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2009年08月30日
[広島県医師会]ジェネリック医薬品に関するお知らせ
広島県医師会が「ジェネリック医薬品(後発医薬品)に関する広島県医師会からのお知らせです」というポスターとチラシを作成したことが話題になっています。
広島県医師会:「ジェネリック医薬品(後発医薬品)に関する広島県医師会からのお知らせです」
http://www.hiroshima.med.or.jp/news/2009/news20090805.htm
冒頭の画像がポスター、それからこちらの画像がチラシです。カラーか白黒か、またデザイン的な違いはありますが、内容的には同じものですね。

目立つ部分を抜き出してみました。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)は先発医薬品と全く同じ製剤ではないのです
ジェネリック医薬品には安全性と有効性が異なる可能性もあるのです
ジェネリック医薬品に適していない医薬品があり、これが安易に使われている可能性があるのです
ジェネリック医薬品を選ぶかどうかの最終決定は、薬局での患者の皆様の判断にゆだねられる場合が格段に増えることになったのです
全般的にジェネリック医薬品に対してネガティブな印象を与える論調がうかがえます。最終的には、
かかりつけ医や薬剤師とご相談の上、ジェネリック医薬品への変更か否かをお決めになりますようにお願い申しあげる次第です
と結ばれています。
これに対して日本ジェネリック医薬品学会は、広島県医師会宛てに見解を送付しています。
日本ジェネリック医薬品学会:「ジェネリック医薬品に関する広島県医師会からのお知らせ」に対する日本ジェネリック医薬品学会の見解について(pdfファイル)
http://www.ge-academy.org/img/semi10/semi2010info.pdf
見解文の中では、
添加物について
ジェネリックの承認・試験方法について
医薬品副作用被害救済制度について
の3点に分けて、広島県医師会の見解に反論しています。更に
現在の医薬品の有効性、安全性を保証している体制に対する誤解、または認識を欠かれたまま、科学的行動を主唱されること
に対して遺憾の意を表するとともに、
驚きと同時に憤怒さえ覚える
と結ばれています。こうして読んでみますとかなり強い調子で書かれているのが分かりますね。
広島県医師会がこのような「お知らせ」を出したことについて考えてみたいと思います。理由の全てではないかもしれませんが、一つに呉市の存在があるのではないでしょうか。
呉市は地方自治体としては全国に先駆けて「ジェネリック医薬品促進通知サービス」を実施しています。即ち、呉市の国保加入者に対して「ジェネリックに変えませんか?」という通知を出しています。
呉市:ジェネリック医薬品促進通知サービス
http://www.city.kure.hiroshima.jp/kureinfo/shisei080916_0200.html
こんな通知が出されているようです。

ジェネリック医薬品使用促進のお知らせ
これは推測の範囲を出ないのですが、上記通知が医師の「頭の上」を通る形で患者の手元に渡り、薬局で後発医薬品への変更が行われ、蚊帳の外となった医師がお冠となり、医師会から「お知らせ」が出されたのではないでしょうか。
ネガティブキャンペーンを行ってしまう医師会については、首を傾げたくなる部分もありますが、どこかで「またか(苦笑)」という思いもあるかもしれません。
最も心配なのが、医師と患者の信頼関係が壊れてしまうことです。それによって患者が不利益を被るようなことは、絶対にあってはならないことです。
呉市はモデルケースとして全国からの視察も多いと聞きますが、ジェネリック医薬品促進通知サービスを行うに当たって医師会や薬剤師会との折衝がどのように行われたのか、大変興味があるところです。
(関連リンク)
アポネットR研究会:後発品は有効性や安全性が異なる可能性がある(広島県医師会)
http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/090822.html
(関連記事)
2008/06/05 [呉市]後発品使用、まず市職員から
http://blog.kumagaip.jp/article/15724828.html
