薬局はなにをやっているのか

スポンサーリンク

後発医薬品の処方進まず/県内(2006/5/28 東奥日報)
数日前ですが、青森県の地方紙の記事です。読んでいると怒りを通り越して呆れてしまいます。突っ込みどころが多すぎます。
青森の薬局は、ともちろん一括りにしてはいけないのですが、こんな薬局ばかりなのでしょうか。最たるものが記事中のこんな記述。
「ジェネリックを求めて、数カ所の薬局を巡っている人がたまにいます。先日、うちで三軒目だという人がいました。そういう人は本当に気の毒です」
まるで他人事です。更に品質がどうの、流通がどうの、出てくるのは全て言い訳。外部要因が悪いために後発品は使えないと恥ずかしげもなく公言しています。


しかしこれは薬剤師の職能を否定する以外のなにものでもありません。色々と不平・不満を言う前に、現状でできる限りのことをしているのかどうか、もう一度問うてみていただきたいと思います。
今回の記事は青森のものでしたが、たまたま記事として世に出てきただけであって、決して青森に限ったことではありません。
もっと突き詰めて言うならば、自分自身の行動がこういう方向に、一時でも行かないだろうか、本当に患者さんの立場でモノを見ることができるだろうか。常に考えていかねばならないということです。

Anout us

このブログを書いている人
くま☆

薬局で働く薬剤師
「薬局のオモテとウラ」(2006~)
日経DI:熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」連載中(2009~)
詳しくはこちら

くま☆をフォローする

コメント

  1. さつき より:

    まずは管理人様におかれましては、あらかじめとてつもない長文になってしまうことをお許しいただきたく存じます。
    後発品の情報収集をせずに記事のような態度を取るのであれば、まさしく職能否定ですし、自分達の存在意義そのものを否定する行動ですよね。
    後発医薬品はどんどん医療現場に浸透はされるべきだという点では異論がありませんが、日本の現在の承認制度の下では浸透させてはいけないと考えている自分としましては、後発医薬品に対しての、経済面だけの偏った、「きれいな面だけの」コマーシャルが先行している昨今、患者さんに「必ずしも良い面ばかりではない」ということを、理路整然と科学的に説明できる能力を示すことも、薬剤師として重要な役割ではないかと思います。
    そもそもの立場論を考えて見ると、医療従事者として、医師は疾患・病態を扱うスペシャリストであるわけなので、人体に対する総合的立場からものを考えますよね。
    じゃぁ、薬剤師とはなんぞや?ということになるわけです。
    もし、医師が薬物の人体に与える影響に関して常に最先端の情報を含めて知り尽くしているいるのであれば、正直薬剤師なんてお役ご免ですね。
    でも、今後も含めて絶対にそうはならないわけです。
    医薬分業ってのは、結局、「医療情報取り扱いの分担」に他ならないわけで、しっかりした分業が成立すれば、医師は薬物については概要を知っていればよくて、詳しいところは薬剤師におまかせ、みたいなことになるでしょう。
    逆にいえば、薬剤師は病態や、治療について、概要を知っていればよくて、一番大事なのは結局薬物に対しての知識なのだろうと。薬物を扱うスペシャリストである薬剤師は、科学者としての立場で医療にあたるべきだろうと。なぜなら、そもそも医師はそのような教育を受けていませんから。
    まぁ、余力があれば病態や治療に関しても最先端を追えればベストなんでしょうけどね。だったら、いっそのこと医師になったほうがよいですよね、そんな完璧な方は。その方が医療制度全体のためです。
    「科学者」としての観点から、先日の「後発品中の微量な侠雑物」が実際に人体に影響を与えたと考えられる事象の報告が
    産科と婦人科 Vol.71 No.6
    「ウテメリン(R)後の後発品で頻発した液漏れ,血管痛などの有害事象についての検討………………………………………三室卓久・他」
    に掲載されておりますので、よろしければご覧になってみてください。対象薬剤はウテメリン注および、その各社後発品。有害事象は血管痛と液漏、更に、十分な薬効を示さなかったものもあったということです。
    たとえ侠雑物が主成分の1000分の1の量だとしても、作用が1000倍強ければ作用比は1対1であり、薬学的に妥当な考えかたかと存じます。その好例かと。
    また、このような症例を多数集めてセミナー等を行っている団体として
    「日本ジェネリック研究会」
    というものもありますので興味が御座いましたらどうぞご参加なさってみてはいかがでしょうか。団体HPもあります。
    さて、先日後発品の承認過程が議論されたかと思いますが、反論させて頂きますと、医薬品の「成分」が安全であるということと、その安全な成分を含む個々の医薬品が安全であるということは、全く別の話です。
    後発品の承認過程はそもそもが「先発品と後発品は成分が一緒なら同一であるはずだ」というスタートラインに立って、「個々の薬剤の安全面」に対してノータッチでいるところが非科学的なのです。
    BSE問題における全頭検査の必要性って、そういうことではないですか?統計を以って安全を言う事に意味が無い場合があるわけです。
    添加物のお話に対しましては、例えばDDS製剤の基剤は添加物扱いなのですが、その事実はDDS製剤そのものを否定しているのではないかと自分には思えてしまうのですがいかがでしょうか。
    ちなみに、徐放製剤の徐放ユニットも添加物ですね。
    また、添加物の基準が薬剤の1%未満ということについても、薬物によっては主成分がug(マイクログラム)やng単位のものがありますので、仮に錠剤1粒の重さが0.1g、主成分が50ugの薬剤があるとしますと、その錠剤の1%の重さは1mgとなり、主成分の20倍量です。到底無視出来るものではありません。
    科学とは疑うことから始まると考えておりますので、私は懐疑論者です。
    ですから、現状では後発品に変更調剤することが、患者様のためになるとは絶対に考えられません。まぁ、そのあたりで、職場の薬局長とは考えかたが違うのですが。
    基本的には現状では変更しない方が良いという説得を患者様にはしております。ただし、法制度が整備されて、安心して後発品を扱える日が近い将来必ず来ると信じておりますので、その時には真っ先におすすめしますよ!とも(笑)
    医療費抑制に関してのご議論に関しまして、自分の考えと致しましては、「医師が無駄な薬を出さない」意識を持つことが最優先事項で、最大の効果を持つことなんじゃないかと思います。
    適応承認のスピードを迅速化することを前提として、厳格な適応判断と、適応外処方の根絶も有効なのではないでしょうか。後発品の導入は、それらが達成されてからでも全く遅くないのではないかと思います。
    老人の医療費問題なんて、まさしくそこだろうと。日々投薬していて悲しくなってきませんか?いつの日か、「この薬は必要ないのではないですか?」と医師に直接言える日がくることを信じて頑張っています。
    今は、患者さんをそういう考え方に誘導することしか出来ていませんけど。
    ただし、当然治療妨害になるようなことはしておりません(笑)。

