管理・指導料は一律であるべきか

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シリーズ化するつもりもなかったのですが、服薬指導加算の第3弾です。過去2回の記事はこちらです。
2007/06/11 服薬指導加算の算定
2007/06/09 [服薬指導加算]初回来局時に算定可能か?
両記事ともたくさんの、また内容の濃いコメントありがとうございます。
6月11日の記事には『「薬剤服用歴管理料」と「服薬指導加算」が別になっているのは解せない』「指導料は一律であるべき」といったコメントが寄せられましたが、私は敢えて逆のプランを考えてみました。
まず、パソコンを買う例えを挙げます。最初に3人の設定を。
Aさん:PC初心者。初めての購入で、目的はインターネットとメール。ワードとエクセル程度。
B君:パソコンにはそこそこ詳しい。既に1台所有しており、買い替えを検討。ネット環境あり。
C君:仕事でパソコンをよく使っている。今回はプライベート用のノートPCを買い増し。
3人がPCの購入を検討しているわけですが、パソコンに対するスキルや環境がかなり異なります。
Aさんでしたらパソコンの選定からプロバイダ選び、ソフトのインストールはもちろんネット接続の設定まで必要になります。
B君は購入に際してのアドバイスは必要ですが、既にネット環境がありますのでプロバイダも既存の物を使用できますしネットの設定も自力でできそうです。
C君はPCの選定から周辺機器の設定まで全て自分でやることが可能です。
ここで助言する立場の人がいたならば、それぞれに応じたアドバイスが必要ですし、仮にお金を取ってそういった仕事をしている人ならば、それぞれ料金設定も違ってくるでしょう。
逆に料金が一律である方が不公平・不自然と感じます。
調剤の場合もこれと同じことが言えないでしょうか。即ち薬剤服用歴管理料で事足りる人、服薬指導加算が必要な人。また薬剤服用歴管理料すら不要な人もいるかもしれません。
「患者さんの状態を考慮せず、しかし服用環境整備のために管理・指導しているのだから料金は同一で」というのは薬剤師のエゴにも似た物があります。
分かりやすい基準を示し、また一方的な算定をしないなど、患者視点に立ったアイデアを取り入れてみるのも一つかもしれません。

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. たまねぎ より:

    すごい納得させられる例えだと思いました。
    おっしゃる事はまさにそのとおりなんです。
    では、なぜ一律化するべきかと思ったのかなんですが。
    そもそも、パソコンの例えにもあるように、患者個人個人によって指導内容は変わります。
    簡単にすむ人もいれば、詳しく指導しなければならない人、いろいろですよね。
    なので、その人にあった指導、そしてそれにあった報酬を考えるのは当たり前のことです。
    でも、ではなぜ患者側には理解できないのでしょうか?
    これもすごく当然なことに、お金を払う代価として納得していないと思うんですよね。
    どの職種でもニーズやした仕事によって報酬がかえってくると思います。
    これが病院や医者の立場だった場合、一部を除く大部分の方は納得するでしょう。
    それは地盤がしっかりしてるからなんだと思います。
    病院の歴史はふるいわけで、今まで試行錯誤の末、患者さんの信頼を得てきたんだと思います。
    そのため患者さんは納得しちゃってるんです。医療を受けるべき場で、適切な指導、処置が行われたと。(あまりに偏りすぎて医者がさも神様みたいに絶対にまでなってしまってますが・・)
    でも調剤薬局はちがいます。
    歴史が浅いうえ、患者さん側からは薬屋のイメージが強い。
    だから、しっかり説明をしたから、加算をとって割り増しになってしまったとしてもぴんと来ないんだと思います。
    それこそ、薬を売るだけが仕事と見られているわけですから。
    見えないところで併用禁忌だ、相互作用だとかいっても伝わりません。
    事故はおきてしまってはまずい。
    起こさないようにするのが仕事なわけで。
    その点を何のために仕事をし、確認をしてるのかを患者さんにもわかってもらわなければいけない。
    それをまず解決しなくては、薬剤師側がいくらしっかり指導したとか、患者さんに説明しても納得してもらえるはずはないと思っています。
    小町のような現象が起こるのでしょう。
    服薬指導加算にかぎらず、手帳も別枠で加算を取っていては、患者側にいらないと一蹴されればそれまでになってしまいます。
    でも、急性期で単発の風邪にかかるのではなく、慢性期の患者さん(特に高齢者)には絶対に必要なはずです。
    まだ打つ手はあるはずなのに、加算=別料金というシステムで手詰まりになってしまう。
    薬剤師が本当の意味で医薬分業に到達し、患者さん側も納得できるようになるまで、しっかりと地盤を固めてから細分化しなければ、それこそ独りよがりになると思い、あえて一律化をすべきではないかと考えました。

