2月10日に厚生労働省保険局医療課 薬剤管理官の磯部総一郎氏の講演に行ってきました。後発医薬品についてはもちろん、様々なお話を聴くことができました。
2007年2月10日「磯部総一郎氏の講演に行ってきます」
まだ私の中で整理しきれていないということもありますが、内容が多岐に渡りますので論点がぼやけないよう、何度かに分けてアップしようと思っています。
ちなみに磯部氏につきましては、薬事日報の記事に写真が掲載されていますのでそちらをご覧ください。
ジェネリック医薬品促進は国民の願望‐日薬学術大会で磯部氏が強調(薬事日報)
まずは後発医薬品調剤における薬剤師の責任について。リンク先の薬事日報の記事にもありますので、一部引用いたします。
「多くの選択肢がある中で、選択した責任は薬剤師が負う。また、製品の承認審査が間違っていれば行政、メーカーも責任が問われるという議論が行われると思う」
日薬の学術大会、ですので10月の段階ではこのような見解が示されていました。
今回の講演後の質疑応答でもやはり同様の質問があり、それに対して磯部氏は以下のような回答をしておられました。
・後発医薬品の銘柄選択において薬剤師が関与する以上、責任はゼロではない
・複数ある後発医薬品からある銘柄を選択した場合の説明責任はあり、きちんと果たすべき
更に裁判等になった場合の法的責任については「法的責任を問われる場面は稀である」といった趣旨の発言もありました。
以下は私の個人的な解釈になります。
磯部氏は講演の中で「後発医薬品は先発医薬品と治療学的に同等である」ということを繰り返し強調していました。立場上「同等でない」と言えないということはあるかもしれませんが…。
治療学的に同等なものの中からある一つの銘柄を選択して健康被害等が発生したとしても、それは選択した薬剤師個人の責任にはならないということではないかと思います。
但し、後発医薬品選択に当たっては明確な理由とその説明が求められています。「薬価差益が大きいから」といったことは、到底受け入れられないのではないでしょうか。
磯部氏は回答の中で「(後発医薬品選択の)責任が評価の対象となる」とも述べています。「評価」が何を示しているのかまでははっきりしませんが、今後の方向性を示す発言だと思われます。
[磯部氏講演関連(目次)]

コメント
くま☆さん、まずはお疲れ様でした。
録音のことは気になさらないで下さいね。
その分、いろいろ質問させていただくことになるやもしれませんが(☆。☆)キラン
笑
まぁなんていうか、予想通りの質問に対して、以前から見ると随分腰の引けた回答になったようですね。とはいえ、自分がその場に居たら多分、相変わらずなんだかなぁと頭を抱えてしまいそうですw
“責任はゼロではない”といっても、私たちが後発を選択する上では公式発表された情報に頼るしかないわけですから、情報が足りない=判断材料が無いという条件下で起きる事故は、完全に不可抗力なわけで、当然免責でしょうがねぇ。
裁判で「法的責任を問われることは稀である」って・・・責任に対する法的根拠の説明が無いようですし、しかも随分他人事な見解ですなぁ。責任を問われる必要があるとしたら、承認・審査・再評価の権利を独占している行政にあるに決まってると思うのですが。
「法的責任を問われることは稀だから、責任持つって言ってくれよ」ってことですか?w
その見解は磯部氏or行政の一方的見解でしかないし、裁判で行政と争うことになっても、自分達には責任はない、と言わんばかりの認識の仕方に感じましたが、生の声を聞いたくま☆さんはどうお感じになられたでしょうか?
ボクも前から思ってるですが、認可したから大丈夫と
後発品がいっている以上、何かジェネリック故の問題が
起きた場合は、お国が責任取るべきじゃないかと・・・・
値段さげます、これ使え、問題起こったら現場が悪いって
そんな無茶な話はないと思いますよ。。
私も前々から後発医薬品の推進には保険調剤薬局の薬剤師さん達の力が試されているということを考えていました。
http://d-inf.org/drug/ganbare.html
後発医薬品に変更してもいいと処方せんを持ってきても、実際のところ変更されるのはほんのわずかしかない現状はなんだか寂しく思います・・・
>saty様
以前どなたかも書き込まれていましたが、ウチの薬局でも後発医薬品変更可の処方箋を持ってくる患者さんが居た時に、リスクとベネフィットを提示した上で、投薬口で変更を取りやめるケースもありますし(負担金が数十円しか変わらないとか)、実際に変更になっても、次回に病状が不安定になり先発に戻るケースもあったりで、数字だけをみて一概に判断するのはむしろフェアじゃないと思いますよ。
医療従事者として、薬剤師が重視すべきはやはり個々の患者さんの利益であるはずです。
例えば、経済上の理由から治療の継続が困難である患者さんに対しては、多少のリスクがあるとしても、そこは出来る限り薬剤師側で吸収することを前提に積極的に後発への移行を薦めるでしょうし、逆に負担額の変化が小さい場合において、安定している患者さんに対してあえて後発を薦めるのは、現状では不誠実な気がします。
私としましては、制度開始1年も経っていない状況下で結果を求める考え方そのものに日本人らしいせっかちさを感じずにはいられませんが。
だったら行政はもっと下準備しとかないと。
少なくとも現状、医歯薬学部のカリキュラムの中に保険制度に関する単位はありませんよね?
