ジェイゾロフトを巡るやりとり

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7月11日の記事「[SSRI]ジェイゾロフト」にコメントをいただきました。
その中で日本精神神経科診療所協会ファイザー社に対して申し入れをしたという情報をいただきちょっと気にしていましたが、動きがあったようです。
日本精神神経科診療所協会サイト内の精神保健福祉関連資料のページに一連のやりとりが経時的に記載されていますが、理事会声明が出されています。
7月22日 理事会声明(pdfファイル)
このやりとりの本題ではないと述べてはいますが、【本剤をご処方いただく専門の先生方へ】という記載が大きな問題の一つとなっていることは間違いなさそうです。見方によってはこの一文でメーカーは責任を免れ、処方した医師が全て責任を負うことにもなりかねません。

【本剤をご処方いただく専門の先生方へ】

日本での臨床試験の結果はうつ病、パニック障害いずれにおいても効果を保証するには不十分であり、また同系統の薬剤で自殺念慮への注意が促されていることを勘案し、発売当初は精神科専門医を中心にご処方をお願いいたします。
200607112.JPG
「使用上の注意」の解説の冒頭にある注意事項
朝日新聞でも記事になっていました。
抗うつ薬、説明に「矛盾」 医師団体が質問状(2006/07/22 朝日新聞)
この記事によると、国内臨床試験では当初有意なデータが得られず、途中から別方式の試験を採用したとのこと。その辺りも大いに関連がありそうです。
【本剤をご処方いただく専門の先生方へ】の記載。メーカーは専門家からの指摘で記載を指導されたといい、「修正を検討する」と回答しているようですが、「言われたから載せ、言われたから直す」では到底理解は得られません。
私が事の真相を知る由もありませんが、その辺りの説明をきちんとしなければ、信頼が揺らぐことにも繋がりかねませんね。

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. Yosyan より:

    かなり前から気になっていたのですが、薬剤の副作用説明はどの程度までする必要があるのでしょうか。
    理想は効能書きに記されたものを根こそぎすれば完璧でしょうが、現実問題として医者サイドでそれをやれば外来診療は麻痺します。薬局サイドでも同様かと存じます。
    とは言え医療訴訟がこれだけ多発する世の中ですから、もし大きな副作用が発現したら、「聞いてなかった、説明不足である」と心ならずも法廷に引っ張り出される可能性を危惧しています。
    どこかで製剤メーカーは効能書きに副作用を書いていれば責任は逃れる事が可能で、医者は説明が不足していたら責任が生じる可能性があると聞いた事があります。
    「いくらなんでも、それはないやろ」と言いたいところですが、昨今の風潮を見ればジョークとして笑い飛ばす事が出来ないところがあります。
    出来る範囲で調べてはみましたが、どの程度が責任の線引きになるかを明記したものには出会えていません。もし何か知見があれば教えていただければ幸いです。
    少しエントリーとずれてしまうのですが、広い意味で関連した話題と言う事でご容赦ください。

  2. くま☆ より:

    >Yosyan様
    仰るように全ての副作用を説明することは不可能です。薬局も同様です。私は主に、以下のような形でお伝えしています。
    ・副作用としての出現頻度が高いものを伝える。
    ・副作用としての出現頻度は低いが重大なものを伝える。
    ・副作用そのものではなく、前駆症状を伝える。
    「何かあったら」というのでは、その「何か」が受け手との間でズレが生じるため、好ましくないようです。
    責任の度合いは、副作用によって生じた「健康被害の程度」に一番左右されると聞いたことがあります。それを考えると頻度が低くても重篤なものはやはり伝える必要がありますね。
    望まれる答えになっていないかもしれませんが、ご参考程度に。

  3. Yosyan より:

    丁寧な御回答ありがとうございます。私もおおよそ、そうしています。ただ懸念しているのは、どこかで説明不足がマスコミネタになって叩かれた時、想像を絶する十字架が、医師および薬剤師に架せられる日が来る様な気がしてならなかったのもので。

  4. くま☆ より:

    >Yosyan様
    その懸念、現実のものになる可能性は大いにあり得ますね。日本もアメリカのように訴訟社会化してきている・面もありますし。
    本望ではありませんが、身を守る術も考えていかねばならないのかもしれませんね。

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