  2. さつき より:

    >くま☆さん
    誰かからそのツッコミが来るのを待ってましたよ!
    でもまさかくま☆さんが身を削ってやってくださるとは!!(笑)
    で、叩き台にさせていただこうと思ったんですが、たまねぎさんにほぼ完璧な論理を出していただいて・・・無念  orz

    とはいえ、何も言わないのも寂しいですので、とりあえず反論しておきます。
    PCの例ですが、一見分かり易く見えますが、実は到達目標が決まっていないという点において、服薬とは全く比較になりません。
    所詮趣味・趣向の領域の話で、PCが使えなかったところで誰も傷つきませんしね。
    でも、服薬は違います。
    Cさんの話にしても、かなり高度な知識を持ったPCのアドバイザーからしてみたら「実はこうシステム組んだ方が高率良いんだけどな」とか、「このソフト使えば、こんなことも出来るんだけどな」とか思ったところで、Cさん自身が納得して、自分で使っている以上、余計なお世話って話になるわけです。
    でも、薬剤師は違います。
    「薬剤服用歴管理料すら不要な人が居るかもしれない」
    というお話ですが、その方が薬剤師なら話は別ですが、そうでない以上、“知っている”と考えることこそが患者の傲慢以外のなにものでもない。
    なぜならその方自身、責任を取れる立場になく、逆にその方に投薬した以上、その方の服薬に対して、問答無用で薬剤師は責任を負うからです。
    知っているというなら、何を知っているのか、薬剤師は話を聞いて確認しなきゃいけない。
    むしろ、知らないひとに一から説明するより面倒ですよ、ルーチンにできないから。

  3. ぽんた より:

    行政が一律にしないのは、個々の患者にちゃんと聞いてるかどうかを確認したいのでは???
    例にあげていただいたように、薬剤師なら・・・と同じ次元で、「医師に指導料算定した」と大学病院の前の会営が指導受けました。
    しかも、特老だと、看護師が常勤なので、指導料算定不可と。
    なんで看護師にとれない!?って怒りはありますが、まあそれはさておいて。
    やはり、いくらかでも例外がある以上一律は無理じゃないかと。
    全部とるか(自信を持ってもしくは経済上)、一人一人ものすごく考えて取ったりとらなかったりするかは、やはり個々の薬剤師の心の中にしか解答はないような気もします。
    でも、医科の点数を見てると・・・そのうち「まるめ」になりそうだし。。。。
    結局評価の低い次元で「一律」になったりしてって最近思います。

  4. まじゃ より:

