メーカーより「リタリンの流通管理について」が発表されています。
「リタリン」の流通管理について(ノバルティスファーマ)
リンク先に「リタリン流通管理基準(申請書は省略)」がPDFファイルとして公表されています。中を見てみますと、リタリンを調剤するためには「リタリン登録薬局」とならなければならない旨の記載があります。
リタリンを日常的に調剤している薬局であれば問題はないでしょうが、そうでない薬局にリタリンの処方せんが持ち込まれた場合、調剤を断らなければならない状況が発生する可能性があります。
ここで薬剤師法第21条を見てみます。
(調剤の求めに応ずる義務)
第21条 調剤に従事する薬剤師は、調剤の求めがあつた場合には、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
現状の一般的な認識に基づくのであれば、「在庫がないことを理由に調剤を断ること」は「正当な理由」として認められず、してはならないとされています。
とするならば、リタリンの在庫がないことを理由に調剤を断ることは違反ではないのか?
多くの薬局関係者は「それは違法じゃないよ」とお考えのことと思います。私もそう思います。しかしそれを言語化しなければ明確な理由は見つけられません。
法律の専門家でもない私が法律を論ずるのはおこがましい話ですが、ちょっと考えてみます。ポイントとなる部分は「正当な理由」かどうかという部分だと思います。
当該事例においてリタリンの調剤を拒否するのは流通が制限されているためであり、その制限の目的は先に挙げました「リタリン流通管理基準」に定められています。
リタリンの流通管理を適切に行うために策定され,結果リタリンの乱用・不正使用を排除することを目的とする
即ち「乱用・不正使用を防ぐ」というより大きな目的のためには、流通に制限を加える(≒調剤に制限を加える)ことはやむを得ないことであり、それが公の利益となると考えられます。
従って「登録薬局でないが故に在庫がない」ことを理由にリタリンの調剤を拒否した場合でも、「薬剤師法違反にはならない」と考えてもよいのではないでしょうか。
しかし眼前の患者さんにこんなことを言っても法律論を振りかざしていることにしかならず、解決には至らないでしょう。そのようなケースでは、懇切丁寧な説明と最善の方法を提供することが肝要と思われます。

コメント
リタリンの登録の手続き行いましたが・・・
流通を制限する事が乱用を防ぐ
ちょっと乱暴な制度ですよね・・・。
なんとも言いようがありません。
正当性を主張しても患者さんには意味の無い事ですよね。
即座に薬が渡せず在庫がない場合は調剤拒否できるのではなかったでしたっけ???
で、
この登録云々が4日以内に完了できるか?
OKなら渡さないといけないような・・・
でも手続きが4日以上かかるなら在庫が無いことを理由に調剤拒否できる感じがいたします。
平成19年10月26日の薬食総発第1026001号で以下のようになっていますが、これで調剤拒否は認められているのでは?
