埼玉での調剤事故に対して日薬が見解を表明

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日薬見解1108

埼玉県の薬局で調剤過誤が生じ、埼玉県薬会長が書類送検されたニュースについては、当ブログでも取り上げました。
2011/08/19 単なる調剤過誤ではない!埼玉県薬会長が書類送検される
https://blog.kumagaip.jp/article/47442609.html
その中で日本薬剤師会が、会としての対応が必要である旨の報道がなされていることを書きましたが、今日8月22日付で、日薬から見解が表明されています。


日本薬剤師会:平成23年8月22日:埼玉県で発生した調剤事故による死亡事例について(PDF)
http://www.nichiyaku.or.jp/press/wp-content/uploads/2011/08/pr_110822.pdf
細かいかもしれませんが、いくつか気がついたところについて拾ってみたいと思います。

「誤調剤の詳細については明らかになってはおりませんが、新聞報道によると」

今回の日薬の見解は、この一文からも分かりますように「新聞報道」がべースです。当該薬局の開設者は埼玉県薬の会長であり、日薬の理事も務めていましたから、パイプがないわけではないでしょうが、埼玉県薬からの報告はないのでしょうか。
下衆の勘ぐりにはなりますが、実際に埼玉県薬から報告を受けていないのか、あるいは受けていてもそれを表に出せず、「新聞報道によると」としなければならない理由があるのか、本当のところはナゾのままです。

「当該薬局の開設者は、埼玉県薬剤師会の前会長で、本年1月までは本会の理事も務めていた、指導的な立場にある薬剤師であります」

埼玉県薬剤師会の会長はいつどのような形で辞任をしたのでしょうか。通常、県薬会長の辞任が全国レベルで報道されることはありませんので、いいといえばいいのかもしれませんが、誤調剤の内容は報道のみの把握で、県薬会長の辞任は把握しているというのも不自然な印象を拭えません。
埼玉県薬剤師会のホームページを見ますと、つい先日まであった「会長挨拶」のリンクが削除されているのが分かります。
埼玉県薬剤師会ホームページ
http://www.saiyaku.or.jp/

「医薬分業の理念の根幹を揺るがす問題であります」
「今回の事例は国民・患者からの医薬分業や薬剤師に対する信頼を大きく損なう行為であるとともに、会員への周知策がなお十分でない証左として、極めて遺憾であり重大に受け止めています」

最も懸念しなけばならない問題はここですね。今回の一件が一薬局、一薬剤師の問題として済んでしまえばよいですし、個人的にも極めて例外中の例外であると信じたいです。
今回の件については、日経DIの「薬剤師的にどうでしょう」でも取り上げる予定です。近日中に公開になる予定ですので、その時はご案内いたします。
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くま☆

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日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. ぽんた より:

    受診して医療機関で間違いに気がついたとありますが、じゃあ死亡の時点で、過誤とはっきりわかっていたんですよね・・・・
    しつこいですが、じゃあ、何で1年以上経ってから?気になります。
    保健所も重点的に指導したって書かれていましたが・・・何を指導されたのか・・・・
    埼玉県には申し訳ありませんが、多分こういう方が会長だったと言う事は・・・想像ですが、「会長」の肩書きに相当な「力」があったんでしょうね。
    下の人間はイエスマンで、会長に言われたことしかしない、できない環境。
    やはり、それではいけないんですよね。
    ダメな事はダメなんで、意見が出ないと。
    万が一、会として存在が必要だったとしても、人間としての「けじめ」がいるんじゃないですか?
    若い世代は、って自分も若い時には全く興味がなかったんですが、やはり薬剤師としての勉強以外にも、きちんと興味を持って、薬剤師会で言えば、総会・理事会・代議員会について理解して、総会で意見言わないとダメなんですよ。
    何も言われないと思っているから、どんどん暴走してしまうんです。
    自分のお気に入りばっかで周り固めて、どんどん会を私物化していく(無意識のうちに)。
    会員の目が光っていると思うと、そうそう無茶なことはできないですけど。
    定款を形骸化させず、理事などの選出についても、会長の独断で決めず、会員の民意が反映されないとダメなんです。
    いい悪いは別にして、厚労省は、関係する団体の意見を聞いて政策をつくるんですから、こんなとこアホらしくて、なんて単純に考えず、興味を持って参加しないとダメなんですよ。
    組織が全くなければ成り立たないんですから。
    まずは身近なところから参加して欲しいです。
    悪い習慣を変えていくために。
    会長になったら「好き勝手できる」(名誉職)んじゃなく、「会の代表」として広く皆の意見に耳を傾ける立場なんですから。

  2. しょうちゃん より:

    こんにちは 日薬見解は他人事みたいなこと言ってますね。本年1月までは日薬理事も「知らぬ顔して」務めていたわけで、ふざけた話です。
    全国の薬剤師が同じ目で見られるわけで、日薬は真相究明をする責任があるのではないでしょうか?上申書の問題も結末がはっきりしませんし、日薬離れがどんどん進むということでしょうか?

  3. えす より:

    書類送検されなければ私たちは知らずじまいですよね。これでは調剤過誤報告やヒヤリハットなどといった制度は形骸化してしまいますね。
    残念な事故ではありますが、会長が関わっているからというからではなく、一つ一つの事を皆で考える機会としてとらえるべきでしょう。
    薬剤師会のプレスリリースにはがっかりです。やっぱり会員の方には向いていないんだなとつくづく思います。プレスリリースも大切ですが、会員にも同時発信すべきではないでしょうか…

  4. くま☆ より:

    >皆様
    コメントありがとうございます。
    薬剤師会の悪い所が集積したみたいな感じになってしまっていますね。確かにこれではそっぽを向かれても致し方ありません。
    ただ、薬剤師会にはそれ以上に素晴らしい人がたくさんいます。これを契機に、新しい形を模索してゆく動きが出てくるのではないでしょうか。
    日経DIにも記事をアップしましたので、よろしければご覧ください。
    https://blog.kumagaip.jp/article/47517298.html

  5. モグタン より:

    書類送検に時間がかかるのは医療事故にはつきものですね。
    死因と過失の因果関係が確実に立証できるという証拠を固めない限り検察は動きません。
    ワーファリンの時もかなり時間が経過してからの送検でしたしね。
    同じ薬剤師として、この患者さんにはとても申し訳ないという気持ちでいっぱいです。
    このような悲しい事件を繰り返さない為にも、日薬には徹底した情報の収集とその公開を切に望みます。

  6. くま☆ より:

    >モグタン様
    コメントありがとうございます。
    このタイミングでの書類送検に対して、あまり邪推しないほうがよさそうですね。
    大変残念な事故ではありますが、仰るとおり、日薬にはそれらを期待したいと思います。

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