まずは、保険医療制度とは何か、その中における無駄とは何かを教えることからはじめるくらいじゃないと、変わらないと思いますけどね。
医療費問題の中で、後発品使用促進は一つの手段ではあるかもしれませんが、決して問題の本質ではなくて、日本の場合はそもそも薬の使用量を減らすところからはじめるべきだと私は常々思っています。
あ、それと国民一人当たりの医療機関受診回数を減らすことも必要でしょうね。
いずれにせよ、志ある薬剤師の活躍しうる場はいろいろありそうです。
同感ですね、薬が多すぎます。
医師って薬を見直して変更せず、注ぎ足し注ぎ足しじゃないですか?
これは大学病院の組織上仕方ないのかもしれませんが、でもこれじゃ薬が増えて当たり前。
で、副作用と言うか余分な作用を抑えるため、また薬増やしての悪循環。
しかも受診抑制さえすれば医療費は下がると言う単純な発想で長期投与でいらない薬でも山のように出されます。
ジェネリック以外にもやることありますよね。
>さつき様
今後も記事をアップしていく予定ですので、ご質問ありましたらどうぞ。「聞いたこと」と「私の考え」は極力分けて混乱のない様に書くつもりでいます。
「責任」の問題についてですが。最終的には患者さんが選択するとはいえ、薬局の薬剤師にも小さくない裁量が与えられたわけですし、個人的には責任は必然と捉えています。ここでいう責任とは、刑事責任なんかとはちょっと意味合いが違うかもしれませんが。
>Miya様
不勉強で判例などは存じませんが、実際に問題が起こった場合は製薬会社、国(厚労省)、医師、薬剤師で責任を取るようなことになるんでしょうかね。
>saty様
仰るように全体で見るとかなり数字が低いのが現状ですね。どうして低いのかという要因は様々でしょうが、今後検証、更なる使用促進策が盛り込まれる可能性もあります。
>さつき様
>ぽんた様
「医療費抑制のためにジェネリック以外にもすることがあるのでは?」ということは私も思っており、個人的に磯部氏に質問しました。今後「包括化」(マルメ)がより一層取り入れられるだろうとのことでした。
包括化ですか・・・
どうして時代に逆行するようなことしか考えられないんですかねぇ。病医院が利益を出さなければいけない以上、包括化は医療の質を下げます。これは間違いないです。
しかも、院内調剤の時代なら、確かに包括化により薬剤の無駄な使用も減ったでしょうが、分業させておいて包括化って・・・意味わからんのですが(汗)
現場に立ったことのないペーパー薬剤師に「責任」云々を語って欲しくないものです。
後発品選択で、そのメーカーを選んだ責任が薬剤師に発生しても、後発品の品質そのものはメーカーや国・厚生労働省が「責任」を負うべきです。
製造責任を無視するのはやめて欲しいですね。
後発品を普及させるには、
1)薬価差益を完全に0にして、開封済み・端数の引き取り義務をメーカーに負わす。
2)一般名処方。
3)レフィル処方箋にして後発品を試す期間を設ける。
です。
特に薬価差益は一律○%引きで卸と交渉している場合では、薬価の高い医薬品を扱うほうが差益が大きいくなりますし、開封済み返品不可である現状の取引状態では使用量を調節できる院内処方でない限り後発品を使用したくなるはずがありません。
100錠包装を買って、そのうち10錠残れば赤字になる薬局が殆どでしょう。
大体、メーカーが勝手に包装変更したのに以前の包装だからと未開封品まで返品不可にする、現状の傲慢な取引状態をまず改善すべきです。
>さつき様
包括化そのものについては詳しく触れませんが、分業して、「後発医薬品変更可」にして医療費が抑制できなければ、院内に戻して包括化(或いは包括化のために院内に戻す)でしょうね。
>霧華様
利用促進のための経済誘導政策は即効性はありますが、それがきちんと根付くのかどうかという点ではかなり疑問が残りますよね。分業がいい例ですが。
本当に使用促進を考えるのであれば、患者さんも含めた現場の意識改革が必要でしょう。
包括化になったら医師は院内にしたくないですよね。現に今後高齢者でまるめ取ったら院外にするって小さなクリニックまで話してますよ。
でも原則医師は処方せんを発行しないといけないんだし、今更金額的に問題だったから止めましたと患者の権利を奪うのは国でもおかしいと思います。
以前、県単位で次回診療報酬への要望みたいなものを出せって言われ、ジェネリックを推進するくらいなら、特許が切れたら先発の薬価を年毎に頭打ちにして、ジェネリックの一番高い薬価と同じまでしか出さないでおいたら?って書いたんです。
そしたら皆先発使いますよ、品質は安心だし、医療費も抑制できます。
>ぽんた様
先発品の薬価を下げることは同感ですね。不当に高いとは申しませんが、製薬メーカーの利益を見ているともうちょっと下げてもいいんじゃないの?という感じはします。
(通りがかりで失礼します。)
私はそんな論議以前の問題だと思っています。
包括化???ナンセンスです。医療崩壊の大先輩の国々の猿真似しか出来ない厚労省の役人の言う事を鵜呑みにしてはいけません。(彼らの予測は外れまくっています。)
とっくに医療崩壊は始まっているのです。
2.13 医療機関の倒産急増、1月は新集計で最多の8件〔from HOT NEWS〕
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_5472_94130_17
こんな記事のずっと以前からです。
国が「ジェネリックは先発と同じです」と、宣伝しているのも大問題です。(同じでない薬がたくさん有ります。私自身、臨床現場で何度も遭遇します。)
ジェネリックは全く正当に安全性が評価されていません。
そんな話は置いておきます。
この前、見つけた以下の文を見て、頭に来ました。
(公務員の人件費:年間:50兆円!!!)