----------------------
3.薬局における調剤に関する周知事項について
(1)リタリン及びコンサータについては、上記1の流通管理が実施されること。
なお、上記1(3)ii)のリストヘの掲載を希望する薬局については、各製造販売業者から後日配布される案内に基づき、第三者委員会における検討等に必要な手続をお願いしたいこと。
(2)上記1(3)ii)のリストに掲載された薬局において、リタリン又はコンサータに係る処方せんを受けとった薬剤師は、調剤前に、処方せんを交付した医師及び発行先の医療機関が1(3)ii)のリストに掲載されているかどうか確認し、リストに掲載されていなければ調剤することを拒むこと。
なお、リタリン又はコンサータを薬局間で譲渡・譲受しないようにすること。
(3)(2)に基づく確認をした上で調剤を拒むことについては、薬剤師法(昭和35年法律第146号)第21条(調剤の求めに応ずる義務)の「正当な理由」に当たるものと解されること。
なお、上記1(3)ii)のリストに掲載されていない薬局については、流通が制限されているため調剤できず、結果的に調剤を拒むこととなるが、これについても同様と解されること。
依存症の人が突然ゼロでやれと言われても無理、それがリタリンでしたね。
入院治療ができる人はそれが最良なんですけど、入院費が捻出できない人への救済策も必要でないかと・・・
引越しの関係で通院先を変えたことありますが、在庫の都合で同成分の別の薬に切り替えられたりするという目にもあっている私です。
リタリンについては皆さん書き込まれているので、結論は見えているかと思いますが、ぽんたさんの書き込まれた
「即座に薬が渡せず在庫がない場合は調剤拒否できるのではなかったでしたっけ???」
は、リタリンに関して書き込まれたのか?と少々疑問を持ちました。
うちも登録をすることを上層部は決定したようです。
門前の病院に現在処方するドクターはいませんが、以前より県内ではありますが、少々遠くの病院が発行するリタリンの処方せんを持参される患者様がいらっしゃるためのようです。
コンサータはそろそろ薬価収載ですよねっ。
リタリンに関しては都薬からナルコレプシー又はAD/HDに処方されていることを確認すること。いまのところ、AD/HDにも適応外使用が認められることが先月中旬文書で出ていました。
それでもメーカーはAD/HDに関しては微妙とおっしゃいます(当たり前でしょうが・・・・)
コンサータの薬価収載とすぐにAD/HDに対してリタリンが使えなくなることはないでしょうが、適応薬剤が出る以上、適応外使用は不可になるでしょうからどうなるんだろう?と思っています。
すみません。
原則の調剤でもそうなので「リタリン」なんて特にと言う意味合いです(まだ日本語がおかしい?)。
でも「指定薬局」を決めることと「調剤拒否」は難しい問題です。
「調剤拒否」についても、「自己都合の拒否」なのか「困難な状況」なのかを、もう少し現場に即して考え直す時期ではないんでしょうか?調剤薬局のレベルもあるだろうし。
不謹慎かもしれませんが、救急指定受けていながら「救急車」の受け入れを拒否する世の中です。
そんな中で理想にしばられすぎず「無理なこと」は無理ときちんと声をあげて説明していってもいいのではないでしょうか?
実際薬価収載品目全てそろえることは不可能なのですから。
リタリンからそれてます、すみません。
しかし、リタリンは皆拒否にはならないと共通の認識と思います。
それだけで終わっていいのかなあ・・厳しい世の中・・って、意見どころか感想ぐらいのレベルですが。
再度すみません、上3行目、拒否でなく違反です。
「おにい」さんが紹介されている通知「薬食総発第1026001号」によって、応召義務から免除されるのではないでしょうか。
もっとも、通知は通知であって法的拘束力はなく、根拠にもならないので、裁判になれば単なる紙切れという指摘もありますが。一方でわが国の行政制度では「通知」で周知され、浸透したところで立法化するシステムであるとする法律学者もいますし。
勉強不足でよく分かりませんが、院外処方による薬局でのリタリンの調剤を、登録申請したところだけ行なえるようにするって言うのは、なんか意味あるんですか?
医師がむやみやたらに処方しないっていう狙いは非常に良く分かるんですが、発行された処方箋は結局どこかでリタリンになるわけだから、それがどこだって、リタリンの使用量に変化はないように感じるんですが?
余談ですが、大学時代にお世話になった先生が、現在リタ中になり、リストカット等を繰り返し入院になったことをひょんなことから知りました。
ショックだったデス。そんな感じの先生ではなかったのに・・・・
薬ってこわいっす!
よく分からないけど、ハードルが低いなら、全ての薬局が申請して、改めてリタリンやその他精神科で使われるような薬を含めて、薬剤師がどう役に立つかを考えることが必要ではないでしょうか?
「流通を制限することが乱用を防ぐ!」
そんなことを堂々といわれてしまってはいけないですよね!
