2015年がスタートいたしました。本年も「薬局のオモテとウラ」をよろしくお願いいたします。 薬局新聞連載の「ソーシャルPメンター&ニュース」の新春スペシャル企画からのスタートです。
新年号ということで昨年ご登場いただいた先生方に1年間を振り返っていただきました。お読みいただくとよく分かりますが、同じ「薬剤師」でありながら、とても多彩な内容で薬剤師という職業の幅広さを実感します。また、2014年の重大ニュースも各先生方に挙げていただきました(五十音順・敬称略)。
○ 青島周一
厚生労働省が臨床検査技師等法に基づく告示の一部改正したことで、薬局での自己血糖測定が可能となり、糖尿病の早期発見・治療につなげようというプロジェクトも進んでいるようです。
悪いと申し上げるわけではないですが、それがもたらすアウトカムについては是非、様々な立場の薬剤師が議論すべきことと考えます。糖尿病の早期スクリーニング効果は不明で(PMID:23040422)、自己血糖測定しても血糖コントロールの改善は見られず、鬱病スコアが悪化することも報告されています(PMID:18420662)。
僕自身、物事を多面的に考察すべきとは常々、意識していることですが、本テーマは非常に貴重な材料となるだろうと感じています。
○ 井上義之
第99回薬剤師国家試験の合格率が60・84%となったことには衝撃を受けました。新設校ラッシュで入学定員が大幅に増加し、学力の低下が懸念されていましたが、ついに・・・という感じです。大学が合格率を上げるために大量の卒業延期者を出したり、国試合格がゴールとなってしまい就職活動をほとんどしない学生が多くなったりと、薬剤師、薬学生のキャリア支援をしている身としては非常に気になる問題にも直結しています。
とても厳しい数字ですが、大学も薬学生も、そしてすでに薬剤師として働いている方々にも、何のための薬剤師資格なのか、その資格を持って、社会に、患者さんにどのように貢献していくのか?を考える良い機会になれば・・・と思います。
○ 遠藤敦
14年を振り返ると羽生選手の金メダルをはじめ、ソチオリンピックでの活躍から元気と勇気をもらった日本人が良くも悪くもいろいろ頑張った感が溢れます。オリンピックや日米野球など良い方向に走ったものは素晴らしかったですが、多方面での偽装や暴走も強く印象に残っています。
今まではメディアが情報の提供元でしたが、個人が発信力を持ち出した昨今は良い情報も悪い情報も暴走しがちです。20年後には今の仕事のほとんどは機械に変わるという指摘もされていますが、薬剤師に求められる仕事が計数調剤から、曖昧な情報が混ざった健康知識などに対して専門的知識をもってわかりやすく伝えていくというコミュニケーターとして、さらなる進化が期待されているかなと思います。
○ 加藤淳
山形が大好きな私としては第47回日本薬剤師会学術大会が「オール薬剤師の新たなあゆみ〜出羽の国山形からの発信〜」をテーマに山形市で開催されたことですね。アクセスも悪く、西日本に台風が接近する中、6000名の方々に参加していただき感謝の気持ちでいっぱいです。また、山形医療連携吸入指導勉強会に関わらせていただいている関係で製薬会社の講演会講師をする機会も増えました。利益相反(COI)申告も14年のキーワードかもしれませんね。
サッカーのモンテディオ山形が6位からJ1昇格を決めました。スラムダンクの安西先生の言葉「希望を捨てちゃいかん。あきらめたら、そこで試合終了だよ」を胸に、様々なことにチャレンジしていきたいと思います。
○ 工藤知也
14年を振り返りまして思い出すのは、やはり4月に行われた調剤報酬の改定でしょうか。なかでも後発医薬品調剤体制加算の変更に伴い、できる限り先発と後発の両方を在庫するために、採用品目を大幅に見直したことが思い出されます。これは結果的には、患者さんの要望に細かく対応できるようになり、とても好評でした。このような変更は、事務スタッフへの負担が大きいものでしたが、うまく乗り越えてくれてとても助かりました。
また、遅ればせながらですが、在宅への取り組みもスタートした1年でした。来年は、他施設からの患者さんにも迅速に対応出来るように、採用品目の増加と在庫管理の徹底をスタッフと力を合わせて進めていきたいと考えています。
○ 小林晃洋
14年、私自身が経営をがっつりと勉強し始めるなど、人生のターニングポイントに当たる年でしたので振り返ると感慨深いですね。いろいろとありましたが、すべての根本的な原因となっているのが、薬剤師として圧倒的な価値を与えられているかがポイントになると考えられます。
「価値の話は一切なしで、お薬手帳断れば20円お得キャンペーン」といったメディア報道にはビックリしました。このことは真摯に受け止めなければならないと思います。薬剤師が世間から必要不可欠であると認めてもらい、医療の担い手となるよう提供できる価値について今一度、考える必要性がありそうですね。今後も経営をベースにして、医療者の方の知識や考え方にきっかけを与えられるよう行動して参りたいと思います。
○ 山口洋介
調剤報酬改定など他の主要な話題に比べると注目度は低かったものの、厚生労働省がメールなどによる処方せんの転送を認めたことは薬局にとって重要な意味を持つと思います。平成元年にFAXでの転送が認められて以来、ほぼ四半世紀にわたって続いていた処方せんの「流通」が大きく変わる可能性を秘めています。
スマホの普及と高齢化、電子お薬手帳のリリースも相次いでいることから、患者さんとICTの関係は想像以上に密接になっています。これからは患者さんの生活圏内にある薬局に処方せんが「流通」していくことになるでしょう。将来、門前薬局の立地の優位性が消えた時「いま思えばあの年が転換点だったんだな」と振り返られる年だったのではないでしょうか。
2014年は私(熊谷)にとっても、2度目の薬局開局ということで、大きな転機の年となりました。薬局に求められる役割はますます重くなり、様々な場面において薬剤師が必要とされています。調剤報酬も厳しく、時に薬剤師バッシング等の逆風がある中ではありますが、目の前のことはもちろん、10年、20年先を見た取り組みも必要になってくるのではないかと実感しています。
▽ 「薬剤経済」わかりません! !



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