日薬は公益社団法人に相応しいか

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多くの方がご存知とは思いますが、日薬=日本薬剤師会は正式には「社団法人日本薬剤師会」と言います。社団法人と言いますと、どういったイメージがあるのか多少の差はあれど、そう大きな違いはないかと思います。
Wikipediaから引用しますと、
Wikipedia:社団法人

社団法人といえば民法上の社団法人(公益社団法人)のみを指すことが多かった。かつての民法上の公益社団法人とは、民法第34条に基づいて公益のために設立される法人の一つで、学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益に関する社団であって、営利を目的としないもの

と書かれています。
ここで上記引用部をよく見ていただくと「かつての」と書かれています。鋭い方は既にお分かりかと思いますが、2008年12月1日に公益法人制度改革3法が施行され社団法人の定義が以下のようになっています。

一般社団法人 – 一般社団・財団法人法に基づいて、一定の要件を満たしていれば設立できる非営利目的の社団法人。従来の中間法人も含む。
公益社団法人 – 一般社団・財団法人法に基づいて設立された一般社団法人で、公益法人認定法に基づいて公益性を認定された社団法人。

では現在の社団法人日本薬剤師会の位置づけはと言いますと、「特例社団法人」というものになります。

特例社団法人 – かつての民法の規定に基づいて設立された公益目的の社団法人。特例財団法人を含む特例民法法人の一つ。2013年11月までに、一般社団法人・公益社団法人のいずれかに移行するか、解散することとなる。

即ち、一般社団法人か公益社団法人へ移行する認可の申請をしなければ、現在の「社団法人日本薬剤師会」は2013年11月30日をもって解散したとみなされることになります。
日薬はどのような方向性を目指しているのかと言いますと、日薬雑誌09年7月号[vol.61]の編集後記を見ますと、

日本薬剤師会は「公益社団法人」を目指して「新定款及び施行規則等」を整備しなければならない
早急にまた慎重に「公益法人」の認定を受けるべく準備をしているところであります

と書かれており、公益社団法人認可を目指していることがうかがえます。
公益社団法人として認可を受けるために満たすべき主な要件は、公益目的事業比率が全支出の50%以上であること等が必要となります。
ではもう少し基本に戻って「公益目的事業」とは何かを見てみますと、
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/announce/H18HO049.html

学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう

「別表」については上記リンク先(一番下です)で確認していただければと思いますが、受益の機会が開かれたものであるのかどうか?というのがポイントとなるようです。
話を戻しますと、公益目的事業比率を全支出の50%以上にするために今ある形を見直すこと、また事務的な手続きの中で検討を必要とする部分があるに違いありません。
しかし真の目的は小手先の変更で公益目的事業費を50%超にすることではなく、行っている事業が如何に「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与」できるのかを考えること、またそのような事業を増やすことでしょう。
理念を持たずに体裁を繕うことだけを考えるだけの団体ならば、到底公益社団法人に相応しいとは言えません。

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くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. ぽんた より:

    薬剤師会は、中でもまともだと思います。
    めずらしく褒めて?ますけど。
    常任理事の給料も公益目的の部分は管理費でなく事業費になりますし、それから考えても、多分50%大丈夫ではないかと・・・計算したわけではないですが。
    株式や資産があるわけでもないし、一部の人間が独裁で理事をやってるわけでもないですし、役員報酬や退職金がとんでもなく高額でもないですし。
    いたってまともと思います。
    後は情報公開が結構大変ですし、損害賠償の基準などもありますし。
    色々細かい準備をすれば、公益認定は大丈夫でしょう。
    問題は収益事業を持ってる各都道府県で・・・・昨年のガイドラインを見ると大丈夫のような気もしますけど。
    市などの社団もどうするのか・・・・ですね。

  2. くま☆ より:

    >ぽんた様
    ご意見ありがとうございます。
    一時話題になった漢検協(こちらは財団法人でしたね)のようなことはないでしょう。
    しかし「公益法人になること」が目的になってしまわないよう、また所属する会員も意識を高めるよう、取り組んでいかねばなりませんね。

  3. ぽんた より:

    公益って大事なことだと思うんです。
    薬剤師さんてこういう話はあんまり興味ないって思いますが・・・・
    薬剤師の共益ではダメで、あくまでも公益ですから。
    広く日本国民に対して薬剤師が何をできるか?ですから。
    講演会など色々な活動も一般の方が参加した物に変えていかないといけないって思います。
    仲間内の満足でなく、国民の健康に貢献するため、調剤業務だけでなく、薬剤師が何をできるか?何をするのか?を考えていかないといけないと思います。

  4. さつき より:

    公益法人の定義がそもそも曖昧でよくわかりませんね。
    公益:「国家または社会公共の利益。広く世人を益すること」(広辞苑 岩波)
    一方で、
    「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」(薬剤師法第1条)
    つまり原理主義的に言うならば、この国における薬剤師はそもそも「公益」の為に存在しており、個々の薬剤師が薬剤師法の理念に従って業務を遂行すれば、自ずと「公益」は保たれるはず。
    換言すれば、薬剤師の適正な業務遂行をサポートするあらゆる“非営利の”事業は間接的に公益性を発揮するはずなので、重要なのは「それらの事業の結果による受益者は全体(=国民)のどの程度なのか」であり、詰まるところ薬剤師会の組織率というところに落としこめる気がするのですがいかがでしょうか。