話が少々それて申し訳ないんですが・・・
ぽんたさん
私の認識不足かも知れませんが
薬がないことは調剤拒否の理由になりません。
どうしても時間がかかるとか、扱えない(麻薬)場合は、持っているところをご紹介するのが原則かと・・・
違いますかねぇ?
いえ、すみません。
「即時投薬」を患者さんが望まれた場合、無い袖はふれない、と言う意味です。
拒否と言う表現には疑問を感じますが、正式な通達はかなり昔に聞いただけです。
冠婚葬祭、病気、在庫が無くて患者がその場での投薬をどうしても希望した場合(ただし在庫を持った薬局を紹介する等懇切丁寧な対応)とあったと思いますけど。
地方的な話だったらすみません。
追伸:もちろん 卸等から薬を調達する時間待っていただけるなら拒否はできません。
当然常識と思って話をはしょりすぎました。
追伸その2:麻薬も厚労省の考えは調剤をするなら届けをおこなっていて当然、と言う見解で、麻薬だからない、と言うのは継続しての調剤拒否の理由にはなりません。
(何となく気になったので一応書いておきます)
>リタリンに関しては都薬からナルコレプシー又はAD/HDに処方されていることを確認すること。いまのところ、AD/HDにも適応外使用が認められることが先月中旬文書で出ていました。
メーカーの回答はNOでした。
リストに登録されている医師からリタリンが処方されていれば問題ないのでしょうか?
「リタリン流通管理基準」には
登録取り消し基準の項目に「医師の適応外使用が認められた場合」が含まれるのでAD/HDなら特別大丈夫だよってていうのも疑問が残ります(そうであれば助かる人はとても多いのでしょうけれども・・・。)
コンサータも6歳以下13歳以上には有効性が確立されていない
なんて件がありますから万能ではないわけですよね・・・。
「リタリンを服用されている患者さんからの移行は可能」ってコンサータのメーカーMRさんは言ってましたが、果たしてそれもどうかと・・・。
実際にもうリタリンが処方が出来なくなるからって精神科の医師から他の薬への転換を提案されて既に処方薬が変わってきている大人の方(30歳代)も居ます。
コンサータの発売も18mgは今月21日頃に(19日と発表されている)なるようです。
コンサータを取扱うには薬局も医師も講習を受けてから登録が必要になります。
あまりにも急な日程でとても出席できません。
会場も大変限られています。
日曜日しか休みの無い私は
12月16日日曜日に受けるには大阪に行かなければなりません。
長野県からではちょっと無理っす・・。
1月上旬からWeb上での講習も開始するようですが、実際にリスト登録されるのは1月下旬になるようです。
うまくそれに間に合ったとしてもコンサータの発売からリスト登録されるまでに1ヵ月半程度のブランクが出来てしまいます。
他の薬局を紹介するしかなくなるわけですよね・・。何年も当店で調剤させて頂いていた患者さんを。
>皆様
コメントありがとうございます。
記事に書きましたのはあくまで薬剤師法違反の阻却を目的とした場合の(私見を含んだ)法解釈ですので、制度とは別次元の問題として捉えていただければ幸いです。
適応削除や流通制限がバタバタと行われたことできっと歪みが出てくるだろうとは予測できましたが、皆様の書き込みを見るにつけ、多くの問題が出てきていることを改めて感じました。
「流通を制限することが乱用を防ぐ」は正当化されて述べられていますが、現状のリタリンの問題点が重複受診による入手であることを考えますと、詭弁に聞こえてきてしまいます。
このような現場のことを考えないやり方がなぜまかり通るのか。疑問と憤りを覚えます。
くま☆さん
それは、現行の制度上で現場任せにしていたらこのまま乱用が止まらないからなんじゃないですか?