  2. さつき より:

    ついでですが、先日ネオーラルカプセルを含む処方箋で「後発医薬品変更可」の署名が入っているものをお持ちになった患者様がいらっしゃいました。
    本当に変更するのか念押しして確認したのですが、本人はどうしても替えてもらいたいと。
    ちなみに、その患者様は、ネオーラル60mg服用中で、それを後発品(ネオメルク)に替えると、28日分、3割負担で2000円ほど負担金が安くなります。
    価格差の多い少ないの判断は患者さんの感覚の問題で、こちらが口を挟む問題ではありません。
    こちら側の興味は、専ら先発品と後発品の効果に差があるかどうかに注がれるわけです。
    そこで、それぞれの薬剤のインタビューフォームをメーカーからFAXで取りよせ確認したところ、ネオメルクはAUC、Cmax共にネオーラルに対して70~80%程度しか示さないことがわかり、これは、健常人男性を対象として実施された海外の論文によって示唆される事実にも矛盾しません。
    低用量とは言え、TDMが行われているはずのシクロスポリンとして、この両者間の差はかなり大問題かと思うのですが、それでも承認は通ってしまうというのが現在の法制度なのです。
    それはともかく、異例ではあるのですが、大学病院勤務の処方医に上記処方箋の確認の電話をしました。
    その際、それらのデータについても伝え、判断を仰いだのですが、処方医としても「先発品と後発品が違う可能性は十分認識していたが、さすがにそこまでとは思っていなかった」とのことで、次回診察時に改めて本人に説明をしてみるということになりました。
    まぁ、どうしてもということになれば、替えざるを得ないと言ってましたが。
    とはいえ、血中濃度を上げるために服用量を増やすようなことになれば、薬剤費的にも全く意味がないよね、という話になるわけですが。
    ちなみに、当該処方箋に関していいますと、患者様の手持ちの残薬が尽きる前に、在庫をご用意することが不可能でしたので、説明の上、今回は先発品であるネオーラルをお渡し致しました。
    なんていうのは、ちょっと薬剤師っぽい話ではあるのですが、世知辛い話もあるわけですよ。
    現在当薬局では月6500枚程度のレセプト件数なのですが、その方しかネオーラル10mgを服用していないため、その方が後発品に変わるとなると、現在当薬局にあるその方のためだけに用意している100数十カプセルのネオーラル10mgが速やかに不動在庫化するわけですよ。
    ホント、国に買い取ってもらいたいくらいなんです(涙)
    あ、だめだ、愚痴が出てとまらない・・・
    管理人様、みなさま、本当に長々と失礼しました。決して荒らす気はございませんので、今後とも情報交換のお仲間に加えていただきたく存じます。何卒、宜しくお願い致します。m(__)m

