「急配で 納めた商品 これ返品」の川柳が意味するところ

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医薬品卸で構成される日本医薬品卸業連合会という団体があるそうでして、毎年恒例の業界川柳が発表されていました。
卸連・十大ニュース  1位は「第3ラウンド」、恒例川柳も発表 | 日刊薬業WEB – 医薬品産業の総合情報サイト
2012年の1位は、こちらだそうです。

「急配で 納めた商品 これ返品」

医薬品卸が抱える哀愁ただよう一句ですね。「薬局に勤めている人間が、そんな他人事のような感想では困る!」というお叱りも受けそうですが…(苦笑
しかしこの卸による急配という仕組み。他業界から見ますと、かなり奇異に映るようですね。1日2便の通常配送に、更に急配まで確保する医薬品卸の体制、当たり前に思っていることが、実はかなりスゴイことだという認識を持たなくてはなりません。


この川柳に対して、薬局側の事情をちょっとだけご説明しますと…。
まず、良識的な薬局であれば、急配をお願いするのは心が痛むのではないかと思います。できれば急配は極力少なく、本来であればゼロにしたいところだというのは、共通する認識であるはずです。
しかしながら急配をお願いせざるを得ない状況というのは、大きく分けると以下の2つがあります。
○ 薬局に備蓄されていない医薬品が処方された場合
○ 薬局に備蓄されているけれども、在庫を切らしてしまった場合
1つ目は、遠方にある医療機関の処方箋が持ち込まれた、新しく発売された医薬品が処方された、また後発医薬品の銘柄指定など、どちらかと言えば予測が難しいケースです。
2つ目は、更に細かく分けますと、ある患者さんの処方日数が延びるケースと、患者さんが特定の日時に集中するケースの2パターンがあって、いずれも当該医薬品が不足する事態になります。ごく稀に防ぎようもない事態が生じることもありますが、こうしたことが繰り返しある薬局ですと、在庫管理能力がないと捉えられることが多いですね。
話を元に戻しますと、「急配かつ返品」のケースは、主に1つ目の理由によるものが大きいのではないかと感じます。「処方変更によって当該医薬品が必要なくなった」あるいは「FAXが入ったけれども患者さんが来局しなかった」なんてケースもあるのではないでしょうか。
急配してもらったものを返品するということ、基本的にはないはずで、そういうケースはやむを得ずお返しするというのが実情です。普通の感覚を持ち合わせているのであれば、「大変申し訳ありません」と頭を下げるところです。
ただ、この川柳が1位になったことが意味するところは、恐らくその「申し訳ない」がない薬局が多いのではないか、そのフラストレーションが込められているのではないか、というのが私の推測です。
当たり前に急配を頼んで、当たり前に返品する、そんな薬局が、そんな薬剤師が、実は意外に多いのかもしれませんね。卸MS氏のホンネがちょっとだけ見える一句ではないでしょうか。
患者の訴え・症状からわかる薬の副作用

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くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. なおひこ より:

    こんにちは。眼科医の平野といいます。
    「急配」の仕組み、今は無料でも
    そのうち「割り増し料金」になるのではないでしょうか。
    急配は余分な人件費がかかるわけですから、割り増し料金でないと
    医薬品卸にとっては赤字仕事のはず。
    最初に有料化を言い出す会社は批判をあびるでしょうけどね。

  2. くま☆ より:

    >なおひこ様
    コメントありがとうございます。
    確かに急配に対するコストというのは問題になるでしょうね。「1回500円」というような、単純な料金設定にはならないかもしれませんが、購入価格に反映されたり、価格交渉の材料になる可能性は大いにありそうですね。

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