4月5日の記事「後発医薬品を「知ること」に積極的になろう」へ先発メーカーへお勤めというユニ様よりコメントいただきました。私が気になったところを一部抜粋いたします。
先発品とジェネリック数種の体内動向を調べたところ、ジェネリックでは血中濃度が錠剤間でのバラツキが多く、また、最高血中濃度が先発品の倍以上にもなるものや遥かに濃度が低いジェネリックもありました。 |
このコメントを読んで、とても驚きました。と同時に、不謹慎と思われるかもしれませんが、
「やっぱり」
という気持ちも、心の中のどこかにありました。後発医薬品に対する負のイメージを、私自身も持っていたということが、図らずも立証された形となりました。
ではこれらを踏まえ、後発医薬品使用に際して患者さんを守るためにどのようなことに留意すべきか、挙げてみました。
一つは、
「薬剤ごとに、後発医薬品への変更の適不適を見極める」
ということです。
ユニ様も書いておられるように、「安全域の狭い薬剤」というのはその筆頭かもしれません。「その薬剤がTDMの対象となるかどうか」ということは、見極める一つのポイントになると考えられます。
(参考)
メルクマニュアル家庭版
ジェネリック薬の開発 ジェネリック薬での代替調剤が不適切な場合
もう一つは、究極かもしれません。
「後発医薬品は臨床上、先発品とは異なった医薬品と理解する」
これを言ってしまったら「それってそもそも後発品じゃないじゃん!」という話になってしまいますが…。
先発品でもロットが違えばバラツキがない訳ではありません。ましてやメーカーが違えば、添加物が異なれば、「先発品とは違って当然」という理解するのが自然でしょう。
制度上は「同じ」、でも臨床上は「違う」医薬品ということです。
しかし一つだけ、「錠剤間での血中濃度のバラツキ」についてはどうしようもありません。もしそういう製品があったなら、選択肢はなく「使用しない」という結論に行き着きます。
「錠剤間での均一性の担保」って、薬局ではできませんので。

コメント
早速、記事に取り上げていただき、ありがとうございます。
くまさんの仰るとおり、
「薬剤ごとに、後発医薬品への変更の適不適を見極める」
ことが非常に重要だと思います。
私は先発品メーカー勤務だとはいえ、
売り上げうんぬんより、患者さんのためになることが一番だと思っています。
患者さんのためにも、気になる薬剤に関しては
メーカーにお問い合わせをしていただきたいと思います。
それから、以前製品情報概要などで添加物をすべて明記していない薬剤で
「添加物は何か?」というお問い合わせをいただいたことがあります。
なんでも、薬剤性の肺炎が疑われるからとのこと。
ということは、添加物が違うだけでも薬剤性の有害事象が出てくることはあるのでしょうか?
色々医学書等調べてみたのですが、よくわかりませんでした。
くまさんはそのようなことを聞かれたことありますか?
はじめまして。GE選択で頭を悩ませている薬剤師です。今選択基準のひとつとして生物学的データが存在するか否かを考えていますが、いまいちよく解りません。例えば90%の信頼区間とは、各採血ポイントでの話でしょうか?それともAUC、Cmaxの話でしょうか?同等性試験のグラフを見ているとCmax、AUCが同程度でもTmaxが1時間ぐらい短くなっているように見える薬品についても、この試験により同等性が明らかにされたうんぬんと記載されています。血中濃度の立ち上がりの早さなんかも副作用に起因する可能性があると思うのですが、どうなんでしょうかねぇ?
続きです。
ロット間のバラツキってGMPなどで担保されていないのでしょうか?だってそのためのGMPでしょう?
それともGMPを遵守していないGEメーカーがあるってことでしょうか?
いったい何を信じればよいのでしょうか?
かといって大手GEメーカーを盲目的に信じるのもどうかと思うし・・・。
添加物の問題にしても、今まで先発品を使っていて添加物による有害事象を気にされていた薬剤師さんはどれほどいたでしょうか?私は特定の添加物アレルギーについて患者さんより申し出がない限り、今まで気にしたこともありませんでした。それによって患者さんが被害にあわれたら、それも薬剤師の責任なの?