00:40
| Comment(23)
| 後発医薬品・銘柄変更可調剤
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大胆行動だなぁ、という感想です
呉市の件も関わっているのかもしれませんが要は医師が個人レベルで判断して処方箋にサインをすればいいだけのことと思います
同じ県内でも推進派と反対派がいると思いますが団体レベルでやっちゃうのはどうかと思いますね。
今後の周囲の反応に注目です。
中国新聞に掲載された記事をみると,「市と医師会、薬剤師会などで準備組織を設置済みで、医師や薬剤師らへのアンケートや、より安心安全な後発薬の調査もした。」と記されていて,開始にあたってはかなり話し合いが行われれていたことがうかがわせます。
あなた向け安価な薬、市が紹介 呉がジェネリック情報通知へ
(中国新聞2008年2月14日)
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200802140269.html
しかし,いざ始めたら「呉市医師会の調査では、「効きが良くない」などの理由で先発薬に戻した例もあったという」(中国新聞社説)など,後発品への品質に対しての不安や懸念が出て,それが県全体に広がったことが今回のポスター作成に至ったのではないかと考えます。
呉市の後発薬通知 患者主体の運用目指せ
(中国新聞社説2008年8月18日)
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200808180078.html
いずれにしても,厚労省ポスターの「効き目と安全性は,先発医薬品と同等です」という説明とは異なるわけですから,広島県の開局薬剤師は対応に苦慮しているのではないかと想像します。
問題があったと思われる後発医薬品名を公表し,個別に検証するなどの対応をスピーディーに行うなどしないと,不安や不信感が除去されないかもしれませんね。
通知に関しては、薬局でじっくり話をして、本人が「変更しない」と意思を固めても通知が続いたり、一品目変更した後も通知が続いたりという状況があり、それが患者さんにとってはかなりプレッシャーみたいです。
「通知が来るのがつらいから変更することにする・・・」と言われることもあります。
まだまだ、システムに改善の必要性があるとは思います。患者さんが何らかの形で市に対して意思表示できればいいのですが・・・。通知に対する返信ができればいいですね。
実際、この通知があるので呉のGE使用率が高いかと言えば、今のところそうでもないと思うのが実際です。
様々なお立場からご意見、情報提供いただきありがとうございます。
私の推測は当てにならないとして…(苦笑
しかし広島県医師会の目的は一体何なのでしょうか。明確なビジョンを持っての行動だったのでしょうか。
匿名希望様の書き込みを拝見する限り、医師会の「お知らせ」の影響はなさそうですが、システムに改善の余地もありそうですね。
書き込みありがとうございます。
>一品目変更した後も通知が続いたりという状況があり、
>それが患者さんにとってはかなりプレッシャーみたいです。
>「通知が来るのがつらいから変更することにする・・・」
>と言われることもあります。
繰り返し送付されるんですか? これだって国保の予算から出ているんでしょう
「あなたが高い薬を使っているので,医療費を圧迫している」と思わせているみたいで,何度も受け取る方はあまりいい気持ちではありませんね。
ジェネリックについて十分理解できない人や,ジェネリックは使いたくありませんという人はいるわけで,そういう人たちまで無理矢理変更させるために機械的に送付を続けるのはどうかと思います。
本当に薬剤費を抑制したいと考えるならば,適応外の使用を一切認めない,必要以上の処方(湿布をたくさんだとか風邪になったときの予備になど)がされていないかなど,処方そのものへのチェックも必要だと思うのですが。(医師に処方の侵害といわれそうですが)
「同じ」の意味も受け取り方によって結構開きがあると思います。
薬なんですから、国が同じと言うなら、100%(かぎりなく)であって私は初めて同じと使って欲しいと思います。ですから、広島のポスターにはうなずけます。
しかし、現状は一部試験で70%以上(違ってたらすみません)で同じって言ってません?
それが許せるか許せないかの違いではないでしょうか?
