先の診療報酬改定の答申において、「患者の視点等/医療の透明化に対する評価」に関する部分で、明細書の発行について書かれていました。
厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会 (第169回) 議事次第
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/s0212-4.html
それによりますと、
正当な理由のない限り、原則として明細書を無料で発行することとする
と書かれています。言い換えれば、詳細な明細書の発行が義務化される、というわけです。
その対象は、多くの報道では「レセプトを電子請求している医療機関」と書かれており、一見すると「薬局は関係ない?」と思いがちですが、注意深く中医協の資料を見てみます。
厚生労働省:平成22年度診療報酬改定における主要改定項目について(案)(pdfファイル)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/dl/s0212-4a.pdf
この資料の109ページですね。画像として抜き出してみます(クリックで拡大します)。

赤線は私が引っ張ったのですが「医療機関」ではなく「医療機関等」と書かれています。役所の作る文書というのは大変よくできていて、特に「等」の記載は、時に都合よく解釈されます。
中医協の文書も例外でなく「医療機関」と「医療機関等」はきちんと区別して書かれています。ということで、今後、医療機関等の「等」に薬局が含まれるという解釈が出てくる可能性も十分にある、と言えます。
ところで現在、多くの薬局では「調剤基本料」「調剤料」「薬剤料」といった項目が入った領収書を発行しているはずですが、もし明細書を発行するとなった場合、それでは足りないのでしょうか。
明細書というのはどこまでのものを指すのでしょう。
これも中医協の資料からの抜粋ですが「詳細な個別の点数項目までわかる明細書」と書かれています。ということは、恐らく「レセプト並」の詳細さが求められるのではないかと思われます。
明細がわかるのは、情報が開示されるわけですから、基本的にはよいことです。よいことなのですが、今回の件、他の例に置き換えて考えてみます。
私は学生時代に、トンカツ屋でアルバイトをしていたことがありますので、それを引き合いに出しましょう。現状、レシートはこんな感じで出てくるのではないかと思います。
ロースカツ定食 980円
アイスコーヒー 300円
消費税(5%) 64円
合計 1344円
それを「明細書」として発行するとどうなるか。
ロースかつ定食 980円
(豚ロース200g200円、パン粉8円、他調味料43円、キャベツ10円、カラシ2円、ごま15円、ご飯30円、味噌汁20円、お新香15円、割り箸5円、爪楊枝2円、光熱費100円、人件費430円、他施設費100円)
アイスコーヒー 300円
(コーヒー豆20円、ミネラルウォーター20円、ストロー2円、光熱費90円、人件費130円、他施設費38円)
消費税(5%) 64円
合計 1344円
※ あくまで一例ですので、金額の妥当性についてはご容赦ください。
果たして毎回ここまでの明細書が必要なのでしょうか。個人的には「求めがあったら発行」で十分なのではないかと思うのですが…。
それからもう一つ。保険者でなく医療機関等から患者さんに対して発行することの是非。こちらのほうがより根源的な問題かもしれませんね。


コメント
昔は「等とは何か」と書いてから、以下は何々を等とする、と良心的な法律「等」でしたけどね・・・・(しみじみ)
ちなみに健康保険法施行規則の条文の中の「等」には保険薬局は含まれていません。
ゆえに、社会保険(旧名称ですみません)の保険証を保険薬局で単独で見せる必要はありません(横道)。
しかし。
等の範囲を明記せず、後で「これに含まれる」なんて後だしじゃんけん的指導って、国が行う指導としてはおかしい、って思いますよ。
等とある以上、保険薬局も含まれると「想像」して対応しなければいけないんですから。
等と省略しないといけないほど・・・何があるんでしょう・・・・
保険薬局、助産所?看護ステーション?整骨院?全部書いても10個も無いって思うんですが・・・・
主張その1 どこにも「等」が何か書いてないのはおかしいぞ!!!
主張その2 保険薬局を「等」って省略すんな!
で。
どこで読んだか覚えてないんですが・・・・もちろん今回の「等」に保険薬局は入ります。
しかしですね・・・・
詳細な明細書は、どうせレセコンから勝手に出てくるので、別にいいんですが・・・・
欲しい人だけでいいって思いますよ、本当に。
で。
窓口に「不要の方はお申し出下さい」って明示して申し出があったらいいんですから・・・・
患者さんが少ないうちなんて・・・・「不要です」って申し出を誘導してしまいそうですけどね。
まあ、医療機関(等なし)でどこまで出してくるか、ですね。
正直こんなものを出せと言う人たちの感覚を疑います。
こちらでも点数とか意味不明の部分多いんです。
医療破壊させようとしているとしか思えません。
なんで関節内注射は80点で関節穿刺は100点なのか、
ガングリオン穿刺は80点なのか??
