサールドライシロップ 1.5%[日本ベーリンガーインゲルハイム]
(先発医薬品;小児用ムコソルバンDS 1.5%[帝人ファーマ])

Bテオフィリン(気管支拡張剤)
テオロング錠 50mg、同錠 100mg、同錠 200mg[エーザイ]
(先発医薬品;テオドール錠 50mg、同錠 100mg、同錠 200mg[田辺三菱製薬])

Cアモキシシリン(ペニシリン系抗生物質)
アモリンカプセル 125、同カプセル 250、同細粒 10%[武田薬品工業]
(先発医薬品;サワシリンカプセル 250、同錠 250、同細粒 10%[アステラス製薬])
(先発医薬品;パセトシンカプセル 125、同カプセル 250、同錠 250、同細粒 10%[協和発酵キリン])

Dセファレキシン(セフェム系抗生物質)
センセファリンカプセル 250[武田薬品工業]
(先発医薬品;ケフレックスカプセル 250mg[塩野義製薬])

E過テクネチウム酸ナトリウム(放射性医薬品(診断薬))
メジテック[日本メジフィジックス]
(先発医薬品;ウルトラテクネカウ[富士フイルムRIファーマ])

Fマルトース(糖輸液)
マドロス輸液 10%( 500mL製剤)[扶桑薬品工業]
(先発医薬品;マルトス輸液 10%)[大塚製薬工場])

Gマルトース加乳酸リンゲル(糖・電解質輸液)
マレントール注射液( 250mL製剤(瓶・袋)、500mL製剤(瓶・袋))[日本製薬]
ソルラクトTMR輸液( 250mL製剤)[テルモ]
(先発医薬品;ポタコールR輸液、ポタコールR[大塚製薬工場])


最終的な除外品目については、薬価改定の告示にあわせて改めて公表されるようですのでご注意ください。

また、含量違い又は類似した別剤形の後発医薬品への変更調剤についても規定されています。以前も取り上げましたが、

@ 変更調剤後の薬剤料が変更前と同額又はそれ以下であり、かつ、

A 患者に説明し同意を得ること


という前提条件があります。その場合に、例えば、処方せんに記載された先発医薬品の10mg錠1錠に代えて後発医薬品の5mg錠2錠を調剤する、あるいは以下にグルーピングされた中において、剤形変更が認められるというものです。

ア 錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤

イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤)

ウ 液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤(内服用液剤)


また、処方を書く医師側の留意点なのですが、含量規格の変更、また剤形の変更に差し支えがある場合は、当該先発医薬品等の銘柄名の近傍に「含量規格変更不可」や「剤形変更不可」の記載をするとされています。

「後発医薬品への変更不可」欄に署名等を行うのではない、ということですね。

また薬局側は、含量規格、または剤形を変更して調剤した場合は、処方医へのフィードバックが必要です。


(関連リンク)

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会 (第169回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/s0212-4.html


※ もし間違い等を発見した場合は、メールまたはコメントにてお知らせください。

2010調剤報酬改定 その1

12日、先週の金曜日ですが、4月に行われる診療・調剤報酬改定の答申がなされました。既にあちこちでアップされていますが、避けて通れない話題ですので、少々出遅れた感じはしますが取り上げたいと思います。

調剤料について

大きな変更点は、一包化薬が一包化加算になるということでしょうか。具体的な点数については以下の表をご覧下さい(クリックで拡大します)。

1002調剤料

調剤料がどのように変わるのか、代表的な例を挙げてシミュレーションしてみました。ケースによって増減は様々ですが、一包化した場合に上限が設けられたことで、負担金に大きな変動が出そうです。

(2010.2.15追記)
ご指摘を受け、訂正いたしました。

1002調剤料シミュレーション

湯薬の調剤料はこちら。

1002湯薬調剤料

ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実

点数的に見ますと「4点」ということで、それほど大きくないと感じていらっしゃる方もいるかと思います。算定要件としては、

特に安全管理が必要な医薬品を調剤した場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、所定点数に4点を加算する。