医療関係者同士の情報交換なら問題なかったりするわけだし、リタリン服用歴を、薬局間でネットワークを特別に作って重複を防いだりとか(あくまでアバウトなもの言いですが・・・)
薬薬連携とか医薬連携とかいろいろだけど、こと薬局業界においては、薬局が一枚岩になって、何か組織的なアクションができるようにならないと、力が出てこない気がします。
薬剤師業界として攻撃的な取り組みがなかったのだから仕方ないのではないでしょうか?
法を作るのは官僚だから、この業界に関わらず、常に現場とはかけ離れていますよ。
コンサータの講習を受講予定です。隣県まで行かないとダメなのですが、メーカーさんが交通費出してくれるそうです。
リタリンは申請して登録するだけのようですね。この差がよくわかりません…
麻薬の場合、在庫(調剤)する予定がなくても許可を取っておく薬局が多いと思いますが、リタリンの場合はどうなるんでしょうね。
とりあえず登録だけしておくって薬局が増えれば、かえって登録制にした意味が薄れるような気がします。それとも申請しても登録できないような薬局が出るんでしょうか?
「在庫が無い」のは調剤を断る正当な理由にはならないと思いますが、「登録してないので取り扱いができない」は正当な理由になりませんか?
私はこの措置は、問題が起きた時の医療機関の責任を重くするためなのかなーと思いました。先日の逮捕も「資格の無い職員が処方した」ので責任者である医師を逮捕したって事ですよね。少なくとも報道では、医師の処方権濫用を問題にした逮捕では無いように取れました。
今回の登録後は、登録してない医療機関の処方or調剤が問題になるのはもちろんですが、登録してある医療機関が濫用した場合に処分される根拠になるんじゃないでしょうか。(法的にどうなるーとかはわかりません…)
>隣県まで行かないとダメなのですが
長野県在住ですが東京とか大阪とかでないと講習が受けられません。
土曜日東京会場は仕事なので
日曜日に大阪で日帰りを考えていますが
考えれば考えるほど悲しくなってきます。
>まじゃ様
悲しいですがそれが現実でしょうね>現行の制度上で現場任せにしていたらこのまま乱用が止まらないから
しかしリタリンの問題は以前からあったはずなのに、なぜここにきて急転直下動き出したのかが見えません。
>遮様
高低はありますがハードルを課すことで、何かしらの根拠とする可能性は大きいでしょう。流出元の特定も容易になりますしね。
>naminami様
大阪いかがでしたか?お疲れ様でした。またいろいろとお教えください。
講習会行って来ました。
流通管理について、AD/HDについて、薬物依存(乱用)についてという3部構成で約2時間程度の講習でした。
色々と疑問が残る状態でかなり混乱しているようですが、繰り返し言われたのは、「何か一つでも問題があれば即、承認取り消しになる可能性の高い薬なので、決定事項を厳密に守って処方・調剤を行うように」ということでした。
登録制にすることで、「登録した専門医(若しくは薬局)はきちんとこの薬を扱えますよ」ってのを当局に示す事になり、ひいては適応拡大・剤型拡大に持って行きたいようです。
なので、普段おろそかにされがちな「原則」をコンサータに関しては厳守するようにと言われました。
薬剤師のeラーニングによる登録も、数日程度でできるように整備していく予定のようですが、今月中には無理そうですね。
私が参加した会場でも海を越えていらっしゃってる人がいて(四国では一切講習会が行われない)、隣県の私は本当に運がよかったと思います…
>遮様
講習会お疲れ様でした。
扱いに際してはかなり慎重にならざるをえませんね。何事においても厳格さを求められる今日の世の中、こういった医薬品はどんどん増えていくのでしょうか。
>ひいては適応拡大・剤型拡大
今のままだとちょっと使いにくい薬なのでは?
適応拡大に年齢も含まれるのかな?
なんだか、不安が多くなる講習会でした。
16時に終わる講習会は当然長くなり
帰りの新幹線にまにあわないかと焦りました。
>naminami様
お疲れ様でした。
不安が多くなる、とはそれだけ慎重さを求められるということなのでしょうか。