薬価改定の「頻度」のみに目がいきがちですが

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薬価「毎年度改定」、来年度の導入困難(2006/9/7 読売新聞)
とかく「改定頻度」ばかりに目が行きがちになってしまいますね。一般紙を見るとそれが顕著です。確かに論点としては分かりやすいですし「改定≒薬価ダウン」と考えると、頻度を上げろ!という話になります。
この読売新聞の記事はそうでもないですが、すると頻回改定に反対する者はいわゆる「抵抗勢力」であり、端的に「悪」という構図になりがちです。果たしてそうでしょうか。
ここで中医協薬価専門部会の内容について、もう少し詳しく書かれた記事を見てみます。
【薬価専門部会】薬価算定で論点提示(2006/9/7 薬事日報)
すると、来年度の薬価改定導入が難しくなった理由というのがより明確になってきます。それを一番よく表しているのが、
「現行の2年に1回という薬価改定の頻度を含めた薬価算定基準のあり方について検討すべき」
という部分です。
もちろん中医協とはいえ、いろいろな思惑によって動いている部分も無いわけではないでしょうから実はこれは「建前」であって、引き伸ばしのための口実なのかもしれません。
本当のところは私には分かりませんが、しかし薬価基準のあり方そのものについて考えていかないと、真の成果は得られないと思うのです。言葉は悪いですが頻回改定という「小手先の改革」では先が見えています。
それからもう一つ大切なこと。当ブログのコメントでもいただく意見ですが…。
医師を筆頭とした医療従事者が、薬を使用することに対しての認識を改めていかねばならないということです。実は薬価基準よりもこっちのほうが問題の根は深いかもしれません。
同時に、薬を使用・服用する患者サイドの意識も変わっていかねば、問題解決にならないのは言うまでもありません。
国民皆保険って本当にいい制度だと個人的には思うのですが、コスト意識が希薄になってしまう部分がどうしても出てきてしまう難点がありますね。で、それが制度の存続自体をも危ぶむことになりかねない事態を招いている。
いっそのこと窓口10割負担にしてしまうってのはどうでしょうね。必要な費用を一旦全額支払し、その後自身で申請したら保険分が戻るようにするとか…。
あ、でもそれも「小手先の手段」ですかね。根本的な解決にはやはりそれぞれの立場で、認識・意識を改めていくしかありません。

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このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
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コメント

  1. はなくり より:

    薬に依存した長寿からの脱却は、少しずつですが、始まっています。与える側の意識が遅れているように思えます。なぜなら、声の大きい患者は依存性が高いからです。その甘えを容認する余力が 今の社会経済に無くなってきました。現場の医療者には、凛とした倫理観が求められ始めています。国際社会に通用する倫理観です。
    当然、違う立場の価値観が対立します。医療は国が運営できないところまで追い込まれ始めているのではないでしょうか。
    国は、監視業務(アメリカのFDAのように)に向かっているのかもしれませんね。
    国民皆保険制度は皆が貧しく誠実であれば、粛々と運営できたのですが、翻って、今はどうでしょうか?
    本当に患者に必要な情報を提供して「加算」をしている薬局は、どれだけあるのでしょうか?
    社会的に納得してもらえる説明をしている医療者は、どのくらいいるのでしょうか?
    健康保険価格なら、ここまでで充分だと、自らの技量を落としかねない理屈を主張していませんか?
    それでは生活が・・・との意見は却下します。なぜなら、真面目に誠実に普通に働いて、人並みな生活を楽しんでいる現実の医療者をたくさん知っているからです。
    強欲にまみれた医療者の意見が大きい声であることは、依存性の高い患者の声が大きいことと同じ比率なのです。
    日本の社会が、何処まで許容するか?です。

  2. くま☆ より:

    >はなくり様
    大切なのは「規則」ではなく「倫理」ですよね。現状を考えると一朝一夕にはいかない部分も多いですが、向かうべき方向は見誤らないように考えていきたいものです。

  3. G320 より:

    規則」ではなく「倫理」まさしく表とウラの世界ですね
    ひさしぶりカキコです

  4. くま☆ より:

    >G320様
    お久しぶりです。
    ブログタイトルにうまく掛け合せていただきました(笑。ありがとうございます。

  5. G320 より:

    経営的な話をひとつ
    薬価改訂で仮に10%平均で引き下げがあったとします 当然期末棚卸は連動して下がります
    単純な話期末在庫高500万とすれば一方的に50万の損金が発生するわけです 一般的に最終原価法をとりますから で それについて支払った消費税はどうなるんでしょうね 薬価は一応税込みとなっておりますから 結局日薬が技術料を引き換えに上げる折衝をしないと薬局経営はいずれ破綻すると推測しておるのですが
    医療に経済はタブーでしょうが 実際経営するとなると 避けて通れない現実に直面するわけです 一日数百枚のところの話より一日20-30枚で必死にやってる薬局も多いです
    平均値では見えてこない薬局の現実があります
    簡単に指導加算に値する指導をしてるのかとか
    批判するのも自由ですがやがて勤務も飯が食えなくなる時代が来るのが怖いです
    まして 6年生の薬剤師が出てくる時 彼らに
    十分な待遇ができるのでしょうか
    不当な利益は要りませんが正当な評価を国に
    要求してもらいたいと 暇な薬局の親父のぼやきです すみません

  6. くま☆ より:

    >G320様
    「医療に経済はタブー」という風潮がありますが、私は決してそうは思いません。今後は医療経済ということを或る程度考慮していく必要があると思います。
    それは決してお金を持っている人がいい医療を受けられることでも、病医院・薬局が大きく儲けることでもありません。
    G320様も仰るように、行ったことに対する「正当な評価」を得られるような仕組みを作っていかなければなりません。
    とかく目に見えない技術料などは、なかなか評価の対象になり難いですが何とかクリアしていかないといけない問題です。

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