と書かれています。薬歴管理料にプラスして算定する形になりますね。挙げられているハイリスク薬はこちらです。

抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬


調剤基本料の特例の見直し

18点が24点になるということで、いわゆる「大型門前」にとっては大きなアップになると思われます。

1002調剤基本料

以下の処方せんは受付回数に含めないとされています。

時間外加算、休日加算、深夜加算、夜間・休日等加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料並びに介護保険における居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費の算定に係る処方せん


後期高齢者薬剤服用歴管理指導料の見直し

年齢による区分をなくして、「薬歴管理料+手帳」という形に統一するということですね。

1002後期高齢者薬歴管理料

患者さんから『今まで「手帳、手帳!」ってうるさく言れていたのに、もういいの?』という声も聞こえてきそうですね。その辺りも、懇切丁寧に説明する必要がありそうです。


(関連リンク)

厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会 (第169回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/s0212-4.html


(関連記事)

2010/02/14 2010調剤報酬改定 その2
http://blog.kumagaip.jp/article/35309975.html


※ もし間違い等を発見した場合は、メールまたはコメントにてお知らせください。

2010年02月07日

2010調剤報酬改定 主な5項目

4月控える診療報酬改定ですが、個別改定項目についての議論に移ってきています。こちらは第165回中医協総会の資料です。

厚生労働省:「四つの視点」関連項目(調剤報酬及び後発医薬品の使用促進)(pdfファイル)

調剤報酬については、主に以下の5点が挙げられています。

調剤料の見直し

ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実

調剤基本料の特例の見直し

後期高齢者薬剤服用歴管理指導料の見直し

後発医薬品の使用促進について


それぞれ要点を拾ってみたいと思います。


○ 調剤料の見直し

この見直しは「長期投薬時における一包化薬調剤料と内服薬調剤料の差を縮める」ために行われていると書かれています。具体的方策としては、

一包化薬調剤料を内服薬調剤料の加算として位置付け、長期投薬時の評価を適正化

長期投薬の増加を踏まえ、現行22日分以上の調剤料が一律となっている内服薬調剤料の適切な評価


といったことが挙げられています。表現から見てみますと、「長期投薬時の評価を適正化」はマイナスに、「内服薬調剤料の適切な評価」は(多少?)プラスになることが予想されますね。

まとめるとこんな感じです(画像をクリックすると拡大します)。青字部分が変更になるだろう部分です。

2202調剤料の見直し

湯薬の調剤料は7日目から28日目までと、28日目以降に変更がありそうです。

2202湯薬調剤料


○ ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実

これは新設項目です。特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)というものを定め、当該医薬品を処方された患者に対して副作用や注意事項について指導を行った場合の評価行うというものです。

特に安全管理が必要な医薬品として挙げられているものを列挙します。

抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬


もちろん上記の医薬品が処方され、調剤した場合に自動算定されるなんてことはなく、

その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行った場合


とされています。

2202ハイリスク薬


○ 調剤基本料の特例の見直し

これは現在、基本調剤料として18点を算定している薬局に関する話ですね。調剤基本料を判断する際に受付回数が問題となるのですが、その受付回数に

時間外加算、休日加算、深夜加算、夜間・休日等加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料等


に関する処方せんの受付を除くというものです。更に「評価の引き上げを行う」と書かれていることから、アップは確実でしょう。


○ 後期高齢者薬剤服用歴管理指導料の見直し

薬歴管理料の部分、これまでいわゆる「後期高齢者」のそれは、手帳を含めた算定でした。ですので算定の際に「手帳必須」だったのですが、それが「薬歴 + 手帳」の別算定になるということです。