患者さんが疑問に思ったらどこに聞けというんでしょう?
うちに聞かれても困りますしねぇ。
こんな話を押すならばご立派な議員先生らの会食会も
全て細かい料理から使った交通手段から明細細かく出して
くださいねって、言いたいです。海外出張も24時間の
タイムスケジュール全て出せと・・・・。
確かに。
するどいとこを突きますね(笑)
確か国会議員の領収書は、世論が求めても何のその、でしたよね。
それとか、オンブズマンが、県の情報公開を求めると、黒塗りの資料とか、見かけますよね。
某何とか省でも、「資料はありません」って言ってたことが、後になって出てくるとか・・・
色々ありましたよね。
言いたいことはわかりますが、現実問題として、無意味ですよね。
理想論ばかりかかげて、事態を複雑にしても意味ないって思いますけど。
それに、いくら懇切丁寧に説明しても、価格は全てお上がお決めになるんですから、詳細に公開して文句言われても困りますよね。
車買うのに、シートの素材がいくらで、ハンドルの素材がいくらでって明細出されたら・・・
価格わかっていたら、ここはもっと押さえろとか言いたくなりますしね。
家を建てるにしても、釘をもっと高いものしにろとか、とか。
例を挙げだしたらきりが無いですよ。
第一、1日40枚と言うと、1人に15分もかけられないんですよ。
どうやって、あれもこれもやれって言うんでしょう。
疑義照会して調剤して服薬指導してジェネリックの説明して、おまけに診療報酬の説明?
こんなことまで説明してたら、それこそ1日に1人10枚がいいとこですよね。
それで見合う調剤報酬にしてくれないと。
いつも参考にさせていただいてます。
本題とは少しずれますが
>保険証を保険薬局で単独で見せる必要はありません
は
健康保険法施行規則
(処方せんの提出)
第54条 法第63条第3項 各号に掲げる薬局(以下「保険薬局等」という。)から薬剤の支給を受けようとする者は、保険医療機関等において、診療に従事する保険医又は医師若しくは歯科医師が交付した処方せんを当該保険薬局等に提出しなければならない。ただし、当該保険薬局等から被保険者証の提出を求められたときは、当該処方せん及び被保険者証を(被保険者が法第74条第1項第2号 又 は第3号 の規定の適用を受けるときは、高齢受給者証を添えて)提出しなければならない。
に該当するので保険証提示は「義務」ですよね?
インフルエンザの予防接種でも医療従事者に含まれなかった薬局ですが・・・。
今までロースかつ定食の「明細」なんて考えたことなかったです。オモローです♪(←古い?)
患者さん側にしてみれば、特に初めて処方されるお薬の代金は貰う時になってやっと分かるのでドキドキものかもしれませんね。
勤めている薬局ではツムラの漢方がよく処方されるのですが、方剤の種類によってお会計が全然違うので患者さんが驚かれることもしばしばです。
そのような時は、かなり大雑把ですけどお会計は薬剤料+諸経費で薬価が(この場合今方剤が)こういう理由で高いのですよと説明すると皆さん納得されてました。
今のままの領収書で十分だとおもいますけど。
>皆様
コメントありがとうございます。
考えてみますと、確かに患者さんにとっては分からない事だらけなのかもしれませんね。「薬九層倍って言うくらいだから儲かるんだろ?」って、未だに言われますし。
薬価を始め、保険で行うものは「公定価格」ですので、説明は何とかするとしても、我々ですら納得できない部分は少なくないですね。
レセプト並みに詳細が記載された明細書というのは、激しく個人情報なわけで、かなりナーバスな取り扱いを求められます。
簡単に全員に発行とか言いますけど、「こういうのを待っていた!」という国民と「こんなもの処分に困るから要らない!」という国民、どちらが多いのでしょうか。
お上に全件発行を強要された挙げ句、「なんでこんな処分に困る個人情報の塊渡すんだ!」とか患者にクレームつけられたりした日にゃ、涙が止まりませんね。
しかも、その場で要らないと言われちゃったら、「医療機関等」は個人情報保護法に則った処分をしなきゃいけないわけですからね。
医療資源の無駄遣いって言葉は死語なんですかねー。
『最高の頭脳』を駆使して、世の中に無駄を産み出すことで給料貰える官僚様のお仕事、ホントあこがれます。
なぜ現場をな~んも知らない人間から、点数(≒自分たちの給料)をチラつかされながら、ほとんど脅迫に近い叱咤をいつもいつも受け続けなきゃならんのか、正直わけがわからないですよ。
そのくせ、明細書発行の件にしろ処方せん記載様式の変更にしろ、決めてくることは現場の足を引っ張ることばかり。
「趣旨は解るがスマートじゃねーな」
誰か言える人間は省内に居ないのですか。
ひとつ提案なんですが、とりあえず厚労官僚の仕事を点数化して(書類一枚○○点とか)、やった分だけ予算付けて、予算の中から人件費を出してみたらどうですかね?
