「お産1件につき、医師に1万円」って…

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お産1件につき、医師に1万円 小田原市が引き止め策(2006/8/25 asahi.com)
読んでとっても違和感を覚えました。人によって感じ方は様々ですし、私の感じ方が特殊なのかもしれませんので共感できない部分もあるかもしれませんが…。
まず「1件につき1万円」というところ。出産を何かの商品と同列にしてしまっている印象を受けます。ここまであからさまにするとちょっと拒否反応を示してしまいます。
小田原市立病院は医師5人で年間約600件の出産があるということです。この市の施策ですと約600万円。それだったら何もお産1件換算せずに、医師一人に120万円/年ずつ支給した方がよっぽどスマートかな、と。
それから市は医師の立場に立って考えていないのではないか、という印象も受けますね。私は産婦人科医ではありませんので医師の本当の気持ちは分かりませんが、お金より先に改善すべき部分はあるはずです。
「今月は14件もあったから14万円だ♪」などと金勘定する医師は恐らくいないでしょう。市で少子化対策の予算がつき、どう使ったらいいか分からないから安易にそのまま医師に支給?とさえ勘ぐってしまいます。
そもそもお産に対して1件1万円などとすること自体、命がけでお産に臨む女性に対しても、目前のお産に最善を尽くそうとする医師に対しても失礼に当たるとは考えすぎ?
それでも産婦人科医に対して少しでも手当てがあるならいい、と考えるべきでしょうか。昼夜を問わずして働く産婦人科医の給与が上がることをもちろん否定するつもりはありません。
でも「気分が悪い」と言っている人に、一生懸命食事を勧めているようなちぐはぐな感じは残りますね。

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. kense より:

    産婦人科医の現状から考えたらたった1万と思ってしまいます。
    24時間いつ呼ばれるか分からず、安全な出産が当たり前と思われていて合併症でも逮捕されかねない訴訟社会。
    >市で少子化対策の予算がつき、どう使ったらいいか分からないから安易にそのまま医師に支給?
    産婦人科医不足は都会田舎を問わず切実な大問題です。
    医療業界にいるべき立場でこの認識はどうかと思います。辛口ですいませんが

  2. Ace より:

    初コメですが・・・
     
    >「今月は14件もあったから14万円だ♪」などと金勘定する医師は恐らくいないでしょう。
     
    現状から考えたらおそらく大抵の医師は
    「14件もやったのにたった14万かよ!」
    って思うような気がします。
    僕の感覚からいくと、昼夜を問わず働き、命を預かる職業・・・にしても、報酬は高すぎるような気がしていますが。特に、看護士等に比べたら、かなり優遇されていると思います。
    現在は科が細分化してきているため、もうそろそろ「専門医制度」ではなく、医師免許自体を専門医化しなければいけない時代が来ているのかも知れません。
    そうすれば多少なりとも産科医不足も減るような気がします。

  3. さつき より:

    医療機関の数を減らすことで、現状では非効率的に分散してしまっている医療従事者(特に医師)を集中させ、一医療機関あたりの従事者数を増やすこと。これに尽きるでしょう。
    頭数がいないからまともなシフトも組めず、激務になるわけですから。頭数さえいれば効率的に回せますよ。
    シフトにゆとりができれば間違いなくミスや事故が減ります。患者は、徹夜明けの医師に診察してもらう必要がなくなるかもしれません。
    その結果、医療機関サイドだって、訴訟リスクが減るのではないかと。良いこと尽くめじゃないですか?
    一方で、高齢化社会が本格化し、患者の行動範囲が格段に狭まってきていますので、地域のかかりつけ医の存在は益々重要になっています。
    よって、医療機関の統廃合においては、診療科や地域における役割(対象層)に従って適切に判断されることが重要だと思います。
    またかい!って感じですが、最終的には「医療機関の完全国営化」と「医療従事者の公務員化」というのが、私の考える『国民皆保険制度下の医療』の理想です。
    それによって初めて、全国民に対する医療の安定供給と均等配分が担保されると考えます。
    現行の保険制度下においては、納める保険料に地域差はありません。にも関わらず、享受できる医療の水準に地域差があるという現状は変、というかアンフェアじゃないですかね?
    国の管理の下、公務員である医療従事者を日本各地に「転勤」させることでこれらは解決です。
    定期的な教育も簡単に義務化できますので、医療水準も安定します。
    それにより医療従事者の負担が増えることは想像に難くありませんが、各個人が今以上に「医療人として国を支える」という義務感とプライドさえ持てれば問題ないですよね?
    給与は応相談で(笑)
    文系の最高峰である裁判官や検事を筆頭に、裁判所や検察の職員は皆公務員なんだから、理系の最高峰である医師を筆頭に、医療機関の職員が皆公務員で何か問題ありますか?というところです。
    人の人生を左右し得るという点においてはどちらも遜色ありません。
    どうでしょうかねぇ?やっぱダメですか・・・

  4. nsiku より:

    こんな安易なお役所的思考の為に、一般の人達から見た産科医の立場をさらに窮地に追い込んでいるように思えてなりません。
    『1万円もらっているから、もっとサービスしろ』という感覚の人が増えるだけだと思います。
    医療従事者以外の人は、医師全体に対して『高給取り』と思っているようですが、年収は確かに高いと思いますが、労働時間や拘束時間、緊急呼び出しを含めての給料です。
    ちなみに、私の知っている大学病院の外科医を見ると、完全に病院からフリーになるのは、夏休みの2週間だけです。年収1000万円でも、時給に換算したら安いです。

  5. take より:

    情報が早さと切り口の鋭さと文章力に
    いつも関心して拝読しています。
    本日の記事は ”一から十まで” 同意見です。

  6. くま☆ より:

    >kense様
    表現で配慮の足りない部分があったかもしれません。不快な思いをなさった方々にお詫び申し上げます。
    >Ace様
    初コメントありがとうございます。
    「医師免許自体を専門医化」というのは確かに一理ありますね。「医師」と一口に言っても、これだけ領域が狭く深くなってくると、オールマイティーと言うわけにはいかないでしょうし。
    >さつき様
    産婦人科領域においても、「開業医で定期的に診てもらい、お産は地域の中核病院で」というケースが出てきていますよね。そういった「分業」は、今後一つの形として定着していくのかもしれません。
    >nsiku様
    コメントありがとうございます。
    確かに1万円支給によって、考え違いの人が出てくる可能性もありますね。こういった施策はその意図まできちんとアナウンスしないと、誤解の原因にもなりかねません。
    >take様
    コメントありがとうございます。
    拙い文章ですが、お褒め頂きありがとうございます。

  7. さつき より:

    ふと思ったんですが、小田原市がこの決定をするにあたって、同市の医師会なりにお伺いは立ててないんですかね?
    行政の独断で決めたのならある意味「まったく、役人ってやつぁしょうがないな~」で済みますが、医師会の方がかかわっていたら泣けてきますね。そうじゃないことを祈りつつ・・・(合掌)

  8. くま☆ より:

    >さつき様
    「お産1件につき」というのは分かり易さを狙ったのでしょうが、かえって逆効果になってしまいそうです。医師会が噛んでいるかどうかは、何とも分かりませんね…。

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