薬の福太郎「処方箋獲得コンクール」は薬剤師的にアウトでしょう

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「くすりの福太郎」で、記載していない薬歴が17万件余りに及ぶということがニュースになっています。
薬のカルテ17万件未記載 調剤薬局「くすりの福太郎」 – ニュース – アピタル(医療・健康)
業界関係の方々は、かなりの衝撃をもって受け止めているのではないかと思います。
一つ気になっているのは、このニュースが朝日新聞のすっぱ抜きだということです。元々の話も、厚労省などから出てきたものではなく、記事中にありますように「内部資料」とされています。
もう一つは、調剤報酬改定の議論がこれからされるというタイミングでのリリース。この話題は世に出てくるタイミングをコントロールすることが可能ですから、何らかの意図があってもおかしくありませんね。
薬歴の未記載、もちろん大変なことなのですが、個人的にはこちらの方がショックな内容でした。
利益優先、薬歴後回し 指導に備え急ぎ記入 くすりの福太郎:朝日新聞デジタル
一部抜粋いたしますと、

福太郎本社は「処方箋獲得コンクール」を、不定期に企画した。家族や友人の処方箋を集めることを求めた。昨年7月にあったコンクールの案内によると、目標は1カ月間で全店舗合わせて「処方箋1千枚」「売り上げ1千万円」。「皆が高い意識を持てば不可能な数字ではない」と発破をかけた。優秀店は社長から表彰され、店頭で目玉商品となっているドリンク剤などが贈られる

なるほど、店舗間で売り上げや枚数を競わせるというのは、チェーン店ならではの取り組みです。「他店舗」を仮想敵に見立てることで、店舗内の結束を固めることもできます。これは参考にな……るわけはないですね。
目標は、もちろんないよりもあった方がよいでしょう。とりわけ、「枚数」や「金額」は目標を設定する方も、それからそれを目標にする方にとっても、非常にわかりやすく、基準が明確です。
しかしそこに到達するための努力の方向を完全に間違えていますね。
勤務している職員の方々は、「今月処方箋コンクールがあって、うちの店は出遅れてるんんだ。なんとか、処方箋1枚持ってきてくれない?」といった具合に周囲に頼んでいるのでしょうか。

福太郎幹部は「患者の方を向いていなかったかもしれない」と振り返る

ともありますが、「かもしれない」ではなくて、完全に患者に背を向けている。それに気が付かないのですから重症です。最初は小さな方向性のズレが日を追うごとに重なり、そんな中にどっぷり浸かっていると、感覚がマヒしてくるのでしょうか。
ドラッグストアへようこそ―田舎薬剤師の接客日誌

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. ごりら より:

    元調剤薬局薬剤師です。
    今回の福太郎の件は他人事じゃないです。
    朝日の記事にもある厚生局の指導入ったことあります。
    ほぼ何も書いてない状態の薬歴、書き足したり、聞いてもいない副作用のこと、出現なしと書いたり。
    返還しましたが、自分の所もそうだったので大して驚かなかったのが情けない話です。

  2. くま☆ より:

    >ごりら様
    仰る通りかもしれません。
    この問題を、福太郎だけの問題とせず、今一度すべての薬局と薬剤師が、問い直してみる必要があるのだと思います。

  3. さる より:

    遺憾ではありますが・・・
    同業者であれば、今は静観するしかないと思います。
    ごりら様
    匿名でもそのお立場で公言できる内容ではないように思います。
    某団体でも同じ様な立場の型が同様に話され業界新聞で取り上げられていましたが・・・

  4. くま☆ より:

    >さる様
    ますます広がる様相ですね。厚労省から自主点検の依頼があったようですが、そちらがどうなるのかも気になります。

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