印象とは一体なんぞや 「製薬企業訪問実態調査」をネタに

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ネグジット総研がやっている薬局・薬剤師専門調査MMPRというのがあるのですが、そこが製薬企業訪問実態調査なるものを行い、結果を公表しています。
【独自調査】「製薬企業訪問実態調査」(4月)保険薬局への訪問実態は訪問の”量”がファイザー、”質”はマルホ、”量”×”質”はファイザー – 【薬剤師調査MMPR】製薬企業の皆様へ
なかなかユニークだなと思ったのが、訪問実態の評価基準。それを「量」と「質」の2軸に分けて評価しているのですが、

量=アンケート回答者に対する訪問カバー率を示す指標
質=1回の訪問に対する好印象が得られる割合を示す指標

とし、更に、「好印象度」という指標を設けています。
その「好印象度」は、アンケート回答者が最も良い印象だったと回答した割合とされ、

”量”×”質”

で表すとしています。ただ、この表記だけを見ますと、「おや?」と思う部分がないわけではありませんが、公表されている部分ではこの「好印象度」に触れている部分がありませんので、とりあえずスルーしておきます。


この調査に対して、各製薬メーカーのMRが高いポイントを得るためには、好印象度を残す必要があります。つまり、”量”×”質”の量で勝負するか、質を上げるか、あるいはその両方ということになりますね。
まず「量」の部分ですが、一つの薬局に数多く訪問をしたとしても、まったくポイントが上がりません。それこそ、いかに多くの薬局に足を運ぶか、が勝負の分かれ目になります。
そして「質」の部分を上げるには、訪問して好印象を残す必要があります。これを指標とすることが、すごくユニークだと個人的には感じているわけでして、その辺りを掘り下げてみます。
そもそも印象ってなんでしょう?大辞林によりますと、

① 見たり聞いたりしたときに対象物が人間の心に与える感じ。
② 心に残っていること。

とあります。印象を調査の指標とすること異を唱えるつもりはありませんし、そういう調査があっても面白いとは思いますが、印象というのはつまり、ものすごく個人に依存するのではないかと考えたのです。
もちろん、接遇だったり身だしなみだったりで、ある程度の好印象を残すことは可能です。それは、組織(この場合は製薬メーカー)の教育研修に比例する部分でもありますから、ある一定レベルを保つことは可能でしょう。
この「印象」は個人に依存すると書きましたが、個人というのはMRだけではなく、それを評価する側の個人、すなわち薬剤師にも依存する、という意味が含まれています。
そうなるとこの「印象」というシロモノは、極めて相対的なものではないのか?というのが、安易ではありますが一応の結論ということになります。
それを表しているわけではないかもしれませんが、この調査の比較をしてみると「なるほど~!」と思う部分があります。こちらをご覧ください。
製薬企業訪問実態調査201204
薬局薬剤師と病院薬剤師の調査結果を比較するためのグラフです。横軸に「量」、縦軸に「質」をとってあるのですが、横軸は同じスケールに対し、縦軸はそれが違っています。
このことは、どちらが寛容だとか厳しいとか言うことではなく、「印象」という評価軸が、少なくとも薬局薬剤師と病院薬剤師では異なっている、ということが言えますね。
繰り返しますが「印象」を評価基準としたことについては、なかなか斬新だなと思っています。相対的なものだから悪いというものではありませんし、逆に、だからこそ新しい知見が得られるかもしれませんね。
薬剤師のための疾患別薬物療法(4)免疫疾患/骨・関節疾患/血液・造血器疾患/内分泌・代謝疾患―病態を理解して組み立てる

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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