もちろん、毎年総括して、二年に1回改訂して良いからね♪
ap様。
処方箋の提出の項目に保険証の提示があります。
ゆえに処方箋がない場合は不可、と言う意味で、単独と書きました。
で。
さつき様お久しぶりです。
しかし。
みんな言うことはいっしょですよね。
本当に医療は現場でするんだ!(古)です。
みなさん概ね否定的なんですね。
でもメリットもあるのではないかと思います。
医者には要不要説などありませんが、分業及び薬剤師には今だありますよね?
より詳細な明細により、薬剤師のお仕事を多少なりともよく知ってもらうきっかけにはならないでしょうか?
ロースカツも住宅も細かく考えれば例のように材料から考える事も出来ますが、一般的に完成品の価格と味などで価値を判断できます。しかしながら薬局の場合の指導料は比較すべきものも無ければ、絶対的な価値というものの判断が出来ない状態です。
同じようなものとして例に挙げるのはおかしいと思いますが・・(無理やり詳細な明細発行はおかしいとの方向付けに感じました)
>考えてみますと、確かに患者さんにとっては分からない事だらけなのかもしれませんね。「薬九層倍って言うくらいだから儲かるんだろ?」って、未だに言われますし
↑このように思われるのもおかしいし遺憾じゃないですか?
「薬局はそれほど儲からないところで、患者さんのためにできる事をやろうとしています、給料だって思ってるより高くないんだぞー」ってわかってもらえる・・・そこまでは無理か(笑)
調剤は点数が少ないですから、報酬点数だけを全部出すにしても今とあまり変わらないって思いますけど・・・・
しかし、薬全部となると、結構な量になりますね。それでも、調剤は少ないと思いますけど、医科で、しかも入院となったら・・・・いったい、何枚全員に配らないといけないんだろう・・・・
それか、虫眼鏡にしないと読めない細かい文字?
ペーパーレスの時代に逆行して・・・紙の無駄遣いって思ってしまいます。
逆に出した領収書を、ちゃんと理解してくれる人がほとんどであれば、出し甲斐もありますけど。
処方箋の1回量変更でわかったことですが、一生懸命出してる薬情ですら、ほとんど意識して見てもらっておらず、有効利用されてないんです。(1回量がわからないって意見がありましたが、ほとんどの薬情は1回量で出てくると思います)
詳細を希望される方にお出しすることには今の時代仕方ないと思いますし、きちんと理解してくれるなら、積極的にやっていかないとって思いますが・・・
「義務化」まで本当に必要なのか?と言う点ですね、一番ひっかかるのは。
それも大きい病院だけでなく、こういう時だけ全部。
オンラインにするにしても、大病院だけ「加算」があったんですよ。
特別扱いしてもらったんだから、まずは、大病院だけ「原則義務」からスタートしてもよかったと思います。
さつき様がおっしゃっていたように、個人情報の問題もありますし。
医者にしたら「病名」の問題もあるでしょう。
不確かですが・・・医者は病気に影響があると判断した場合、全てを患者に話さないと言う選択肢もあったはずです。
しかし、領収書でわかってしまうわけですよね、何の検査をしたか、とか。
でも、検査などしないとはっきりしないこともあると思いますし。
なんにしても、やっていいこともありますが、逆にマイナス面もあるわけで、それに対して厚労省は何の責任もとりません。そういう態度の厚労省に、段階を経ず、強制的にさせられることに、一番頭きますね。
で。
処方箋もそうですが、一部で実施して、いい点も悪い点をきちんと洗い出して、改良すべきことを改良してからで、完全移行でいいのでは?