ほんとに頭が混乱してしまいますね。
生物学的同等性試験のガイドラインQ&Aをみつけました。http://www.nihs.go.jp/drug/Q&A/index.html
***** 以下抜粋です。*********
Q-31. 参考パラメータを提出する意義を教えて頂きたい
(A) 生物学的同等性の評価はAUC、 Cmaxの二つのパラメータだけで必ずしも十分であるとは考えられない。検出力が低い等の理由からtmax等は判定パラメータとせず参考パラメータとしたもので、参考パラメータに有意差が生じた場合、AUC、 Cmaxが同等であっても無条件に生物学的に同等な製剤として取り扱うことはできない。また、消失速度定数が仮説検定において有意な差が検出された場合には、観測された消失相の勾配が消失速度定数ではなく吸収速度定数である可能性を与え、吸収速度に製剤間に差がある可能性を示唆する。この観点から参考パラメータの提出を求めたもので、統計的有意差が検出された場合、治療上の同等性の点からその差が問題とならない差であるかどうかの説明が必要である。検討する参考パラメータは、医薬品の特性によって異なる。例えば、徐放性製剤などでは、VRTや血中濃度の変動巾などを評価できるパラメータの検討が必要な場合も考えられる。
>ユニ様
ちょっと検索したらHPCで肺炎というのがありましたが、これと結論付けることはもちろんできません。
添加物は基本的に「既知の物質で、主成分に影響を与えないもの」を使用しているという認識でいました(当該添加物へのアレルギーはもちろんあるでしょう)。
しかし、添加物での副作用、可能性はゼロではないでしょうし、既知の物質だからと安心していてはいけないのかもしれませんね。
>悩める薬剤師様
初めまして、コメントありがとうございます。
今書いていましたらちょっと長くなりそうですので、今日の記事として書きたいと思います。
本当に何を信じればいいのか、疑心暗鬼になってしまいそうで…。
後発品については、以前から患者さんの費用負担の軽減などの見地から、佐薬を中心に積極的に導入してきました。使用メーカーは基本的にいわゆる上位3社を主。理由は特にないとしておきます。しかし、3社ともに夫々に痛い目にあいました。一つは、血中濃度の上がりが速すぎて、もう一つは添加物の違いによる為、残りの一つは、原末の微妙な違いによる為。小さな開業医では、些細なトラブル・クレームでも命取りになりかねず、冷汗ものでした。
以上、これ以上は詳しいことは伏せますが、現実に起きたことです。これらの事実をどう捉えるかは、皆さんの見識におまかせします。
>とある開業医様
コメントありがとうございます。
後発品でかなり色々なご経験をなさったようですね。
そういったお話を聞くと、今後薬局でも同様のことが起こってくるのではないかと案じています。
「後発品への変更可」に基づいて薬局で薬を変更し、その結果トラブル等があった場合、「あの薬局は…」という話にやはりなってきますよね。そういったことを考えると何とも言えない気持ちになります。
病医院の医師でしたら、「後発品は信用ならないので(変更可の欄に)署名はしない」ということができるかもしれません。
一方の薬局で、「変更可」の処方せんが持ち込まれた場合「先発品でしか調剤しない」ということが可能かどうか。非常に悩みどころです。
大いに、後発品に悩まされております。後発品への変更が思っていた以上に多く、何を基準に選べばよいのか、わからなくなってきています。「調剤と情報」や書籍にはいろいろされている先生方も多く、感心している所です。こちらは、オレンジブックを参考にして選択しているんですが、それだけってやっぱりまずいでしょうか?公的・承認が記載されているものをと考えてはいるんです。最低ラインはこれかな~とも思っているんですが。正しい、正しくないは別として、こういう考えはどうなんでしょうか?
>クローバー様
コメントありがとうございます。後発品への変更、やはり悩みは多いですよね。
「公」も「承」も、「公的溶出試験において適合性が確認されました」というものですよね。広い意味においては、これでよいということになるかと思います。
その上で考えていかなければならないことがあります。
1つは、テプレノン細粒(先発品:セルベックス細粒10%)のように、品質再評価が済んでいない医薬品の選択はどうすべきか、という問題です。先発品も含め、これら全ての医薬品に「公」「承」の表示がありません。
もう1つは、「公」「承」の印がついている後発医薬品が複数ある場合、その差異をどうするか、ということです。これ以外の選択基準を用意する必要が出てきます。
少し話がずれますが、「何を基準に選ぶか」ということと同じくらいに「変更後のフォロー」が大切だと感じています。
というのも、5月4日の記事
https://blog.kumagaip.jp/article/640358.html
でも書きましたが、オレンジブック自体「完全な保証」ではなく「治療効果の著しい差を防ぐ」ためのものと位置づけられているからです。
そういう意味では、どの後発医薬品を選んでも投与後に初めて現れてくる事象もあり、変更した患者さんには、より注意を払っていただくように伝える必要があるのではないでしょうか。