高齢者、若人で分かれていた薬歴管理料が一本化されたと考えれば理解しやすいですかね。

後期高齢者制度が導入された当初、「高齢者は併用薬、他科受診が多いため、手帳が欠かせない」という理由で手帳を含めた薬歴管理料になったと思うのですが、この変更はどう捉えたらよいのでしょうか。


○ 後発医薬品の使用促進について

いわゆる「数量ベース」に変更になることが書かれています。当ブログでも何度か話題にしました。

2009/12/28 「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子」まとめ
http://blog.kumagaip.jp/article/34421232.html

2010/01/29 [薬局新聞]週刊トラックバックNEWS120
http://blog.kumagaip.jp/article/34992592.html

2010/02/04 後発医薬品調剤体制加算に絡むシナリオ
http://blog.kumagaip.jp/article/35112494.html

2202後発医薬品の使用促進

新しい話題としては、「先発医薬品より薬価の高い後発医薬品」についての扱いでしょうか。それらについては、

診療報酬上の後発医薬品リストから除外する


と書かれています。

それから「含量違い」「類似した別剤形」の後発医薬品への変更調剤についてですが、細かに規定されています。

特に「剤形変更」についてですが、その前に「類似した」という文言が入っていますように、予めグループが設定され、そのグループ内での剤形変更を認める、という形になるようです。

例えば内服薬の場合ですと、以下のようにア〜ウの3つのグループが設定されています。

ア 錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤

イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤)

ウ 液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤(内服用液剤)


このグループ内のみの変更ですので、錠剤(普通錠)を後発品のOD錠に変更は可能ですが、後発品の散剤に変更することはNG、ということになります。


以上、大雑把に拾ってみました。細かい内容については冒頭に挙げましたリンク先をご覧下さい。また今日までに新しい内容も出てきていますし、これから先の変更も予想されます。新しい情報が出てきましたらまた話題にしたいと思います。

2010年02月04日

後発医薬品調剤体制加算に絡むシナリオ

4月の調剤報酬改定に向けて、いろんな情報が出てきていますが、中でも後発医薬品調剤体制加算は注目を集めていますね。

「何がホントで何かウソか」なんてのはふたを開けてみないと分かりませんが、ささやかれている推測を「シナリオ」として簡単にまとめてみたいと思います。

○ 30%以上19点という情報はリーク?

はっきりとした出所はよく分からないのですが、多くのサイトで「30%以上19点、25%以上12点、20%以上5点」といった具体的な数字が挙げられています。

このリアル過ぎる数字といい、タイミングといい、もしかして意図的に情報を漏らし、薬局の反応を見ているのでは?という気がしないでもありません。

○ 薬局が動き始める

19点が算定できるかできないか、というのは非常に大きいため、ここにきて多くの薬局では、数量ベース30%をクリアしようという取り組みがなされているとも聞きます。

というのも「過去3ヶ月間」の実績が算定根拠になるため、4月から算定しようとすると「ちょっと遅いかもしれないけど、今から始めれば間に合うかも?」という、淡い期待があるからです。

○ 見えないアメ

しかしこの「19点」、まだ確定したわけでもなんでもありません。「アメとムチ」のアメであることは間違いないのですが、どんなアメかというのは、まだヴェールに包まれていて見えません。

しかしその「見えないアメ」に向かって走り出しているというのも事実であり、期間限定ではありますが、実はそれこそが最大の「後発医薬品使用促進策」になる可能性もあります。

○ 19点じゃなかったら…

走り出したら止まらない、わけではないでしょうが、多くの薬局が数量ベース30%に向けて舵を切った時点で、「実は19点じゃなかった」なんて話が出てこないとも限りません。

仮にそうなった時に後発品を使い続ける薬局が多ければ、厚労省の読み通り?いや、厚労省がどこまで読んでいるのかも、もちろん分からないんですけどね…。

2010年01月18日

[厚労省]平成22年度診療報酬改定に関する意見募集

4月の診療・調剤報酬改定に向けて、「医療の現場や患者等国民の皆様の御意見を踏まえながら、幅広く議論を進める」という観点から、意見募集が行われています。

厚生労働省:「平成22年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」に関するご意見の募集について
http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p100115-1.html