自分で自分の文章を読み返していて補足が必要なことに気付きました。
レセプト並みの明細書を無償で患者さんに渡すこと自体には何の問題もないと思います。
ただ、「全員に」というのが近視眼的で知能レベル低いなと思っただけなんですよね。
コスト感覚においても、個人情報に対する考え方においても。
なぜ「希望者に」じゃダメなのか。
そこまで『医療機関等』は信用されてないんですかね。
「『希望者に』なんてことにしたら、どうせ誰にも渡さないんだろう?」くらいで考えているとか。
いつものことだけど、官僚やら有識者と呼ばれる方々の上から目線がとにかく気に入らない。
医療というのは、現場と行政を主軸に国民全体で良い方向に向うよう考えていかなければならないはずです。
なのに、なぜいつも現場の意見が軽んじられるのか。
現場の人間は儲け主義ばかりで、公共心が薄いと?
ホント何様なのかと。
こちとら裏金も天下りもねーんだよっ!!(#-_-) と面と向って言ってやりたいのですが、機会がないなー(笑)
>ぽんた様
なるほど、単独、とういのはそういった意味だったのですね。
失礼を致しました。
>皆様
コメントありがとうございます。
まじゃ様のご指摘は非常に前向きで、見習わなければならないと思いました。これも薬局という場所、薬剤師という仕事を知ってもらうきっかけにできるのであれば、貴重だと思います。
さつき様の
> 「こういうのを待っていた!」という国民と「こんなもの処分に困るから要らない!」という国民、どちらが多いのでしょうか
というのは、導入にあたって当然根拠として出されなければならないものですよね。中医協ではその辺りまで突っ込んだ話がなされたのでしょうか。
最近知りました。
自動入金機を使っている場合は、機械の改修が必要なため、明細書の義務化の除外となる、「正当な理由に該当する」
なんで?
改修して発行すれないいじゃないですか!
われわれもオンライン化するのに、うん百万かけてんですよ、レセコン総入れ替えだと!!入ってくるお金からしたら、うん百万は相当きつかったですよ。
しかも!
正当な理由に該当した場合は、全てが除外されるらしく。
「詳細な明細書をご希望の方には発行します、発行手数料は○円です・・・・」って。
なんで?
何でお金取れるんです!?
おかしいでしょう?
原則無料の明細のわかる詳細な領収書ですよ。
百万歩譲って、機械の改修にお金かかるから全員には発行無理でも、希望した人から金とるなよ!
>ぽんた様
正当な理由に該当したら、発行手数料とれるんですか??それも変な話ですよね…。
すごくちぐはぐな感じがします。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-063.pdf
に、院内の提示例が出ているのですが、その「別紙様式8」(正当な理由に該当する場合)の文章の終わりの方。
「・・・・発行を希望される場合は○番窓口までお申し出下さい。発行手数料は1枚○円になります。
なお、全ての患者さんへの明細書の発行については、自動入金機の改修が必要なため、現時点では行っておりませんので、その旨ご了承下さい。」
原則全員に窓口から渡すが、会計終わってから待たされるのが嫌な人は、要らないって言ってください、ってのが本当じゃないですか?
機械の改修にお金がかかるからできないってのが「正当な理由」なら、オンラインもお金がかかるからできませんでしたよ。
自動入金機なんて使ってるところに改修費用がかかると言われても・・・・
で、
話は手数料ですが。全員取るべきじゃない!
ぽんたさんのリンク先の見たんですけど、
うちは後発体制加算が19点になるから患者さんから突っ込まれるでしょうね
患者が減るかもしれません
この点数は患者負担無しで全額国庫負担にして欲しいよ
>うちは後発体制加算が19点になるから
すごいっ!
19点では無かったですね
17点の間違いでした、、、最初の数字が記憶に残ってしまってます
>kenseさん
あ、そうでしたね(^^;;
30%超えの衝撃にそこは完全にスルーしてしまいました(笑)
とにかく凄いなぁ。
>皆様
コメントありがとうございます。
kense様の薬局は30%超えるんですね!周辺の医療機関のGE使用状況にもよるでしょうが、30%超えるのには、かなりのGE処方、それから変更が必要になるのではと思います。
明細を出させることで、加算を取りにくくさせる魂胆があるなんて考えるのはひねくれすぎ?
>kenseさん
30%越えはすごいですね
うちは漢方が多いから数量ベースで12%位しかないです。20%には到達できそうにないから、無理して変更するより先発の薬価差で稼いだ方がいいってことになりそうです。
漢方が除外されなかったのは事業仕分けで批判が出たことへの嫌がらせ?(ひねくれすぎですねw)
>マサ様
コメントありがとうございます。
うやむやのうちに何らかの加算がされていた、ということに対しては抑止力になるのかもしれないですね。
漢方のご指摘(事業仕分け)は、事の真偽は分かりませんが、そういった話もききますね。