    >分かりやすい基準を示し、また一方的な算定をしないなど、患者視点に立ったアイデアを取り入れてみるのも一つかもしれません。
    ↑そうできるといいのですが、現状ここでも議論が展開されているように、提供する側でもはっきりした基準が無いものを、より素人に分かりやすく説明とは不可能であり、他の皆さんのおっしゃるように、たとえ不平等であろうと薬剤師の仕事をトータルで考えてもらうようにしないと、転ばぬ先の杖に価値観が無い日本人に対しては、細分化された加算では到底納得できないでしょう。
    コレは薬剤師のエゴというわけでなく、主張する薬剤師がその主張に伴い、仕事をやりやすくすることで、一般人に理解できない転ばぬ先の杖を、そっと提供できるという患者側のメリットが最終的にあるのです。
    せっかく薬の番人として存在する薬剤師が、解釈によって金額が変わってしまうという悪法により、守っているはずの患者さんより非難を受けたりするのは、お互いに不利益だと考えます。
    「おりゃ、杖なんぞいらねぇよ!」と
    >結局評価の低い次元で「一律」になったりしてって最近思います。
    ↑結局コレが現実でしょう。
    仕事のしにくさのかなりの部分を、調剤報酬体系が占めるでしょう。一朝一夕には変わらないことですが、少しでも食い止めようとしていかないと、どんどん削られてしまいます。
    効果の程は???(藤井さんの活動にも???というコメントがありましたが)ですが、やはり薬剤師の味方議員を一人でも二人でも国会に送りこむ事は、全ての活動においてその改革の種になると思います。
    選挙活動もしましょう!

  5. より:

    PC購入者での例、一見わかりやすいようですがさつきさんの仰るようにまったく次元が違うと思います。
    自己責任でCさんが買ったマザーボードとビデオカードの相性が悪かったとして、Cさんは販売店にクレームをつけるでしょうか。「相性ばっちりですよ!」っていう説明があったのならつけるかもしれませんが、そうじゃなかったら「今回の買い物は失敗だったな」って事で納得すると思います。
    薬の情報はネットで全部調べるから説明は要らないって全く聞かずに帰った人が居て、重大な副作用が起きた時、「今回の服薬は失敗だったな」でその人は納得してくれますか?またショップ店員には説明「義務」は法制化されてませんが、薬局薬剤師には義務がありますよね。
    薬局も客商売である以上患者視点は重要ですが、押し付けだろうとやらないといけないことってあると思います。
    「薬剤師への指導料」だって、一律に取らないってのもおかしいなぁと思いません?薬剤師国保に加入していて、すでに調剤を引退して20年経つ80代の人が新薬に関しての必要な知識を得るのは難しいんじゃないでしょうか。私だってもし仕事離れて家庭に入って5年もすればその間に出た薬に関しての知識を恒常的に得て行く自信はありません。
    一律に算定することで患者側のコスト意識を逆手に取り、「同じお金を払うんだったら説明を聞かないと損」という考えにもって行かない限りこの問題は解決しないと思うし、自分勝手な服薬で健康被害を起こす事例はこれからどんどん増えると思います。

  6. くま☆ より:

    >皆様
    コメントありがとうございます。すいません、レスは明日以降になってしまいそうです。
    関連する話題を今日の記事にもアップしましたのでご覧ください。
    https://blog.kumagaip.jp/article/4370146.html

  7. 子持ち34歳の父より より:

    時々このページを拝見している、薬剤師でも何でもないごく一般の社会人です。くま☆さんの考え方は一般社会の視点で薬局業界という特殊な社会の常識に一石を投じられ、大変興味深く拝見(心の中で応援)しています。
    さて、皆様の意見で少し気になったのでコメントさせて頂きます。
    報酬が一律がいいのか、違う方がいいのかは薬局運営に携わる立場の人間ではないのでこの点への意見は持ちませんが、くま☆さんは、必ずしも初心者の時は報酬が高く、経験者の時は報酬が低くても良いのではと言われているのでは無いと思います。
    お客様が経験者であっても、いや経験者だからこそあえて余計に助言を行って手間が掛かったのならその分が報酬に反映されるのが本当の姿であって、手間(サービス)に応じて報酬に差がつくのはある意味正しいのではと言われているだけだと思います。(私もそう思います)
    また、サービス内容が特異な為にお客様に理解してもらうのが難しいからとか、手間をかけなかった時に何かあったら困るからなどという風に考えるのでは無く、特異なサービスを提供する事に尽力するからこそ信頼されるされる(他店との差別化、ブランド力)のであり、安売り店のようにまったく手間を省いて対応して後は知らないというのではなく、手間を省くにしても必要最低限の手間は必ずかけ、その上でお客様に応じたサービスをプラスするようにすれば問題が起こらずに済むと考えていけば良いのではと言われているのだと思いました。たとえその為に別途費用が掛かるとしてもそれがお客様にとって喜んでもらえるサービスならお客様は納得して料金を支払って下さいます。(私は子供の服薬管理が楽になるので、薬局に対してこちらからお薬手帳をお願いしました)
    そういった考え方を持つことができるか否かが、受身の姿勢か、前向きの姿勢かの違いだと思います。
    (くま☆さんが書かれている内容と皆様方とのコメントの対比が、先日私が勤める会社での営業会議に出てきたような内容だったので、つい書き込みをさせて頂きました)
    知人に薬局経営をされている人もいるので、薬局を取り巻く環境は大変だと思います。さらに、行政の感じではこのままでは尚一層大変な状況になる気配がします。お力にはなれませんが、くま☆さんをはじめ皆様にはぜひとも頑張って頂き、今後も私たちが安心して薬を飲めるようにお願いします。

  8. くま☆ より:

    >たまねぎ様
    言わんとすること、よく分かります。現時点で病医院(医師)と薬局(薬剤師)の位置付けの違いもあるのは承知です。
    一つ危惧すべきは「本当の意味で医薬分業に到達し、患者さん側も納得できるようになるまで」の部分です。結局現時点では我慢というか、自己否定しなくてはならないということにつながりはしないでしょうか。
    またその「来たるべき時」を迎えたとして、それまで一律だったものが段階的なることを受け入れてもらえるでしょうか(卵が先か鶏が先かという話のようですが…苦笑)。
    患者さんが金銭負担以上の価値を感じることができればいいのではないか、そのためにできることは何か、考えていきたいと思います。
    >さつき様
    患者さん側にしてみたら薬歴にしろ手帳にしろ、「リスク管理にいくら出せるか」に似た話になるのだと思います。現行ではありえませんが、仮に免責制が導入されるのであれば薬歴を取らないのもアリかなと思います。
    >ぽんた様
    一番の懸念ですね>「結局評価の低い次元で「一律」になったりしてって」
    薬歴料と服薬指導加算が別になっている現状、きちんと仕事をしたのであれば後者も進んで算定すべきですし、理解が得られるような活動もしていかねばなりません。
    >まじゃ様
    患者さんに聞いちゃったらどうでしょうか。「このお話は服薬指導加算相当ですので、22点を算定します」って。嫌だと言われたら算定せず、納得してもらったら算定する。
    ま、それは極論としても現状は知ってもらうべきですよね。
    >遮様
    > 押し付けだろうとやらないといけないことってあると思います。
    この視点はとても大切なことと感じますね。時代のせい、にしてはいけませんが、以前はこういったこと、日常生活の中でも結構行われていたように思います。今じゃ他人の子供を叱ったら、叱った方が白い目で見られますもんね。
    すいません、話がそれましたが何となく共通の物を感じ、重ねて見てしまいました。
    >子持ち34歳の父より様
    書き込みいただきありがとうございます。
    詰まるところそこなんですよね>手間(サービス)に応じて報酬に差がつくのはある意味正しい
    例え話をしてかえって話をややこしくしてしまったのかもしれません(苦笑
    保険調剤の下においては、様々な義務や責任が生じるために、それがそのまま当てはまらないところがなかなか難しいと感じます。
    いずれにしましても、患者さんに少しでも分かりやすいような、納得いただけるような形で提案をしていくことが肝要ですよね。

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