http://www12.plala.or.jp/iloveushiku/koumuin.htm
亡国の公務員制度
そして、先進国の中で比較して日本の公務員の給与だけ異常に高いのです。(おかしいと思いませんか?)
{公務員1人当たり給与の1人当たり国民所得比 2000年時点
http://www.jri.co.jp/press/2005/jri_050721-2.pdf
第2位のカナダの水準に合わせるだけで16兆円の節減です。医療費に手をつける必要は有りません。
上の資料を見れば、無知無責任な政府(お役人)が金を削る場所を間違えているのは明らかです。これ以上「国民の命を削る行為」を誰かが止めないとダメです。(世界的に観て十分すぎる程抑制されているのです。)
小泉政権以来、民間がどれだけ血を流したと思っているのでしょう?お役人は優遇されたまんま他人の血を流させる事ばかりです。
官民格差を是正(公務員制度改革)すれば自然と財政は好転します。
それと、これは三重県の医師会のサイトからの引用です。
一般の方に大変判り易く説明されています。
http://www.mie.med.or.jp/hp/iryou/flash.html
私は、海外製薬会社開発の医薬品を、日本の製薬会社がどれくらいの契約料を支払って国内での販売権利を獲得して、どれくらいの利益になっているのかは知りません。
先発会社の利益が減れば、新薬開発費用が出にくくなり、しかも、難病の、数のでない、売れ筋ではない薬の開発はしなくなり、治療薬進歩は止まります。そうでなくても昨今の世界の製薬会社は吸収合併が激しいです。
個人的には医薬品より医療機器などにボッタクリ感をより感じます。
>しがない医療従事者様
様々な情報をお教えいただきありがとうございます。非常に興味深い内容でいろいろと考えさせられます。
医療費抑制がかなり言われていますが、原点に立ち返ってみればその正当性というか、根拠というか、そのあたりの検証はどうなんでしょうか。明確になっているのですかね。
お示し頂いたように、公務員の給与を含め総合的に考えることが必要ですね。
まだまだ勉強不足の部分がありますので、色々とご教示いただければと思います。
少し横道にそれるかもしれませんが、医療費の削減のためでしたら「整骨院」に保険を適用するのをやめるべきだと思います。昔、治療に必要であるからと鍼灸を保険適応した流れで、現在は医師のいない「整骨院」が誰にでもみさかいなく(書類に医師の判をもらって)治療(本来治療行為は医師又は獣医師にしか認められていません)している現実。薬剤師が投薬する際も医師の処方箋に保険番号の記載がなければ、薬局で保険証をみせても保険適応されないのに。どうして「整骨院」に保険適応されるのでしょう?
>らん様
あまり詳しくないので何ともも言えないのですが、整骨院などが保険診療に占める割合というのはどれくらいあるのでしょうかね。
今後、議論になってくる可能性はありますよね。
以前に、腰を痛めたことがあり、整形外科にいきました。
長い時間待って、ものの2,3分でシップと鎮痛剤をもらって帰されました。
痛みはひかず、次の日整骨院にいきました。
そこでは、痛めたところをアイスでひやし、軟膏で、丹念にもみほぐして、テーピングをしてもらいました。帰りは驚くほどに痛みがひいていました。
どちらが、治療を誠実にしてくれているかは一目瞭然ではないでしょうか?
最近整骨院はよく、議論されていますが、
きちっと治療をしてくださる整骨院もあるのは事実です。
整骨院の保険診療がなくなる事で、苦しい思いをする患者さんはたくさんいると思いますよ。
>めい様
コメントありがとうございます。
皆保険を維持するために、議論の俎上に載って来るのはやむを得ないのでしょうか。
しかし保険診療がなくなることで困る人がいるとするならば、そういった方々の救済を考えねばなりませんね。