平成23年9月26日付で、社会保険診療報酬支払基金が審査情報提供事例を80例追加したと公表されています。
薬剤|社会保険診療報酬支払基金
http://www.ssk.or.jp/shinsajoho/teikyojirei/yakuzai.html
ご存じの方も多いかもしれませんが、これって一体何なのかと言えば、添付文書の効能・効果欄には記載がないけれども、審査上はそれを認めますよ、というのを薬剤と疾患ごとにまとめたもの、とでも言いましょうか。
以前にも、当ブログで話題にしたことがあります。
2007/09/30 社保が適応外使用47例を認める見解
https://blog.kumagaip.jp/article/5645702.html
いくつか気になったところを見てみますと、
・原則として、「ジクロフェナクナトリウム【内服薬】」を「片頭痛」、「筋収縮性頭痛」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。
http://www.ssk.or.jp/shinsajoho/teikyojirei/files/jirei162.pdf#page=2
・原則として、「ワルファリンカリウム【内服薬】」を「心房細動」、「冠動脈バイパス術」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。
http://www.ssk.or.jp/shinsajoho/teikyojirei/files/jirei212.pdf#page=2
・原則として、「メコバラミン【内服薬】」を「帯状疱疹」、「帯状疱疹後神経痛」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。
http://www.ssk.or.jp/shinsajoho/teikyojirei/files/jirei218.pdf#page=2
「こんなの、当たり前に使ってますがな」という薬剤もありそうですが、そういったケースの追認も含めての公表ということになるのでしょうか。ただ、注意点としても書かれていますが、
本提供事例に示された適否が、すべての個別診療内容に係る審査において、画一的あるいは一律的に適用されるものではないことにご留意ください
ということで、「じゃあ私たちは何を信じればいいのか?」という話にもなってしまいますが(苦笑)、審査上は認めているけれども、ちゃんと吟味しろというメッセージでしょうか。
その流れから行くと、これまでに公表されている事例も含めて、(審査上は認めるけれども)疑義照会はしてくださいね、という話になるんですかね。実際問題、どこまでやるか、という話も出てくるのでしょうが。
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コメント
昨日基金のメール見て、ふ・・・ん・・・・と思ったんです。
支払基金と厚生労働省(厚生局)は違うでしょうね。
本当にいつも思うのですが・・・・何のため?まあ、役所の発想はこんなもんでしょうけど。
こんな事どんどん厳格にやってたら、病気治せないでしょう。
医者は興味ないから、さほど話題にならないのか・・・・・
一体、病気の何%の適応症が現在通っているんでしょうね?
小児適応を追加って言い出したら・・・・通ってる方が少ないんじゃないです????
最近、ロキソニン(医療用)は頭痛・生理痛の適応無かったんだあって知りました。
でも、医者でもらってよく効くからって買いに来ますよね。
少し横道ですが、ビジネスの方でこんな記事が
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20110926/222810/?P=2
メコバラミンの末梢性神経障害だってエビデンスレベルが低いのに、適応外OKとされるのか不思議でいろいろ考えてみました
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail46.html
社会保険診療報酬支払基金はエビデンスよりも現状に合わすことを重視したと私は考えています。
経済的かつ効率性のあるプラセボとして容認しているのかなとななめ読みしたくなります(プラセボは疾患の中で痛みによく使われ、2008年のイグノベール賞を受賞した高価な偽薬(プラセボ)は安価な偽薬よりも効力が高いという研究も痛みに関するものでした論文名Commercial Features of Placebo and Therapeutic Efficacy)
この話はメコバラミンを製造している製薬会社(例エーザイ 2010の売上 304億円http://www.beaglehc.com/Dantai_seiyakukaisha/Seiyakukaisha_kenkyu.html)にとっても悪い話ではないし、調剤薬局にも処方されれば後発のポイントを自動的に多く稼げる点で調剤薬局にも悪くない話であることは断言出来ます。ただし患者さんや社会にとって悪い話ではないとは言い切れないと思います
>ぽんた様
コメントありがとうございます。
医師側は確かに病名が漏れていなければ、という部分に木をつければいいのでしょうね。
でも薬剤を使うために病名をつけるような現状があるとしたら…それも問題ですよね。
>下っ端薬剤師様
コメントありがとうございます。
すると、エビデンスよりは現状を見てそれらを追認するという意味合いのほうが大きいのでしょうかね。それ以外にもいろいろな要素が絡んでいるのかもしれませんね。
>くま様
薬剤を使うために病名をつけるような現状があるとしたら…それも問題ですよね。
この件ですが、現場ではかなりあると考えたほうがよいのでは?
それより、気になるのは患者が該当する疾患がないにもかかわらず、病名をつけられている事です。あくまで一例ですが、
(今ではほとんどないでしょうが、逆食にPPI使用で胃潰瘍などの病名記載や亜鉛補給にプロマックの使用など)
患者さんが新たに生命保険などに加入する場合
本人には(潰瘍など)カルテ上の病名など知らされていないのわけで、保険会社の告知項目には当然に記入しませんよね。運悪くその後重篤な潰瘍(概ね2年以内など)を患い入院手術という事になったらどうでしょう。保険会社が既往歴を調べて告知義務違反で保険の支払いを見合わせるなんてことはないのでしょうかねえ?
2年経過以降でもがん死亡などのような、その支払い金額によっては、重大事由による解除や詐欺による無効なんてことを持ち出されて、保険金の支払い停止の泣き寝入り是ざる負えないなんてことは起こらないのでしょかねえ。どなたがこのあたりの取り扱いに詳しい方おられませんか?
昨日Drとこの件で適応外の話をしていたのですが、審査は通っても重篤な副作用が出た時に救済給付の対象にはならないという話になってるみたいですね。そんなこと言われたら処方する方も今まで通り他の病名での処方をされるかもですね。
>お二方
コメントありがとうございます。
う~ん、いろいろな可能性が考えられそうですね。確かに審査が通るというのは要素としては小さくないのですが、様々な事情を考えますと、決して手放しで喜べるものでもなさそうですね。