「平成22年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」(pdfファイル)から、調剤報酬に関わる部分について、抜粋してご紹介します。

(1) 長期投薬時における一包化薬調剤料と内服薬調剤料の差を縮めるため、一包化薬調剤料を見直し、内服薬調剤料の加算として位置付けた上で長期投薬時の評価を適正化するなど、患者に分かりやすい点数体系とする。
また、併せて、長期投薬の増加を踏まえ、現行22日分以上の調剤料が一律となっている内服薬調剤料について適切な評価を行う。


まずは、調剤料が見直されることになりそうです。

大きな変更としては、「一包化薬」が「一包化加算」になるという点です。「一包化薬調剤料と内服薬調剤料の差」が問題とされています。

「長期投薬時の評価を適正化」と書かれていますが、「適正化」と言ったら「下げる」と同義ですので、例えば一包化加算に上限が設けられる、といった形になるのかもしれません。

22日を超える内服調剤料についても見直しが行われるようですね。


(2) 湯薬の調剤料について、投薬日数の伸びとそれに伴う調剤に要する手間にかんがみ、適切な評価を行う。


確かにかなりの手間を要しますので、そういう部分にこそきちんとした評価をしていただきたいものです。

(3) 特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)が処方された患者に対して、調剤時に関連副作用の自覚症状の有無を確認するとともに、服薬中の注意事項等について詳細に説明した場合の評価を新設する。


感覚的には以前の「特指」のようなものでしょうか。どんな薬剤について算定が可能なのか、月に何回か、といったこともまた話題になりそうですね。

(4) 処方せん受付回数が4,000回超/月等の場合に適用される調剤基本料の特例について、夜間・休日等の対応や訪問薬剤管理指導を行い、地域医療を支える薬局であっても、近隣に比較的規模の大きい病院が1つしかないために、結果として適用となる場合があることから、時間外加算等や在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定に係る処方せんについて受付回数から除いた上で特例の適用の要否を判断することや評価の引上げを行うことなど、所要の見直しを行う。


日本語としては極めてわかりにくい文章ですが…(苦笑

要は、現行18点を算定している薬局でも、もしかしたら40点を算定できるようになるかも?ということですかね。


更に「効率化余地があると思われる領域を適正化する視点」という部分で、後発医薬品の使用促進について触れられています。これについては以前、当ブログで話題にしましたので、こちらの記事をご覧下さい。

2009/12/28 「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子」まとめ
http://blog.kumagaip.jp/article/34421232.html


(関連リンク)

【長妻厚労相】診療報酬改定を中医協に諮問‐22日に福島市で公聴会(薬事日報)
http://www.yakuji.co.jp/entry17793.html

アポネットR:診療報酬改定を諮問、パブコメも実施
http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/100113.html

2008年03月25日

一包化薬の見直し

一包化薬の算定要件が、以下のように見直されます。

一包化薬 89点

2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化薬として調剤した場合は、投与日数が7又はその端数を増すごとに所定点数を加算する


これまで服用時点が全て同一の場合は一包化薬の算定はできませんでした。そこが変わることが最も注目を集めていますが、「一包化薬の算定要件を満たした上で」というベースに変わりはありません。

算定要件が緩和される形にはなりますが、そこは注意が必要な部分です。

また、これまで算定要件を満たさないために認められなかった以下のことが認められるようになるとのこと。

・服用のしやすさで散・錠別包とした場合でも算定が可能

・臨時薬等がある場合、別々の一包化でも算定が可能


一方で、

3剤、2週間分の処方を内服調剤料として計算した場合189点(63点×3)ですが、それを一包化薬とした場合では178点(89点×2)となり、手間をかけて一包化薬とした場合に調剤料が下がってしまう


といった矛盾?も指摘されています。
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