日本国民は健康保険法施行規則などに縛られる前に日本国憲法によって自由を保障されていたはずです。
国が直接でないとしても、国から保険者への異常とまでいえる圧力はおかしいと思います。
「先発が欲しい」との患者の意志もあるのですから。
療養担当規則で官僚統制を医療機関にしてるからと言って、国民を操れると思うのはおかしい。
医療費の抑制の観点で確かにジェネリックは有効でしょうけど、ジェネリックでなければできない話ではありません。
アポネット様があげておられるように、色んな対策を立てるべきです。
今在宅の勉強をしてますが、残薬の本当に多いこと!
それに適応外は医療保険で支払うべきではありません。
医師の裁量権で処方するなら自由診療で、それが混合診療になるなら、別に研究費として、文部科学省へ請求して下さい。
適応外を言い出すのは、開業医でなく、ほとんどが、旧国公立病院なんですから。
不安定供給!
先発で、突如大量に製造止めました。ってのもあまりありませんね。
自分が薬局で推奨された薬が、メーカーの都合で製造中止になって、結局また先発になったり・・・患者さんの立場になれば、ジェネリックへの不信感高まりますね。
そんなことがあれば、もう二度と変えたくないって思うんじゃないですか?
先日のサワイの態度見てると、今後これは増えそうだし。
国も推奨するならきちんと体制を作ってからにして欲しい。
4日以内の供給、うちはまだ1週間かかりますし。
薬剤師の大半が疑ってることが誤解で認識を欠くことなのか・・・
ぶっちゃけ医師会じゃなくて薬剤師会が出してもいい声明だと思いますね
医師がゾロ薬に対しこれだけ憤りを感じていて何も言わない薬剤師相変わらず空気だな、って私が一般人なら思うけどw
コメントありがとうございます。
なるほど、様々な角度から見ることでいろいろと考えさせられますね。
そもそも後発医薬品を先発品と「同じ」と言ってしまうから問題なのであり、「治療学的に同等かどうか」という観点から考えなければならないでしょう。
「限られた財源を有効に使う」というのであれば、もっと大きな視点から考える必要があるのは皆様もご指摘のとおりです。
支払いする市町村からみれば、安いほうがいいし、自己負担0割の人がブランド品、自己負担がある人がジェネリックを選択しているという逆転現象が出ています。高額な保険料を支払っている人が安い薬、全く払っていない人が高額な薬を使用している実態はおかしいです。
コメントありがとうございます。
確かに、窓口負担がない人はコストを意識しませんから、その辺りは考えなければならない部分ですね。
でも確かこれって、公費をジェネリックにって言ったら弱者をいじめるとかって反発があって撤回したんじゃなかったでしたっけ?
財務省主導で、常に「金」で医療現場が語られるのは遺憾です。
年金も医療も「支えあい」「厚生」のためにあるべきで。
以前指導受けたとき、施設の患者さんで、それこそプルゼニドぐらいしか出てないって人が何人かいたら、処方率が多いものを言われるので案の定、耐性が出来るとか何とか、まあくだらないことを主張するので・・・・・
でもその時も思ったんですが、高い高い保険料払って、施設入ると年金でほとんど毎月のお金取られてしまうのですから、安い薬ぐらい医療保険で出すのが何故悪いんだろう・・・・って。その時は負担なし、でしたから。1ヶ月分1回払えばOK。
しかし、財源がないのも(一応)わかってはいます。
でも、上記のように、昔の年寄りって1ヶ月に1000円払えば、医療費の負担ゼロで・・・
高齢者が増える将来、こんなことしてたら破綻するのは、賢いお役人は何故わからなかったんでしょうね?
と、話があっち行ったりこっち行ったりですみません。
でも、財源の破綻の戦犯は霞ヶ関と思います。
また、ジェネリック推進で、将来薬害だったと言われる例が1例もないことを願います。
全てに公平なのは永遠に難しい話とは思います。
今常に厚労省中心で動いてますが、医療費削減=ジェネリックで本当にいいのか、もっと医師とともに考えるべきと思います。
モデルになった米国は、自由競争を唱えつつ、実態は民間医療保険の採用の可否により使える薬が制限されます。 特許が切れてジェネリックが出れば先発の価格は大幅の下落します。
霞ヶ関を戦犯とするならば、行為に追い込んだ国会は、そしてそれを選任した国民はという、話も思い出して欲しいと考えるのはいけないでしょうか?
