お医者様からもらう薬を自分で決める?

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処方薬を自分で決める‐「調剤ネット」開設(2006/8/15 薬事日報)
数日前、当薬局にも参加案内のハガキが舞い込んで来ました。「こんなサイトができるんだー。」と思っていましたが、本日薬事日報のニュースに取り上げられていました。
当該サイトはこちら
調剤ネット
メインに大きく「お医者様からもらう薬を自分で決めるサイト」と謳い文句があります。4月から導入された「後発医薬品への変更可」、即ち選択型処方せんのことを指しているのでしょう。
しかしこの表現だと医師会からクレームがついても不思議ではない、と個人的には思います。知らない人が聞いたら、あたかも処方の組み立てから自分で決められるとも取られかねません。
こちらのサイト、登録の窓口としては「患者さん」「薬局」「製薬メーカー」の3つがありますね。
流れとしては、「サイトにて患者さん自身が薬を選ぶ」→「薬局(複数可)へ見積もり依頼」→「見積もりしてもらった薬を処方医へ依頼」という感じのようです。
情報開示、また医薬品の選択を患者さん自身が行うような流れの中、こういったサイトが出てくるのは自然なことなのかもしれません。ネットを情報だけで終わらせるのではなく、リアルに結び付けようという発想も理解できます。
しかし、個人的には首をひねりたくなるようなところばかりが目に付きます。現時点で、当薬局が参加する予定はありません。
こうやって書くと、旧態依然の頑固者のようですがそうではありません。主な根拠を以下に述べます。
・サイトでのお薬選択の情報が価格意外に見当たらない。
・お薬選択の際、薬剤師が関与しない。
・お薬の選択肢が「有効成分が同じ」であれば変更が可能である。
ちょっと補足しますと。
非常に危険なのは、価格差のみが医薬品選択の判断基準になってしまう恐れがあるということです。これは製薬企業の参加の程度によって今後変わってくる可能性はありますが。
しかし患者さんが自分ひとりでお薬を選択することは、様々な情報が掲載されたとしても、その中で価格に対するバイアスは非常に大きなものになると考えられます。
それから3つ目はちょっと分かり難いでしょうか。例えば「ヒルドイドソフト」を選択すると同一成分のものは全て変更可ということになっています。非常に機械的だということです。
それがゲルかローションかクリームか軟膏かということ、即ち剤形は考慮されていません。更にこの場合、W/OかO/Wかということも非常に重要なファクターですがそれを知ることはできません。
すいません、すっかり偏った意見ばかりになってしまいましたね。
しかし非常に可能性を秘めたサイトではあると思います。今後の動向に注目したいと思います。

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. さつき より:

    以前ウチの薬局にもDMが来てました。
    良いこと尽くめに見えなくもないですけどね。
    理念通りなら、患者、薬局、保険者、国、学生(育英がどうのとか言ってるし)、そして運営会社の「6方一両得」になりますが。
    そんな甘いものじゃない。
    普及すればするほど、ヤフオクばりにトラブル続出すること請け合い。
    しかも、トラブル解決に関して、最終的には「薬局と患者様のご連絡で」と丸投げしているところがほほえましいですね。
    この点ヤフオク以下。
    5%のポイント還元っていうウリの部分ですが、薬局がそれを直接やったら、即療養担則違反で営業停止というところでしょう。
    それを、「システム手数料」という名目で薬局から「実際の運用手数料+α」で徴収し、その「α」の部分から患者にキックバックするということですよね。
    なるほど、よく考えたものです。
    ただ、そういう流れが自明の理である以上、それを認識した上で「α」の部分を運営会社に支払い(プールか?)、このネットワークに参加する薬局は、私的には療養担則違反に相当すると確信します。いや、むしろ悪質かな。
    現時点では正直「ま、やってみたら?」という感じですね。危なくて手は出せないです。

  2. はなくり より:

    健康保険法 療養担当規則違反です。
    でも、これだけ薬局薬剤師の相談能力の無さが広まっているのですね。
    安くしたいけど どうしたら良いのかわからないという需要が大きいと考えた、というか、実際に大きいのでしょうね。
    老人も3割負担。
    相変わらず、足し算処方を疑義出来ていない薬剤師は多いですし、聞く耳の無い医師は減らないですし。
    本格分業30年を前に、しびれをきらした人が増えてきたのでしょうね。
    薬剤師への罰則規定も再教育制度も始まります。医療機関になった薬局も今までのようには逃げられません。
    医療法にあるように、国民が理解できる説明をしなければならないわけです。
    情報提供の能力が、薬局には「総量的」に無いと社会に思われつつある・・・と思いませんか?ここのサイトの皆さんは別としても。
    やはり、皆さんのような良心的な薬剤師が開拓的イバラの道を歩む方法しか 残されていないようですね。

  3. くま☆ より:

    >さつき様
    >はなくり様
    記事でポイントのことについて触れるのをすっかり忘れていました。
    DMには「ポイント還元は違法ではない。関係各機関に確認しました」ということを書いていました。これはどうなんでしょうか。
    以前、クレジットカード会社がつけるポイントは、薬局が主体でないのでOKといったことをどこかで読んだことがあります。これに類するということでしょうか。
    今ちょっと見ただけなので分かりませんが、調剤技術料、薬学管理料、特定保険医療材料、その他費用はポイント対象外と書いてありました。
    →http://www.chozai.net/kanja/point.html
    ということは何を対象にするのでしょうかね。薬剤費のみってことでしょうか。
    はなくり様のおっしゃる「情報提供能力」、確かに薬局は求められるものを提供できていないのかもしれません。
    取り組み、アピール、それから横の繋がり-商売敵であっても同じ薬局、また薬剤師どうし-、全力で向かっていかねばならない課題です。

  4. さんまん より:

     浅はかな患者の書き込みすみません。
     私が調剤を受けている薬の中にアメリカの持ち込む事のできないものがありますが、そのような説明を受けた事がありませんし、薬局で頂く説明書にも書いてありません。
     私がアメリカの旅行する事なんて絶対にありえませんが、もしあったとして没収されたら責任はいずこに、という事になってしまいます。
     突然の書き込み、まことに失礼しました。

  5. くま☆ より:

    >さんまん様
    書き込みいただきありがとうございます。
    薬の国外への持ち出しということに関しては、私もあまり身近な問題ではないため適切な返答ができません。
    おかかりになっている薬局へ一度ご相談いただくことをお勧めいたします。
    お役に立てず申し訳ありません。

  6. さつき より:

    >さんまん
    薬の国外への持出しに関しては、薬剤師に判断を仰ぐのは適切ではありません。
    どんなに知識の豊富な薬剤師で、完璧に回答することができたとしても、その件に関して言えば法的には責任が取れないからです。
    よって、各国の在日大使館ないしは税関に問い合わせるのが筋かと思います。
    なお、さんまん様のケースにおいて、米国渡航時の薬の持ち出しに関しては、福岡税関HP上の枝ページに回答があります。
    公的機関なので直リンOKかな?
    だめだったら、先に謝っておきます。すいません。
    http://japan.usembassy.gov/fukuoka/wwwh3cus.html
    このページの「薬・麻薬」というところに回答があります。
    ちなみに、東京税関のHPはイマイチわかりづらかったです。
    >くま☆さん
    誤解があるかもしれませんので付け加えさせていただきますと、法的に言えば、あの会社の業務(システム運用)は合法ですし、療養担則にも違反していません。あれは単なる仲介業者であって、医療機関ではありませんから。
    だから、あのHP上に法的にクリアされている旨の記載があっても不思議ではありません。
    あの会社に関していうなら、法は確実にクリアされていますからね。
    というか、そもそも、それを書かないとさすがに会員となる薬局は集まらないのではないでしょうか。
    まぁそれはともかく、規則違反と判断される恐れを孕んでいるのは、あくまであのネットワークに参加し、システムを使用する会員薬局です。
    もし、薬局側のリスクを含めて「法的にクリアされている」ような記載をあの会社がしているとしたら、邪推ですが、役員や顧問に有力な厚労省OBでも居るんでしょうかね。
    みなさんもご承知のとおり、療養担則をはじめとして、診療報酬制度など、明文化されている規則や制度は総論であって、実際の運用において、それらの規則や制度をどのように解釈・判断するかの裁量権は行政単位で与えられています(本当はそれも問題なんですが)。
    この会社のやろうとしていることは全国規模のネットワークになるわけですから、行政単位を超えてゴーサインを出せる、あるいは仮に行政単位で問題ありと判断された時にその判断を変えさせることができるのは・・・
    考えすぎでしょうか?(^-^;;