  5. ぽんた より:

    一応ここで言う公益とは公益認定のガイドラインに書いてあります。総務省?かな、20年4月にガイドラインが出てます。あと会計基準とか。
    他の団体と比較するなら薬剤師会は当然公益と認められるはずです。
    真面目な薬剤師が考える公益と、法律での認定基準とは少しギャップがあるような気がします。
    何か私めずらしく・・・・公務員的ですね、コメントが・・・・
    それと総務省?から抜粋しようと思ったのですが・・・・主人がさしみ???のせい?、腸炎ビブリオ??夜中に吐き気と下痢で今救急車で連れて行って入院となりましたので・・・・白血球が2万もあり・・・・
    しばらく(多分1~2日入院)お休みします。

  6. さつき より:

    >ぽんたさん
    ちょ、そんな大変な時期にレスしていただかなくても~!(>_<)
    ガイドライン等については知ってるんですけどね、そもそもの理念がね、問題ですよね。
    だって、薬剤師会が公益法人を目指すのは理念としてそうあるべき、だからじゃないんですかね?ん?それとも、単に税制優遇等の実利のためなのかな?
    学生の実務実習に会を挙げて文科省に全面協力しているのは、もちろん後々の自分たちのため、っていう打算も大きいのでしょうが、他業種を眺めてみてもそんなお家事情を深読みされることなんて普通なく、単に社会貢献活動をしてるとみなされると思うんですけどね。
    実務実習に薬剤師会が金をつぎ込んでるのは公益事業以外のなにものでもないわけです。
    ところで、そもそも公益法人ってそんなご大層なものなんでしょうかね。
    “あの”日本相撲協会だって未だに公益法人なわけですが・・・

  7. ぽんた より:

    さつき様有難うございました。
    しかし、朝5時に帰ってきて、少しでも寝なきゃって思っても何か神経が高ぶっていて・・・
    それでパソコン開けてレス書いてたら段々落ち着いてきて、しばらくして寝ました。
    有難うございます。
    しかし。
    私が1日遅れで毒素が体を駆け巡り^^;
    昨日の昼から夜中にかけて熱でて、ふわふわで、もう大変でした。
    代謝が遅いすぎる自分の体が怖い・・・・
    で、本題から相当はずれましたが。
    公益活動なるものをみんなで考えるのも必要ですね。
    公益認定なるものは、年寄りにとっては・・・・法人格があると言うハクは重要ですね。
    銀行さんとの付き合いとか・・・・
    他団体との付き合いとか・・・
    若い時は、そんなもんどうでもいいでしょう?って思いましたが、社会に染まって流され?てくると、それなりに重要性を認識する今日この頃です。

  8. まいける より:

     公益法人は、本来の定義とは別に、監督官庁がつくことで面倒な事がある代わりに税制やその他の優遇があることで、成りたがりがあったとも聞きます。
     職能団体として、薬剤師の技能の研鑽、患者への還元、等を行なう限りは、当然に「公益」法人であるものと思います。 他方、薬剤師の給与の引上げ、薬局以外での医薬品の販売の妨害等を自らの権益保護のために行なうならば、当然「私利私益」団体に他ならないわけです。
     この区別は、結構難しいと思います。 
    薬剤師の処遇が悪ければ、患者さんのために努力する気力も生まれてこないのは当然ですし。。。。

  9. さつき より:

    >まいけるさん
    そう、それなんです!
    敢えて言いませんでしたが、上の方で述べた 「薬剤師の適正な業務遂行をサポートするあらゆる“非営利の”事業」 には、調剤報酬アップや医薬品の専売権等、薬剤師の地位(待遇)向上を求めるような、一見私益の為とも思えるロビー活動も含めたかったので、曖昧に記述しておきました(笑)
    『高品質』の薬剤師が社会に存在することが「公益」に適うと考えるのならば、それを育てるために受益者である国民に負担していただくのはあたりまえのことですから。
    もちろん、「職能に対する適正な評価が行われていない状況下では」、という条件付きですから要求には限度がありますし、一方でその要求が妥当であると理解させるに足る、各個人による職能向上のための不断の努力、或いはそれを喚起・サポートする「公益事業」が伴ってこそ許される活動だと思っていますが。

  10. くま☆ より:

    >皆様
    コメントありがとうございます。
    「薬剤師」はそもそも国家資格であり、となればその存在は公益と考えるのが自然であり(さつき様仰る「理念」あってのものですが)、さらに薬剤師会も「公益」であって然りです。
    しかしながらまいける様ご指摘の「公益」か「私利私益」かの区別は確かに難しい部分はありますね。
    >ぽんた様
    体調はいかがでしょうか。一日も早い回復をお祈りします。

  11. さつき より:

    >ぽんたさん
    おとなしく寝ててください!(笑)

  12. ぽんた より:

    <(_ _*)> アリガトォ

  13. ぽんた より:

    元気になりました!
    しんどくないですが、1日絶食したら、まだおなかはコロネル飲まないと・・・・って感じです。でも元気復活です。
    いやあ。
    多分ビブリオですけど・・・・えらいめにあいました・・・・
    皆様ご心配いただき有難うございました。

  14. くま☆ より:

    >ぽんた様
    状態良くなってきたようで、よかったです。でも無理は禁物ですね。しばらくお刺身は食べられないでしょうか…

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