あるジェネリックを廃棄するときに水で溶かしてみたが溶けない!!じゃあ、お湯だ
!!アルコールだ!!といろいろ試した経験あり。
先発と違うんだなとおもいましたよ。
実際、試してみないとわからないですよね。
ちなみにベイスンODのジェネ、MEEK製はトーワ製より柔らかいと患者が言っていました。
メーカーもせめて溶解試験くらい動画でアップしてほしいよね。
薬剤師会が中心となっていろいろチェックしてみたほうがいいと思います。
コメントありがとうございます。
ジェネリック推進を医療費抑制の本命とすることには確かに違和感を感じる部分がありますね。しかしジェネリック医薬品全てを否定することとは分けて考えねばならないと思います。
制度的な問題なのか、歴史的な問題なのか、それとも個々のメーカーや銘柄が抱える問題なのか。もちろんリンクする部分も少なくはないでしょうが。
http://atkarada.jp/generic
携帯にお願いシートが送信できる!
http://atkarada.jp/medical_examination/user
表面(医師・薬剤師の皆様へ)
ジェネリック薬品お願いカード
私はジェネリック薬品を希望します(超太字)
国保のイメージキャラクター? の笑顔の画像
F市国民健康保険
裏面 被保険者の皆様へ
(ジェネリック医薬品に関するお問合せ先)
広島県薬剤師会(お薬相談電話)その番号
F市薬剤師会 電話番号
F市国保年金課
カード部分のみ切り取って保管してあります。
台紙には、これを受診時に提出するよう促す内容の文面が書かれていたそうです。私も自分の場合はつい「ゾロでお願いします」などと言ってしまうことがありますが、家族がこのカードを出すのを想像すると、さすがに考え込んでしまいました。。余談ですがF市は岡山県に隣接しており広島県医師会に加入されていない先生も多くおられるようです。
先日来局された患者さんが、このカードを出されました。
ジェネリック変更不可の処方箋だったのですが、念のため、1品目はすでにジェネリックで、1品目はジェネリック無し、のこり1品目はジェネリックが存在するがこの処方箋では変更できないことをお伝えし、納得していただきました。どうしても希望される場合は、病院で伝えてくださいと付け加えました。
このカードがあると、確かに患者さんは希望を伝えやすいでしょうね。
コメントありがとうございます。
カード利用の効果、確かにありそうですね。しかし「何か分からないけど、保険証と一緒に入っていたものだから大事なんだろうし、とりあえず窓口に出さなくちゃ!」という誤解にもつながりそうです。
それがきっかけでジェネリックについて理解が深まる、というのも、それはそれでアリなのかもしれません。何かしらの副次的効果もありそうですね。
台紙ともう一枚同封書類がありましたので恐縮ですが追記させて頂きます。「役所関係の書類は封筒さえ捨てない」という姿勢を老いた親から教わったシルバーウィークでした。
・台紙には「切り取ってご使用下さい」のみ
・「ジェネリック医薬品お願いカード」を送付しますという文書
その中盤の部分「一方、ジェネリック医薬品は新薬の特許期間の終了後に新薬と同じ『主成分』を使って製造されるものです」
(『』は投稿者による)
ここはやはり、正しいだけに、良くも悪くもひっかかりますね。。
最後に「ジェネリック医薬品を希望される方はカードを医師・薬剤師に提示してご相談下さい」と結んでありました。決してカード提示を必ずしも被保険者に促す内容では無かったです。皆様とF市にお詫び致します。
コメントありがとうございます。
医師会の構成員が個々の医師なのですが、個々の医師と医師会というのは必ずしもベクトルが同じではないと感じます。
医師会は医師会なりの「大人の都合」みたいなのがあって、こういったポスターやチラシの作成に踏み切ったのでしょう(詳しい事情は存じ上げませんが)。