ハルシオン錠回収後の対応

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今回のハルシオン0.125mg錠回収について、メーカーからプレスリリース出ています。
医療用医薬品「ハルシオンR0.125mg錠」の自主回収について(ファイザー株式会社)
昨日の記事「ハルシオン0.125mg錠 製品回収」コメント欄に、kens様からいただきましたコメント、一部引用させていただきます。

「現実な話で患者さんからの返品、交換依頼があったらどう対応したらいいのでしょうか?」

これについて考えてみました。限られた情報下での判断で、またあくまで「私なら」ということですので、それぞれ個人で、あるいは薬局での対応があって然りです。
お気づきのことがありましたらご意見頂ければ幸いです。
まず、今回の回収の原因ですが「賦形剤の乳糖を変更した事で、溶出試験に不適合となったため」と言われています。また、1錠中の成分については規格内、即ち0.125mg含有していることになります。
メーカーサイトにも

溶出が遅いことに伴い吸収の遅れが生じる可能性が考えられますが、含有量(定量値)は規格内

との記述が見られます。
極めて単純に考えてみますと、Cmaxに変化はないということになりますね。tmaxが遅れる、グラフで言えば右側にスライドすることが考えられます。
現に「寝つきが悪くなった」といった訴えがあがってきているケースもあるのかもしれません。
それからもう1点、以下の記載に注意してみたいと思います。

長期安定性試験を実施しておりましたが、6ヵ月経過時点での溶出試験結果が不適合

この文章の裏を考えてみますと「6ヶ月経過する以前の薬剤においては、溶出試験に適合」ということが言えるのではないでしょうか。昨日メーカーMR氏にも確認したのですが、恐らくそうだろうとのお返事でした。
今が12月であることを考えますと、7月以降製造分でしたら実は溶出試験に適合しているのではないかと推測されます。
もちろんロットの確認が最優先になるのですが、ハルシオン錠に14日の投与日数制限があることを考えますと、現時点で患者さんの手元にある薬剤については問題が出難いのではないでしょうか。
ただ睡眠導入剤という特性を考えますと「薬が効きにくい」といったケースも今後出てくる可能性も考えられます。また、回収になった薬を継続服用することは心情的な面で納得いかないと言われればその通りです。
しかし市場には後発医薬品も含めて製品がない(少ない)というのが現状です。医師、メーカーと連携を取りつつ、丁寧な説明を心がけていかねばなりません。
(関連サイト)
【ファイザー】「ハルシオン0.125mg錠」を回収‐溶出時間に問題(薬事日報)

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. まきまき より:

    くま☆さんのお考えには同感です。
    ただ、頭では分かっていても自分が患者さんにこれらのことを分かりやすく説明できるか、と言われたら、あまり自信がありません。。。
    ただでさえ不安な患者さんを更に混乱させてしまうような説明は避けなければいけませんね。
    年末のお忙しい時期と思いますが、がんばってください。

  2. くま☆ より:

    >まきまき様
    そうなんですよね、患者さんの不安というのは理屈ではないので、いくら筋の通った説明でも足りない場合があるんですよね。
    その辺はやっぱり「人間力」でカバーすべきなんでしょうかね。私なぞまだまだ人生経験が足りません。

  3. いわて より:

    Cmaxは低下すると思います。AUCに変化はないと思いますが。吸収が遅くなる分ピークは下がるでしょう。後発品ですが、エルメッドエーザイの商品は、ハルシオンより溶解性がよく立ち上がりが早いと思われます。薬の効果もありますが、服用したという安心感が効果を左右しているところも大きいと思います。

  4. くま☆ より:

    >いわて様
    コメントいただきありがとうございます。
    tmax、t1/2とも非常に短いですので、Cmaxもそれほど大きな低下はないと思い記事のような記載といたしました。AUCが変わらずtmaxが遅くなればCmaxは低下すると考えるのが自然ですね。
    エルメッドは湿製錠が特徴ですね。服用に際してはメリットも大きいと思います。プラセボ的な面をどうするか、薬剤師の関わっていく余地は小さくないですね。

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