  7. さつき より:

    あ、ちなみに、ポイント対象に関しては
    「調剤ネット会員としてお薬を購入すれば、薬剤料の5%がポイントとして加算されます。」
    だそうです(原文ママ)
    これだけ読んでも、それが一部負担金中の薬剤料なのか、調剤料全体中の薬剤料なのかは判然としませんが、患者向けの文章のようなので、多分、前者なんでしょうね。
    クレジットカードに関しては、あいにく療養担則に関する議論があったかどうかは記憶にないのですが、健康保険法に触れるのではないか、の議論があったように思います。
    クレジットカードは、小売店に対しての代金の支払いをカード会社が行い(立替え)、商品購入者はカード会社に立替え分を返済するわけですから、これを医療費の一部負担金に置き換えてみると、金銭の流れが健康保険法第74条に違反していると解釈できてしまうわけですね。
    話がそれました。
    で、このクレジットカードのポイントは今回のシステムのポイントと同列に扱えるかどうか、ですが、クレジットカードを取り扱う医療機関は、名目上はその中で扱う医療以外の商品に関してもクレジットカードが使えるのではないかと思うのですがどうでしょう?
    病院で言えば、保険適用とならない入院中の食事代、保険外の材料費、売店での支払いなど。
    薬局で言えば、OTC薬とかその他飲食物など。
    ポイントはそれらにも当然つくわけですから、療養担則に規定される「療養の給付」という適用範囲を明らかに超えますよね。
    一方で、今回問題にしているシステムで扱えるのはあくまで「保険調剤薬局」においての「処方箋」ですからね。
    それは「療養の給付」以外のなにものでもないです。
    ですから、同列には扱うことは妥当ではないと考えるのですが、みなさんはいかがお考えでしょうか。
    後学のためにも、よろしければお考えをお聞かせください。

  8. さつき より:

    す、すいません!
    2コ上のコメント、さんまん様の敬称が抜けておりました。
    決して意図的なものではないのですが、何卒ご無礼をお許しください。
    それと、連続書き込み申し訳ありません。

  9. はまなす より:

    アメリカへの持ち込み禁というとロヒプノール・サイレースを思い出します。これらは、治療に用いる最低量であっても不可。
    入国時に没収されます。その時に申告せず、後で見つかると確か捕まります。
    国によって、持ち込み禁の医薬品は異なりますが、以前何かの雑誌に載った気がします。
    麻薬・覚醒剤・覚醒剤原料・向精神薬と分類されている物に該当する物があったはず・・・
    確かに各国の大使館に確認するのが一番なのでしょうねっ。

  10. くま☆ より:

    >さつき様
    >はまなす様
    国外持ち出しのお薬について、いろいろありがとうございます。むしろ私のほうが勉強になったと言っていいかもしれません。精進したいと思います。
    それから調剤ネットの件。
    さつき様のご指摘
    > 役員や顧問に有力な厚労省OB
    というのに、妙に納得しました。確かにこれだけ規模を大きくしてやるのでしたら、不思議ではない話ですね。
    クレジットカードについては「病院の支払をクレジットカードで」といったCMなどで、大々的に言われています。
    (参考)
    http://www.smbc-card.com/mem/company/news/news0000210.jsp
    https://www.smbc-card.com/mem/service/li/life_hospital.jsp
    http://www.nicos.co.jp/hp_co_info/press/press_050830.html
    ソースは失念いたしましたが、確かクレカでの一部負担金の支払いOK、ポイント付与もOKとの文書を見たことがあります。
    記憶が確かでないので、ご存知の方がいらっしゃいましたらお教えください。

  11. さんまん より:

     くま☆様、さつき様、はまなす様、こんなはかない書き込みに真剣にご回答いただきまことにありがとうございます。
     確かに最終的には税関あたりに確認する事が筋だということを改めて認識しました。
     筋が通らなかった書き込みだったことをお詫び申し上げますとともに、今後ともこのブログを読みに参りたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。

  12. はまなす より:

    一応、昔薬剤師会に問い合わせたときに貰った資料が出てきました。
    都薬雑誌の2000年3月号のようです。
    精神安定剤を海外へ持って行くときに気をつけることは?として載っています。
    麻薬及び向精神薬取締法の施行規則第30条で携帯できる成分と分量が定められているそうです(大学で覚えた記憶はありません…((((((^_^;))
    この量を超えて携帯する場合には、処方せんの写しや患者の住所並びに携帯する向精神薬の品名及び数量を記載した医師の証明書が必要のようです。
    また、この回答には郵送時の制限も載っています。
    それとネット検索していたら
    大阪医薬品協会のお薬相談Q&Aにも薬の海外での購入と持ち出しについてと言う項目があって厚労省に確認するように書かれてありましたことも付け加えます。
    その昔、病院時代には透析患者さんが海外旅行に行かれるとかで内服薬やらの製品名・成分名・化学名・構造式などを書いたものをつくった記憶があります。
    また、群馬時代には日系人の方が一時帰国される際に薬のことを書いて欲しいと言われて、薬情に効能をスペイン語かポルトガル語で、英語で成分名や化学名を、そして構造式を書いたことが何度かありました。
    そんな時にくま☆さんのツールも活用していましたよっ。

  13. くま☆ より:

    確実な回答を得るためには、然るべきところに聞くのが一番早道ですが、さんまん様のような疑問をお持ちの方はやはりいらっしゃいます。
    そんな時に、薬を渡す薬剤師がそれについて知らないというのもやっぱりまずいなと、改めて反省を含め思った次第です。
    はまなす様の書き込みを元に検索してみました。日常的に使うことは少ないかもしれませんが、大まかには理解しておくべき、ですね。
    麻薬及び向精神薬取締法施行規則
    http://kousei.hourei.info/kousei311.html

  14. はまなす より:

    くま☆さんは、e-mediceo.comを利用されていますか?ご存じだったらごめんさなさい。これは、「株式会社メディセオ・パルタックホールディングス」が管理運営する医療従事者向けの会員制医療医薬情報サイトです。
    そこで結構色んなことが調べられます。
    旦那がそこで、今回の回答を調べてくれました。
    持ち出しだけでなく、持ち込み時の留意点なども書いてありました。
    結構便利なサイトなのでご存じなければご利用を!

  15. くま☆ より:

    >はまなす様
    情報ありがとうございます。e-mediceo、私も使用しています。しかしそこに回答があったとは…、気づきませんでした。
    またいろいろとお教えください。

  16. Miyasei より:

    発想はおもしろいのかなと思いましたが、社長、副社長の略歴で書かれている「中身を得ない自慢?話?」に胡散臭さしか感じられませんでした・・・
    気のせいかな?

  17. くま☆ より:

    >Miyasei様
    私も略歴読んでみましたが、確かに何が言いたいのかよく分かりませんよね。でも「こんなにすごいんだぜ」と伝えたい気持ちがあるってことは分かりますが…。

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