  3. はなくり より:

    始めまして、ときどき読ませていただいてます。薬剤師歴30ン年バアサンですから、患者主体に考えてキッパリ行動しています。ジェネリック指定処方せんも場合によっては医師に交渉します。直ぐに手に入る製品への変更も頼みます。ジェネリックの品質情報が少なくて、困ることもありますけど、患者さんの自立的な関わりを目指して、説明しています。自分の命に対してどう考えるのかが見えないのに、こちらの価値観ばかりを押しつけるのも、いかがなものかと疑問だからです。しかし、「安物なんか選んだら何が起きても診てやらない」とか「安売りスーパー品では健康にならない」とか医療者とは思われない言動に患者さんが悩まされているのも現実なのです。健康保険制度そのものの存続が危ういのに、患者さん個々を観察し指導する力をためらう意見が 寂しいですね。

  4. くま☆ より:

    >さつき様
    私のところでよろしければ、どしどし書き込みください。書き込みいただいたものを読むことで、私自身も考え、成長できることを大変うれしく思います。
    コメントを途中まで書いたのですが、長くなりそうですので今日の記事としてアップする予定です。よろしければご覧ください。
    >はなくり様
    はじめまして、当ブログをご覧いただき、またコメントいただきありがとうございます。
    「患者さんの自立的な関わりを目指して」というくだり、薬剤師としての長年の経験、また豊富な人生経験を感じさせますね。
    「患者さん個々を観察し指導する力」、私たちが強く意識し、向上させていかなければならないことだと思います。

  5. 奈良の薬剤師 より:

    はじめまして。
    奈良の薬局で管理薬剤師をしています。
    たまたま拝見したHPでしたが、ちょっと気になりまして、参加させていただきます。
    >さつき様
    後発品のAUC、Cmaxの件で、ちょっと気になりました。
    違う患者(データ元の会社が別)のパラメータを見比べても意味がないと思うのですが、いかがですか?
    個体差とか、無視して比べられないのではないでしょうか?
    同一患者を用いたダブルブラインドでも70~80%の差が出ていれば承認されるはずないように思います。同一患者では同等ではないのでしょうか?
    他の薬剤師の方々、いかが思われますか?

  6. さつき より:

    >奈良の薬剤師 様
    >「個体差とか、無視して比べられないのではないでしょうか?」
    単純に個々のデータを比べるという論点から言えば、おっしゃる通りです。
    しかし、元来医薬品というものは不特定多数の人間に対して使用されるものですよね?
    そもそも、ネオメルクはサンディミュンの後発品で、ネオーラルはサンディミュンの「バイオアベイラビリティを向上させた改良版」ですから、実際問題としてネオメルクはネオーラルの後発品ではなく、生物学的同等性のデータが違うのは当たり前です。
    しかし、現行の制度の下では、ネオーラルの後発品としてネオメルクが使えてしまうわけで、今回のケースではむしろそっちの方が問題なのです。
    >「同一患者を用いたダブルブラインドでも70~80%の差が出ていれば承認されるはずないように思います」
    これに関しましては、現場で後発品を扱わなければならない立場からすれば、私だって奈良の薬剤師様と同じ考えです。
    そうあるべきだと思いますし、当然そうなっていると信じたいです。
    では、
    医薬審第487号(平成9年12月22日)「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」、
    http://www.nihs.go.jp/drug/be-guide/beguide1.html
    の第3章第2項【評価法】1)生物学的同等の許容域
    をご覧下さい。これが、日本における後発医薬品の承認の現状になるわけですが、いかがでしょうか?
    「同等」という定義そのものに疑問を感じていただければ幸いです。
    私は、現場の個々の薬剤師には、薬事に関する国民の最後の防壁として、法令・制度の判断をも含めて「科学的な目」が要求されているのではないかと思っております。

  7. くま☆ より:

    >奈良の薬剤師様
    >さつき様
    データ元の会社が別のパラメータの比較はあまり意味のないものだと私も考えます。これについては最近経験した事例もありますので、機会があればまたアップしたいと思います。
    > 同一患者を用いたダブルブラインド
    とありますが、現状ですとクロスオーバー法が主流のようですね。nも少なくて済むようですし。(揚げ足取りではありませんのでお気を悪くなさらぬよう)
    さつき様が仰る「制度的な面での問題」ですが、個人的にはこちらの方が厄介なことだと感じています。
    薬価コードだけで変更の可否が判断されるのでは、機械がやっても変わりませんし。個々のケースに応じて判断することはやはり必要になってきますね。

  8. フィーフィー より:

    >さつき様へ
    開局の薬剤師でございますが、一部気がつきましたので、書き込ませていただきました。
    > ネオメルクはサンディミュンの後発品で・・・ネオメルクはネオーラルの後発品ではなく・・・
    とありますが、メルク製薬に確認しましたところ、ネオーラルの後発薬でございます。
    > それぞれの薬剤のインタビューフォームをメーカーからFAXで取りよせ確認・・・
    とありますが、奈良の薬剤師様が言わんとしている通り、n= の人間が違い、ダブルブラインドではないので、値を比較しても意味ないと思います。また、ネオメルクのインタビューフォームをWebで見ましたところ、標準製剤とのダブルブラインドのグラフが出ておりましたので、これまた念のためメルク製薬に確認しましたところ、標準製剤はネオーラルでした。
    70~80%の差という判断はおかしくありませんか?同等と見て良いと思います。by 勉強中フィーフィーでした。

  9. くま☆ より:

    >フィーフィー様
    横からすみません。コメントありがとうございます。
    私も疑問に思うのは、メーカーによってかなり値が違うということです。
    Zと言う先発医薬品があったとして、先発A社(発売元)のIFにあるZのデータと、後発B社が標準品として使用したZのデータは大きく差があるケースがありますよね。
    これをどう捉えるか、です。ネオーラル、サンディミュンが難しい薬剤であることは確かですが…。

  10. フィーフィー より:

    くま様
    先発A社のデータと、後発B社が標準品として使用した先発A社のデータの値が大きく差があるケースがありますが、それは先発A社のデータは10数年前の許可申請時のデータで、その10数年後に改めて後発B社が標準品と比較するために集めたヒトの顔ぶれは、当然ですが10年数年前とは別人の集まりだから、先発A社のデータにも違いが出たりするのだと思います。このようにグループにより値が大きく違うような薬は個体差が大きい薬と見る事もできそうですネ。

  11. くま☆ より:

    >フィーフィー様
    回答ありがとうございます。
    薬剤や製剤の特徴によって見極めが必要ですね。またデータの値が低いものが即悪いものになるわけではないので、その辺の判断も重要になってきますね。

  12. さつき より:

    >フィーフィー様
    >メルク製薬に確認しましたところ、ネオーラルの後発薬でございます。
    メルクの方はそう言ってましたか。
    ノバルティスの学術担当の方は、海外論文まで示した上ではっきりと
    「私どもは後発品メーカーの製品はサンディミュンの後発品であってネオーラルの後発品ではないと認識しております」
    旨の見解を述べてました。
    データに関して言うと、ご批判はごもっともですが、国内に存在するデータでは、それぞれのインタビューフォームの中にしか比較できるデータがないので仕方ないですね。
    できれば、生データを見せていただきたいところですがね、私としましても。
    ネオメルクのインタビューフォームに関して言うなら、少なくとも、自分が学会発表するとしたら、あんなに大きなエラーバーのグラフでは何を突っ込まれるかわからないので、とりあえずグラフを出さないか、とにかくn値を増やしてエラーバーを減らす努力をしますね。
    ただ、誤解のないように申し上げておきますが、少なくとも厚労省の評価法に定められる「同等」は担保されているとは思います。
    ただ、先に挙げた海外論文は、海外メーカー数社の各シクロスポリン製剤の体内動態を比較検討したものなのですが、その論文中の各製剤のデータを以って、著者は「有意差あり」と結論付けているようです。
    まぁそれはともかく、結局私は、シクロスポリンという薬物の性質から、「承認制度上同等」でも、その承認の評価における《80%~125%》という範囲は、一定期間医師の管理下を離れてしまう外来診療という状況に対しては、広すぎて問題があると考え、主治医に相談したまでです。
    まぁ、誘導がなかったかと言われれば否定することはできませんが、あくまで最終判断は主治医が行ったわけですからね。
    医師も「血中濃度に差が出るという話は聞いていた」と言ってましたし、割と周知の事実なのでは?
    ちなみに、小耳に挟んだ話では、シクロスポリン製剤に関して言うと、後発品の変更状況は1割以下だそうです。果たして理由は・・・

タイトルとURLをコピーしました